悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

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14話

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ジョセフside

ブルブル…ブルブルと胸のポケットの中に仕舞い込んでいた魔導電話に着信が入りこの状況から抜け出せるとわかり、

すぐにでも電話に出たかったがマリアに勘付かれてはいけないのでここは貴族の仕事の時のように気取った雰囲気を纏った

その様子は他の人から見れば怯えていることが丸わかりだがジョセフはその事に全く気がついていなかった

パタンと優しくドアを閉めると部屋から一歩でもいいから遠ざかりたい為に足音を出さずに全力で走る高等テクニックを使用し逃げ出した

「ふうぅ~、ようやくあの場所から出られたぞこの電話には感謝しなければな」

黒塗りの電話には誰が電話してきたかなどの事はわからないが自分に電話してくる人は数少ないので心配はなかった

「もしもし、ジョセフ・リースだ用件を教えてもらえますか?」

耳から伝わる声の主にジョセフは驚愕した

顎がガタガタと歯の当たる音が響き、冷や汗が垂れる。現在の剣聖がだす雰囲気ではなかった

「この私から逃げられるとでも思っているのですか?」

「……」

「あらまぁ返事も出来ない人と結婚した覚えはありませんのよ?」

「はひぃ!」

声の主はマリアであった。

なぜマリアが俺に電話をかけてきているんだ!?

電話を触っている様子も見られなかったそれなのに私の電話にはこうして掛かってきている

何かトリックがあるはずなんだ…

思いだすんだ!俺!

「あーーーーー!!!」

「いきなり煩いですよジョセフもう少し静かに話せないのですか?」

は…嵌められた、あの2人の雰囲気に飲み込まれていたが後ろに気配を消していたじゃないか!

思い出した光景には電話を隠れて弄っていたアリサのニヤけた顔であった

あの時平常心でいられていたらすぐに気がついてマリアの仕業だと気がついたのに!

「早く戻ってきてくれますか?ご飯を早く食べたいのですが」

「は、はい…今から戻ります」

くそぅ!アリサの奴めあの憎たらしい顔に唾をかけたい!!

唾じゃ足りない!痰をかけてやるぞ!

そう思いながらも2人の元へと戻る足取りは重く部屋に着くまでに20分もかかってしまった

部屋に入った時にマリアにかけられた言葉は「そんなに遠くまで逃げてないのに何でこんなに遅いのですか?」出会ったことに背筋を凍らせていたのであった





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