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神の書を求めて
称号とは
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称号の意味…。
確かに勇者や魔王なんて称号だけ付けられても意味ないだろうしなぁ。いや、称号が付けば名声は得られるかもしれないけど、それがどうしたって言われたらそれまでだしね。
「称号を獲得した者は、それに伴う付与効果を得られるのです」
「付与効果?」
何それ、何かお得感スゴイ。
「勇者なんかだと…」
「ねーねー」
ジリスさんが説明しようとしたところで妖精エンドレアに声をかけられた。
「はい、何でしょう?」
話の腰を折られても笑顔で対応するところが流石です。
「お腹すいたー」
唐突に。
お腹すいたって…
ちょっと唐突すぎないかい、キミィ。
だがしかし。
なるほど、確かにもうトップリと日が暮れている。
だがしかし(二回目)。
ちょっとは空気読めと言いたい。それともそんなものは読まないのが妖精なのか。まぁ、だからと言って我慢させるほどの話をしてた訳でもないしね、イイんだけど。
ジリスさんもそうですねとか、ご飯にしましょうかとか言ってるし。
続きはまた後でかな。
それにしても付与効果かぁ…。イイな、それ。私も欲しい。神様、異世界とか来ちゃった私にも称号おくれ、いや、ください。出来れば害の無いヤツ。
……ん?
あれ、よく考えたら…『旅人』って称号、私に当て嵌まるんじゃね?異世界から旅してきた人みたいな…?
んん!?
でもそれだと称号として認識されてるんだから、他にもいるって事だろうし…って、いるじゃん、小野篁とか。
………………。
後で小野篁に、いやオノタカムイに称号は無かったのか忘れずに聞いておこう。
て言うか、小野篁ってこの世界では神様扱いなんだっけ。あの本には、気に食わないから誰某をブチのめした的な事を書かれてたけど…それが神様扱いされるような事とは思えないんだよなぁ。それともアレには書かれてないけど、何か神様って言われるような事をしたんだろうか。
まあ、他の本を読んだら神様扱いされる理由も解るかもしれないし、そのついでに称号の事も解るかもしれないし?
もしも…もしも、この考えが正しくて、小野篁に『旅人』の称号があったなら…それでいて、本にそれらの事が書かれていたら、帰れる可能性がグッと高くなるんじゃなかろうか。
そう考えると、ちょっと希望が増えましたよ?あくまで希望的観測だけど。
あ、でも自分にそういう称号があるのかどうかはギフトを持ってる人に聞かないと解らないのか…。神託のギフトだっけ?ジリスさんの知り合いにいないんだろうか。て言うか、ギフト持ってる人って、其処彼処にいるもんなんだろうか。
…まぁ、あのレオンも一応持ってるらしいし、案外沢山いるのかもしれないし。
レオンを見てると何かギフトって大した事ないような気がする…。期待し過ぎないようにしとこう、うん。
あ。
何かイイ匂いしてきた。
考え事してる間にご飯が出来上がってきてた。流石はジリスさん、仕事が早いな、相変わらず。
でもまだ森の中なのに、こんな匂いの出るご飯作ってて大丈夫なんだろうか。お玉(?)でお鍋をクルクルかき混ぜているジリスさんに声をかける。
「あの~」
「はい?何でしょう?」
「まだ森の中ですけど…ノンビリご飯作ってて大丈夫なんですか?」
「え?あぁ、たぶん大丈夫だと思いますよ。先程のデルタベアの事もありますし」
そう言いながら、チョイっと味見している。イイなぁ…じゃなくて。
「どういう事なんですか?」
「ん?あぁ、えっとですね、先程のデルタベアがこの辺りのヌシだろうと言いましたよね」
「はい」
「ヌシと言うからにはこの辺りで一番強い訳で、また当然そのヌシに喧嘩を売るような真似をするものも少ないんです」
