無職無双 ~現実世界で無職になって絶望。異世界転生しても無職のままで絶望。だが、無職こそ最強の世界だった無職転生物語~

ユニ

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第二章 アースガルズの層

第三十四話 アースガルズの層フロアボスを攻略しよう ~最大出力で攻撃した件~

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 「まるで予知して防御してるようだ。とにかく高速で動いて防御をかいくぐるか、盾を貫くほどの威力で攻めるか、どちらかのようだな」

 カールに同意を求めるように言った。

「ああ……、だが、防御の速度が速すぎる。それに硬度も相当だよ」

 やはり、カールも同じ考えのようだ。
 しかし、スピードで攻めるか、威力で攻めるか、どちらにするか? の決定打にかける。

「ヒッヒッヒ。苦戦されていますね。やっと我が軍の出番ですね」

 大野が不敵な笑みを浮かべた。

「佐藤中将、フクミズ少佐、出番ですよ。ヒッヒッヒ」

 大野がそう言うと佐藤中将、フクミズ少佐が大きな機関銃のような兵器を抱えて前に出てきた。
 機関銃のような兵器からはケーブルが後方に伸び大きな機械に繋がっている。

「ヒッヒッヒ。こちらはレーザーガンです。
 TNT1kgの威力1KGほどですが、その範囲は非常に狭く貫通力はなかなかのものですよ。
 それに量子の二重スリット実験の応用により標的の直径30センチ以内の軌道予測は不可能です。
 つまり、アダマスの防御スピードがいくら早くとも追いつけないです」

 大野は自信げに説明していたが、いまいち言ってる事が難しくて理解できない。
 まあ、要するにアダマスの防御スピードを持っても追いつけない速度でレーザーで攻撃するってことのようだ。

「攻撃準備!」

 佐藤中将はそう言うとレーザーガンを構えた。
 フクミズ少佐も続いて構えた。

「発射!」

 佐藤中将、フクミズ少佐のレーザーガンが一瞬光ったと思ったら
 アダマスを守る盾から衝撃音がした。

「ヒッヒッヒ。あの盾は光速以上のスピードで動いていますね。
 つまり一瞬先の未来を予知していると言ってもいい。
 ブラック・ショールズの機構が組み込まれているんでしょうか?
 すばらしいですね」

 自衛軍の兵器も通じなかった。

「くそっ! なんなんだアイツは!」

 フクミズ少佐はくやしそうに言った。

 どうやらアダマスをスピードで上回り攻撃するのは不可能なようだ。
 そうなると一点突破しかない。

 だが、先程のレーヴァテインの攻撃でびくともしなかった。
 もっと攻撃範囲を絞って一点集中。
 全出力をこめる。
 カールぐらいRPのコントロールの精度が出せれば……。

「アルス。アイツを倒すには一点集中の最大出力での攻撃しかない」

 カールは俺の考えを読んだかのように同じ答えを出したようだ。
 するとカールは俺の後ろからレーヴァテインを握る手を包み込むように手を重ねた。

「ちょっと、カール! こんな時になんだよ。俺にそんな趣味ないぞ」
「バカやろう! 俺もその毛はないよ。俺がRPのコントロールを担当する。
 アルスは出力のみに集中してくれ。
 オレはとにかくアルスの出力するRPを限界まで小さい範囲へと絞る」

 カールがRPのコントロールを担当してくれるのであれば心強い。
 俺はとにかく出力することだけに集中すればいい。

「いくぞ! カール!」
「ああ! こい!」

 二人でレーヴァテインを握りしめ覚悟を決めた。

「全力だあああああああ!」

 限界ギリギリ。
 残ったRP1200万を全てレーヴァテインに注いだ。
 レーヴァテインの先端がアダマスに向けて伸びる。
 
「行っけえええええええ!」

 カールが叫ぶと手元が青く光りレーヴァテインの先端が細く針のように変化した。
 アダマスの盾と衝突する。
 強烈な閃光と衝撃音があたりを包んだ。

 次の瞬間、盾にヒビが入った。
 一気に貫いてアダマス本体へと達した。
 ダイヤモンドのようなアダマスの形状の中心部分にレーヴァテインの針のような先端がつきささる。
 最後の力を振り絞った。

「うおおおおおおおおおおお!」

 アダマスのダイヤモンドのような体に一筋のヒビが入った。
 金属がぶつかるような小さな音がしたと思った次の瞬間。
 ガラスの砕けるような高音があたりに強烈に鳴り響いた。

 アダマスは粉々に砕け散った。

「アルス! やったぞ!」

 カールの喜ぶ声が聞こえた。
 全RPを注ぎ込んだためか意識が遠のいていく……。


---


 目を覚ますとテントの中で自衛軍キャンプが張られていた。
 テントから出るとカール、佐藤中将、大野はじめみんなで食事をしていた。
 テーブルにはいつもより豪華な料理が並べられている。
 焼いた肉にうまそうなソースがかかったもの。
 ナポリタン、カレーにハンバーグ等、こちらの世界に来て久しぶりに見る現実世界の料理もあった。

「よー! アルス! 起きたか。メシ食おうぜ」

 カールが元気よく話かけてきた。
 俺はカールの隣につくとさっそくナポリタンを食べた。
 懐かしい味に涙が出そうになる。
 俺は2時間ほど寝ていたらしい。
 RPは寝てる間にいくぶん回復している。

「ヒッヒッヒ。アルスさん。最後の一撃素晴らしかったですよ」

 大野はハンバーグをほおばりながら言った。

「最後の攻撃の威力は極小半径に5.2T。
 アースクエイクボム並の威力でしたよ。
 我が自衛軍が所有する最大火力兵器の4倍以上の威力です」

 アースクエイクボムという名前。
 米軍の兵器だったか。
 核以外の爆弾では最大威力だったはずだ。

「ヒュウッ! アルスすごいな。なんかすげー強い兵器並の威力だなんてな」

 カールは楽しげだ。
 兵器とか好きで、ほんとガキみたいだ。

「しっかし、アルス君さすがだったよ。君が居なけりゃ絶対に攻略出来なかったよ」

 佐藤中将はそう言うと俺の背中をポンと叩いた。
 フクミズ少佐に他の隊員も楽しそうに歓談している。
 俺達は勝ったんだ。
 アースガルズの層100層フロアボスに。
 次は第三層 ヨトゥンヘイムの層。
 ディシデリーズの塔。
 残り7層。

 攻略済 第一層 ミズガルズの層
 攻略済 第二層 アースガルズの層
 第三層 ヨトゥンヘイムの層
 第四層 スヴェルトアールヴヘイムの層
 第五層 アールヴヘイムの層
 第六層 ヴァナヘイムの層
 第七層 ムスッペルスヘイムの層
 第八層 ニヴルヘイムの層
 第九層 ヘルヘイムの層

 あの階段を登れば「第三層 ヨトゥンヘイムの層」の世界が広がっている。
 どんな世界が広がっているんだろう?
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