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合宿編:三週目・ダンジョン掃討特訓
答え合わせ
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急ごしらえの目覚め薬を調合したアーサーは、それをモニカに飲ませて額の汗を拭った。
「ふぅ。とりあえずモニカはこれでよし。睡眠薬の調合に戻らなきゃ」
《モニカが眠った時に数匹潰してしまったな。また新しいやつらが来るぞ》
「ここまで来たらもう何匹増えてもあんまり変わらないよ。僕もさっきから何匹か潰しちゃってるし」
藍と話をしながら睡眠薬の調合を再開する。作り置きのものはあるのだが、粉末状なのでアントに効きづらいと考えたアーサーは、強めの睡眠薬を調合し水を混ぜた。腕や胸にもアントがひっついているので腕を動かすたびに攻撃されていると勘違いしたアントが匂いをまき散らす。いくら3センチ程度の魔虫といえども100匹以上にへばりつかれたらさすがに重い。ブチブチと肉を噛み切られている音が聞こえて不快になる。アーサーはげっそりしながら完成した薬を最終チェックした。
「やっとできた。…うん、結構強めの素材を使ったから水で薄めても効くと思う」
《傷口に薬が沁み込んでアーサーまで眠ってしまうなんて愚かなことはならないだろうな?》
「…考えてなかったぁ」
《まったく!主といいアーサーといいなぜそこまで考えなしなのだ!》
「藍ありがとう~。そうならないように先に目覚め薬飲んどく!」
《そうするのだな》
アーサーは目覚め薬を飲んでから睡眠液を一匹のアントにかけた。モニカの睡眠魔法より効果があらわれるのが遅かったが、気長に待っているとコテンとアントが床に転げ落ちる。
「よし、成功だ」
《ふむ。いいではないか》
「モニカが起きるまでにちょっとでもアントを眠らせておこう」
アーサーはまずモニカの体にくっついているアントに睡眠液をかけた。モニカにかかってしまわないよう、一匹ずつ丁寧に眠らせていく。モニカのアントを全てはがしてから、自分の体にへばりついているアントも眠らせていった。地面に転がるアントが50匹ほどになったとき、やっとモニカが目を覚ました。
「ん…」
「あ、モニカ起きた?」
「……え?!わたし寝ちゃってた?!」
「うん!気持ちよさそうに寝てた!」
「きゃーごめんアーサー!」
「いいよいいよー。早速だけどモニカ、僕の背中にくっついてるアント眠らせてくれない?」
「もちろん手伝うわ!」
「ありがとうー。睡眠液もあるけどどうする?魔法のほうがやりやすいかな?」
「うーん、どうしようかなあ」
モニカが迷っていると、遠くからリアーナの声がした。
「モニカ!睡眠魔法でやれ!アーサーに睡眠魔法かからないよう気をつけてな!なにごとも練習だ!」
「わ、分かった!」
《モニカ、先ほどよりも弱めの睡眠魔法にするのだな。我がある程度は調整できるが、先ほどは魔力量がかなり多かった》
「わかった。ちょっと弱めでやってみるね」
《小さな睡眠魔法で一匹ずつ眠らせるのだ》
モニカはアーサーの背後にまわり、シャナの子守唄を口ずさみながら小さく杖を振った。さきほどよりも少量の光がアントに降りかかる。二人は時間をかけて慎重にアントを眠らせていった。
◇◇◇
一時間後、やっと双子はアントから解放された。全身噛み痕だらけになったアーサーは地味に痛々しく、モニカはしょんぼりしながら兄の傷に回復魔法をかけた。
「アーサーごめんね。わたしの身代わりになってこんないっぱい傷ついて…」
「ううん。気にしないで。モニカだって足にたくさん噛み痕あるよ。先にモニカから治してよ」
「いやよぉ」
「ほんとに気にしないで。見た目より全然痛くないんだ」
「アーサーは痛みに鈍感すぎるとおもう」
「そうかなあ。それより、はやくここを離れよう。アントが目覚めたらまたはりつかれちゃうし」
「そうね。それに、きっと私たちがこのダンジョンにいる限り追いかけてくるわ。早く巣を探して女王アントを倒しましょ」
「うん。そうしよっか。巣はどこにあるのかな…」
「群れはあっちから来たわ。それ以外は分からない…」
「アーサー、モニカー!」
声がしたほうに顔を向けると、リアーナが手招きをしている。双子は先輩冒険者たちへ駆け寄った。
「おつかれさん!」
「お待たせしましたぁ」
「いいのよォ。よく二人で乗り越えたわね」
