RPG「テクノポリスSF」

第二章「躍動」

第三話「帰還」

「カランコロンッ」
テクノガジェット999のドアが開いた。
「トシオ様、おかえり～」
アイーダの声だ。
「戦い、楽勝だったでしょ？だってあなたの戦闘能力は…、って誰ソレ？」
アイーダが指を指す。
「ああ、こいつは盗賊のイチマツ！俺が見つけたとたんに、命乞いするモンで、仕方なく仲間にした」
「よろしくお願いします…」
緊張気味のイチマツがそう言った。
「バッカじゃないの！？」
アイーダは叫んだ。
「あと776人敵がいるっていうのに、最初のザコを情で仲間にするなんて…！この子の戦闘力みた？525よ！？私でも1000はあるわ！あなた、甘すぎるわよ！」
「でも、無駄な殺生は避けたくて…」
「甘い、甘すぎるわ、トシオ様。それにその子、盗賊だから相手からものを盗むくらいしか能がないわ。戦いは二の次よ。きっとトシオ様めがけて近づいてきたのも、何かレアアイテムでも持ってると思ってのことだわ。バカじゃなければ戦って勝ち目がないことくらいすぐにわかるもの。ね、そうでしょ、イチマツさんとやら！」
「うう…、うぅ…、ぐうの音も出ないです。グスン…」
トシオはカッとして、
「また泣くのか！いい加減にしろ！」
アイーダは驚いて、
「え？このイチマツって子、命乞いの時にも泣いてたの！？…情けないわね」
「でも、トシオ様、あなたも悪いわ。あなたの初陣だということで狩りに行ってきたのよね？それがなに？あなたの方が圧倒的に強いとはいえ、戦わずに帰ってきた？…、はぁ～、あなたも情けないわね」
トシオは無言だった。
「よーし、わかったわ。これからはこの盗賊なんかとはくらべものにならないほどの強敵があなたを待ち構えているわ。まあ、あなたの神がかり的な能力からして、おそらく全て楽勝で勝てるでしょうけど…。でも、そんなあなたが引き連れるべきパートナーは、もっと強者のはずよ？だから…」
トシオは困惑した。
「だから…？」
アイーダは少し口ごもった後、
「ここで、イチマツを処刑しなさい。」
「なんだって！？」

続く