物語は突然に

かなめ

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神とは

崇拝してます

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まあ、信仰だとか崇拝だとかの話は置いといて。
「あの…そのガレシア神国の本を読ませてもらう事って出来るんですか?」
私の言葉にジリスさんが難しい顔をする。無理かな~?この国でも最重要なんたらとか言ってたし。文化財だっけ?それは日本か。まぁ、それはいいか。
「条件によっては可能かもしれません。ですが…その許可を取れるかどうかはちょっと…。明日まで待ってもらえませんか?」
「はい。大丈夫です」
条件て何だろう。まぁ、重要物みたいだし、無理かもしれないからあまり期待しないでおこう。
「あの、それでですね…」
ん?まだ続きがあったの?
「他にもオノタカムイの教えが書いてあるなら、聞かせて頂いても宜しいでしょうか?」
─!?目がキラキラしてるよ、ジリスさん…。そっか、ジリスさんは小野篁を崇拝する人でしたか…。まぁ、小野篁…じゃなくてオノタカムイにも詳しいし、考えれば、そうであってもおかしくないってか。…おぅふ。崇拝してる人のこんな内容を聞かせてもイイもんだろうか?!
「えっと…さっきも言いましたけど、解らない部分が多くてですね…その、簡単な所だけで良ければ……」
「それで結構です!是非お願いします」
「あ、ハイ」
─その後、問題の無さそうな所を数点ピックアップして、お話ししました…。三時間ほど…。質問多いよ、ジリスさん…っ。
頭が軽くパンクしそうです。










「おはようございます!」
「お…おはようございます…」
どうしちゃったの?何か朝からテンション高くないですか?ジリスマイルもいつもの五割増しくらいに感じる。
「実はですね、昨夜、就寝前にアイリンさんからお聞きした事に新たな推測を立ててみたので、是非、折りを見て意見を頂けたらと思いまして!」
「あ、ハイ…」
「良かった!ありがとうございます!
あ、先に食事にしましょうか。もう準備も出来ていますので」
………どんだけテンション高いの……。
普段からキビキビとした人だけど、今日は更に動きが早いよ。そんなにオノタカムイ小野篁が好きなのか。
「ジリスさんはオノタカムイを崇拝してるんですね」
あ、固まった。笑顔がスゴイ感じに崩れていく。と思ったら、咳払い一つしていつもの状態をキープする。
「んん…っ。まぁ、その、神官たる私がオノタカムイに傾倒するのは如何かなものかと思うのですが…」
一息つきつつ、ティーポットを持ってないほうの手で握りこぶし作ってる。
「ですが!彼の方が起こした奇跡を思うと…っ、人が持ちうる可能性というものを感じずにはいられないと言いますか…っ、その」
「ジ、ジリスさんっ!お茶!お茶!危ないですよ!?」
興奮しすぎて持ってるティーポットからお茶が溢れそうになってる。
「あっ、済みませんっ!」
謝りながらアタフタとしている。
こんなジリスさんが見れるとか、ある意味、貴重なんじゃなかろうか。ちょっと可愛い。
なんて。甘かった。
朝から怒涛の質問責めが待ってました。








終わってなかった。
今日もジリスさんにくっついてお城に来てるんだけど、お城に来てからも仕事しながら質問をポコポコ飛ばしてくるし。お昼休憩に入る頃にはドッと疲れが…。
ヤバイ…。今日一日がメッチャ長い一日になりそうだよ…。
執務室の机の上でダラリと伸びている。他人様には見せられない姿だ。だってだって、疲れたんだもん!よくもまあ、そんなに質問が出てくるなぁと感心するよ!勉強熱心というか?いや、イイと思います。素敵だとも思います。歳を経てなお、あんなに目を輝かせて物事を追えるってスゴイと思います。思いますけど!
はぁ~………。
お世話になっているんだし、対してお返しも出来ないから、これくらい喜んでお付き合いしますよ~とか思ってはいるけど…手加減してほしいです…。

ガチャッ

ん?扉開いた?
「アイリンさん」
「ふぎゃーー!」
いきなり開けるとかビックリしたー!どころじゃなくて、ダラけてるところを思いっきり見られたしー!?ガバッと起き上がって、気付かれないように軽く手直しする。
一瞬だったし、きっと気付いてない!
そうに違いない!そう思いたい!
「どっ、どうかしたんですか?」
「あっ、寛いでいてくれて大丈夫ですよ」
バッチリ見られてた。
「それより、少し用がありまして。大変申し訳ないのですが、今日はお一人で食べて頂けますか?」
休憩中なのに用、とな?
昼食は此方に用意しておきますね、と言われた先には既に昼食の準備がされていた。相変わらず早い。そのまま、急ぐのでこれで、と言いながら部屋を出て行ってしまった。
何だろう、あんなに慌てて。銀行に用事とか?…無い無い。そもそも銀行とか無さそうだし。あとは~、急病人が運ばれてきたとか?ジリスさんは神官の偉い人だし。…無いわ~。そんなんだったら、そもそも部屋に戻ってきたりする暇ないでしょ。
まぁ、それに関しては考えても仕方ないし、私はお昼ご飯を食べる事にしようっと♫


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