69 / 71
8章
第68話 告白
しおりを挟む
海茅には、顧問と約束していた点数を取れたら、やろうと決めていたことがあった。
それは、匡史に告白することだ。
コンクール後もパーカッションを続けると決めたあの日、海茅はこれからも自分の気持ちと真っすぐ向き合い、怖くても、誰かに手を引かれない道でも、前に進みたいと思った。
その第一歩は、匡史に自分の気持ちを伝えることにしたい。
フラれるのも、今の関係が壊れるのも怖い。下手をしたら茜と創とも疎遠になってしまうかもしれない。
海茅はそれでもこの気持ちと向き合いたかった。
昨晩、海茅は自分で顔の産毛を剃り、眉毛を整えた。今朝はずっと使っていなかった化粧品で薄く化粧をした。
鏡に映る姿は未だに冴えない女の子だが、四月よりは〝彼方海茅〟としての形がハッキリしているような気がした。
放課後、海茅は匡史に声をかける。
「ま、まさ、ま、ま」
「ん? どうしたのみっちゃん。壊れたおもちゃみたいになってるけど」
ダメだ。緊張しすぎて言葉が出てこない。今から手が震えている。うまくごまかして、やっぱり今日はやめておこうか――
海茅は、余計なことを考える忌まわしい自分の胸を殴った。
「み、みっちゃん、どうしたの……?」
怪訝な目を向ける匡史を、海茅はキッと睨みつける。
「匡史君! 今からちょっと時間大丈夫!?」
「え? うん、大丈夫だよ? でもみっちゃん部活でしょ?」
「五分だけでいいから、ちょっと来て!」
「お、俺、なんかした……?」
匡史の目には海茅が怒っているようにしか見えなかった。彼は狼狽えたまま、足音を踏み鳴らして歩く海茅について行く。
海茅が立ち止まったのは、屋上に続く階段の踊り場だった。そこは人目に付かないところなので、侭白中学校の告白スポットになっている。
匡史も何度かここに呼びだされたことがあるのだろう。その時のことを思い出してか、複雑な表情を浮かべている。
「みっちゃん。どうしたのこんなとこまで来て。俺、みっちゃんの気に障ること何かしちゃったかな……」
しかし、匡史は海茅に告白されるとは微塵も考えていないようだった。
海茅はぶんぶんと首を横に振り、スカートの裾を握りしめる。
「えっと、あの、ま、まさ、ま、ま」
「あ、また壊れた。今日のみっちゃん、どうしたのほんと」
「あの、あの、えっと」
海茅の想いは、喉の入り口まで来ているのに、なかなか言葉として出てこない。先ほど追い払った不安が戻ってきて、奥へ奥へと押し込もうとする。
固まってしまった海茅の顔を匡史が覗き込む。
「あの……みっちゃん?」
「~~……っ。ええい、南無三!!」
不安を一喝し、海茅は匡史を真っすぐ見た。
「匡史君! 私、匡史君のこと、す、す」
「酢?」
「好きです!!」
「すっ……」
今度は匡史が固まる番だ。思ってもみなかったことが起こり、脳の処理能力が追い付かない。
追い打ちをかけるように、海茅がヤケクソ気味に続けた。
「四月からずっと好きでした! はじめはかっこいいから気になって、それから匡史君のこと知るたびにどんどん好きになってました! 特に画家の話をしてるときの匡史君が好きです!」
「ま、待って。待ってみっちゃん。ちょっと、待って」
スイッチが入った海茅には、もう匡史の声は聞こえない。
「優しい匡史くんも好きだし、ちょっと悩んで気弱になってるときの匡史君も好きです! でも一番ときめいたのは、シンバルの音の絵をもらったときでした!!」
「みっちゃん、ちょっと」
「匡史君が好きすぎてもうどうしようもないので、気持ちを伝えることにしましたぁぁっ!!」
「ストップ! みっちゃんストーップ!!」
「もごぁっ」
匡史は海茅の口を手で塞ぎ、強制的に黙らせた。
「ちょっと、気持ちを整理させてくれる?」
ハッと我に返った海茅は小さく頷いた。
海茅にとって、匡史がこんな反応をするのは意外だった。匡史は女の子に何度も告白されているはずだ。断りの文句なんて言い慣れているだろう。
それなのに、目の前にいる匡史には、いつもの柔らかい表情を浮かべる余裕はないようだった。
怒っているわけでもないのに真っ赤にした顔をしかめる彼の視線は、せわしなくあちこちに飛び回っている。
これじゃあまるで、初めて告白されてパニックになっている男子ではないか。
明らかに動揺している匡史を見ていた海茅は、徐々に冷静さを取り戻した。
「ま、匡史君、大丈夫……?」
「大丈夫じゃないよ。びっくりしたよ。突然なんてこと言うの」
