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つかの間の日常
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お見合いの形式を変更するのに準備がいるということで、黒須に会ったあとはしばし小休止を挟むこととなった。
お見合いのない平和な放課後、仕事の関係で望月の迎えが遅れるとのことで、姫子は教室で友人たちとお菓子をつまんでいた。
「姫ちゃん、お見合いはどう? いい人と会えた?」
「うーん……。1度会っただけでは、なんともね……」
持ち寄った輸入品のチョコレートは、ルールが決まる前に神崎がフライングで贈ってきたものだ。味は一流、パッケージにもセンスが光る一品だった。
贈り物は1日1回スタンプのみとされてからは、神崎と成美が毎日スタンプを贈ってきていて、貢ぎレースではこの2人がぶっちぎりだった。
(でもプレゼントで好きになるかは、また別問題……)
姫子が無暗に反応するのを望月が止めているため、グループLINEはスタンプのプレゼントとよく喋る男性陣の近況報告がメインとなり、謎のタイムラインと化していた。
「でもお見合いってそういうものでしょ? 好きになったから結婚するんじゃなくて、都合のいい相手か好きになれるかもしれない相手を選ぶもの」
「自分事だとそんなに割り切れないでしょう。夫を持つことが目的なら、あの方は? いつも送り迎えしている長身の殿方」
「望月さんね。塩顔の擬人化みたいな方。私も姫と騎士って感じでお似合いだと思うけれど」
友人たちは姫子の配偶者は誰がいいか盛り上がっている。
姫子だって望月と結婚できるなら、手放しに喜んでいるところだ。
「姫ちゃんは望月さんのこと、どう思っているの?」
「え!? えっと……!」
姫子は望月への想いを友人にも言ったことはなかった。間違って龍吾の耳に入りでもしたら、望月が世話役の立場を追われ、最悪大蛇組から追い出されるからだ。
そういうわけで姫子は大きな好意を誰にも言えずに抱え続けて、気づけば感情は爆発しそうなほどに膨れ上がってしまっていた。
「あらあら、その反応が答え? それなら結婚相手に指名したらいいじゃない。ここぞとばかりに上下関係を利用して」
「ちょ、ちょっと待って! 私は望月さんのことが好きとかでは──」
姫子は思わず立ち上がり、ニヤニヤする友人たちを否定しようとした時、教室のドアが開いた。
「お嬢。すみません、遅くなりました」
黒いスーツに身を包んだ望月が現れる。教室のドアに頭がぶつかりそうで、少し屈んで入ってくるのが高身長らしくていい。
姫子は友人たちの手前、顔に好意が出そうになるのをいつも以上に我慢して能面のような顔で望月に向き合った。
「いえ、大丈夫です。それではみなさん、ごきげんよう」
「ごきげんよう~」
少々下世話な話で盛り上がっていた少女たちは望月の登場で口を閉ざし、お嬢様らしく手を振っていた。
噂をすればという笑いをこらえきれていない者もいたが、姫子は能面を維持し粛々と望月の後を追い、停車していた車に乗り込む。
「これ、どうぞ。こっから先、会う相手の情報がまとまってます。15人目までですが」
運転席の望月がいつもより厚いファイルを手渡してくる。
開いてみると、1枚目に載っているのは今までのメンバーと比べてずいぶんと柔和、率直に言えば大人しそうな男性だ。
そして、何より姫子の目を引いたのは職業欄だった。
(お花屋さん!?)
