貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話

タタミ

文字の大きさ
16 / 17

EP2

しおりを挟む
 そうして俺の試験は無事に終わった。大学から帰って来ていつものように部屋で千明さんの帰りを待っていると、帰宅した千明さんにあれよあれよと車に乗せられ、あっという間に薄ピンクの可愛らしい部屋に着き真っ暗なテレビ画面を眺めているのだった。
 シェアハウスを出るときに、「ちょっとドライブしてくる」という嘘でも本当でもないことを告げる千明さんの向こう側で、「え、巡くんと?」と驚いていた七海さんの顔が脳裏に浮かぶ。そりゃ男ふたりで20時過ぎにドライブってわけわからないよな、なんて緊張する頭で考えていると、背後のドアが開く音がした。無論それは風呂場のドアで、人が出てくる気配と共に石鹸の良い香りが鼻を掠めた。

「ずっとそこ座ってたの?」

 タオルで乾かしただけの髪を手櫛で整えながら、良い香りをまとった千明さんが隣に座ってくる。

「ま、まあ。特別することも、ないっていうか……」

 千明さんを見やると、上は羽織っただけのシャツ、下はボクサーパンツ姿で、俺はあからさまに下半身を凝視してから慌てて顔をそらした。

「なに、緊張してる?」
「し、してますよ!俺ラブホも初めてだし……!」

 顔をそらしたまま言わなくてもいい情報を言い返すと、隣で千明さんが笑うのがわかる。

「俺の部屋にいるときみたいに、リラックスしていいんだよ。ほら、こっち向いて」

 優しく、でも強引に顎を引かれ、否応なしに千明さんと目があった。そのまま、唇にキスが落とされる。じわりと暖かい唇に緊張はほぐれても、心臓は痛いほどの反応を示しうるさいほどだった。

「……千明さん、俺途中でギブアップしたらすみません……マジで緊張してて」
「そんなこと、巡が気にすることじゃないって」

 大人の余裕をたたえた笑みを浮かべた千明さんは、2度目のキスをした。今度はすぐには終わらず、味わうように角度を変えて何度も唇が重なる。舌の侵入を許すと遠慮なく口内を刺激され、俺は鼻にかかったような吐息を漏らしながら身をよじった。千明さんと触れ合う舌先がじんじんと熱くなり、全身に熱が広がっていく。下半身が緩く立ち上がったところで、千明さんの手がズボンに差し込まれた。

「固くなってる」
「い、言わないでください……!」

 下着の上から揉まれたことでしっかりと芯を持ち始める下半身に羞恥を感じつつも、布越しの弱い刺激がもどかしくて俺は両足を擦り合わせる。

「可愛い、巡」

 ほほ笑みながら俺の腰に手をかけた千明さんは、そのままズボンと下着を一緒にずり下げて、中心を握って扱き始めた。

「は、ぁ……っ…」
「今日濡れるの早いね」
「だって……!どうしようも……んっ」

 先走りが溢れる先端を指先で押され、思わず高い声が出た。千明さんの楽しそうな気配を感じ、俺は恥ずかしくて両手で顔を覆う。ぬめりを取るように先をなぞった指が離れたと思ったら、すぐに尻の割れ目に濡れた指が触れ、俺は再び高い声を出すはめになった。

「はぁ……っ!」

 大きい声が出て俺が唇を噛んで恥ずかしがっている間も、千明さんは穴周辺を指で撫で続け、「ちょっと冷たいかも」という言葉と共に割れ目に透明な液体──いわゆるローションを垂らした。

「大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」
「じゃ、少しだけ指入れてみるね」

 言葉と同時に、グッと秘部を押され圧迫感と共に指が入ってくるのが分かる。

「あっ……!」
「痛い?これ小指なんだけど、キツイかな」

 千明さんの指が中で動くのを感じて、俺は声を漏らす。やはり慣れない異物感はあった。

「はっ……痛くはないッス……ぁ……っ……!」
「そしたら続けるね。痛くなったらすぐ言って」

 千明さんは指を動かしながら、一緒に昂りも扱き出す。直接的な快感を与えられると、中を弄られている違和感が緩和し、俺の脳はただの気持ち良さを感じ始めた。姿勢を保ってられず、ベッドに背中を付ける。

「あっ……あ、は……ぁ……」
「どう、気持ちいい?」
「はい……大丈夫ッス………っ」

 『気持ちいい』と返すのが恥ずかしくて誤魔化して伝えたが、千明さんは「よかった」と安心したように呟いた。

「じゃ指増やしてみよっか」
「えっ?あの、待っ……!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない

タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。 対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

インテリヤクザは子守りができない

タタミ
BL
とある事件で大学を中退した初瀬岳は、極道の道へ進みわずか5年で兼城組の若頭にまで上り詰めていた。 冷酷非道なやり口で出世したものの不必要に凄惨な報復を繰り返した結果、組長から『人間味を学べ』という名目で組のシマで立ちんぼをしていた少年・皆木冬馬の教育を任されてしまう。 なんでも性接待で物事を進めようとするバカな冬馬を煙たがっていたが、小学生の頃に親に捨てられ字もろくに読めないとわかると、徐々に同情という名の情を抱くようになり……──

処理中です...