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異国編:ジッピン後編:別れ
【305話】座敷童と挨拶
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「蓮華、蕣。扇子と煙管を」
キヨハルが合図をすると、レンゲが扇子、ムクゲが煙草盆を持って彼の傍へ座った。その二つを持とうとしたキヨハルが困ったように笑う。
「困ったな。腕が片方しかない」
「煙管は私が持つ」
「ありがとう蓮華。では、吸わせてくれるかな」
「はい」
「アーサー、目を瞑って」
「うん」
キヨハルは蓮華に差し出された煙管を吸い、扇子を広げた。扇面へ煙を吹きかけ、扇子をアーサーに向けて小さく振る。アーサーは花の香りがする煙が顔にかかるのを感じた。薄目を開けようとするとキヨハルに注意される。
「そのまま目を瞑っていなさい」
「…うん」
「蕣。アーサーに妖力を与えなさい」
「はい」
蕣が立ちあがりアーサーと向かい合って座る。彼の両頬に手を添え、唇を合わせた。モニカが「ひぅっ!!!」と体をびくつかせたが、慌てて首を振って心を落ち着かせる。
(ムクゲは男の子ムクゲは男の子ムクゲは男の子…)
ムクゲが妖力を与えているところをガチガチになりながら眺めていると、アーサーの体が一瞬ふわりと光った。
「アーサー。目を開けてみなさい」
キヨハルの声に頷き、アーサーがゆっくりと目を開ける。目の前に白髪の女の子がいて、その子が自分にキスをしている。アーサーは大声を上げてムクゲの肩を掴み引きはがした。
「うわぁあぁっ!!!」
「私のこと見える?」
「見える!見えるけど!!どうしてキスしてるの?!」
「妖力を与えてた」
「ア、アーサー…落ち着きなさい…」
あやかしが見えるようになったことより、女の子(に見える子)にキスされたことにパニックになっているアーサーを、キヨハルが抱き寄せて背中をさすり落ち着かせた。アーサーは顔を真っ赤にしながらキヨハルにしがみついている。
「アーサーすまない…。君がそんなに動揺するとは思わなかった。今まで女の子にわりと上手に接していたようだったから…」
「学院のときのことを言ってるのかな…。あれは無意識でたらしこんでいただけよキヨハルさん…」
モニカがボソっと母国の言葉で呟いた。アーサーはぷるぷる震えながら首を横に振る。
「ぼ、僕モニカ以外の女の子とキスしたことないもん…。びっくりしたよ先に言っといてよキヨハルさんのバカぁ…」
「精霊としてたけどね」
「あれはほっぺだったもん…」
「ふふ。でも安心しなさい。蕣は女の子じゃないよ」
「え?」
ぽかんとしているアーサーが面白かったのか、キヨハルはクスクス笑いながらムクゲを指さした。
「彼は男の子」
「え、でも女の子のキモノだし、どう見たって女の子…」
「これはヌシサマの趣味。私男の子のカタチ」
ムクゲはそう言ってアーサーの手をおへその下に当てた。ふにふにした感触が手に伝わり、アーサーが「わ、ほんとだぁ…」とムクゲの顔と股間を交互に見ている。
「どおりでモニカが怒らないわけだねえ」
「アーサー、この子が蕣。ちなみにこの子は幼い頃の薄雪にそっくりなんだよ。私が間違って一目ぼれしてしまうのも分かるだろう?」
「あ、うん…。どう見たって女の子にしか見えないし、とってもかわいらしいね!はじめましてムクゲ、僕アーサー。よろしくね!」
「うん」
かわいいと言ってもらえて嬉しかったのか、ムクゲはもじもじしながらアーサーの手を握った。次にキヨハルはレンゲを紹介する。
「そしてこの子が蓮華。蕣と同じく座敷童だよ」
「わぁ!ムクゲとそっくりだね!この子もかわいい!よろしくねムクゲ!」
「う、うん…」
ニコニコしながら握手を求めてきたアーサーに、レンゲは頬を赤らめながら手を差し出した。その様子をモニカがため息をつきながら眺めていた。
