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決戦編:カトリナ
上質な素材※※
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※注意※
※この話はかなりショッキングな描写があります※
※双子物語史上最もやばいです※
※15歳未満の方、グロが苦手な方は、飛ばしてください※
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大公がサンプソンに少女をプレゼントしてからしばらくは、サンプソンはカトリナに何度か会いに行っていた。だが彼は未だにプロポーズをできていない。
(あんな……闇オークションで買ってきた少女を息子にプレゼントするような家に、カトリナを迎え入れていいんだろうか)
オーヴェルニュ家はバーンスタイン家と違い、闇オークションには一切手を出していないことを、サンプソンは知っていた。
(うちの家は代々闇オークションと関りが深い。カトリナがそれを知ったらどう思うだろう。僕の父親が、結婚前の息子に少女をプレゼントするような人だと知ったら、きっと失望される。綺麗な家柄で育てられたカトリナに、汚い貴族の姿を見せたくない)
そう考えてしまい、サンプソンは一年経ってもカトリナに指輪を渡すことができなかった。
(そうだ。父さんを説得して闇オークションから足を洗わせよう。バーンスタイン家も綺麗な貴族になって、カトリナに来てもらっても恥ずかしくないようにすればいいんだ)
その夜、サンプソンは書斎で読書をしていた父親に尋ねた。
「父さん」
「なんだ、サンプソン」
「一年前に僕にプレゼントしようとした女の子――」
サンプソンが話し終える前に、大公は興奮気味に身を乗り出した。
「おお!! お前もやっと興味を持ったか!! はっはっは!」
「……え」
「だがちっと遅かったなあ。先週まではわしら家族で楽しんでたんだがな、今は別の遊びを――」
「ちょっと待って」
「ん? 何だ?」
「……家に、帰してなかったの……?」
「当然じゃないか。あれを買うのに白金貨七千枚もかかったんだぞ」
「……家族で、楽しんでた……?」
「そうだ。わしと、長男と、次男と……あとはたまに遊びに来る仲の良い貴族にも遊ばせてやったなあ。なんだ、新品じゃないと嫌だったか? だったら素直に始めから受け取っておくべきだったな!! はっはっは!」
「……」
大きな口を開けて笑う父親に、背筋に寒気が走り、吐き気を催した。
サンプソンは冷や汗を一筋垂らし、口を開く。
「別の遊びって……何してるの……?」
「お、気になるか? 実はな、ある奇特な魔術師を雇って、人間に魔物の部位を移植する実験をしていてなあ!」
「……」
「いやあ、あれは美しいだけじゃなく、生命力が非常に高い優秀な素材だと魔術師が喜んでおったよ! 白金貨七千枚出した価値があったなあ。わしはやはり、見る目があるな。そう思わんか、え?」
「……そうだね」
サンプソンはそれだけ言って、書斎を飛び出した。
(嘘。嘘だろ。あの子は一年間も父さんや兄たちに……。それだけじゃない、なんだ、魔物の部位を移植って……! 奇特な魔術師……まさか……一年前に見たあの女の人……!? ってことは今、あの子はもしかして……)
サンプソンが辿り着いた場所は、地下の隠し部屋。震える手で壁の一部を押すと、カコン、と仕掛けが動く音が聞こえ、ゆっくりと音もなくドアが開いた。
隠し扉は隠し廊下と繋がっており、その向こうにもうひとつ扉があった。
ドアノブを開くと――
「あぁぁぁぁっ!! もうやめてぇぇぇっ!! ぁあああぁぁっ、ぁあっ、あっ、あぁぁぁ!!」
――少女の泣き叫ぶ声がサンプソンの耳を貫いた。
「あ……あ……」
そして彼の目の前に、鎖で繋がれたあの少女の足首を、ノコギリで切り落とそうとしている魔術師がいた。
「ケヘヘヘヘ!! いいねえ嬢ちゃん!! 気も失わずに泣き叫んでくれるのかい!! ん~!! かわいいねえ! 痛いかい? 痛いかい? えぇ!?」
「あぁぁぁぁあぁぁああっ!!」
「だーいじょうぶだよっ! ちゃぁんと立派な足をくっつけてやるからねぇ~!! ケヘッ、ケヘヘヘヘ!!」
