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少女の真実
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隣駅にそのマンションは立っていた。翠の住むマンション程立派ではなかったが、ひとり暮らしをするには広すぎるくらいの広さと設備を兼ね備えている。五階にあるその部屋は白と黒を基調とした空間。一人しか住んでいないというその部屋は物が少なく生活感があまりなかった。
翠は入れてもらったココアを手に泣きはらした目で俯いていた。
「そっか。聞いたんだ」
優しく声をかけてくれたのは葛だった。
あの後、翠は葛にしばらくの間泊めて欲しいとメールを送信した。葛がどこに住んでいて誰と、どんな暮らしをしているのかさえも知らなかったが他に行く当てのない翠にはそうする他なかった。
「葛さんも紅と会ったことあった?」
「ううん。私はない。話を聞いただけ。でも、あんまり祐二さんを否定、できないけど……あのやり方には反対だった。私もかつて自分以外の人格がいたから」
解離性同一性障害を患っていた経験のある学生。それは葛の事だった。恩師に紹介されたというのも、翠と同じ病を抱えていた経験からだ。
「あのやり方って?」
それはパパが伏せた部分だろう。翠が俯いたままそう尋ねると一瞬の間があった。葛はしまったと思った。紅を
閉じ込めた方法について、翠が知ってしまったと思っていたからだ。
「ごめんね、具体的な事は私の口からは……」
パパが話さなかった以上、葛に聞き出すしか紅を閉じ込めた方法を知る術はない。紅も三歳当時の事を覚えているのかわからない上に、今は紅とも会えない状況だ。
「じゃあ、何なら話してくれる?」
翠は顔をあげた。
「どういうこと?」
「紅を閉じ込めた方法は言えないんでしょ。でも他のことで葛さんが知ってることなら話してくれる?」
いつまでもうじうじと悩んでいられない。悲しい気持ちは未だ尾を引いていたが紅を救い出して一緒に生きていくという意思は固いものだった。自分が強くならなければ紅を守る事はできない。翠は、変わったのだ。
「あたしにわかる範囲であれば、だけど。でも人格を封じた方法以外にあたしが話せる事なんてあるかな?」
翠にはまだ知らない事があった。それは自分でも覚えていない、パパの口からも紅の口からもきちんと語られていないこと。
「ママの事を教えて。どういう人だったのか、なんで死んじゃったのか」
人格が生まれるのは強いストレスを感じた時。多くの本に書かれていたのは、両親の不仲や虐待、貧困が原因。しかし今の翠にそのどれにも心当たりはない。
一体、何故紅という人格が誕生したのか。
それを探るには、母親の事をきちんと知る必要があるように思えた。
「翠ちゃんには知る権利があると思う。でも本当なら月子さんの事は祐二さんに話す役目がある」
「今はパパに聞けないから……葛さんから見たママの事を教えて欲しい」
パパは紅を快く思っていない。そうなれば紅の絡むママの話を聞けば話に偏りが生まれるだろう。中立の立場である葛なら、他から見たママの姿を知ることができると思った。
「わかった。あたしが話せる範囲で月子さんがどんな人だったか」
「うん」
葛はゆっくりと語り始めた。
「月子さんはとても優しくて真面目で穏やかな人だった。翠ちゃんの事もきちんと考えていて、それはよく覚えてる」
翠の知らないママの話。実の娘である翠がその実を知らないというのに、いち家政婦が知っているだなんて奇妙な話だ。
「ともかく翠ちゃんの事を一番に考えてた」
「だけど、紅が閉じ込められるのをママも止めなかった?」
「ううん、月子さんは止めた。だけど月子さんは……ちょっと、祐二さんを信じすぎてたの」
ママは人格を閉じ込める事に反対した。そしてママがパパを信じすぎていた。それは結局、ママも人格を閉じ込める事に賛成したのではないのだろうかと、生ぬるくなってしまったココアを見つめてそう考える。
「信じた結果、紅ちゃんは封じ込められて、月子さんは後に亡くなった。あたしが家政婦として雇われたのも月子さんが亡くなって、せめて翠ちゃんが懐いていたあたしをって」
