悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

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15話

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マリアside

ジョセフが足をブルブルさせながら部屋を出て行ったのを確認したマリアは後ろに控えていたアリサに声をかけた

「アリサ電話でジョセフにかけて少し経つけど出たかしら?」

うふふと悪巧みをした顔であるが、普段見せないその顔も大人の色香が漂っていた

そのマリアの顔を見てアリサはいつも夫婦の遊びに付き合わされる身にもなって欲しいものだと思っていたが、

アリサも楽しいので辞められないでいた

「いえ、まだ繋がっておりませんが…そろそろ電話に出られる頃だと思われるので代わります」

手渡された電話を見てどんな風に遊んであげようかとマリアは考えていると電話の耳元からジョセフの声が聞こえてきた

「もしもし、ジョセフ・リースだ用件を教えてくれますか」

「この私から逃げられるとでも思っているのですか?」

今回は少しだけ怖い雰囲気をつける為に凄みをつけて話してみたが効果的だったようだ

ガタガタと歯が当たる音が聞こえてきたので成功したと思いアリサと握手をしてしまった

そこから少しだけ話した後戻って来るように伝えて電話を切った

ジョセフが帰ってきた後が楽しみで仕方なく、テーブルの上に置いてあった冷えてしまい風味の飛んだ紅茶でも楽しく飲むことができた

それからジョセフは顔に冷や汗をかきながら20分たった頃に戻ってきた

「いや~お腹が痛くなってしまってトイレに入っていたら遅くなってしまったよ」

「あら?そうだったのねこんなに遅いのだから何かあるとは思っていたけど…よかったですわ私脅かしすぎて足取りが重くなってるのかと思っていたから」

ギクギクゥ!と今のジョセフはその擬音がぴったりの顔をしていた

「そんなわけないじゃないか本当にお腹が痛かったんだよ…」

「この話はいいわそれよりもスカーレットについて話しましょう」


今までのおふざけの雰囲気は無くなり夫婦の話へと変わった

「そうだね…最近なんか変だと思うんだ、いきなり剣を教えて欲しいと言うし剣を欲しがるしね、あの時は剣を本当にとられるかと思ったよ」

「私には使っていない刃物が無いか聞いて来たわ」

「俺たちにはスカーレットが何をしたいのか本音を口から聞いていないから憶測でしか話を進められないけど」

「やっぱりスカーレットって…」

真剣な眼差しで私を射抜き次発せられる言葉を待っていると

ゴクリと私の喉から唾を飲み込む大きな音がした

「俺のことが好きなんだよね」

無駄にカッコつけた声で言われた為逆に呆然としてしまった

きっと私の顔は口を大きく開けて間抜けな顔をしているだろう

徐々に私の意識が戻ってきて言葉の意味を理解した時にはジョセフを冷たい眼差しで見てしまっていた

ジョセフはうんうん、と頷いて過去を振り返っていた為気が付いていなかった

「だってさ、俺の剣術を習いたがって俺の剣を欲しくなってさ、やっぱり5歳の時に言ってたパパと結婚するは本当だったんだね」

「はぁ…もう駄目だこいつ手に追えない」

いやんいやんと体をクネクネさせている夫を見て呆れを通り越して無の境地へと至れそうな気がした












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