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神の書を求めて
ガルシア神国への道中
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ガルシア神国に行く事になりました。
と言っても、ジリスさんと二人でという訳ではなく、護衛が二人ほどつくらしい。
護衛ですよ、護衛。さすがはエライ人。VIPですね、SPは必須って事ですね。
という事で。
今、城門のところで護衛の人を待ってたりする。ちなみに私はジリスさんの服の胸ポケにINしてる。最近、定位置化してるな、ここ。
「遅くなって申し訳ございません」
お?護衛の人が来たのかな?
声がしたほうを見ると、ガッシリとした体躯の男の人と妖精を連れている長髪の男の人の二人組が。
「護衛に命じられました、ガイ=シュナウザーです」
「同じくレオン=フィッツローです」
「はい、ジリス=リンデールです。道中はよろしくお願い致します」
「此方こそ宜しくお願い致します」
そう言ってジリスさんとガイさんと名乗った人とで、握手してる。
このガイさんって人とか、ズッゴイ強そう。デカくてゴツいし、顔も精悍って言葉そのまんまだ。もう一人のレオンさん?は…妖精がくっついてる。しかも二匹!いや二人?アレか、以前に聞いた残念魔法剣士さんかな?長い茶髪の毛を一つに結んだハンサム。
ふと気付いたら…なんか、向こうの妖精に指差されてるんですけど?何?何か言いたい事でもあるの?いいぞー、言いたい事があるなら、かかってこいやー!こちとら、この一週間妖精語のお勉強会してたから異種語も怖くないぜ!へっ!
お…そんな事考えてたら、レオンさんが私のほうを見ながら寄ってきた。近いよ?顔寄せすぎないで?
「これが例の妖精ですか?」
コレって!コレって何よー!顔がイイからって調子に乗るなよ!?
「レオン、物であるかのような言い方は止めてください。彼女はアイリン。今回の旅にも同行しますので、よろしくお願い致します」
「はっ!申し訳ございません」
ジリスさんに注意されてピシッと敬礼のポーズをとるハンサム。いやレオンさん。いや、こんな失礼なヤツはレオンでいいや。ん?妖精達まで寄ってきてるんだけど…なんなの?
「ほう、此方が例の妖精殿ですか。自分はガイ。よろしく」
おっと、妖精に気を取られてたらガイさんに挨拶された。
「よろしくお願いします」
勿論、挨拶されたら挨拶返すよ。挨拶は大事だしね。
「へんなのー」
えっ?
「あの子、へーん」
いきなり妖精二人にディスられた。
あの子って…私だよね?私か。指差されてるし。なんでやねん。
「こ、こらっ!ジリス様の妖精だぞ!失礼な事を言うな!」
「だってー」
「だって、だってー」
「「へんなんだもーん」」
「おいっ!黙れ!ジリス様、済みません!」
へんなの、へんなのと言いながらレオンの周りをクルクルと飛び回っている。失礼な。私の一体どこが変だって言うのか。
「だってー、あんなトコ、はいってるー」
「あんなトコ、はいるとかへんー」
「ハネいたんじゃう」
「ハネ、シワシワになっちゃう」
「「へんなのー」」
まさかのソコかよ。いや、妖精族にとって羽根は大切なんだったっけか。
「待ってください」
「「なにー?」」
「やだー」
「まつのキラーイ」
「「キラーイ」」
「彼女は病気なのです」
「びょうき?」
「なんの?」
「羽根が動かせないのです」
「ハネが!?」
「うごかせない!?」
「「たいへんなのー!」」
「だから此処にいるんです」
なんか妖精二人が世界の終わりだとでも言わんばかりの顔でこっちを見てるんですけど…そんなに羽根が大事なのか。
「「かわいそう…」」
「なおる?」
「だいじょうぶ?」
「どうしよう?」
「どうなっちゃうの?」
羽根がどうだとか、大変だとか言いながらお互いに手を取り合ってクルクルと上の方に上がっていく。どこまで上がるのか。レオンの頭より1mほど上がったところで何故か突然、急降下してきたと思ったら、いきなり手をガシッと掴んできて
「気をしっかりもつの!」
「だいじょうぶ!だいじょうぶじゃないけど、だいじょうぶっておもうの!」
「どうしたらイイのか、わからないけど、なんとかなるの!」
まくし立ててくる。
「きっとレオンがなんとかするの!」
無責任にもレオンをビシッと指差してそんな事をのたまわったところで
「え!?俺!?」
当然、いきなり話を振られてビックリしてるレオン。
「「なんとかしてなの!」」
「いや無理だから」
「「ハネはだいじなのー!」」
妖精二人がキャーキャー騒ぎながらも、身体全身を使ってジタバタって擬音を体現してる。スゴイ動きだわ。
レオンはというと、めっちゃ困惑の表情だ。そりゃそうだよね、なんという無茶ぶりかって感じ。
「落ち着いてください」
「ジリスー」
「なんとかしてなのー」
「ええ。勿論です」
「「ほんとなの!?」」
「流石ジリス様!」
「何とかなるものなんですか?」
ジリスさんの勿論発言に皆の驚きの声が同時に発せられて、何を言ってるのかワケが解らない。
「げんきだすの!」
「ジリスがなんとかしてくれるの!」
「「きをしっかりもつのー!!」」
「うん…ありがとう…」
どうでもイイけど激しいな、妖精達。妖精って皆、こんな感じなの?