パパがどういうつもりだったのかはわからない。けれどこの話を聞く限りパパは少なからず葛を母親代わりにとでも思っていたのではないか。もしそうなのだとすればパパが翠を思う気持ちが垣間見え翠は複雑だった。
「紅ちゃんが消えちゃったとあたしは思ってた。あたしも中学生の時に別の人格がいたけど病院に通い出してからは段々と出てこなくなったから。でも絶対に消せないって教授も仰っていたしそんな恐ろしいことはするなって止めていて……でも祐二さんはそれが最善策だと思ったんだろうね」
葛はそれ以上を語らなかった。
その教授が言うように、人格を無理矢理閉じ込めるなんて事は恐ろしい事なのだろう。翠でもそれが恐ろしい事であるとわかる。一人の人間を閉じ込めてしまう等という事は。
紅は攻撃的な一面があった。でもそれは翠を思っての言動だ。保育園の時に人の顔をハサミで顔を刺したのも、髪を引っ張られて怖かったのだろう。衣装がある部屋に行った理由だってきっと何か理由があったのだ。翠からみた紅はいつでも正しかった。パパや周りの大人は紅をただ攻撃的だと、そう言うかもしれない。だが翠だけは紅の事を信じ続ける覚悟があった。
紅は間違っていない。
紅だけは唯一なのだ。
「最後にひとつだけ教えて」
「あたしに言えることであれば」
「ママはどうして死んだの?」
その答えを翠はいくつも空想した。
重い病気にかかっていただとか、事故にあってしまっただとかそれこそ幼い頃から母親のいない理由を自分で捏造し母親のいない寂しさを誤魔化していた事もある。病気だから仕方ない、事故にあったから仕方ない、と。
少し躊躇った様子の後、葛は言った。
「月子さんは自殺したの」
翠が少しも予想していなかった答えだった。
自殺。ママは自殺だったのか。ママは翠の事を考えていると、愛していると思っていた。だと言うのに、翠を残して死んだというのか。
「そ、うなんだ……」
残酷すぎる現実。自殺。死因が自殺という空想は一度もした事がなかった。きっとママは事故でや病気で仕方なく死んでしまったとずっと思っていたのだ。
「でも勘違いしないで。祐二さんとの仲は良好だったし、翠ちゃんの事も愛していた。詳しくは離せないけど、ほら。翠ちゃんの家の、いつも鍵がかかっている部屋があるでしょ? あれは祐二さんが月子さんにって用意した部屋なの。もう月子さんは戻っては来ないけど……」
そう言うと葛は立ち上がり、リビングに置かれた戸棚を開いた。戻ってきた葛の手にはりんごのキーホルダーがついた鍵が握られている。
「これであの部屋に入れるから。私の口からは話せないけど、私はこの鍵をうっかりさしたままにした事にする。それで、翠ちゃんはこの鍵で月子さんの為の部屋に入った。あの部屋に入れば翠ちゃんの知りたいことははっきりすると思う。だから……」
葛はその鍵を翠の手にぎゅっと握らせてくれた。そして、翠の目を真っすぐに見つめて優しく語りかけてくれたのだ。
「いいの? こんなことして。これ、パパにばれたら……」
「いいの。どのみちもう家政婦はやめるつもり。それに」
「それに……?」
「もう諦めなきゃいけないから。ムカついてるの、私は月子さんじゃないのにね」
今の翠にその言葉の意味はわからなかったが、葛が翠の味方をしてくれているのはよく理解できた。紅以外にも、すぐ傍に翠の味方が存在したのだ。
「私は翠ちゃんのママにはなれない。でも、私は翠ちゃんと、それから紅ちゃんの力になるから。こんなおばさんでよければ、いつでも頼ってね」
「うん。ありがとう。あと、葛さんはおばさんじゃないよ」
翠は葛の目を見て笑った。心強い味方ができて翠の心には少しだが余裕が生まれた。葛が話せないことが、この鍵の向こうにある。クローゼットは俄然として開く気配がないが鍵の向こうへ行って真実を確かめる。
その日は葛の家に泊めてもらい、翌日は学校へ車で送ってもらった。葛は今日休みを貰っているそうで、放課後に家で何かが起こっても助けてあげる事ができないと謝罪された。でも別に葛がいても、いなくても翠は戦うつもりでいた。過去に何があったのか、きちんと自分自身で。
