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始まり
巨人の町?
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扉の前までくると門番(?)らしい巨人と何か話しをしている。何か鎧っぽいのを着てるし、剣も腰に差してるし。門番って事にしとこう。話の内容は…うん。言葉解らないね。何語なんだろう。まあ日本語しか話せないので、英語とかフランス語とかでも解らないだろうけど。いや英語くらいなら少しは解るか。話せなくても。でも英語じゃないっぽい。だって知ってる単語の一つも出てこないし。流石は異世界だわぁ。そんなに都合良く出来てる訳ないってか。私の知ってる異世界、ぶっちゃけラノベの異世界と違って本当に厳しい。
話が終わったのか、扉を開ける門番な巨人。ギギギと重い音を鳴らしながら開いていく扉を見ていたら、何故かふと、私を掴んでいる巨人はどんな感じなのかと気になったので、そっと覗き見てみる。鎧とかは着てないようだ。何かの模様なのか、刺繍が入ってる服に大きくて綺麗な緑色の宝石(?)が嵌め込まれた首飾り。そして顔…を見るに結構お爺ちゃんだ。しかも渋メン。しかも髭。ヤバイ…髭の似合う渋メンきた!ナンテコトだ!…ちょっとドキドキしてしまいました。
はぅっ!
暢気に見惚れてたら、いつの間にか扉くぐってたぁ!
渋メンとか言ってる場合か!
巨人の町の中に入っちゃいましたよ!?
トキメキが一気に別の物に変わる。ビクビクしながら周りを窺う。しかし心配するほどもなく、他の巨人の姿は無かった。そりゃそうか。夜だもんね。明かりも少々はあるものの、この暗さの中で用も無く闊歩する気にはならないのだろう。
いきなり好奇の目に晒されるような事にならなかったのは、少しホッとする。
更に周りに目を向け、様子を探る。何というか…中世ヨーロッパの街並みという雰囲気だ。これは異世界では定番なのだろうか?まあ良いんだけど。
渋メン巨人はというとそのまま通りを真っ直ぐに歩いて行く。どんどんと奥に進んで行くんですけど。そりゃもうズンズンと。
もしもーし?ちょっとそこに宿っぽい作りの家がありますけど?出来れば入口から遠くない所で止まって、いや泊まって?ほしいんですけどぉぉ?
無駄と知りつつ、心の中で叫ぶ私。口にしたところで通じないと思うけど、でも心の内だけに留めておく。だって迂闊にワアワア騒いだりしたら、うるさいと言わんばかりにこう手をね、キュッとなんてされたら嫌だし。キュッどころか、ギュウッとかされたら堪ったもんじゃないし?
あぁ…宿っぽいところ過ぎちゃいました…。
全然歩きを止める気配なしですね。
何処まで行くんだろう?お願いだから、あの奥にある、あの奥~の方にある大きな城みたいな所とか行かないでほしい。あんな所に連れてかれたらもう、嫌な想像しか出来ませんし?お願いだから、お願いだからヤメテ。ね?
しかし世は無情である。
渡る世間は◯ばかりってやつですか?
私の願い虚しく、渋メン巨人は例の城の前まで来ていた。
何で?何で城まで来ちゃうかなあ?そして城の前にもやはりというのか、またしてもというのか、門番っぽいのがいて、そして此方もやはりというかなんちゅうか、何やら会話している。まあ中に入れてくれや~っとか何とか言ってるんだろうけど。駄目ですとか言ってくれないものだろうか。むしろ言って。断っちゃって。こんな時間にくるなとか言って断っちゃおうよ、門番な人。お願い。
心の中で細やかな抵抗をしていたら、アレアレ?何か持ち上げられて…門番の目の前に突き出されるような格好になってるんだけど?
(ひ、ひええええええええええ!)
見られてる!メッチャ見られてるうぅっ!
全身が一気に強張るとともに一緒に汗も噴き出してた。顔が引きつってるのが自分でもよく解る。どうなるのか解らないっていうのが、こんなに怖い事だなんて。口の中がいつの間にかカラカラになってて、ゴクリと唾を飲もうとするも喉がヒリついたのだけが判った。
門番巨人は意外に若かった。でもその顔はひたすら怖いの一言だ。私の事を見た時、一瞬だけ驚いたような表情をしたものの、その後は何か思案するようにジロジロと見てくる。ていうか怖い。眼光鋭いとはこの事ですね。いやもう本当に怖いから。ヤメテ。ヤメテクダサイ。こっち見ないで。
無駄と解っていてもその視線から逃げたくて、掴まれたままの状態でバタバタともがいてみる。するとアレアレ?真っ暗になったよ?ん?何で?キョロキョロと辺りを確認すると、どうやら私を掴んでいた巨人がもう片方の手で私を覆ったらしい。指の隙間から少しだけ光が漏れてる。正直ちょっとホッとした。だって本当に怖いんだもん、顔が。いや目が。顔が怖いって失礼だったわ、流石に。ゴメンね。でも仕方ないよね。怖いもんは怖いんだよ。
…何かまだ色々と話してるっぽい…。だから断っちゃおうって。いやもしかして、断られてるのにどうしてもとか言ってるんだろうか?それも有り得る。断られてるんなら諦めようよ、潔くさあ!
…………
何か話し終わった…?終わったっぽい?静かになった…ってアレェ?何か、何かですよ?ガラガラ音がするんですけど…?え?待って。まさか。まさかだよねぇ?お城でしょ?今は夜でしょ?そんなに簡単にこんな時間にしかもお城に入れちゃうとか良いの、それで?ちょっとぉぉぉ?