「ご、ごめん……?」
匡史はちらっと海茅に視線を送り、ガシガシと頭を掻く。
「そ、そんな様子なかったじゃん。お、俺、全然気付いてなかったよ……」
「そ、そうかな? 優紀ちゃんには一瞬でバレちゃったんだけど……。宮越さんと黒間君にもたぶんバレてると思うし……」
「……じゃあ俺が鈍感なんだな」
大きくため息を吐いた匡史は、俯いたまま小さな声で話した。
「俺、好きとかそういうの、よく分からないんだよね」
「あっ、うん……」
どうやら、今から海茅は匡史にフラれるようだ。覚悟はしていたはずなのに、手足が絶望に蝕まれ感覚がなくなっていく。頭の隅っこで輝きを放っていた期待も、恥ずかしそうにしぼんでいった。
「恋とか愛とか俺には分からない。恋人になっても、どうせすぐ別れるだろうし。結婚しても、子どもができても、きっとうまくいかないことが多いだろうし」
だってさ、と匡史は言葉を続ける。
「みんな俺のことよく知らないもん。外見と外面だけで好かれても、あんまり嬉しくない」
「ご、ごめん……」
項垂れる海茅に、匡史はクスッと笑った。
「みっちゃんは違うよ。ごめん、今のは気にしないで」
匡史は壁にもたれかかり、灯りのついていない天井を見上げた。
「みっちゃん、一緒に川に行ったときのこと覚えてる?」
「うん、覚えてる」
「あのときさ、みっちゃんのシンバルを聴いたときに感じる気持ち悪さが何かなって話をしたでしょ。みっちゃんは〝感動〟なんじゃないかって教えてくれた。でも実はしっくりこなくて、あれからもずっと考えてたんだ。それで、ぼんやりだけど分かってきた」
そう言って、匡史はゆっくりと海茅の目を見た。
「あれはやっぱり〝感動〟じゃない。たぶん、あれが〝好き〟って感情なんだと思う」
それは、匡史に告白することだ。
コンクール後もパーカッションを続けると決めたあの日、海茅はこれからも自分の気持ちと真っすぐ向き合い、怖くても、誰かに手を引かれない道でも、前に進みたいと思った。
その第一歩は、匡史に自分の気持ちを伝えることにしたい。
フラれるのも、今の関係が壊れるのも怖い。下手をしたら茜と創とも疎遠になってしまうかもしれない。
海茅はそれでもこの気持ちと向き合いたかった。
昨晩、海茅は自分で顔の産毛を剃り、眉毛を整えた。今朝はずっと使っていなかった化粧品で薄く化粧をした。
鏡に映る姿は未だに冴えない女の子だが、四月よりは〝彼方海茅〟としての形がハッキリしているような気がした。
放課後、海茅は匡史に声をかける。
「ま、まさ、ま、ま」
「ん? どうしたのみっちゃん。壊れたおもちゃみたいになってるけど」
ダメだ。緊張しすぎて言葉が出てこない。今から手が震えている。うまくごまかして、やっぱり今日はやめておこうか――
海茅は、余計なことを考える忌まわしい自分の胸を殴った。
「み、みっちゃん、どうしたの……?」
怪訝な目を向ける匡史を、海茅はキッと睨みつける。
「匡史君! 今からちょっと時間大丈夫!?」
「え? うん、大丈夫だよ? でもみっちゃん部活でしょ?」
「五分だけでいいから、ちょっと来て!」
「お、俺、なんかした……?」
匡史の目には海茅が怒っているようにしか見えなかった。彼は狼狽えたまま、足音を踏み鳴らして歩く海茅について行く。
海茅が立ち止まったのは、屋上に続く階段の踊り場だった。そこは人目に付かないところなので、侭白中学校の告白スポットになっている。
匡史も何度かここに呼びだされたことがあるのだろう。その時のことを思い出してか、複雑な表情を浮かべている。
「みっちゃん。どうしたのこんなとこまで来て。俺、みっちゃんの気に障ること何かしちゃったかな……」
しかし、匡史は海茅に告白されるとは微塵も考えていないようだった。
海茅はぶんぶんと首を横に振り、スカートの裾を握りしめる。
「えっと、あの、ま、まさ、ま、ま」
「あ、また壊れた。今日のみっちゃん、どうしたのほんと」
「あの、あの、えっと」
海茅の想いは、喉の入り口まで来ているのに、なかなか言葉として出てこない。先ほど追い払った不安が戻ってきて、奥へ奥へと押し込もうとする。
固まってしまった海茅の顔を匡史が覗き込む。
「あの……みっちゃん?」
「~~……っ。ええい、南無三!!」
不安を一喝し、海茅は匡史を真っすぐ見た。
「匡史君! 私、匡史君のこと、す、す」
「酢?」
「好きです!!」
「すっ……」
今度は匡史が固まる番だ。思ってもみなかったことが起こり、脳の処理能力が追い付かない。