学校では相変わらず一人だったが最早気にならなかった。今は紅を助けることが一番。もちろん授業は真面目に受けたが耳に入った翠の陰口に対しても翠は紅の事を思い出し『何を話してるの?』とそのグループに言葉を投げかけた。無敵状態。翠に怖いものは無かった。
まるで紅になったみたいだった。
翠は入れてもらったココアを手に泣きはらした目で俯いていた。
「そっか。聞いたんだ」
優しく声をかけてくれたのは葛だった。
あの後、翠は葛にしばらくの間泊めて欲しいとメールを送信した。葛がどこに住んでいて誰と、どんな暮らしをしているのかさえも知らなかったが他に行く当てのない翠にはそうする他なかった。
「葛さんも紅と会ったことあった?」
「ううん。私はない。話を聞いただけ。でも、あんまり祐二さんを否定、できないけど……あのやり方には反対だった。私もかつて自分以外の人格がいたから」
解離性同一性障害を患っていた経験のある学生。それは葛の事だった。恩師に紹介されたというのも、翠と同じ病を抱えていた経験からだ。
「あのやり方って?」
それはパパが伏せた部分だろう。翠が俯いたままそう尋ねると一瞬の間があった。葛はしまったと思った。紅を
閉じ込めた方法について、翠が知ってしまったと思っていたからだ。
「ごめんね、具体的な事は私の口からは……」
パパが話さなかった以上、葛に聞き出すしか紅を閉じ込めた方法を知る術はない。紅も三歳当時の事を覚えているのかわからない上に、今は紅とも会えない状況だ。
「じゃあ、何なら話してくれる?」
翠は顔をあげた。
「どういうこと?」
「紅を閉じ込めた方法は言えないんでしょ。でも他のことで葛さんが知ってることなら話してくれる?」
いつまでもうじうじと悩んでいられない。悲しい気持ちは未だ尾を引いていたが紅を救い出して一緒に生きていくという意思は固いものだった。自分が強くならなければ紅を守る事はできない。翠は、変わったのだ。
「あたしにわかる範囲であれば、だけど。でも人格を封じた方法以外にあたしが話せる事なんてあるかな?」
翠にはまだ知らない事があった。それは自分でも覚えていない、パパの口からも紅の口からもきちんと語られていないこと。
「ママの事を教えて。どういう人だったのか、なんで死んじゃったのか」
人格が生まれるのは強いストレスを感じた時。多くの本に書かれていたのは、両親の不仲や虐待、貧困が原因。しかし今の翠にそのどれにも心当たりはない。
一体、何故紅という人格が誕生したのか。
それを探るには、母親の事をきちんと知る必要があるように思えた。
「翠ちゃんには知る権利があると思う。でも本当なら月子さんの事は祐二さんに話す役目がある」
「今はパパに聞けないから……葛さんから見たママの事を教えて欲しい」
パパは紅を快く思っていない。そうなれば紅の絡むママの話を聞けば話に偏りが生まれるだろう。中立の立場である葛なら、他から見たママの姿を知ることができると思った。
「わかった。あたしが話せる範囲で月子さんがどんな人だったか」
「うん」
葛はゆっくりと語り始めた。
「月子さんはとても優しくて真面目で穏やかな人だった。翠ちゃんの事もきちんと考えていて、それはよく覚えてる」
翠の知らないママの話。実の娘である翠がその実を知らないというのに、いち家政婦が知っているだなんて奇妙な話だ。
「ともかく翠ちゃんの事を一番に考えてた」
「だけど、紅が閉じ込められるのをママも止めなかった?」
「ううん、月子さんは止めた。だけど月子さんは……ちょっと、祐二さんを信じすぎてたの」
ママは人格を閉じ込める事に反対した。そしてママがパパを信じすぎていた。それは結局、ママも人格を閉じ込める事に賛成したのではないのだろうかと、生ぬるくなってしまったココアを見つめてそう考える。
「信じた結果、紅ちゃんは封じ込められて、月子さんは後に亡くなった。あたしが家政婦として雇われたのも月子さんが亡くなって、せめて翠ちゃんが懐いていたあたしをって」
パパがどういうつもりだったのかはわからない。けれどこの話を聞く限りパパは少なからず葛を母親代わりにとでも思っていたのではないか。もしそうなのだとすればパパが翠を思う気持ちが垣間見え翠は複雑だった。