と言っても、ジリスさんと二人でという訳ではなく、護衛が二人ほどつくらしい。
護衛ですよ、護衛。さすがはエライ人。VIPですね、SPは必須って事ですね。
という事で。
今、城門のところで護衛の人を待ってたりする。ちなみに私はジリスさんの服の胸ポケにINしてる。最近、定位置化してるな、ここ。
「遅くなって申し訳ございません」
お?護衛の人が来たのかな?
声がしたほうを見ると、ガッシリとした体躯の男の人と妖精を連れている長髪の男の人の二人組が。
「護衛に命じられました、ガイ=シュナウザーです」
「同じくレオン=フィッツローです」
「はい、ジリス=リンデールです。道中はよろしくお願い致します」
「此方こそ宜しくお願い致します」
そう言ってジリスさんとガイさんと名乗った人とで、握手してる。
このガイさんって人とか、ズッゴイ強そう。デカくてゴツいし、顔も精悍って言葉そのまんまだ。もう一人のレオンさん?は…妖精がくっついてる。しかも二匹!いや二人?アレか、以前に聞いた残念魔法剣士さんかな?長い茶髪の毛を一つに結んだハンサム。
ふと気付いたら…なんか、向こうの妖精に指差されてるんですけど?何?何か言いたい事でもあるの?いいぞー、言いたい事があるなら、かかってこいやー!こちとら、この一週間妖精語のお勉強会してたから異種語も怖くないぜ!へっ!
お…そんな事考えてたら、レオンさんが私のほうを見ながら寄ってきた。近いよ?顔寄せすぎないで?
「これが例の妖精ですか?」
コレって!コレって何よー!顔がイイからって調子に乗るなよ!?
「レオン、物であるかのような言い方は止めてください。彼女はアイリン。今回の旅にも同行しますので、よろしくお願い致します」
「はっ!申し訳ございません」
ジリスさんに注意されてピシッと敬礼のポーズをとるハンサム。いやレオンさん。いや、こんな失礼なヤツはレオンでいいや。ん?妖精達まで寄ってきてるんだけど…なんなの?
「ほう、此方が例の妖精殿ですか。自分はガイ。よろしく」
おっと、妖精に気を取られてたらガイさんに挨拶された。
「よろしくお願いします」
勿論、挨拶されたら挨拶返すよ。挨拶は大事だしね。
「へんなのー」
えっ?
「あの子、へーん」
いきなり妖精二人にディスられた。
あの子って…私だよね?私か。指差されてるし。なんでやねん。
「こ、こらっ!ジリス様の妖精だぞ!失礼な事を言うな!」
「だってー」
「だって、だってー」
「「へんなんだもーん」」
「おいっ!黙れ!ジリス様、済みません!」
へんなの、へんなのと言いながらレオンの周りをクルクルと飛び回っている。失礼な。私の一体どこが変だって言うのか。
「だってー、あんなトコ、はいってるー」
「あんなトコ、はいるとかへんー」
「ハネいたんじゃう」
「ハネ、シワシワになっちゃう」
「「へんなのー」」
まさかのソコかよ。いや、妖精族にとって羽根は大切なんだったっけか。
「待ってください」
「「なにー?」」
「やだー」
「まつのキラーイ」
「「キラーイ」」
「彼女は病気なのです」
「びょうき?」
「なんの?」
「羽根が動かせないのです」
「ハネが!?」
「うごかせない!?」
「「たいへんなのー!」」
「だから此処にいるんです」
なんか妖精二人が世界の終わりだとでも言わんばかりの顔でこっちを見てるんですけど…そんなに羽根が大事なのか。
「「かわいそう…」」
「なおる?」
「だいじょうぶ?」
「どうしよう?」
「どうなっちゃうの?」
羽根がどうだとか、大変だとか言いながらお互いに手を取り合ってクルクルと上の方に上がっていく。どこまで上がるのか。レオンの頭より1mほど上がったところで何故か突然、急降下してきたと思ったら、いきなり手をガシッと掴んできて
「気をしっかりもつの!」
「だいじょうぶ!だいじょうぶじゃないけど、だいじょうぶっておもうの!」
「どうしたらイイのか、わからないけど、なんとかなるの!」
まくし立ててくる。
「きっとレオンがなんとかするの!」
無責任にもレオンをビシッと指差してそんな事をのたまわったところで
「え!?俺!?」
当然、いきなり話を振られてビックリしてるレオン。
「「なんとかしてなの!」」
「いや無理だから」
「「ハネはだいじなのー!」」
妖精二人がキャーキャー騒ぎながらも、身体全身を使ってジタバタって擬音を体現してる。スゴイ動きだわ。
レオンはというと、めっちゃ困惑の表情だ。そりゃそうだよね、なんという無茶ぶりかって感じ。
「落ち着いてください」
「ジリスー」
「なんとかしてなのー」
「ええ。勿論です」
「「ほんとなの!?」」
「流石ジリス様!」
「何とかなるものなんですか?」
ジリスさんの勿論発言に皆の驚きの声が同時に発せられて、何を言ってるのかワケが解らない。
「げんきだすの!」
「ジリスがなんとかしてくれるの!」
「「きをしっかりもつのー!!」」
「うん…ありがとう…」
どうでもイイけど激しいな、妖精達。妖精って皆、こんな感じなの?
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