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神の書を求めて
一人、いや二人抜けました
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「それでは行ってまいります。すぐに戻りますので」
そう言って軽く手を上げ、風の妖精とともに颯爽と走り去っていった時は、ちょっぴり王子様のようでカッコイイと思いました。
見た目だけならカッコイイんだよな。
さて、レオンに馬車の馬二頭のうち一頭を貸してしまったので、少しゆっくりと進んでます。
馬が一頭いなくなっただけで、随分と変わるんだなぁ。地味に馬ってスゴイな。
人数も減って馬車の中は静かになったかと言えば、全然静かじゃない。
妖精恐るべし。一人でも存在感パナい。時々実況もしている。
何の実況かと思ったら、レオン達の状況を教えてくれるのだ。どうやら契約を結んだ相手とは離れていても連絡が取れるらしい。便利だな、妖精。だから一人残していけば大丈夫的な事を言ってたのか。困った事になっても、すぐ連絡が取れるなら対処のしようもあるってもんだよね。残念魔法剣士かと思っていたら、意外にやるな、レオン。
まぁ、そんなこんなで、人数が減っても特に変わりなく(移動速度は落ちたけど)進んで行くのでした。
ポチポチと戦闘もあったけど、特に問題もなく進んでいく。ガイさんもジリスさんも強いよなぁ。どんだけなのか。ガイさんはともかく、ジリスさんて司祭様じゃなかったっけか。司祭様って攻撃魔法も使えるんですか。ていうか、魔獣を杖でリアルボコしてたのを見た時はビックリなんてもんじゃなかったけど。
「ジリスさんて強いんですね…」
「え?ああ…言ってませんでしたっけ?昔は冒険者をやってましたので、慣れてるだけですよ」
いや聞いてませんけどーー!?
「そっ、そうなんですかっ!?」
冒険者って!似合わなっ!メッチャ似合わなーい!冒険者って…何てジリスさんに似合わないのか!
本当に人は見た目じゃ解らないもんだな…。
「格闘術とかも得意ですよ」
「なっ、なんですとぉぉおーーっ!?
武道家だったんですかっ!?」
そんな神官然とした感じなのに武道家とか!なにそれ!?イメージが違うにもほどがある!
「え?えぇ、まぁ、修道士でしたけど…そんなに驚くほどではないと思いますが」
「いや驚きますよ!なんていうか、こう…イメージが違うって言うか」
「イメージ?」
「なんかジリスさんの雰囲気に合わないって言うか」
「雰囲気に合わないと言われても…。まぁ、神官になりたいなら皆、通る道ですし」
「そうなの!?」
「そうですよ?」
ヤッベーよ、神官ナメてたよ。何それ、クラスチェンジ的なもんなの?神官になるのに、武道家が必須クラスとか思わなかったよ。じゃあ何、ジリスさんて実はあの服の下は細マッチョって事…?
「そ、そんなに驚きます?誰でも皆、新人の頃はあるものですよ?」
「いや、それはそうですけど…」
何でそんなに?とか言いたそうな顔してる。いや、ジリスさんの過去を知らない人は普通に驚くと思うわ、絶対。
それにしても…神官になるのって大変なんだな…。いや、簡単だとは元より思ってなかったけど、武道家の後に神官って。しかもジリスさんて司祭じゃなかったっけか。と言う事は、他にも何かやってたのかもしれない。攻撃魔法も使ってたし、何か賢者的な職種なんだろうか。としたら、魔法使いでもあったって事なんだろうか。
ジリスさんて、ジリスさんて、
もうなんていうか
スーパーマルチな人
なんだろうか…。異世界あるあるのチートな人ってヤツか。普通はそれ、召喚された側のあるあるじゃないの?
あ、でも、そんな人にお世話になってるんだから、やっぱり異世界あるあるなのか。
「ガ、ガイさんもかなり強いですよね」
「そうですね。ガイは元々、騎士の家系ですし、幼少時から鍛えてるのではないでしょうか」
「そうなんだ…」
家系なのか。家がそんなって大変そうだなぁ…。なんかこうスパルタな感じ…ってのもイメージでしかないけど、イメージでしかないけど、実際、騎士になってるんだから、きっと間違いないんだろうなぁ。
「ジリスさんもそういう家系なんですか?」
「え?いえ、私は孤児院出身です」
「えーーーーーーーっ!!?」
あ、ガイさんがこっち見た。大きく叫びすぎたらしい。
いや、それより孤児院て!
「孤児だったんですか!?」
「まぁ、そうですね」
孤児院出身なのに、今はお城勤めの偉い人ってどんだけ!?
