悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

文字の大きさ
16 / 17

16話

しおりを挟む

私は父上が部屋から出て行ってしまった後、母からポーションを貰い筋肉痛の辛さから解放されたが、その効果が異常なことに気がついた

治るスピードが速すぎるのだ、飲んだ瞬間に体の痛みが引いていき今ではさっきまでの痛みが無かったように感じている

「は、母上?このポーションおかしくないですか?」

「あらぁ?そうかしら…ジョセフから渡された物だったからあんまり効果は知らなかったのよね…身体が回復することは知ってたけど」

母上はわかっていないかもしれないけど、これ相当高い奴です。私飲んじゃったけど怒られないよね?

もう飲んじゃったから仕方ないよね!私は倉庫から取ってきた安いポーションを飲んだ!そういうことにしておこう

ポーションを飲んだ後、特にすることも無く父上もいなくなってご飯の時間も1時間後になってしまい暇になっていたので、

前回の時からの趣味であった彫刻を行なっていた

シャコシャコと小刻みにナイフを動かして木を削っていた

手元には数種類のナイフやヤスリなどの工具が置かれており、長い間誰かが使ってあった形跡が残っていた

(ダメ元でも話してみるものね庭師のお爺さんの工具を頂けるなんて後でお礼を持っていかなくちゃね)

(父上大丈夫かなあ…さっき仕事の電話が来てそのまま部屋から出て行っちゃったけど)

(母上のあの顔何か企んでたよ…父上頑張ってください!)

そんなことを考えながら削っていると作っていた物の原型がわかってきた

スカーレットが作っていたのは自分の稽古用の軽めの木刀である

しかしずっと寝ていたスカーレットには十分重いものである

「うーん。結構時間かかった割にあんまり良いものが出来ませんでしたわ」

「筋力も足りないし手も小さくて思い通りにナイフが使えないわね」

「まぁ仕方ないわ…この年齢で初めて作ったにしては上出来でしょ」

今の自分が作った物に不満を持っていたが、死ぬ前のスカーレットは達人と同じくらいの技術を持っていた

今回作った物にしても市場に流せば買い手がいくらでもいるものである

自分の腕前を知らないのは密かに行っていたことと作ったものは全て屋敷の地下倉庫の見えない所に隠していたことと、

使用人や家族に見られないようにやっていたからである

「うーん、芯もずれてるし握り心地も悪いなぁ」

「この木刀は基礎鍛錬が始まる時に使う奴にしよ」

木刀を部屋の端に立て掛けると木屑の処理を始める

バサッバサッとホウキでひと纏めにするとそれを暖炉の中に入れて燃やした

「よし!これで掃除終わり!ご飯食べに行かないと」

掃除が終わった後の部屋は作業していたとはわからないくらいに綺麗になっていた



しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

公爵家の養女

透明
恋愛
リーナ・フォン・ヴァンディリア 彼女はヴァンディリア公爵家の養女である。 見目麗しいその姿を見て、人々は〝公爵家に咲く一輪の白薔薇〟と評した。 彼女は良くも悪くも常に社交界の中心にいた。 そんな彼女ももう時期、結婚をする。 数多の名家の若い男が彼女に思いを寄せている中、選ばれたのはとある伯爵家の息子だった。 美しき公爵家の白薔薇も、いよいよ人の者になる。 国中ではその話題で持ちきり、彼女に思いを寄せていた男たちは皆、胸を痛める中「リーナ・フォン・ヴァンディリア公女が、盗賊に襲われ逝去された」と伝令が響き渡る。 リーナの死は、貴族たちの関係を大いに揺るがし、一日にして国中を混乱と悲しみに包み込んだ。 そんな事も知らず何故か森で殺された彼女は、自身の寝室のベッドの上で目を覚ましたのだった。 愛に憎悪、帝国の闇 回帰した直後のリーナは、それらが自身の運命に絡んでくると言うことは、この時はまだ、夢にも思っていなかったのだった―― ※第一章、十九話まで毎日朝8時10分頃投稿いたします。 その後、毎週月、水朝の8時、金夜の22時投稿します。 小説家になろう様でも掲載しております。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

崩壊した物語~アークリアの聖なる乙女~

叶 望
恋愛
生まれ変わり、輪廻転生、それも異世界転生したと気がついたのはいつだったか。せっかくの新しい第二の人生だ。思いのまま、自由に楽しむことにしよう。え、乙女ゲーム、何のこと。物語の主人公も悪役令嬢も転生者だって。まぁ、私には関係ないよね。え、もろ関係者?関わらなければどうでもいいよ。復讐、乙女ゲーム、利用できるものは何でも利用しようじゃないか。私は剣と魔法、魔物や冒険溢れるこの世界で自由に生きる。これは乙女ゲームを崩壊させた少女の物語。 ※小説家になろうにも投稿しています

悪意には悪意で

12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。 私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。 ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……

希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。 幼馴染に婚約者を奪われたのだ。 レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。 「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」 「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」 誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。 けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。 レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。 心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。 強く気高く冷酷に。 裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。 ☆完結しました。ありがとうございました!☆ (ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在)) (ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9)) (ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在)) (ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...