「あー二人とも無事でよかったー…」
「で?これからどうすんだ?」
「巣を探して女王アントを倒したいと思ってるんだけど…」
「でも、巣がどこにあるのか分からないんだ」
「そうだな。洞窟の中じゃどこに作ってたっておかしくないからな。洞窟系ダンジョンでアントの巣を突き止めるのは不可能に近い」
「さすがイェルドだな!魔物知識がこいつらと段違いだ!」
「だからアント系はできるだけ手を出したくないのよねェ。特にツヴァイアントは厄介なの。繁殖性が高いし一匹間違えて殺しちゃったらどんどん湧いて出てきちゃうからァ」
「うぅぅ…」
「ごめんなさい…」
「アーサー、モニカ。洞窟系のダンジョンで、魔物リストにツヴァイアントが載ってたら地面をよく見て歩くんだ。リアーナさんもカトリナさんも、もちろん俺もだけど、ツヴァイアントを踏まないように避けて歩いてたんだぞ」
「そうだったんだぁ…」
「気付いてなかった…」
「普通の冒険者だったら、間違えてツヴァイアントを踏んだらどうするか!答えろイェルド!」
「睡眠薬で眠らせてすぐにその場から離れます!距離を取ってから噛まれた場所を入念に香りの強い薬草をまぜた水で拭いてアントにつけられた匂いを消します。あとは…えーっと、アントの嫌いなハッカ油を靴に塗りますね」
「おー!」
「模範解答ねェ。素晴らしいわ」
「全部ベニートとアデーレが教えてくれたことですよ。俺もはじめてツヴァイアントに遭遇した時なにも知らずに攻撃しちまったクチですあはは…」
「ぎゃはは!!おまえらしいなあ!」
「パーティーに知識豊富な二人がいるのはありがたいことねェ」
「いつも二人に怒られてますけどね」
「ま、そういうことだ!アーサー、モニカ!アントの巣は諦めて今すぐドクダミを混ぜた水で体を拭け!ちょっとくさくなっちゃうけどな!」
「体を拭いたら靴にハッカ油を塗りなさい?そして、ここと次の区域の境目にもハッカ油を。それでツヴァイアントの追手から抜けられるわァ」
リアーナ、カトリナ、イェルドのアドバイスを熱心に聞き、双子はすぐさま言われたとおりの行動をとった。体中からくさい匂いがして顔をしかめたが、これでアントが追って来なくなるのなら文句は言えない。ブーツと区域の境目にもハッカ油をたっぷりと塗り、もわもわと異臭を漂わせながら5人は奥へ進んだ。
「ふぅ。とりあえずモニカはこれでよし。睡眠薬の調合に戻らなきゃ」
《モニカが眠った時に数匹潰してしまったな。また新しいやつらが来るぞ》
「ここまで来たらもう何匹増えてもあんまり変わらないよ。僕もさっきから何匹か潰しちゃってるし」
藍と話をしながら睡眠薬の調合を再開する。作り置きのものはあるのだが、粉末状なのでアントに効きづらいと考えたアーサーは、強めの睡眠薬を調合し水を混ぜた。腕や胸にもアントがひっついているので腕を動かすたびに攻撃されていると勘違いしたアントが匂いをまき散らす。いくら3センチ程度の魔虫といえども100匹以上にへばりつかれたらさすがに重い。ブチブチと肉を噛み切られている音が聞こえて不快になる。アーサーはげっそりしながら完成した薬を最終チェックした。
「やっとできた。…うん、結構強めの素材を使ったから水で薄めても効くと思う」
《傷口に薬が沁み込んでアーサーまで眠ってしまうなんて愚かなことはならないだろうな?》
「…考えてなかったぁ」
《まったく!主といいアーサーといいなぜそこまで考えなしなのだ!》
「藍ありがとう~。そうならないように先に目覚め薬飲んどく!」
《そうするのだな》
アーサーは目覚め薬を飲んでから睡眠液を一匹のアントにかけた。モニカの睡眠魔法より効果があらわれるのが遅かったが、気長に待っているとコテンとアントが床に転げ落ちる。
「よし、成功だ」
《ふむ。いいではないか》
「モニカが起きるまでにちょっとでもアントを眠らせておこう」
アーサーはまずモニカの体にくっついているアントに睡眠液をかけた。モニカにかかってしまわないよう、一匹ずつ丁寧に眠らせていく。モニカのアントを全てはがしてから、自分の体にへばりついているアントも眠らせていった。地面に転がるアントが50匹ほどになったとき、やっとモニカが目を覚ました。
「ん…」
「あ、モニカ起きた?」
「……え?!わたし寝ちゃってた?!」
「うん!気持ちよさそうに寝てた!」
「きゃーごめんアーサー!」
