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EP5
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繰り返されるキスに顔も身体も熱くなっていく。年甲斐もなくドキドキしてしまって、ダン王子が俺のシャツをはだけさせ、自身も脱ぎ始めるのを見てようやく状況を飲み込むに至った。
(いや、マジか。ほんとにこんなこと、何年振りだ……?)
年単位で思い返さないといけない自分の干物ぶりを痛感しながら、バクバクとうるさい心臓を誤魔化すように自分でも服を脱いでいく。その間もダン王子は頬やら首やらにキスをしてきて、心臓はどんどんうるさくなるばかりだった。
(余裕がすごい……そして俺はまったく余裕がない……)
圧倒的な差を感じていると、どこからともなく小瓶が現れる。手中に収まった瓶の液体を躊躇いなく含んだダン王子は、俺の顎を掴むとそのまま口づけた。
「!……っ、ん……」
びっくりしているうちに口の中に液体が入ってきて、俺はそのまま飲んでしまった。甘味を感じてすぐ、身体に変化を感じる。
「な、なんか……っお腹、熱いんですけど……」
「同衾用の魔法薬だ。2時間もすれば効果は終わる。安全な薬だから安心しろ」
ダン王子が目を細めて鎖骨にキスを落とすと、それだけで俺の身体はびくりと反応した。お腹が熱いというか、もう全身が熱い。身体の中心に熱が集まってきて、同時に下半身が弛緩していくのがわかる。
(なんにも準備できてないって思ったけど、今の薬で勝手に準備完了になるってことか……?)
なんか濡れるはずのない部分が濡れ始めている気がして、どうしていいのかわからない。俺がただ恥ずかしがるばかりのうちに、ダン王子の手は肌を撫でながら下がっていき直に触れてくる。
「っ、あ……!」
思わず声が漏れて、俺は慌てて口を覆った。ちょっと触られたくらいで感じすぎだと焦ったが、ダン王子は俺の手を掴んで顔を近づける。
「我慢しなくていい。いくらでも聞かせろ」
「!……、いや、あのっ……はい……」
俺を見る目に明確な欲を感じて、いちいち羞恥していては身がもたないと悟った。もう全部委ねようと、俺は最後の勇気を振り絞って手を握り返す。
「初めてなんで……優しくしてください……」
「優しくしないわけがないだろ。お前はただ、身を任せていればいい」
ふっと笑ったダン王子に口づけられ、舌が触れ合うとそれだけで溶けてしまいそうな感覚に陥った。
(きもちいい……)
与えられる快感に全身が悦ぶ。どこに触れられても熱くて、自分が自分じゃないようだった。声を抑えることもせず、ダン王子の全てを受け入れれば頭が白んだ。
「ルカ、愛している」
「っ、俺も……愛してます」
耳元で囁かれ、耳元で囁き返す。うわごとを繰り返すように何度も伝えた。
俺たちはひとつになって、互いが望むままに欲しいだけ求め合う。この時間が永遠に続けばいいのに、と思いながらダン王子を抱きしめていた。
(いや、マジか。ほんとにこんなこと、何年振りだ……?)
年単位で思い返さないといけない自分の干物ぶりを痛感しながら、バクバクとうるさい心臓を誤魔化すように自分でも服を脱いでいく。その間もダン王子は頬やら首やらにキスをしてきて、心臓はどんどんうるさくなるばかりだった。
(余裕がすごい……そして俺はまったく余裕がない……)
圧倒的な差を感じていると、どこからともなく小瓶が現れる。手中に収まった瓶の液体を躊躇いなく含んだダン王子は、俺の顎を掴むとそのまま口づけた。
「!……っ、ん……」
びっくりしているうちに口の中に液体が入ってきて、俺はそのまま飲んでしまった。甘味を感じてすぐ、身体に変化を感じる。
「な、なんか……っお腹、熱いんですけど……」
「同衾用の魔法薬だ。2時間もすれば効果は終わる。安全な薬だから安心しろ」
ダン王子が目を細めて鎖骨にキスを落とすと、それだけで俺の身体はびくりと反応した。お腹が熱いというか、もう全身が熱い。身体の中心に熱が集まってきて、同時に下半身が弛緩していくのがわかる。
(なんにも準備できてないって思ったけど、今の薬で勝手に準備完了になるってことか……?)
なんか濡れるはずのない部分が濡れ始めている気がして、どうしていいのかわからない。俺がただ恥ずかしがるばかりのうちに、ダン王子の手は肌を撫でながら下がっていき直に触れてくる。
「っ、あ……!」
思わず声が漏れて、俺は慌てて口を覆った。ちょっと触られたくらいで感じすぎだと焦ったが、ダン王子は俺の手を掴んで顔を近づける。
「我慢しなくていい。いくらでも聞かせろ」
「!……、いや、あのっ……はい……」
俺を見る目に明確な欲を感じて、いちいち羞恥していては身がもたないと悟った。もう全部委ねようと、俺は最後の勇気を振り絞って手を握り返す。
「初めてなんで……優しくしてください……」
「優しくしないわけがないだろ。お前はただ、身を任せていればいい」
ふっと笑ったダン王子に口づけられ、舌が触れ合うとそれだけで溶けてしまいそうな感覚に陥った。
(きもちいい……)
与えられる快感に全身が悦ぶ。どこに触れられても熱くて、自分が自分じゃないようだった。声を抑えることもせず、ダン王子の全てを受け入れれば頭が白んだ。
「ルカ、愛している」
「っ、俺も……愛してます」
耳元で囁かれ、耳元で囁き返す。うわごとを繰り返すように何度も伝えた。
俺たちはひとつになって、互いが望むままに欲しいだけ求め合う。この時間が永遠に続けばいいのに、と思いながらダン王子を抱きしめていた。
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