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初夏編:初夏のポントワーブ
【317話】モニカのお願い
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翌日の午前中、アーサーは久しぶりにエリクサー作りに専念した。ジッピンでもちょこちょこ空き時間に作ってはいたのだが、商人ギルドに納品するには数が少なすぎたからだ。アーサーが調合室に籠って薬素材を調合しているとき、さくっとスライムに魔法をかけて回復液を作り終えたモニカがおめかしをして顔を出した。
「アーサー、順調に進んでる?」
「うん!こんなにまとめて作るのが久しぶりで手がヒリヒリするけど順調だよ!…あれ?モニカお出かけするの?」
「うん。ちょっと買いたいものがあるから行ってくるわね。すぐ戻ってくるから」
「分かったあ!」
「なにか欲しいものある?」
「バナ…」
「バナナは昨日たくさん買ったでしょぉ?バナナ以外で!」
「うーん…。じゃあちょっとワガママ言ってもいい?」
「いいわよ。なあに?」
「今日のお昼、モニカ特製シチューが食べたいな!」
「シチュー?今からお買い物して作るからお昼過ぎちゃうけどいい?」
「うん!」
「分かった!じゃあシチューの材料買ってくるね!」
「やったー!」
「それまで調合がんばってねー」
「はぁい…」
兄にぎゅーっと抱きついてからモニカは買い物に出かけた。静かになった部屋で、アーサーは「やったー、モニカのシチューが待ってるぞ~」と意気込み薬素材をすり潰す。シチューのおかげでやる気は出たが、気を抜くと頭の中がシチューのことでいっぱいになってしまいなかなか調合に集中できなかった。
モニカが家に戻って来たのは2時間後だった。アーサーに声をかけてからシチュー作りに励む。少し焦げてしまい綺麗なクリーム色にはならなかったが、それでもアーサーはよだれを垂らして喜んでくれた。
「んーーー!!おいしいーーーー!!モニカのシチューは最高だよお!!」
「そ、そうかなあ?えへへ。ちょっと焦げちゃったけど…」
「全然気にならないよ!モニカは魔法も絵も料理も上手だね!多才だなあ」
「褒めすぎよアーサー。もう、照れちゃうじゃない」
「ほんとのこと言っただけだもーん」
二人は楽しくおしゃべりをしながら鍋いっぱいのシチューをぺろりと平らげた。満足げにおなかを叩いているアーサーに、モニカがそわそわしながら話しかけた。
「ねえ、アーサー?」
「んー?」
「キンギョすくいのときの約束、覚えてる?」
「あ、うん!なんでも言うこと聞くっていうやつね!お願いごとは決まった?」
「うん…。あのね、ずっとしたかったことがあって…」
「なになにー?」
モニカはアイテムボックスから紙袋を取り出した。少し頬を赤らめながらそれを兄に渡す。紙袋を開けて中を覗き込んだアーサーは無言でモニカを二度見した。
「……」
「……」
「…モニカ、これなに…?」
紙袋の中には長い銀髪のカツラが入っていた。アビー用のカツラはプラチナブロンドなので、アーサーはモニカの意図が分からずフリーズしている。だが、あまり良い予感はしない。モニカは自分の髪を指で弄びながらボソボソと答えた。
「あ、あのね。一度やってみたかったの。わ、わたしたち双子でしょ?入れ替えっこしてみたくって…」
「…?」
「で、でも、さすがにわたしがアーサーと入れ替えっこするのはむずかしいから、アビーとわたしが入れ替えっこするのならいけるかなーって…」
「モ、モニカごめん。ちょっと意味が分かりづらいんだけど…」
「ご、ごめん!説明へただったわよね。つ、つまり、私がアビーになって、アビーがモニカになるの!それで誰にも入れ替えっこしてるのがバレないようにお互いを演じながら町をお散歩してみたいの!」
「…じゃあ、このカツラで僕がモニカになるってこと…?」
「そう!お化粧もわたしがいつもしてる感じでして、服もわたしのものを着るの!わたしは、アーサーがいつもアビー用に使ってるカツラを付けて、アビーのお化粧をして、アビーの服を着るのー!!」
なんでそんなことがしたいの?それになんの意味があるの?という気持ちがアーサーの脳裏に一瞬浮かんだが、キラキラ目を輝かせているモニカを見たら意味なんて考える必要がないと思った。アーサーはにっこり笑って頷いた。
「うん!やろう!誰にもバレないくらい完璧にモニカを演じて見せるよ!」
「やったぁ!!私だってアビーになりきっちゃうもんね!!ありがとうアーサー!!」
ずっとしたかったことが叶い、モニカは嬉しくてアーサーに抱きつきながらぴょんぴょんと飛び跳ねた。勢い余って床に転げ落ちてしまった二人は、きゃはきゃは笑いながら床をごろごろ転がった。
「アーサー、順調に進んでる?」
「うん!こんなにまとめて作るのが久しぶりで手がヒリヒリするけど順調だよ!…あれ?モニカお出かけするの?」
「うん。ちょっと買いたいものがあるから行ってくるわね。すぐ戻ってくるから」
「分かったあ!」
「なにか欲しいものある?」
「バナ…」
「バナナは昨日たくさん買ったでしょぉ?バナナ以外で!」
「うーん…。じゃあちょっとワガママ言ってもいい?」
「いいわよ。なあに?」
「今日のお昼、モニカ特製シチューが食べたいな!」
「シチュー?今からお買い物して作るからお昼過ぎちゃうけどいい?」
「うん!」
「分かった!じゃあシチューの材料買ってくるね!」
「やったー!」
「それまで調合がんばってねー」
「はぁい…」
兄にぎゅーっと抱きついてからモニカは買い物に出かけた。静かになった部屋で、アーサーは「やったー、モニカのシチューが待ってるぞ~」と意気込み薬素材をすり潰す。シチューのおかげでやる気は出たが、気を抜くと頭の中がシチューのことでいっぱいになってしまいなかなか調合に集中できなかった。
モニカが家に戻って来たのは2時間後だった。アーサーに声をかけてからシチュー作りに励む。少し焦げてしまい綺麗なクリーム色にはならなかったが、それでもアーサーはよだれを垂らして喜んでくれた。
「んーーー!!おいしいーーーー!!モニカのシチューは最高だよお!!」
「そ、そうかなあ?えへへ。ちょっと焦げちゃったけど…」
「全然気にならないよ!モニカは魔法も絵も料理も上手だね!多才だなあ」
「褒めすぎよアーサー。もう、照れちゃうじゃない」
「ほんとのこと言っただけだもーん」
二人は楽しくおしゃべりをしながら鍋いっぱいのシチューをぺろりと平らげた。満足げにおなかを叩いているアーサーに、モニカがそわそわしながら話しかけた。
「ねえ、アーサー?」
「んー?」
「キンギョすくいのときの約束、覚えてる?」
「あ、うん!なんでも言うこと聞くっていうやつね!お願いごとは決まった?」
「うん…。あのね、ずっとしたかったことがあって…」
「なになにー?」
モニカはアイテムボックスから紙袋を取り出した。少し頬を赤らめながらそれを兄に渡す。紙袋を開けて中を覗き込んだアーサーは無言でモニカを二度見した。
「……」
「……」
「…モニカ、これなに…?」
紙袋の中には長い銀髪のカツラが入っていた。アビー用のカツラはプラチナブロンドなので、アーサーはモニカの意図が分からずフリーズしている。だが、あまり良い予感はしない。モニカは自分の髪を指で弄びながらボソボソと答えた。
「あ、あのね。一度やってみたかったの。わ、わたしたち双子でしょ?入れ替えっこしてみたくって…」
「…?」
「で、でも、さすがにわたしがアーサーと入れ替えっこするのはむずかしいから、アビーとわたしが入れ替えっこするのならいけるかなーって…」
「モ、モニカごめん。ちょっと意味が分かりづらいんだけど…」
「ご、ごめん!説明へただったわよね。つ、つまり、私がアビーになって、アビーがモニカになるの!それで誰にも入れ替えっこしてるのがバレないようにお互いを演じながら町をお散歩してみたいの!」
「…じゃあ、このカツラで僕がモニカになるってこと…?」
「そう!お化粧もわたしがいつもしてる感じでして、服もわたしのものを着るの!わたしは、アーサーがいつもアビー用に使ってるカツラを付けて、アビーのお化粧をして、アビーの服を着るのー!!」
なんでそんなことがしたいの?それになんの意味があるの?という気持ちがアーサーの脳裏に一瞬浮かんだが、キラキラ目を輝かせているモニカを見たら意味なんて考える必要がないと思った。アーサーはにっこり笑って頷いた。
「うん!やろう!誰にもバレないくらい完璧にモニカを演じて見せるよ!」
「やったぁ!!私だってアビーになりきっちゃうもんね!!ありがとうアーサー!!」
ずっとしたかったことが叶い、モニカは嬉しくてアーサーに抱きつきながらぴょんぴょんと飛び跳ねた。勢い余って床に転げ落ちてしまった二人は、きゃはきゃは笑いながら床をごろごろ転がった。
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