まさかお見合い相手に花屋が出てくるとは思わず、ファイルを二度見した。今までのメンバーとは方向性が全然違う、幼稚園児の夢のような職業だ。
違法かグレーかあこぎな商売の人間しか出てこないと思っていた姫子は、堅気の登場をありがたく噛み締めた。
(それにしても、お父様にお花屋さんのお知り合いがいたなんて……)
「それで、今日の墓参りですが、このまま行きますか?」
車を発進させた望月がミラー越しに姫子に問うた。
「それとも例年通り、一旦戻って親父と一緒に──」
「お父様とは行きません。このまま向かってください」
「……わかりました。じゃ向かいます」
それ以上強く勧めずに望月はハンドルを切る。
今日は母・麗子の命日だった。
去年までは龍吾と一緒に行くのが恒例だったが、今年はそうはいかない。
(お母様にお父様の傍若無人っぷりを聞いてもらうんだから)
姫子は後部座席で意気込んだ。墓の前で喋りたいことが募っている。
「お花を買いたいので、途中でどこか寄ってもらえますか」
「ちょうど近くにあるんで、そこ寄りますね」
望月の滑らかな運転で少し進んだ路地に車が停車した。
奥まった突き当りに色とりどりの花が並ぶ店が見えた。大通りからは見えない場所で、知る人ぞ知る店という雰囲気がある。
「こんなところにお花屋さんがあるってよく知ってましたね」
「昔、親父のお使いで寄ったことがあって。今日店主がいるかはわかりませんが……」
花束を持つ望月を想像して(いい……)と思っていると、店先にエプロンをした男性が現れた。
萎れた花の入れ替えをする男性は、姫子と望月の気配に気づいてこちらを振り返る。
「いらっしゃいませ。お花のご購入ですか?」
「はい。母のお墓参りに行くのでお供え用の花を買いたくて」
店主らしい男性に答えながら、柔和な顔に少し既視感を覚える。
(あれ、この人……どこかで)
「そうですか、お母様に……。仏花もいいですが少し華やかなものでもいいかもしれませんね」
「いつもは父が花を選んでいて。『バラが似合う女だった!』ってお墓に赤いバラの花束をお供えしていたんですが、私はもう少し上品なお花を──」
そこまで言うと、花を選定していた店主が目を大きくして姫子の顔を見た。
「あの、もしかして大蛇姫子さんですか?」
「そうですが、どうして私の名前を……?」
「やっぱり! 今の話、聞き覚えがあるなぁと思ったんです。龍吾さんから聞いてませんか。僕、お見合い相手のひとりなんです」
既視感の答え合わせが急速に行われ、姫子の脳裏に先ほど車内で見たお見合いファイルの男性が蘇ってくる。花屋につられてあまり顔を見ていなかったから気づくのが遅れてしまった。
「え……。あ、佐々良さん、ですか?」
「はい。佐々良楓です。まさかお店に来てもらえるなんて嬉しいな」
佐々良はいかにも花屋らしい優しい笑顔を浮かべている。
漂う一般人オーラに、姫子はこの人が本当にお見合い相手なのかと少し信じられなかった。
「もしお時間あれば、少し喋りませんか。実はなかなか日程調整ができていなくて……よければお見合い扱いということで」
「私は構いませんけれど……」
斜め後ろに立っている望月に視線を投げると、望月は「30分程度なら問題ありません」と答えた。
「よかった。じゃあ、中に入ってください。奥でお話ししましょう」
佐々良は変わらずふんわりとした笑顔で、姫子と望月を店内へと案内した。
お見合いのない平和な放課後、仕事の関係で望月の迎えが遅れるとのことで、姫子は教室で友人たちとお菓子をつまんでいた。
「姫ちゃん、お見合いはどう? いい人と会えた?」
「うーん……。1度会っただけでは、なんともね……」
持ち寄った輸入品のチョコレートは、ルールが決まる前に神崎がフライングで贈ってきたものだ。味は一流、パッケージにもセンスが光る一品だった。
贈り物は1日1回スタンプのみとされてからは、神崎と成美が毎日スタンプを贈ってきていて、貢ぎレースではこの2人がぶっちぎりだった。
(でもプレゼントで好きになるかは、また別問題……)
姫子が無暗に反応するのを望月が止めているため、グループLINEはスタンプのプレゼントとよく喋る男性陣の近況報告がメインとなり、謎のタイムラインと化していた。
「でもお見合いってそういうものでしょ? 好きになったから結婚するんじゃなくて、都合のいい相手か好きになれるかもしれない相手を選ぶもの」
「自分事だとそんなに割り切れないでしょう。夫を持つことが目的なら、あの方は? いつも送り迎えしている長身の殿方」
「望月さんね。塩顔の擬人化みたいな方。私も姫と騎士って感じでお似合いだと思うけれど」
友人たちは姫子の配偶者は誰がいいか盛り上がっている。
姫子だって望月と結婚できるなら、手放しに喜んでいるところだ。
「姫ちゃんは望月さんのこと、どう思っているの?」
「え!? えっと……!」
姫子は望月への想いを友人にも言ったことはなかった。間違って龍吾の耳に入りでもしたら、望月が世話役の立場を追われ、最悪大蛇組から追い出されるからだ。
そういうわけで姫子は大きな好意を誰にも言えずに抱え続けて、気づけば感情は爆発しそうなほどに膨れ上がってしまっていた。
「あらあら、その反応が答え? それなら結婚相手に指名したらいいじゃない。ここぞとばかりに上下関係を利用して」
「ちょ、ちょっと待って! 私は望月さんのことが好きとかでは──」
姫子は思わず立ち上がり、ニヤニヤする友人たちを否定しようとした時、教室のドアが開いた。
「お嬢。すみません、遅くなりました」
黒いスーツに身を包んだ望月が現れる。教室のドアに頭がぶつかりそうで、少し屈んで入ってくるのが高身長らしくていい。
姫子は友人たちの手前、顔に好意が出そうになるのをいつも以上に我慢して能面のような顔で望月に向き合った。
「いえ、大丈夫です。それではみなさん、ごきげんよう」
「ごきげんよう~」
少々下世話な話で盛り上がっていた少女たちは望月の登場で口を閉ざし、お嬢様らしく手を振っていた。
噂をすればという笑いをこらえきれていない者もいたが、姫子は能面を維持し粛々と望月の後を追い、停車していた車に乗り込む。
「これ、どうぞ。こっから先、会う相手の情報がまとまってます。15人目までですが」
運転席の望月がいつもより厚いファイルを手渡してくる。
開いてみると、1枚目に載っているのは今までのメンバーと比べてずいぶんと柔和、率直に言えば大人しそうな男性だ。
そして、何より姫子の目を引いたのは職業欄だった。
(お花屋さん!?)