「いいよいいよー。早速だけどモニカ、僕の背中にくっついてるアント眠らせてくれない?」
「もちろん手伝うわ!」
「ありがとうー。睡眠液もあるけどどうする?魔法のほうがやりやすいかな?」
「うーん、どうしようかなあ」
モニカが迷っていると、遠くからリアーナの声がした。
「モニカ!睡眠魔法でやれ!アーサーに睡眠魔法かからないよう気をつけてな!なにごとも練習だ!」
「わ、分かった!」
《モニカ、先ほどよりも弱めの睡眠魔法にするのだな。我がある程度は調整できるが、先ほどは魔力量がかなり多かった》
「わかった。ちょっと弱めでやってみるね」
《小さな睡眠魔法で一匹ずつ眠らせるのだ》
モニカはアーサーの背後にまわり、シャナの子守唄を口ずさみながら小さく杖を振った。さきほどよりも少量の光がアントに降りかかる。二人は時間をかけて慎重にアントを眠らせていった。
◇◇◇
一時間後、やっと双子はアントから解放された。全身噛み痕だらけになったアーサーは地味に痛々しく、モニカはしょんぼりしながら兄の傷に回復魔法をかけた。
「アーサーごめんね。わたしの身代わりになってこんないっぱい傷ついて…」
「ううん。気にしないで。モニカだって足にたくさん噛み痕あるよ。先にモニカから治してよ」
「いやよぉ」
「ほんとに気にしないで。見た目より全然痛くないんだ」
「アーサーは痛みに鈍感すぎるとおもう」
「そうかなあ。それより、はやくここを離れよう。アントが目覚めたらまたはりつかれちゃうし」
「そうね。それに、きっと私たちがこのダンジョンにいる限り追いかけてくるわ。早く巣を探して女王アントを倒しましょ」
「うん。そうしよっか。巣はどこにあるのかな…」
「群れはあっちから来たわ。それ以外は分からない…」
「アーサー、モニカー!」
声がしたほうに顔を向けると、リアーナが手招きをしている。双子は先輩冒険者たちへ駆け寄った。
「おつかれさん!」
「お待たせしましたぁ」
「いいのよォ。よく二人で乗り越えたわね」
「あー二人とも無事でよかったー…」
「で?これからどうすんだ?」
「巣を探して女王アントを倒したいと思ってるんだけど…」
「でも、巣がどこにあるのか分からないんだ」
「そうだな。洞窟の中じゃどこに作ってたっておかしくないからな。洞窟系ダンジョンでアントの巣を突き止めるのは不可能に近い」
「さすがイェルドだな!魔物知識がこいつらと段違いだ!」
「だからアント系はできるだけ手を出したくないのよねェ。特にツヴァイアントは厄介なの。繁殖性が高いし一匹間違えて殺しちゃったらどんどん湧いて出てきちゃうからァ」
「うぅぅ…」
「ごめんなさい…」
「アーサー、モニカ。洞窟系のダンジョンで、魔物リストにツヴァイアントが載ってたら地面をよく見て歩くんだ。リアーナさんもカトリナさんも、もちろん俺もだけど、ツヴァイアントを踏まないように避けて歩いてたんだぞ」
「そうだったんだぁ…」
「気付いてなかった…」
「普通の冒険者だったら、間違えてツヴァイアントを踏んだらどうするか!答えろイェルド!」
「睡眠薬で眠らせてすぐにその場から離れます!距離を取ってから噛まれた場所を入念に香りの強い薬草をまぜた水で拭いてアントにつけられた匂いを消します。あとは…えーっと、アントの嫌いなハッカ油を靴に塗りますね」
「おー!」
「模範解答ねェ。素晴らしいわ」
「全部ベニートとアデーレが教えてくれたことですよ。俺もはじめてツヴァイアントに遭遇した時なにも知らずに攻撃しちまったクチですあはは…」
「ぎゃはは!!おまえらしいなあ!」
「パーティーに知識豊富な二人がいるのはありがたいことねェ」
「いつも二人に怒られてますけどね」
「ま、そういうことだ!アーサー、モニカ!アントの巣は諦めて今すぐドクダミを混ぜた水で体を拭け!ちょっとくさくなっちゃうけどな!」
「体を拭いたら靴にハッカ油を塗りなさい?そして、ここと次の区域の境目にもハッカ油を。それでツヴァイアントの追手から抜けられるわァ」
リアーナ、カトリナ、イェルドのアドバイスを熱心に聞き、双子はすぐさま言われたとおりの行動をとった。体中からくさい匂いがして顔をしかめたが、これでアントが追って来なくなるのなら文句は言えない。ブーツと区域の境目にもハッカ油をたっぷりと塗り、もわもわと異臭を漂わせながら5人は奥へ進んだ。
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