「す、スゴイですね…」
「そうですか?」
何でもない事のような顔で答えてくれたが、普通に考えたら、相当な努力をしたんじゃないかと思う。孤児なんて、それだけで差別を受けそうなのに。それともこの国、いや、この世界はあまり出身に関してはこだわらないのだろうか。でも、それならそもそも身分なんてもの自体が無いだろう。
……やっぱり相当の努力をしたんだろうな。それを感じさせないこの人がスゴイのだ。
そう言って軽く手を上げ、風の妖精とともに颯爽と走り去っていった時は、ちょっぴり王子様のようでカッコイイと思いました。
見た目だけならカッコイイんだよな。
さて、レオンに馬車の馬二頭のうち一頭を貸してしまったので、少しゆっくりと進んでます。
馬が一頭いなくなっただけで、随分と変わるんだなぁ。地味に馬ってスゴイな。
人数も減って馬車の中は静かになったかと言えば、全然静かじゃない。
妖精恐るべし。一人でも存在感パナい。時々実況もしている。
何の実況かと思ったら、レオン達の状況を教えてくれるのだ。どうやら契約を結んだ相手とは離れていても連絡が取れるらしい。便利だな、妖精。だから一人残していけば大丈夫的な事を言ってたのか。困った事になっても、すぐ連絡が取れるなら対処のしようもあるってもんだよね。残念魔法剣士かと思っていたら、意外にやるな、レオン。
まぁ、そんなこんなで、人数が減っても特に変わりなく(移動速度は落ちたけど)進んで行くのでした。
ポチポチと戦闘もあったけど、特に問題もなく進んでいく。ガイさんもジリスさんも強いよなぁ。どんだけなのか。ガイさんはともかく、ジリスさんて司祭様じゃなかったっけか。司祭様って攻撃魔法も使えるんですか。ていうか、魔獣を杖でリアルボコしてたのを見た時はビックリなんてもんじゃなかったけど。
「ジリスさんて強いんですね…」
「え?ああ…言ってませんでしたっけ?昔は冒険者をやってましたので、慣れてるだけですよ」
いや聞いてませんけどーー!?
「そっ、そうなんですかっ!?」
冒険者って!似合わなっ!メッチャ似合わなーい!冒険者って…何てジリスさんに似合わないのか!
本当に人は見た目じゃ解らないもんだな…。
「格闘術とかも得意ですよ」
「なっ、なんですとぉぉおーーっ!?
武道家だったんですかっ!?」
そんな神官然とした感じなのに武道家とか!なにそれ!?イメージが違うにもほどがある!
「え?えぇ、まぁ、修道士でしたけど…そんなに驚くほどではないと思いますが」
「いや驚きますよ!なんていうか、こう…イメージが違うって言うか」
「イメージ?」
「なんかジリスさんの雰囲気に合わないって言うか」
「雰囲気に合わないと言われても…。まぁ、神官になりたいなら皆、通る道ですし」
「そうなの!?」
「そうですよ?」
ヤッベーよ、神官ナメてたよ。何それ、クラスチェンジ的なもんなの?神官になるのに、武道家が必須クラスとか思わなかったよ。じゃあ何、ジリスさんて実はあの服の下は細マッチョって事…?
「そ、そんなに驚きます?誰でも皆、新人の頃はあるものですよ?」
「いや、それはそうですけど…」
何でそんなに?とか言いたそうな顔してる。いや、ジリスさんの過去を知らない人は普通に驚くと思うわ、絶対。
それにしても…神官になるのって大変なんだな…。いや、簡単だとは元より思ってなかったけど、武道家の後に神官って。しかもジリスさんて司祭じゃなかったっけか。と言う事は、他にも何かやってたのかもしれない。攻撃魔法も使ってたし、何か賢者的な職種なんだろうか。としたら、魔法使いでもあったって事なんだろうか。
ジリスさんて、ジリスさんて、
もうなんていうか
スーパーマルチな人
なんだろうか…。異世界あるあるのチートな人ってヤツか。普通はそれ、召喚された側のあるあるじゃないの?
あ、でも、そんな人にお世話になってるんだから、やっぱり異世界あるあるなのか。
「ガ、ガイさんもかなり強いですよね」
「そうですね。ガイは元々、騎士の家系ですし、幼少時から鍛えてるのではないでしょうか」
「そうなんだ…」
家系なのか。家がそんなって大変そうだなぁ…。なんかこうスパルタな感じ…ってのもイメージでしかないけど、イメージでしかないけど、実際、騎士になってるんだから、きっと間違いないんだろうなぁ。
「ジリスさんもそういう家系なんですか?」
「え?いえ、私は孤児院出身です」
「えーーーーーーーっ!!?」
あ、ガイさんがこっち見た。大きく叫びすぎたらしい。
いや、それより孤児院て!
「孤児だったんですか!?」
「まぁ、そうですね」
孤児院出身なのに、今はお城勤めの偉い人ってどんだけ!?
「す、スゴイですね…」
「そうですか?」
何でもない事のような顔で答えてくれたが、普通に考えたら、相当な努力をしたんじゃないかと思う。孤児なんて、それだけで差別を受けそうなのに。それともこの国、いや、この世界はあまり出身に関してはこだわらないのだろうか。でも、それならそもそも身分なんてもの自体が無いだろう。
……やっぱり相当の努力をしたんだろうな。それを感じさせないこの人がスゴイのだ。
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