「アーサー…あやかし相手に天然たらししてんじゃないわよ…」
キヨハルが合図をすると、レンゲが扇子、ムクゲが煙草盆を持って彼の傍へ座った。その二つを持とうとしたキヨハルが困ったように笑う。
「困ったな。腕が片方しかない」
「煙管は私が持つ」
「ありがとう蓮華。では、吸わせてくれるかな」
「はい」
「アーサー、目を瞑って」
「うん」
キヨハルは蓮華に差し出された煙管を吸い、扇子を広げた。扇面へ煙を吹きかけ、扇子をアーサーに向けて小さく振る。アーサーは花の香りがする煙が顔にかかるのを感じた。薄目を開けようとするとキヨハルに注意される。
「そのまま目を瞑っていなさい」
「…うん」
「蕣。アーサーに妖力を与えなさい」
「はい」
蕣が立ちあがりアーサーと向かい合って座る。彼の両頬に手を添え、唇を合わせた。モニカが「ひぅっ!!!」と体をびくつかせたが、慌てて首を振って心を落ち着かせる。
(ムクゲは男の子ムクゲは男の子ムクゲは男の子…)
ムクゲが妖力を与えているところをガチガチになりながら眺めていると、アーサーの体が一瞬ふわりと光った。
「アーサー。目を開けてみなさい」
キヨハルの声に頷き、アーサーがゆっくりと目を開ける。目の前に白髪の女の子がいて、その子が自分にキスをしている。アーサーは大声を上げてムクゲの肩を掴み引きはがした。
「うわぁあぁっ!!!」
「私のこと見える?」
「見える!見えるけど!!どうしてキスしてるの?!」
「妖力を与えてた」
「ア、アーサー…落ち着きなさい…」
あやかしが見えるようになったことより、女の子(に見える子)にキスされたことにパニックになっているアーサーを、キヨハルが抱き寄せて背中をさすり落ち着かせた。アーサーは顔を真っ赤にしながらキヨハルにしがみついている。
「アーサーすまない…。君がそんなに動揺するとは思わなかった。今まで女の子にわりと上手に接していたようだったから…」
「学院のときのことを言ってるのかな…。あれは無意識でたらしこんでいただけよキヨハルさん…」
モニカがボソっと母国の言葉で呟いた。アーサーはぷるぷる震えながら首を横に振る。
「ぼ、僕モニカ以外の女の子とキスしたことないもん…。びっくりしたよ先に言っといてよキヨハルさんのバカぁ…」
「精霊としてたけどね」
「あれはほっぺだったもん…」
「ふふ。でも安心しなさい。蕣は女の子じゃないよ」
「え?」
ぽかんとしているアーサーが面白かったのか、キヨハルはクスクス笑いながらムクゲを指さした。
「彼は男の子」
「え、でも女の子のキモノだし、どう見たって女の子…」
「これはヌシサマの趣味。私男の子のカタチ」
ムクゲはそう言ってアーサーの手をおへその下に当てた。ふにふにした感触が手に伝わり、アーサーが「わ、ほんとだぁ…」とムクゲの顔と股間を交互に見ている。
「どおりでモニカが怒らないわけだねえ」
「アーサー、この子が蕣。ちなみにこの子は幼い頃の薄雪にそっくりなんだよ。私が間違って一目ぼれしてしまうのも分かるだろう?」
「あ、うん…。どう見たって女の子にしか見えないし、とってもかわいらしいね!はじめましてムクゲ、僕アーサー。よろしくね!」
「うん」
かわいいと言ってもらえて嬉しかったのか、ムクゲはもじもじしながらアーサーの手を握った。次にキヨハルはレンゲを紹介する。
「そしてこの子が蓮華。蕣と同じく座敷童だよ」
「わぁ!ムクゲとそっくりだね!この子もかわいい!よろしくねムクゲ!」
「う、うん…」
ニコニコしながら握手を求めてきたアーサーに、レンゲは頬を赤らめながら手を差し出した。その様子をモニカがため息をつきながら眺めていた。
「アーサー…あやかし相手に天然たらししてんじゃないわよ…」
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