「やめてぇぇぇっ!! やめてぇぇぇぇっ!!」
「手首とお揃いがいいかい? それとも目とお揃いの魔物がいいかい? ケヘヘェ!!」
「魔物になりたくないよぉぉぉっ!! やめてぇぇっ!! あぁぁぁぁっ!!」
一年前と変わり果てた少女の姿に、サンプソンは呆然とした。
彼女の艶やかな黒髪は、今や真っ白になっている。
左の手には鋭い爪を持つ魔物の部位が移植されており、他にも体中に縫い傷があった。
寝台の下は、彼女と魔物の血でどす黒くなっている。
「なんだ……これ……」
サンプソンは目の前の光景を受け入れられなかった。
「なんなんだよ、これ……」
「ん?」
そこで、魔術師がサンプソンに気付き、恭しく礼をする。
「おやおや。これはバーンスタイン大公のご子息ではありませんか。本日はどうされますか? ご希望の部位を切り落とし、移植いたしますよ」
「……え」
「ああでも、大公が明日、左目の移植の見学をご希望されていますので、そちら以外で」
「と、父さんが……そんなことを……?」
「はい。これら全て、大公とご子息がご希望されたものですが。今、長子様のご希望を叶えるために、足の移植を試みていました」
「兄さんも……?」
「はい! いやあ、こんなことをさせていただけるなんて、なんと素晴らしいのでしょう。バーンスタイン様には頭が下がりませ……いえ、上がりませんわ、ケヘヘヘ!」
「……」
「ああそうだ。来週また新しい素材が届くと聞きましたよ。次は少年だとか! 楽しみです! ケヘッ!ケヘヘ!」
サンプソンは応えず、よろよろと寝台に近づいた。
「鎖を外して」
「はえっ!?」
「鎖を外せ!! 今すぐだ!!」
「な、なんででしょうか!? まだこれで試したいことがたくさん……!」
「いいから外すんだ!!」
「いやしかし! こんな生命力の高い素材はなかなかございません! 魔物の部位を移植なんて、普通一カ所でも死んでしまうんです!! 私のような才能溢れる魔術師でさえ、成功したのはこの素材でのみ!! どうか、どうかこれだけは奪わないでください!! 私の大切な素材なんです!!」
「この子は〝素材〟じゃない!! 人間だ!!」
サンプソンは、泣いて懇願する魔術師から鍵を奪い、少女を自室に連れて行った。
※注意※
※この話はかなりショッキングな描写があります※
※双子物語史上最もやばいです※
※15歳未満の方、グロが苦手な方は、飛ばしてください※
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大公がサンプソンに少女をプレゼントしてからしばらくは、サンプソンはカトリナに何度か会いに行っていた。だが彼は未だにプロポーズをできていない。
(あんな……闇オークションで買ってきた少女を息子にプレゼントするような家に、カトリナを迎え入れていいんだろうか)
オーヴェルニュ家はバーンスタイン家と違い、闇オークションには一切手を出していないことを、サンプソンは知っていた。
(うちの家は代々闇オークションと関りが深い。カトリナがそれを知ったらどう思うだろう。僕の父親が、結婚前の息子に少女をプレゼントするような人だと知ったら、きっと失望される。綺麗な家柄で育てられたカトリナに、汚い貴族の姿を見せたくない)
そう考えてしまい、サンプソンは一年経ってもカトリナに指輪を渡すことができなかった。
(そうだ。父さんを説得して闇オークションから足を洗わせよう。バーンスタイン家も綺麗な貴族になって、カトリナに来てもらっても恥ずかしくないようにすればいいんだ)
その夜、サンプソンは書斎で読書をしていた父親に尋ねた。
「父さん」
「なんだ、サンプソン」
「一年前に僕にプレゼントしようとした女の子――」
サンプソンが話し終える前に、大公は興奮気味に身を乗り出した。
「おお!! お前もやっと興味を持ったか!! はっはっは!」
「……え」
「だがちっと遅かったなあ。先週まではわしら家族で楽しんでたんだがな、今は別の遊びを――」
「ちょっと待って」
「ん? 何だ?」
「……家に、帰してなかったの……?」
「当然じゃないか。あれを買うのに白金貨七千枚もかかったんだぞ」
「……家族で、楽しんでた……?」