「紅ちゃんが消えちゃったとあたしは思ってた。あたしも中学生の時に別の人格がいたけど病院に通い出してからは段々と出てこなくなったから。でも絶対に消せないって教授も仰っていたしそんな恐ろしいことはするなって止めていて……でも祐二さんはそれが最善策だと思ったんだろうね」
葛はそれ以上を語らなかった。
その教授が言うように、人格を無理矢理閉じ込めるなんて事は恐ろしい事なのだろう。翠でもそれが恐ろしい事であるとわかる。一人の人間を閉じ込めてしまう等という事は。
紅は攻撃的な一面があった。でもそれは翠を思っての言動だ。保育園の時に人の顔をハサミで顔を刺したのも、髪を引っ張られて怖かったのだろう。衣装がある部屋に行った理由だってきっと何か理由があったのだ。翠からみた紅はいつでも正しかった。パパや周りの大人は紅をただ攻撃的だと、そう言うかもしれない。だが翠だけは紅の事を信じ続ける覚悟があった。
紅は間違っていない。
紅だけは唯一なのだ。
「最後にひとつだけ教えて」
「あたしに言えることであれば」
「ママはどうして死んだの?」
その答えを翠はいくつも空想した。
重い病気にかかっていただとか、事故にあってしまっただとかそれこそ幼い頃から母親のいない理由を自分で捏造し母親のいない寂しさを誤魔化していた事もある。病気だから仕方ない、事故にあったから仕方ない、と。
少し躊躇った様子の後、葛は言った。
「月子さんは自殺したの」
翠が少しも予想していなかった答えだった。
自殺。ママは自殺だったのか。ママは翠の事を考えていると、愛していると思っていた。だと言うのに、翠を残して死んだというのか。
「そ、うなんだ……」
残酷すぎる現実。自殺。死因が自殺という空想は一度もした事がなかった。きっとママは事故でや病気で仕方なく死んでしまったとずっと思っていたのだ。
「でも勘違いしないで。祐二さんとの仲は良好だったし、翠ちゃんの事も愛していた。詳しくは離せないけど、ほら。翠ちゃんの家の、いつも鍵がかかっている部屋があるでしょ? あれは祐二さんが月子さんにって用意した部屋なの。もう月子さんは戻っては来ないけど……」
そう言うと葛は立ち上がり、リビングに置かれた戸棚を開いた。戻ってきた葛の手にはりんごのキーホルダーがついた鍵が握られている。
「これであの部屋に入れるから。私の口からは話せないけど、私はこの鍵をうっかりさしたままにした事にする。それで、翠ちゃんはこの鍵で月子さんの為の部屋に入った。あの部屋に入れば翠ちゃんの知りたいことははっきりすると思う。だから……」
葛はその鍵を翠の手にぎゅっと握らせてくれた。そして、翠の目を真っすぐに見つめて優しく語りかけてくれたのだ。
「いいの? こんなことして。これ、パパにばれたら……」
「いいの。どのみちもう家政婦はやめるつもり。それに」
「それに……?」
「もう諦めなきゃいけないから。ムカついてるの、私は月子さんじゃないのにね」
今の翠にその言葉の意味はわからなかったが、葛が翠の味方をしてくれているのはよく理解できた。紅以外にも、すぐ傍に翠の味方が存在したのだ。
「私は翠ちゃんのママにはなれない。でも、私は翠ちゃんと、それから紅ちゃんの力になるから。こんなおばさんでよければ、いつでも頼ってね」
「うん。ありがとう。あと、葛さんはおばさんじゃないよ」
翠は葛の目を見て笑った。心強い味方ができて翠の心には少しだが余裕が生まれた。葛が話せないことが、この鍵の向こうにある。クローゼットは俄然として開く気配がないが鍵の向こうへ行って真実を確かめる。
その日は葛の家に泊めてもらい、翌日は学校へ車で送ってもらった。葛は今日休みを貰っているそうで、放課後に家で何かが起こっても助けてあげる事ができないと謝罪された。でも別に葛がいても、いなくても翠は戦うつもりでいた。過去に何があったのか、きちんと自分自身で。
学校では相変わらず一人だったが最早気にならなかった。今は紅を助けることが一番。もちろん授業は真面目に受けたが耳に入った翠の陰口に対しても翠は紅の事を思い出し『何を話してるの?』とそのグループに言葉を投げかけた。無敵状態。翠に怖いものは無かった。
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