まさかお見合い相手に花屋が出てくるとは思わず、ファイルを二度見した。今までのメンバーとは方向性が全然違う、幼稚園児の夢のような職業だ。
違法かグレーかあこぎな商売の人間しか出てこないと思っていた姫子は、堅気の登場をありがたく噛み締めた。
(それにしても、お父様にお花屋さんのお知り合いがいたなんて……)
「それで、今日の墓参りですが、このまま行きますか?」
車を発進させた望月がミラー越しに姫子に問うた。
「それとも例年通り、一旦戻って親父と一緒に──」
「お父様とは行きません。このまま向かってください」
「……わかりました。じゃ向かいます」
それ以上強く勧めずに望月はハンドルを切る。
今日は母・麗子の命日だった。
去年までは龍吾と一緒に行くのが恒例だったが、今年はそうはいかない。
(お母様にお父様の傍若無人っぷりを聞いてもらうんだから)
姫子は後部座席で意気込んだ。墓の前で喋りたいことが募っている。
「お花を買いたいので、途中でどこか寄ってもらえますか」
「ちょうど近くにあるんで、そこ寄りますね」
望月の滑らかな運転で少し進んだ路地に車が停車した。
奥まった突き当りに色とりどりの花が並ぶ店が見えた。大通りからは見えない場所で、知る人ぞ知る店という雰囲気がある。
「こんなところにお花屋さんがあるってよく知ってましたね」
「昔、親父のお使いで寄ったことがあって。今日店主がいるかはわかりませんが……」
花束を持つ望月を想像して(いい……)と思っていると、店先にエプロンをした男性が現れた。
萎れた花の入れ替えをする男性は、姫子と望月の気配に気づいてこちらを振り返る。
「いらっしゃいませ。お花のご購入ですか?」
「はい。母のお墓参りに行くのでお供え用の花を買いたくて」
店主らしい男性に答えながら、柔和な顔に少し既視感を覚える。
(あれ、この人……どこかで)
「そうですか、お母様に……。仏花もいいですが少し華やかなものでもいいかもしれませんね」
「いつもは父が花を選んでいて。『バラが似合う女だった!』ってお墓に赤いバラの花束をお供えしていたんですが、私はもう少し上品なお花を──」
そこまで言うと、花を選定していた店主が目を大きくして姫子の顔を見た。
「あの、もしかして大蛇姫子さんですか?」
「そうですが、どうして私の名前を……?」
「やっぱり! 今の話、聞き覚えがあるなぁと思ったんです。龍吾さんから聞いてませんか。僕、お見合い相手のひとりなんです」
既視感の答え合わせが急速に行われ、姫子の脳裏に先ほど車内で見たお見合いファイルの男性が蘇ってくる。花屋につられてあまり顔を見ていなかったから気づくのが遅れてしまった。
「え……。あ、佐々良さん、ですか?」
「はい。佐々良楓です。まさかお店に来てもらえるなんて嬉しいな」
佐々良はいかにも花屋らしい優しい笑顔を浮かべている。
漂う一般人オーラに、姫子はこの人が本当にお見合い相手なのかと少し信じられなかった。
「もしお時間あれば、少し喋りませんか。実はなかなか日程調整ができていなくて……よければお見合い扱いということで」
「私は構いませんけれど……」
斜め後ろに立っている望月に視線を投げると、望月は「30分程度なら問題ありません」と答えた。
「よかった。じゃあ、中に入ってください。奥でお話ししましょう」
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