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2話
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優成は、7人組アイドルグループ・ORCAの最年少メンバーだ。
弱小事務所で仕事も金もないゆえに共同生活を強いられていた昔とは違って、今では各々やっていけるくらいには仕事があるが、メンバーたちの意向で共同生活が続いている。寮生活はファンが喜ぶからやっているのではなく、ちゃんと仲の良いグループだった。
特に優成は1番年下として年上メンバー全員に可愛がられてきたこともあり、今まで苦悩で眠れない夜を過ごしたことはなかった。
(それも昨日までは……だけど)
昨晩高嶺と解散してから全然眠れないまま朝を迎えた優成は、キッチンでコーヒーを淹れていた。
真面目な優成は、明樹のことが恋愛的な意味で好きなのか、そもそもいつからメンバーたちに気を使われていたのか、夜通しベッドで考えてみたが答えは出ていない。
「好きって……いやいや、そんな」
みんなに誤解されてるだけだ、と首を振っていると背後に何者かの気配がした。
「……優成」
「うわ!じ、仁さん。殺し屋かと思った……」
ファンから『天使の生まれ変わり!』とか言われているはずの宇塚仁は、目付きだけで人を殺しそうな顔で優成の真後ろに立っていた。
仁は明樹の幼馴染で親友だ。一緒に事務所のオーディションを受けて、同じグループでデビューまでした、筋金入りの仲だった。
「おい、高嶺さんから聞いたぞ。お前、明樹のこと好きかどうか自覚してないんだってなァ?」
ヤクザもびっくりの凄みを見せられて、優成は思わず持っていたポットを置いて直立した。
「っ、情報回るの早くないですか」
「なんで自覚ないんだよ?あり得ねーだろ。俺たちはお前の胸焼けしそうな明樹好き好き♡アピールを、頑張ってスルーしてやってたんだぞ」
優成の言葉を無視して眉を寄せる仁は、普通に怖い。
「あの、マジで待ってくださいよ。その『明樹さんへの好意駄々漏れ』って、俺わかってないんですけど」
「ッカァー!無垢な顔してたら何でも許されると思うなよ、鈍感が」
天使は死んだのかと思うほど圧のある顔で、仁がスマホを取り出す。
「いかにお前が明樹の前だとデレデレになってるかまとめた動画がある。俺が昨日夜なべして作った傑作だ」
なんでそんな動画を作ったのか、と優成が聞く前に目の前で再生が始まった。
それはインタビューの映像だったり、密着ドキュメンタリーの映像だったり、メンバーしか知らないプライベートな動画だったりしたが、共通しているのは優成が明樹にべったりくっついているか明樹を凝視しているということだった。ファンへのファンサ以上にニッコニコの笑顔が随所に出現していて、優成は自分で見ていて恥ずかしくなって目元を押さえた。自分では結構クールな男前キャラでアイドルをやっているつもりだったからだ。
「なっ、なん、これは……俺……?」
「どう見ても優成よ。言っとくけど、撮影されてる状況でこれだからな。普段の寮なんてもっと露骨だよ。見せつけられる俺たちの苦労がわかったか?」
寮で明樹と絡んでいるとき、メンバーたちがどんな顔をしていたか思い返しそうになり、怖くてやめた。
「……俺って、本当に明樹さんのこと好きなんですか……?」
優成はもう1度画面を見つめ直して、昨晩高嶺にも聞いたことを仁にも聞いていた。そのなんだか不安そうな声に、仁の眉間のシワが和らぐ。
「まぁ、俺たちが決めつけることじゃないのはわかってんだけどさ。でもここまでやってて無自覚なら、1回冷静に自分の気持ちと向き合ってほしい。それでマジで恋じゃないなら、とても深い仲間愛ってことで片付けられるし」
そう言って動画を閉じた仁は、心の整理がついてないと顔に書いてある末っ子の背中をトンッと叩いた。
弱小事務所で仕事も金もないゆえに共同生活を強いられていた昔とは違って、今では各々やっていけるくらいには仕事があるが、メンバーたちの意向で共同生活が続いている。寮生活はファンが喜ぶからやっているのではなく、ちゃんと仲の良いグループだった。
特に優成は1番年下として年上メンバー全員に可愛がられてきたこともあり、今まで苦悩で眠れない夜を過ごしたことはなかった。
(それも昨日までは……だけど)
昨晩高嶺と解散してから全然眠れないまま朝を迎えた優成は、キッチンでコーヒーを淹れていた。
真面目な優成は、明樹のことが恋愛的な意味で好きなのか、そもそもいつからメンバーたちに気を使われていたのか、夜通しベッドで考えてみたが答えは出ていない。
「好きって……いやいや、そんな」
みんなに誤解されてるだけだ、と首を振っていると背後に何者かの気配がした。
「……優成」
「うわ!じ、仁さん。殺し屋かと思った……」
ファンから『天使の生まれ変わり!』とか言われているはずの宇塚仁は、目付きだけで人を殺しそうな顔で優成の真後ろに立っていた。
仁は明樹の幼馴染で親友だ。一緒に事務所のオーディションを受けて、同じグループでデビューまでした、筋金入りの仲だった。
「おい、高嶺さんから聞いたぞ。お前、明樹のこと好きかどうか自覚してないんだってなァ?」
ヤクザもびっくりの凄みを見せられて、優成は思わず持っていたポットを置いて直立した。
「っ、情報回るの早くないですか」
「なんで自覚ないんだよ?あり得ねーだろ。俺たちはお前の胸焼けしそうな明樹好き好き♡アピールを、頑張ってスルーしてやってたんだぞ」
優成の言葉を無視して眉を寄せる仁は、普通に怖い。
「あの、マジで待ってくださいよ。その『明樹さんへの好意駄々漏れ』って、俺わかってないんですけど」
「ッカァー!無垢な顔してたら何でも許されると思うなよ、鈍感が」
天使は死んだのかと思うほど圧のある顔で、仁がスマホを取り出す。
「いかにお前が明樹の前だとデレデレになってるかまとめた動画がある。俺が昨日夜なべして作った傑作だ」
なんでそんな動画を作ったのか、と優成が聞く前に目の前で再生が始まった。
それはインタビューの映像だったり、密着ドキュメンタリーの映像だったり、メンバーしか知らないプライベートな動画だったりしたが、共通しているのは優成が明樹にべったりくっついているか明樹を凝視しているということだった。ファンへのファンサ以上にニッコニコの笑顔が随所に出現していて、優成は自分で見ていて恥ずかしくなって目元を押さえた。自分では結構クールな男前キャラでアイドルをやっているつもりだったからだ。
「なっ、なん、これは……俺……?」
「どう見ても優成よ。言っとくけど、撮影されてる状況でこれだからな。普段の寮なんてもっと露骨だよ。見せつけられる俺たちの苦労がわかったか?」
寮で明樹と絡んでいるとき、メンバーたちがどんな顔をしていたか思い返しそうになり、怖くてやめた。
「……俺って、本当に明樹さんのこと好きなんですか……?」
優成はもう1度画面を見つめ直して、昨晩高嶺にも聞いたことを仁にも聞いていた。そのなんだか不安そうな声に、仁の眉間のシワが和らぐ。
「まぁ、俺たちが決めつけることじゃないのはわかってんだけどさ。でもここまでやってて無自覚なら、1回冷静に自分の気持ちと向き合ってほしい。それでマジで恋じゃないなら、とても深い仲間愛ってことで片付けられるし」
そう言って動画を閉じた仁は、心の整理がついてないと顔に書いてある末っ子の背中をトンッと叩いた。
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