…………
城の中…入っちゃったっぽいね、これ…。
ナニコノ絶体絶命感。一般庶民代表みたいな小娘には荷が重過ぎなんじゃないでしょうか…?
もういっそ気絶したい。
話が終わったのか、扉を開ける門番な巨人。ギギギと重い音を鳴らしながら開いていく扉を見ていたら、何故かふと、私を掴んでいる巨人はどんな感じなのかと気になったので、そっと覗き見てみる。鎧とかは着てないようだ。何かの模様なのか、刺繍が入ってる服に大きくて綺麗な緑色の宝石(?)が嵌め込まれた首飾り。そして顔…を見るに結構お爺ちゃんだ。しかも渋メン。しかも髭。ヤバイ…髭の似合う渋メンきた!ナンテコトだ!…ちょっとドキドキしてしまいました。
はぅっ!
暢気に見惚れてたら、いつの間にか扉くぐってたぁ!
渋メンとか言ってる場合か!
巨人の町の中に入っちゃいましたよ!?
トキメキが一気に別の物に変わる。ビクビクしながら周りを窺う。しかし心配するほどもなく、他の巨人の姿は無かった。そりゃそうか。夜だもんね。明かりも少々はあるものの、この暗さの中で用も無く闊歩する気にはならないのだろう。
いきなり好奇の目に晒されるような事にならなかったのは、少しホッとする。
更に周りに目を向け、様子を探る。何というか…中世ヨーロッパの街並みという雰囲気だ。これは異世界では定番なのだろうか?まあ良いんだけど。
渋メン巨人はというとそのまま通りを真っ直ぐに歩いて行く。どんどんと奥に進んで行くんですけど。そりゃもうズンズンと。
もしもーし?ちょっとそこに宿っぽい作りの家がありますけど?出来れば入口から遠くない所で止まって、いや泊まって?ほしいんですけどぉぉ?
無駄と知りつつ、心の中で叫ぶ私。口にしたところで通じないと思うけど、でも心の内だけに留めておく。だって迂闊にワアワア騒いだりしたら、うるさいと言わんばかりにこう手をね、キュッとなんてされたら嫌だし。キュッどころか、ギュウッとかされたら堪ったもんじゃないし?
あぁ…宿っぽいところ過ぎちゃいました…。
全然歩きを止める気配なしですね。
何処まで行くんだろう?お願いだから、あの奥にある、あの奥~の方にある大きな城みたいな所とか行かないでほしい。あんな所に連れてかれたらもう、嫌な想像しか出来ませんし?お願いだから、お願いだからヤメテ。ね?
しかし世は無情である。
渡る世間は◯ばかりってやつですか?
私の願い虚しく、渋メン巨人は例の城の前まで来ていた。
何で?何で城まで来ちゃうかなあ?そして城の前にもやはりというのか、またしてもというのか、門番っぽいのがいて、そして此方もやはりというかなんちゅうか、何やら会話している。まあ中に入れてくれや~っとか何とか言ってるんだろうけど。駄目ですとか言ってくれないものだろうか。むしろ言って。断っちゃって。こんな時間にくるなとか言って断っちゃおうよ、門番な人。お願い。
心の中で細やかな抵抗をしていたら、アレアレ?何か持ち上げられて…門番の目の前に突き出されるような格好になってるんだけど?
(ひ、ひええええええええええ!)
見られてる!メッチャ見られてるうぅっ!
全身が一気に強張るとともに一緒に汗も噴き出してた。顔が引きつってるのが自分でもよく解る。どうなるのか解らないっていうのが、こんなに怖い事だなんて。口の中がいつの間にかカラカラになってて、ゴクリと唾を飲もうとするも喉がヒリついたのだけが判った。
門番巨人は意外に若かった。でもその顔はひたすら怖いの一言だ。私の事を見た時、一瞬だけ驚いたような表情をしたものの、その後は何か思案するようにジロジロと見てくる。ていうか怖い。眼光鋭いとはこの事ですね。いやもう本当に怖いから。ヤメテ。ヤメテクダサイ。こっち見ないで。
無駄と解っていてもその視線から逃げたくて、掴まれたままの状態でバタバタともがいてみる。するとアレアレ?真っ暗になったよ?ん?何で?キョロキョロと辺りを確認すると、どうやら私を掴んでいた巨人がもう片方の手で私を覆ったらしい。指の隙間から少しだけ光が漏れてる。正直ちょっとホッとした。だって本当に怖いんだもん、顔が。いや目が。顔が怖いって失礼だったわ、流石に。ゴメンね。でも仕方ないよね。怖いもんは怖いんだよ。
…何かまだ色々と話してるっぽい…。だから断っちゃおうって。いやもしかして、断られてるのにどうしてもとか言ってるんだろうか?それも有り得る。断られてるんなら諦めようよ、潔くさあ!
…………
何か話し終わった…?終わったっぽい?静かになった…ってアレェ?何か、何かですよ?ガラガラ音がするんですけど…?え?待って。まさか。まさかだよねぇ?お城でしょ?今は夜でしょ?そんなに簡単にこんな時間にしかもお城に入れちゃうとか良いの、それで?ちょっとぉぉぉ?
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城の中…入っちゃったっぽいね、これ…。
ナニコノ絶体絶命感。一般庶民代表みたいな小娘には荷が重過ぎなんじゃないでしょうか…?
もういっそ気絶したい。
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