「そうだ。わしと、長男と、次男と……あとはたまに遊びに来る仲の良い貴族にも遊ばせてやったなあ。なんだ、新品じゃないと嫌だったか? だったら素直に始めから受け取っておくべきだったな!! はっはっは!」
「……」
大きな口を開けて笑う父親に、背筋に寒気が走り、吐き気を催した。
サンプソンは冷や汗を一筋垂らし、口を開く。
「別の遊びって……何してるの……?」
「お、気になるか? 実はな、ある奇特な魔術師を雇って、人間に魔物の部位を移植する実験をしていてなあ!」
「……」
「いやあ、あれは美しいだけじゃなく、生命力が非常に高い優秀な素材だと魔術師が喜んでおったよ! 白金貨七千枚出した価値があったなあ。わしはやはり、見る目があるな。そう思わんか、え?」
「……そうだね」
サンプソンはそれだけ言って、書斎を飛び出した。
(嘘。嘘だろ。あの子は一年間も父さんや兄たちに……。それだけじゃない、なんだ、魔物の部位を移植って……! 奇特な魔術師……まさか……一年前に見たあの女の人……!? ってことは今、あの子はもしかして……)
サンプソンが辿り着いた場所は、地下の隠し部屋。震える手で壁の一部を押すと、カコン、と仕掛けが動く音が聞こえ、ゆっくりと音もなくドアが開いた。
隠し扉は隠し廊下と繋がっており、その向こうにもうひとつ扉があった。
ドアノブを開くと――
「あぁぁぁぁっ!! もうやめてぇぇぇっ!! ぁあああぁぁっ、ぁあっ、あっ、あぁぁぁ!!」
――少女の泣き叫ぶ声がサンプソンの耳を貫いた。
「あ……あ……」
そして彼の目の前に、鎖で繋がれたあの少女の足首を、ノコギリで切り落とそうとしている魔術師がいた。
「ケヘヘヘヘ!! いいねえ嬢ちゃん!! 気も失わずに泣き叫んでくれるのかい!! ん~!! かわいいねえ! 痛いかい? 痛いかい? えぇ!?」
「あぁぁぁぁあぁぁああっ!!」
「だーいじょうぶだよっ! ちゃぁんと立派な足をくっつけてやるからねぇ~!! ケヘッ、ケヘヘヘヘ!!」
「やめてぇぇぇっ!! やめてぇぇぇぇっ!!」
「手首とお揃いがいいかい? それとも目とお揃いの魔物がいいかい? ケヘヘェ!!」
「魔物になりたくないよぉぉぉっ!! やめてぇぇっ!! あぁぁぁぁっ!!」
一年前と変わり果てた少女の姿に、サンプソンは呆然とした。
彼女の艶やかな黒髪は、今や真っ白になっている。
左の手には鋭い爪を持つ魔物の部位が移植されており、他にも体中に縫い傷があった。
寝台の下は、彼女と魔物の血でどす黒くなっている。
「なんだ……これ……」
サンプソンは目の前の光景を受け入れられなかった。
「なんなんだよ、これ……」
「ん?」
そこで、魔術師がサンプソンに気付き、恭しく礼をする。
「おやおや。これはバーンスタイン大公のご子息ではありませんか。本日はどうされますか? ご希望の部位を切り落とし、移植いたしますよ」
「……え」
「ああでも、大公が明日、左目の移植の見学をご希望されていますので、そちら以外で」
「と、父さんが……そんなことを……?」
「はい。これら全て、大公とご子息がご希望されたものですが。今、長子様のご希望を叶えるために、足の移植を試みていました」
「兄さんも……?」
「はい! いやあ、こんなことをさせていただけるなんて、なんと素晴らしいのでしょう。バーンスタイン様には頭が下がりませ……いえ、上がりませんわ、ケヘヘヘ!」
「……」
「ああそうだ。来週また新しい素材が届くと聞きましたよ。次は少年だとか! 楽しみです! ケヘッ!ケヘヘ!」
サンプソンは応えず、よろよろと寝台に近づいた。
「鎖を外して」
「はえっ!?」
「鎖を外せ!! 今すぐだ!!」
「な、なんででしょうか!? まだこれで試したいことがたくさん……!」
「いいから外すんだ!!」
「いやしかし! こんな生命力の高い素材はなかなかございません! 魔物の部位を移植なんて、普通一カ所でも死んでしまうんです!! 私のような才能溢れる魔術師でさえ、成功したのはこの素材でのみ!! どうか、どうかこれだけは奪わないでください!! 私の大切な素材なんです!!」
「この子は〝素材〟じゃない!! 人間だ!!」
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