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神の書を求めて
ガルシア神国への道中2
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ジリスさんの勿論発言のおかげで一先ず騒がしいのが落ち着いたので、やっと出発する事になりました。
と言っても妖精二人は全然落ち着かないんだけどね!あっち行ってワアワア、こっち来てキャアキャア、時にクルクルと踊り出し、本当に落ち着く事がない。妖精って皆こうなんだろうか。
護衛の二人が馬車に荷物を乗せている間もひやかしが煩い。アレと一緒扱いとか思うとちょっとな…。
そう言えば、転移魔法で行けるのではと思ってたら、転移では行かないらしい。行けるには行けるけど、魔力をかなり使うのでその後の動きに制限がかかってしまうんだそうだ。もうひとつ言うと、最近の魔物の出現状態やら、ちょっとした気になる噂に関してだとかを調べつつ向かいたいという話らしい。
転移魔法をちょっと体験してみたかったので残念。まぁ、でも仕方ない。そのうちに機会があるかもしれないし、案外、体験しなくても使えるようになっちゃうかもしれないし、ともあれ焦りは禁物だ。帰りたいのは山々だけど、出来る事から少しずつやっていかないと、いざ何か問題が起きた時に訳が解らないままじゃどうにも動きがとれない、なんて事にもなりかねないし。
馬車の旅って大変なんだな…。
出発して半日も経たないうちに抱いた感想がコレですよ。何が大変って魔物!魔物多すぎじゃない?!森に入った途端に大きな犬(狼かも)みたいなのとか、大きくて高速で飛ぶ蝶々とか、ツノの生えたウサギとか、ゴブリン?とか。どんだけだよ。
今いるのは、ジリスさんとガイさんとレオン、妖精二人とそして御者のボリアスさんと私。このうちボリアスさんと私は戦闘には参加してない。妖精二人はレオンの周りでクルクルと飛び回り、たぶんサポート的な何かをしてるっぽい。
実質、戦闘してるのは三人だけって事になるけど、さすがにお城勤務とかしちゃうだけあって強いんだって事も解ったけど、危なげなところも全くなく余裕そうに見えるけど、けどだよ!?
いくら強くたってこうも回数を重ねれば疲れも出るだろうし、休憩を取るのも大変だろうし、ガルシア神国までは十日ほどかかるって言ってたし、今からこんなんじゃ心配にもなるってもんでしょ…。大丈夫かなぁ、本当に。
こっちは騎士と魔術師が同行してるからまだアレだけど、一般の人達ってどうしてるんだろう。城下町の外には出たりしないんだろうか?それともさっきまで出てきてた魔物って大した事ないヤツらなのか。まぁ、ゴブリン?は最下種の魔物ってよく聞くけども。
しかしながらのこのペース。馬車の速度じゃなくて魔物。魔物とのエンカウント数。まだ半日も経ってないっていうのに…回数多すぎじゃないのか。
「此処を抜けたら昼食にしましょうか」
ん?ここを抜けたら?森を抜けたらって事かな?でもこんなに魔物だらけなのに昼食って大丈夫なの?!
私の心配をよそに、そうですねだとか賛成だとかの声がする。普通なのか。こんなに魔物いっぱいなのに、いいのかそれで。まぁ、何もしてない私が言うのもなんだけど。
この後二回ほど襲われたけど、無事に森を抜けた。少し森から離れたところで
「この辺で良いでしょうか」
「そうですね。では食事の準備をしましょうか」
『アミュレットサイス』
ジリスさんが何かの呪文を唱えているのが聞こえた。なんだろう。御守りの鎌?何それ?魔物避けとかそういう感じの何かかな?
キョロキョロと辺りを窺ってみても、何も変わったようなところがなく、どんな効果なのかは解らなかった。
その間にも騎士の二人が薪を集めたり簡単なカマドを作ったりしていて、ジリスさんが手荷物から鍋だのちょっとした食材?らしきものを用意してる。
手慣れてるな~。
そんなふうに様子を見てたら、派手な赤い服着た妖精がカマドの薪に火を点けてる。見た目通り火の妖精なのかな?キャンプにおいて魔法って、めっちゃ便利だな。
「あの~、ジリスさん?」
小声でジリスさんに話しかける。
「はい。何でしょう?」
「旅先でのご飯って、こんなにノンビリしてて大丈夫なもんなんですか?」
さっきのジリスさんの魔法が仮に魔物避けだったとしても、あんなに魔物盛り沢山だったのに大丈夫なんだろうか。
「あぁ。そうですねぇ…通常であればこの様な食事の取り方はしません。ですが先程の呪文は範囲結界の一つなので、一定時間内、魔物はこの中には入ってこれませんし、それに…この様な休憩の取り方は、町が近い今だけですよ」
「町が近い?」
出発してから結構走ったと思うけど。
「まだ出発して一日も経過してませんから」
「そ、そうなんですか…?」
近いのか、それ?
「危険な地帯に入ると休憩すら取らずに一気に抜けようとしたりしますからね。休憩は取れる時に取らないと」
それは解る気がするけど。
「すぐ出来ますから、少し待っててくださいね」
「あ、はい…」
って、んんん!?え、何?ジリスさんが作るの?何で?どう見てもジリスさんが一番エライ人っぽいのに、そんな人がご飯作る係って!?
「ジ、ジリスさんが作るんですか?」
「ええ。以前にガイは料理した事がないと聞いていますし、レオンは~…なんと言いますか、その、独特な料理を作るので…その、好みが分かれると言いますか、苦手な方も結構いると言うか、その~、大人数量必要な料理を作るなら、無難な味付けの私が作った方が良いのではないかと、その、思いまして」
ジリスさんの気遣いから真意が解った。
なるほど、納得。
と言っても妖精二人は全然落ち着かないんだけどね!あっち行ってワアワア、こっち来てキャアキャア、時にクルクルと踊り出し、本当に落ち着く事がない。妖精って皆こうなんだろうか。
護衛の二人が馬車に荷物を乗せている間もひやかしが煩い。アレと一緒扱いとか思うとちょっとな…。
そう言えば、転移魔法で行けるのではと思ってたら、転移では行かないらしい。行けるには行けるけど、魔力をかなり使うのでその後の動きに制限がかかってしまうんだそうだ。もうひとつ言うと、最近の魔物の出現状態やら、ちょっとした気になる噂に関してだとかを調べつつ向かいたいという話らしい。
転移魔法をちょっと体験してみたかったので残念。まぁ、でも仕方ない。そのうちに機会があるかもしれないし、案外、体験しなくても使えるようになっちゃうかもしれないし、ともあれ焦りは禁物だ。帰りたいのは山々だけど、出来る事から少しずつやっていかないと、いざ何か問題が起きた時に訳が解らないままじゃどうにも動きがとれない、なんて事にもなりかねないし。
馬車の旅って大変なんだな…。
出発して半日も経たないうちに抱いた感想がコレですよ。何が大変って魔物!魔物多すぎじゃない?!森に入った途端に大きな犬(狼かも)みたいなのとか、大きくて高速で飛ぶ蝶々とか、ツノの生えたウサギとか、ゴブリン?とか。どんだけだよ。
今いるのは、ジリスさんとガイさんとレオン、妖精二人とそして御者のボリアスさんと私。このうちボリアスさんと私は戦闘には参加してない。妖精二人はレオンの周りでクルクルと飛び回り、たぶんサポート的な何かをしてるっぽい。
実質、戦闘してるのは三人だけって事になるけど、さすがにお城勤務とかしちゃうだけあって強いんだって事も解ったけど、危なげなところも全くなく余裕そうに見えるけど、けどだよ!?
いくら強くたってこうも回数を重ねれば疲れも出るだろうし、休憩を取るのも大変だろうし、ガルシア神国までは十日ほどかかるって言ってたし、今からこんなんじゃ心配にもなるってもんでしょ…。大丈夫かなぁ、本当に。
こっちは騎士と魔術師が同行してるからまだアレだけど、一般の人達ってどうしてるんだろう。城下町の外には出たりしないんだろうか?それともさっきまで出てきてた魔物って大した事ないヤツらなのか。まぁ、ゴブリン?は最下種の魔物ってよく聞くけども。
しかしながらのこのペース。馬車の速度じゃなくて魔物。魔物とのエンカウント数。まだ半日も経ってないっていうのに…回数多すぎじゃないのか。
「此処を抜けたら昼食にしましょうか」
ん?ここを抜けたら?森を抜けたらって事かな?でもこんなに魔物だらけなのに昼食って大丈夫なの?!
私の心配をよそに、そうですねだとか賛成だとかの声がする。普通なのか。こんなに魔物いっぱいなのに、いいのかそれで。まぁ、何もしてない私が言うのもなんだけど。
この後二回ほど襲われたけど、無事に森を抜けた。少し森から離れたところで
「この辺で良いでしょうか」
「そうですね。では食事の準備をしましょうか」
『アミュレットサイス』
ジリスさんが何かの呪文を唱えているのが聞こえた。なんだろう。御守りの鎌?何それ?魔物避けとかそういう感じの何かかな?
キョロキョロと辺りを窺ってみても、何も変わったようなところがなく、どんな効果なのかは解らなかった。
その間にも騎士の二人が薪を集めたり簡単なカマドを作ったりしていて、ジリスさんが手荷物から鍋だのちょっとした食材?らしきものを用意してる。
手慣れてるな~。
そんなふうに様子を見てたら、派手な赤い服着た妖精がカマドの薪に火を点けてる。見た目通り火の妖精なのかな?キャンプにおいて魔法って、めっちゃ便利だな。
「あの~、ジリスさん?」
小声でジリスさんに話しかける。
「はい。何でしょう?」
「旅先でのご飯って、こんなにノンビリしてて大丈夫なもんなんですか?」
さっきのジリスさんの魔法が仮に魔物避けだったとしても、あんなに魔物盛り沢山だったのに大丈夫なんだろうか。
「あぁ。そうですねぇ…通常であればこの様な食事の取り方はしません。ですが先程の呪文は範囲結界の一つなので、一定時間内、魔物はこの中には入ってこれませんし、それに…この様な休憩の取り方は、町が近い今だけですよ」
「町が近い?」
出発してから結構走ったと思うけど。
「まだ出発して一日も経過してませんから」
「そ、そうなんですか…?」
近いのか、それ?
「危険な地帯に入ると休憩すら取らずに一気に抜けようとしたりしますからね。休憩は取れる時に取らないと」
それは解る気がするけど。
「すぐ出来ますから、少し待っててくださいね」
「あ、はい…」
って、んんん!?え、何?ジリスさんが作るの?何で?どう見てもジリスさんが一番エライ人っぽいのに、そんな人がご飯作る係って!?
「ジ、ジリスさんが作るんですか?」
「ええ。以前にガイは料理した事がないと聞いていますし、レオンは~…なんと言いますか、その、独特な料理を作るので…その、好みが分かれると言いますか、苦手な方も結構いると言うか、その~、大人数量必要な料理を作るなら、無難な味付けの私が作った方が良いのではないかと、その、思いまして」
ジリスさんの気遣いから真意が解った。
なるほど、納得。
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