【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco

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エピローグ

終戦のあと:ダフとアデーレ、カトリナとサンプソン

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 全てが終わったあと、ダフの元にアデーレが駆け寄ってきた。

「ダフ……!! ああ、生きてたのね……! あなたが死にかけたって聞いて……」
「はい! というかほぼ死にましたね!! 俺にしがみついている殿下を俯瞰で見ていました!」
「どうして死にかけたのに嬉しそうなの……。ああ、びっくりした……」

 ダフはニカッと笑った。

「ワンワン泣いてる殿下を見れたんですよ? それも、俺に死んでほしくなくてです!! そんなの嬉しすぎます!」
「そう……前向きもいきすぎると心配になるわね」
「それに、こうしてアデーレ姉さんが心配して駆け寄ってきてくれたんですよ? それもまた嬉しすぎます!」
「はあ……。なんだかあなたといると疲れるわ……」
「ええ!? そんなこと言わずに!」

 ダフは大袈裟に慌てふためき、ガシッとアデーレの手を握った。

「そんなこと言わずに、俺と結婚してください!!」
「……え?」

 ダフのプロポーズが戦場に響き渡る。
 冒険者や兵たちは二人に釘付けになった。
 アデーレはみんなの視線を感じて頭から湯気を出している。

 ダフはさらに叫んだ。

「アデーレ姉さーん! 俺とー! 結婚してくださーい!!」
「ちょっとダフ!? どうしてそんな大声出すの!?」
「溢れんばかりの気持ちを込めてみました!!」
「ヤメテ!?」
「それで! 返事はどっちですか!?」
「~~……」

 アデーレはダフから顔を背けて、小さく何度も頷いた。
 それを見たダフ、冒険者たち、兵たちは、終戦したときと同じくらいの歓声を上げた。

 ダフとアデーレはその後三人の子宝に恵まれた。
 二人は子どもが小さいうちから剣を教えた。

 大人になった子どもたちは、長男は騎士に、次女は冒険者になった。
 そして一番年上の長女は、幼い頃に一目惚れした男の子を追いかけ回すことに青春を費やすことになる。彼女は適齢期になると、さっさと剣を放り投げて結婚した。

◇◇◇

 戦いを終え――
 カトリナとサンプソンは馬車に乗っていた。行先はオーヴェルニュ家の屋敷だ。

 馬車の中で、サンプソンがカトリナの前に跪く。

「カトリナ。僕と結婚してください」
「まあ……。こんなロマンティックじゃない場所でプロポーズ?」
「本当は春まで待とうと思っていたんだけど……。我慢できなかった」
「ダフのプロポーズに刺激されちゃったの?」
「そうかもね」
「ふふ」

 カトリナが手を伸ばすと、大きな手にそっと包まれる。カトリナは少し震えていた。

「私は目が見えないわ。それでもいいの?」
「だからこそ君をこれからも支えたい」
「私の顔には毒の痕が残っているでしょう? きっと美しくないわ」
「今の君も眩しいほどに美しい。それはきっと、十年後も五十年後も変わらない」
「……あなたにはもっと素敵な女性がいるわ。私のことは気にしなくていいから――」
「カトリナ。僕は今まで数えきれないほどの女性と会ってきた。それでも君を忘れられなかったんだよ」
「……」

 カトリナは目尻を指で拭い、両腕を広げた。
 サンプソンが彼女を抱きしめると、子どもっぽい泣き声が聞こえた。

「ほ、本当に私でいいの……?」
「君がいいんだよ」
「ありがとう……」

 オーヴェルニュ家に到着したサンプソンは、早速侯爵と夫人に話をした。
 サンプソンの頬に侯爵の拳が飛んでくる。

「今さら何を言っているんだこの若造がぁぁぁっ! カトリナを一度捨てておいてぇぇぇぇっ!」
「何度っ! 殴られても……グボォッ……結婚を許してもらえるまで……ッ! 僕は帰りませんッ……!」

 散々殴られ顔面がボコボコになったサンプソンを、侯爵は泣きながら抱きしめた。

「サンプソン……ありがとう……ッ」

 サンプソンとカトリナの結婚式は、オーヴェルニュ家の庭でおこなわれた。
 もちろんS級冒険者や双子、シャナとユーリも参列した。

 誓いのキスは……ジルのお墓の前で。

「あはは。なんだか妙な光景だ」
「でも……私たちの結婚を一番待ち望んでいたのはジルなんだもの。見せてあげないと可哀想だわァ」
「ああ、そうだね」

 サンプソンはお墓の前で跪き、誓う。

「ジル。カトリナを一生幸せにすると約束する。もう二度と離さないから」
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