追い打ちをかけるように、海茅がヤケクソ気味に続けた。
「四月からずっと好きでした! はじめはかっこいいから気になって、それから匡史君のこと知るたびにどんどん好きになってました! 特に画家の話をしてるときの匡史君が好きです!」
「ま、待って。待ってみっちゃん。ちょっと、待って」
スイッチが入った海茅には、もう匡史の声は聞こえない。
「優しい匡史くんも好きだし、ちょっと悩んで気弱になってるときの匡史君も好きです! でも一番ときめいたのは、シンバルの音の絵をもらったときでした!!」
「みっちゃん、ちょっと」
「匡史君が好きすぎてもうどうしようもないので、気持ちを伝えることにしましたぁぁっ!!」
「ストップ! みっちゃんストーップ!!」
「もごぁっ」
匡史は海茅の口を手で塞ぎ、強制的に黙らせた。
「ちょっと、気持ちを整理させてくれる?」
ハッと我に返った海茅は小さく頷いた。
海茅にとって、匡史がこんな反応をするのは意外だった。匡史は女の子に何度も告白されているはずだ。断りの文句なんて言い慣れているだろう。
それなのに、目の前にいる匡史には、いつもの柔らかい表情を浮かべる余裕はないようだった。
怒っているわけでもないのに真っ赤にした顔をしかめる彼の視線は、せわしなくあちこちに飛び回っている。
これじゃあまるで、初めて告白されてパニックになっている男子ではないか。
明らかに動揺している匡史を見ていた海茅は、徐々に冷静さを取り戻した。
「ま、匡史君、大丈夫……?」
「大丈夫じゃないよ。びっくりしたよ。突然なんてこと言うの」
「ご、ごめん……?」
匡史はちらっと海茅に視線を送り、ガシガシと頭を掻く。
「そ、そんな様子なかったじゃん。お、俺、全然気付いてなかったよ……」
「そ、そうかな? 優紀ちゃんには一瞬でバレちゃったんだけど……。宮越さんと黒間君にもたぶんバレてると思うし……」
「……じゃあ俺が鈍感なんだな」
大きくため息を吐いた匡史は、俯いたまま小さな声で話した。
「俺、好きとかそういうの、よく分からないんだよね」
「あっ、うん……」
どうやら、今から海茅は匡史にフラれるようだ。覚悟はしていたはずなのに、手足が絶望に蝕まれ感覚がなくなっていく。頭の隅っこで輝きを放っていた期待も、恥ずかしそうにしぼんでいった。
「恋とか愛とか俺には分からない。恋人になっても、どうせすぐ別れるだろうし。結婚しても、子どもができても、きっとうまくいかないことが多いだろうし」
だってさ、と匡史は言葉を続ける。
「みんな俺のことよく知らないもん。外見と外面だけで好かれても、あんまり嬉しくない」
「ご、ごめん……」
項垂れる海茅に、匡史はクスッと笑った。
「みっちゃんは違うよ。ごめん、今のは気にしないで」
匡史は壁にもたれかかり、灯りのついていない天井を見上げた。
「みっちゃん、一緒に川に行ったときのこと覚えてる?」
「うん、覚えてる」
「あのときさ、みっちゃんのシンバルを聴いたときに感じる気持ち悪さが何かなって話をしたでしょ。みっちゃんは〝感動〟なんじゃないかって教えてくれた。でも実はしっくりこなくて、あれからもずっと考えてたんだ。それで、ぼんやりだけど分かってきた」
そう言って、匡史はゆっくりと海茅の目を見た。
「あれはやっぱり〝感動〟じゃない。たぶん、あれが〝好き〟って感情なんだと思う」
0
あなたにおすすめの小説
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】
猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。
「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」
秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。
※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記)
※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記)
※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。
※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる