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神の書を求めて
二日目
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朝───。
特に盗賊やら魔物に襲われるとかも無く、爽やかな朝を迎えました。
魔物除けの魔法使ってたから、魔物が来ないのは解るけど、お約束で盗賊くらいは来るかとちょっとドキドキしてたのに、何も無かった。
いや、無くて良かったんだけど、やっぱりラノベとは違うのかな~と思いながら、ジリスさんに質問してみたら、盗賊は大体、街からニ~三日ほど離れた森やら山岳地帯の麓とかにいるらしい。
来るとしたらもう少ししてからですね~と笑顔で言われて、ちょっと返答に困った。
慣れてるって感じなのが全然ジリスさんのイメージと違うんだけど。雰囲気と合わないと言うか。人は見た目で判断出来ないって事か。
まぁ、そんなこんなで特に問題も無く二日目スタートとなったのだった。
何事もなく揺れる馬車の中は静かかと言われたら全然静かじゃないと言っておく。
恐ろしいな、妖精。出発してから、ず~~~っと喋ってる。ノド乾かないんだろうか。一日目はそこまでお喋りしてなかったと思うんだけど、魔物とかが結構出てきたりしたから、周りを警戒して控えてたんだろうか。
もう本当にマシンガントークってヤツだよ。しかも話題もコロコロと変わる変わる。
スッゴイな。
ビックリだよ。
昔、クラスの男子に「女子って何でそんなに話に脈絡ないの?」とか言われたけど、全然。これに比べたら、ウチら全然可愛いもんだわ。ずっとアレの相手してるジリスさんとレオン、ちょっと尊敬するわ。いや、私だってお喋りは好きだけど、好きだけど、限度ってもんがあるよね?ガイさんなんかは、もうスッカリ我関せずスタイルだし。
初日の緊張感は何処へ?
そんな事を思いながらボンヤリと前を見ていると、森らしきものが見えてきた。
森に入ってからは魔物にたまに襲われたりしたけど、やっぱり初日よりは全然少ないと思う。竜の影響なんだろうか?
それと──気付いたんだけど、森の中で破壊されてる所がある。
これは何だろう。何かが争った跡…とかだろうか。でもこれ…竜が暴れた跡では無いような気がする。あの時、竜が目の前で暴れた時、体を大きく揺らしていただけで地面に亀裂が入り、ブレスを吐いた跡は大きく抉れて、それこそ草も残らぬような状態だった。それと比べたら全然大した事もない状態で──って、竜と比べるのもどうかと思うが。
それに、あの時、竜は横から来た。来た方向が違うという事、竜が暴れたにしては現場の荒れ方が大人しい気がする事を考えれば、コレは別のナニカなのではないか。
…………………。
ジリスさん達も気付かない訳じゃないだろうけど、何も言わないって事は大した事ではないのかもしれない。
…気にはなるけど、気にしないようにしよう。
もう随分と長い時間、馬車で揺られてるけど、流石に森の中では休憩はしないらしい。お昼には馬車の中で堅パンと干し肉を齧っていた。ちなみに妖精達と私にはクッキーと果物だった。何故だろう。妖精が好きな食べ物なのかな?
まぁ、そんな事はともかく、このままだと夕飯も馬車の中かな。もうだいぶ日は落ちている。夕飯どころか、もしかして夜通し馬車を走らせたりとか…?
えー…。
シンドそう。
しかも煩そう。
ヤダなとは思ったけど、まだ森は抜けられそうにない。どうするんだろう。
ガタガタゴトゴト
ガタガタゴトゴト
すっかり暗くなったのに、魔物は出てこなくなった。どういう事なの?暗いほうが出てきそうなもんなのに。それとも意外にこれが普通なんだろうか。
解らん。
異世界、解らんよ。
いや異世界じゃなくても、夜中の森の危険度がどんなものなのかなんて知らんけど。
でも夜中って危険なイメージあるじゃん。自分のトコの世界では夜中に森の中を彷徨うなんて危険って、誰もが知ってる常識みたいなもんじゃん。具体的にどう危険かは知らなくてもそういうもんでしょ。魔物とかいる異世界なら尚の事、危険そうなのに。
まぁ、出てこない分には文句もないんだけどさ。
安心安全が一番よね。
「何かがコッチにきてるよ!」
「デルタベアだよ!」
叫ぶ妖精達の言葉に思わず、「ヤバい。フラグだったか?」なんて考えたけど、よく考えたら声には出してなかったし、フラグじゃないよね?違うよね?ていうか、デルタベアとは何ぞー?
私がそんなどうでもイイ事を考えてる間に皆は戦闘準備に入っている。
ガイさんとレオンは馬車の外へと素早く出ると同時に剣を手にしている。そこにジリスさんが何かの補助魔法をかけたのだろう、ガイさんとレオンの周りで光がクルクルと舞ったのが見えた。そのまま、別の魔法を唱えると今度は馬車の周りを光が立ちのぼるように包み込む。
何の魔法だろう?
「来るよ!」
その声に顔を上げると前からナニカが来るのが見えた。
大きい。何だろう、アレ。
「皆さん、目を閉じてください!」
そう言い終わるとほぼ同時に
『フラッシュ』
詠唱が聞こえた。
頭の中で「あ、これ目眩しだ」と理解は出来たが、反応は出来なくてモロに見てしまった。
目、目がぁぁぁぁっ!!!!!
眩しい……っ!
チカチカするどころじゃない。涙まで出てきた。今までアニメとか見ながら、ただの目眩しで大袈裟なとか思っててゴメンなさい、ナメてましたぁ!
…暫く胸ポケの中で悶絶してたので、皆の活躍は見れませんでした。
特に盗賊やら魔物に襲われるとかも無く、爽やかな朝を迎えました。
魔物除けの魔法使ってたから、魔物が来ないのは解るけど、お約束で盗賊くらいは来るかとちょっとドキドキしてたのに、何も無かった。
いや、無くて良かったんだけど、やっぱりラノベとは違うのかな~と思いながら、ジリスさんに質問してみたら、盗賊は大体、街からニ~三日ほど離れた森やら山岳地帯の麓とかにいるらしい。
来るとしたらもう少ししてからですね~と笑顔で言われて、ちょっと返答に困った。
慣れてるって感じなのが全然ジリスさんのイメージと違うんだけど。雰囲気と合わないと言うか。人は見た目で判断出来ないって事か。
まぁ、そんなこんなで特に問題も無く二日目スタートとなったのだった。
何事もなく揺れる馬車の中は静かかと言われたら全然静かじゃないと言っておく。
恐ろしいな、妖精。出発してから、ず~~~っと喋ってる。ノド乾かないんだろうか。一日目はそこまでお喋りしてなかったと思うんだけど、魔物とかが結構出てきたりしたから、周りを警戒して控えてたんだろうか。
もう本当にマシンガントークってヤツだよ。しかも話題もコロコロと変わる変わる。
スッゴイな。
ビックリだよ。
昔、クラスの男子に「女子って何でそんなに話に脈絡ないの?」とか言われたけど、全然。これに比べたら、ウチら全然可愛いもんだわ。ずっとアレの相手してるジリスさんとレオン、ちょっと尊敬するわ。いや、私だってお喋りは好きだけど、好きだけど、限度ってもんがあるよね?ガイさんなんかは、もうスッカリ我関せずスタイルだし。
初日の緊張感は何処へ?
そんな事を思いながらボンヤリと前を見ていると、森らしきものが見えてきた。
森に入ってからは魔物にたまに襲われたりしたけど、やっぱり初日よりは全然少ないと思う。竜の影響なんだろうか?
それと──気付いたんだけど、森の中で破壊されてる所がある。
これは何だろう。何かが争った跡…とかだろうか。でもこれ…竜が暴れた跡では無いような気がする。あの時、竜が目の前で暴れた時、体を大きく揺らしていただけで地面に亀裂が入り、ブレスを吐いた跡は大きく抉れて、それこそ草も残らぬような状態だった。それと比べたら全然大した事もない状態で──って、竜と比べるのもどうかと思うが。
それに、あの時、竜は横から来た。来た方向が違うという事、竜が暴れたにしては現場の荒れ方が大人しい気がする事を考えれば、コレは別のナニカなのではないか。
…………………。
ジリスさん達も気付かない訳じゃないだろうけど、何も言わないって事は大した事ではないのかもしれない。
…気にはなるけど、気にしないようにしよう。
もう随分と長い時間、馬車で揺られてるけど、流石に森の中では休憩はしないらしい。お昼には馬車の中で堅パンと干し肉を齧っていた。ちなみに妖精達と私にはクッキーと果物だった。何故だろう。妖精が好きな食べ物なのかな?
まぁ、そんな事はともかく、このままだと夕飯も馬車の中かな。もうだいぶ日は落ちている。夕飯どころか、もしかして夜通し馬車を走らせたりとか…?
えー…。
シンドそう。
しかも煩そう。
ヤダなとは思ったけど、まだ森は抜けられそうにない。どうするんだろう。
ガタガタゴトゴト
ガタガタゴトゴト
すっかり暗くなったのに、魔物は出てこなくなった。どういう事なの?暗いほうが出てきそうなもんなのに。それとも意外にこれが普通なんだろうか。
解らん。
異世界、解らんよ。
いや異世界じゃなくても、夜中の森の危険度がどんなものなのかなんて知らんけど。
でも夜中って危険なイメージあるじゃん。自分のトコの世界では夜中に森の中を彷徨うなんて危険って、誰もが知ってる常識みたいなもんじゃん。具体的にどう危険かは知らなくてもそういうもんでしょ。魔物とかいる異世界なら尚の事、危険そうなのに。
まぁ、出てこない分には文句もないんだけどさ。
安心安全が一番よね。
「何かがコッチにきてるよ!」
「デルタベアだよ!」
叫ぶ妖精達の言葉に思わず、「ヤバい。フラグだったか?」なんて考えたけど、よく考えたら声には出してなかったし、フラグじゃないよね?違うよね?ていうか、デルタベアとは何ぞー?
私がそんなどうでもイイ事を考えてる間に皆は戦闘準備に入っている。
ガイさんとレオンは馬車の外へと素早く出ると同時に剣を手にしている。そこにジリスさんが何かの補助魔法をかけたのだろう、ガイさんとレオンの周りで光がクルクルと舞ったのが見えた。そのまま、別の魔法を唱えると今度は馬車の周りを光が立ちのぼるように包み込む。
何の魔法だろう?
「来るよ!」
その声に顔を上げると前からナニカが来るのが見えた。
大きい。何だろう、アレ。
「皆さん、目を閉じてください!」
そう言い終わるとほぼ同時に
『フラッシュ』
詠唱が聞こえた。
頭の中で「あ、これ目眩しだ」と理解は出来たが、反応は出来なくてモロに見てしまった。
目、目がぁぁぁぁっ!!!!!
眩しい……っ!
チカチカするどころじゃない。涙まで出てきた。今までアニメとか見ながら、ただの目眩しで大袈裟なとか思っててゴメンなさい、ナメてましたぁ!
…暫く胸ポケの中で悶絶してたので、皆の活躍は見れませんでした。
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