【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco

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合宿編:最終日

最終日王様ゲーム1

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 合宿最終日、最後の対戦は生徒vsS級の王様ゲームで締めくくった。
 今回の王様はアーサーとカミーユ。両チームとも主戦力が欠けたメンバーでどのように戦うのか、C級は興味深げに観察していた。

 生徒組は、この日も攻めを捨てて守りに徹した。

 モニカとクラリッサ、ライラが兵士の時は、リアーナが大忙しだ。
 彼女はカミーユの前に立ち、生徒たちの魔法を打ち消していく。同時に、アーサーを狙って攻撃魔法も放っている。

 ジルは盾を捨て、ランサーとして攻めに転じる。
 カトリナは遠くから矢を放っていた(今回は反魔法矢を使用していた)。

 ジルの攻撃からアーサーを守るのは、主にダフの役目だ。
 そして、カトリナの矢はライラが風魔法と弓矢で打ち落とす。
 シリルはジルに攻撃、クラリッサは魔法でS級の動きを阻害することに専念していた。

 モニカはジルに毒魔法を打ってから、主にリアーナを狙って魔法攻撃をしかけている。もちろん、反属性魔法でリアーナの魔法を打ち消すことも忘れていない。

「シリルの指示のおかげで、だいぶまとまりが出てきたな。あいつは身の程をわきまえてる。勝とうとせず、5分間耐えて引き分けすることを選んだ。アーサーとモニカだけじゃできなかった戦い方だな」

 王様カミーユは暇そうに足をブラブラさせながらリアーナに話しかけた。
 クラリッサとモニカの魔法を打ち消しながら、リアーナが返事をする。

「そうだな!あいつとクラリッサは耐え忍ぶ戦い方が得意みたいだ!あたしのきらいな戦い方!!」

「ああ。いいな、あいつらが味方になったら心強いぞ」

「敵になったら厄介だけどなあ!!」

「それな」

 カトリナは距離を取ってライラの気を引いていた。
 だが、なかなか戦況が変わらない。
 カトリナはちらりとジルに目をやった。アーサーのまわりをガチガチに固められ、なかなか王冠を奪えない様子だ。

「ん~。さすがにあの子たち全員を相手にするのは大変ねェ。私もいきましょうか」

 カトリナはチチチと舌を鳴らした。それに反応したのはリアーナだ。
 二人は目が合うと小声で作戦会議を始めた。

 《リアーナ、聞こえてる?》

 《おう》

 《30秒間、私にかかる阻害を打ち消すことを優先して》

 《了解》

 《ジル、聞こえる?》

 《聞こえてた。僕は大丈夫だよ》

 《ありがとう。雷魔法が来たら…》

 《分かってる》

 《話が早いわァ。じゃあ、いくわよ》

 《おっけー》

 《僕がカウントする。3,2,1…》

 合図と共に、カトリナが突然姿を消した。
 ライラがカトリナを見失いフリーズしてしまう。慌てて仲間たちに声をかけようとしたが、目の前に現れたカトリナに阻まれる。

 カトリナの蹴りがライラの顎に直撃する。
 ライラは吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。

 ライラの危機をいち早く察知したのはアーサーだった。

「みんな!!ライラがカトリナにやられちゃう!!クラリッサ!!カトリナを止めて!!」

「!!!」

 彼の声に反応したクラリッサは、カトリナを土魔法ドームで覆おうとした。
 だが、反属性魔法に相殺されて機能しない。

 カトリナはライラの首めがけて矢を放った。同時にクラリッサを蹴り倒し、さらにダフとシリルに向けて4本の矢を射る。

 カトリナの遊撃は止まらない。
 モニカの腹に飛び蹴りを入れ、アーサーのまわりに群がる生徒たち(とジル)の頭上に矢の雨を降らせた。

「アーサー!!」

 矢の雨からアーサーを守るため、ダフは盾を構えつつ彼に覆いかぶさった。

 カトリナの近接戦参戦によりかき乱された生徒組は、混乱と動揺でやみくもに行動してしまう。

 ライラ(かろうじて矢の首輪への命中は避けていた)とシリル、クラリッサは、まとまってカトリナを攻撃/阻害しにいく。
 モニカは、わたわたしながらも、咄嗟に風魔法と雷魔法を放った。

 リアーナはカトリナをメインで守っている。
 カトリナに向けられた、クラリッサの阻害やモニカの攻撃魔法を綺麗に打ち消した。

 ジルの頭上で雷鳴が聞こえた。待ってましたとばかりにニヤっと口元を緩めて槍を空高くに掲げる。

 雷がジルに直撃する直前、ジルはシリルの首根っこを掴みながら、手をそっとダフの盾に当てた。

「っ…」

「ぐああぁぁぁっ!!!」

「あぁぁぁっ!!!」

「わっ!」

「きゃーーーー!!ダフ!!シリルーーーー!!!」

 ジルを伝い雷をもろに受けたダフとシリルは、悲痛な叫び声をあげた。
 魔法耐性がそこまで強くないシリルはぐったりと意識を失い、ダフは白目を向けてふらふらしている。

 自分の魔法のせいで仲間二人が重傷を負ってしまい、モニカは顔を真っ青にして絶叫した。(ちなみにダフと密着していたアーサーにも電気が走ったが、ビリビリしたくらいのダメージしか入っていなかった)

「ふぅ」

 ジルは、気を失っているシリルの首輪にちょんと槍の先を当ててリタイアさせた。ダフにも同じことをしようとしたがーー
「ふぬぅぅぅう…っ!ふんっ…!」と呻きながら、ダフが意識を取り戻す。

 アーサーはダフの耳元で大声を出した。

「ダフ!うしろ!!首あぶない!!」

「なに!!ふん!!!」

 ダフは首と心臓が狙われないように盾で隠した。彼が意識を取り戻すことは想定外だったのか、ジルが小さなため息をついた。

「…驚いた。ここまで魔法耐性が強くなってたなんて」

「あらァ。ジル、ダフを落とせなかったのォ?」

「落とせなかった。ごめん」

「こっちは片付いたのにィ」

 カトリナの足元には、体中に矢が刺さり気絶しているクラリッサとライラが倒れていた。
 カトリナも口から血を流しており、肩や胸の下に数本の矢が刺さっていた。

「ライラの風魔法と矢の組み合わせは脅威ねえ。私でも避けきれなかったわァ」

「それはすごい」

「さて、残りはモニカとダフね。時間がないわ。サクっとやっちゃいましょう」

 カトリナが再び動き出す。狙いはモニカだ。
 弓を放ちながら距離を詰め、モニカに蹴りをお見舞いする。

 先ほどのモニカは全く反応できなかったが、今回は違った。攻撃が来ると分かっていたのか、モニカは蹴りを食らいながらもカトリナに毒魔法を打ちこんだ。

「きゃっ」

 毒をくらったカトリナは、ゴボッと大量の血を吐いた。それでもカトリナは平気な顔をして弓を引く。

 一方、カトリナの蹴りを複数受けたモニカは今にも倒れそうだ。
 ダフも必死に耐えているが、ジルに守りを破られるのは時間の問題だ。

 モニカは意識が薄れる中、左手を前に差し出した。

「アサ…ギリ…」
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