悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

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13話

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「な、なぁそろそろ機嫌直してくれてもいいじゃんかぁ…」

父上の弱々しい声が聞こえた気がするが私はポーションの恨みを絶対に忘れないからね!

「……」

「え、無視?!ママ!どうしようスカーレットが反抗期になってしまったぞ」

「はぁ。」

「ママまで!?」

的外れな回答にマリアはため息をこぼしていた

ジョセフがおかしい事は今に始まった事ではないとマリアは理解していたので何も言わなかった

そもそもポーションをスカーレットの元へとアリサに持って行くように指示していたので、今の状況を見てポーション絡みだと言う事はなんとなく察していた

「パパが何したのかわからないけど、欲しいものなんでも1つ買ってあげるから機嫌直してくれない?」

何でも買ってくれると言うのなら今日の鍛錬の鬱憤も一緒に晴らしてしまおうと思い絶対に買えないものを提示しようと思った

「聖遺物『アーティファクト』が欲しいの」

もし発見された場合、オークションで白金貨500枚はするものである

この世界の貨幣の価値は

銅貨1枚 100円

銀貨1枚 1,000円

金貨1枚 10,000円

白金貨1枚 10,000,000円

であり、一般市民が1ヶ月に必要なお金は金貨10枚なので値段のおかしさが丸分かりだ

発見されるのもダンジョンという限られた場所しかなく、宝箱の中とダンジョンマスターを倒した時のみしか発見された例が無いことから貴重な品である

主に所持しているのは、王族や公爵家などの強い権力を持った家柄が殆ど

「ア、アーティファクトが欲しいのかい?」

「それ以外のものだったら何でも買ってあげるよ?アーティファクトは貴重過ぎていつ手に入るかもわからないしね」

「それに俺たちアーティファクト買えるお金ないし!」

「じゃあ父上が使っている剣をください!」

父上は目をキョロキョロとさせて挙動不審になってしまった

「俺の剣?駄目だよ!俺が必死こいてダンジョンに攻め込んでようやく手にしたアーティファクトなんだから…あ!?」

「父上の剣ってアーティファクト何ですか!?」

父上からのいきなりの暴露に私は驚き椅子から立ち上がりってしまい、淑女として行儀が悪いことをしてしまった

そんことよりもアーティファクトを持ってるなんて父上凄すぎるわ!

「父上!剣を一度じっくり見てもいいですか!?」

腰につけていた剣をジョセフは胸に抱えて背中を向けてしまった

「そうやって俺の剣を取るつもりなんでしょ!我が娘ながらも恐ろしい子に育ってしまったようだ」

「まるで若い頃のマリアのように見えてしま、」

「ジョセフ?何を言っているのかしらぁそんなことないわよねぇ?ねぇ?」

母上の背筋が凍るような声を聞くだけで私は震えてしまった

「何を言っていたんだろう私はマリアはこんなに可愛いじゃないか!!!」

「ならどうしてそんなに距離をとっているの?」

母上の威圧に耐えきれずに父上は怯えて部屋の隅の方へと逃げ出していた

ブルブル…ブルブル

「あ!ちょうどタイミングよく…ゴホン…すまない、魔導電話がかかってきてしまったようだ」

少し失礼すると言って父上は部屋をてまでしまった

明らかに父上の足が震えていたのを私は見なかった事にしよう














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