「まあ、そうでしょうね」
「先程、私達はそのヌシと戦って勝ったでしょう?」
「はぁ」
「まだそのデルタベアの臭いも、またその血の臭いも特に洗い流していない状態ですし」
──あっ!なるほど。
「つまりこの辺りの新しいヌシ扱いって事ですね!」
私のそのセリフに、正解ですと言わんばかりにニッコリ笑って言った。
「そういう事です」
なるほど~。そういう事なんだ。
「明日の昼過ぎにはこの森を抜けられるはずなので、それまでは臭い消しはせずにこのままになります」
おおぅ…そうなんだ…。
「ちょっと臭いますけど、これで割と安全に森を抜けられるので少しの間、我慢してくださいね」
苦笑いしながらそう告げられて。
お、おう…。
ですよね、安全に森を抜けられるのが一番ですよねー。
きっと、顔は引きつってたと思う。
確かに勇者や魔王なんて称号だけ付けられても意味ないだろうしなぁ。いや、称号が付けば名声は得られるかもしれないけど、それがどうしたって言われたらそれまでだしね。
「称号を獲得した者は、それに伴う付与効果を得られるのです」
「付与効果?」
何それ、何かお得感スゴイ。
「勇者なんかだと…」
「ねーねー」
ジリスさんが説明しようとしたところで妖精エンドレアに声をかけられた。
「はい、何でしょう?」
話の腰を折られても笑顔で対応するところが流石です。
「お腹すいたー」
唐突に。
お腹すいたって…
ちょっと唐突すぎないかい、キミィ。
だがしかし。
なるほど、確かにもうトップリと日が暮れている。
だがしかし(二回目)。
ちょっとは空気読めと言いたい。それともそんなものは読まないのが妖精なのか。まぁ、だからと言って我慢させるほどの話をしてた訳でもないしね、イイんだけど。
ジリスさんもそうですねとか、ご飯にしましょうかとか言ってるし。
続きはまた後でかな。
それにしても付与効果かぁ…。イイな、それ。私も欲しい。神様、異世界とか来ちゃった私にも称号おくれ、いや、ください。出来れば害の無いヤツ。
……ん?
あれ、よく考えたら…『旅人』って称号、私に当て嵌まるんじゃね?異世界から旅してきた人みたいな…?
んん!?
でもそれだと称号として認識されてるんだから、他にもいるって事だろうし…って、いるじゃん、小野篁とか。
………………。
後で小野篁に、いやオノタカムイに称号は無かったのか忘れずに聞いておこう。
て言うか、小野篁ってこの世界では神様扱いなんだっけ。あの本には、気に食わないから誰某をブチのめした的な事を書かれてたけど…それが神様扱いされるような事とは思えないんだよなぁ。それともアレには書かれてないけど、何か神様って言われるような事をしたんだろうか。
まあ、他の本を読んだら神様扱いされる理由も解るかもしれないし、そのついでに称号の事も解るかもしれないし?
もしも…もしも、この考えが正しくて、小野篁に『旅人』の称号があったなら…それでいて、本にそれらの事が書かれていたら、帰れる可能性がグッと高くなるんじゃなかろうか。
そう考えると、ちょっと希望が増えましたよ?あくまで希望的観測だけど。
あ、でも自分にそういう称号があるのかどうかはギフトを持ってる人に聞かないと解らないのか…。神託のギフトだっけ?ジリスさんの知り合いにいないんだろうか。て言うか、ギフト持ってる人って、其処彼処にいるもんなんだろうか。
…まぁ、あのレオンも一応持ってるらしいし、案外沢山いるのかもしれないし。
レオンを見てると何かギフトって大した事ないような気がする…。期待し過ぎないようにしとこう、うん。
あ。
何かイイ匂いしてきた。
考え事してる間にご飯が出来上がってきてた。流石はジリスさん、仕事が早いな、相変わらず。
でもまだ森の中なのに、こんな匂いの出るご飯作ってて大丈夫なんだろうか。お玉(?)でお鍋をクルクルかき混ぜているジリスさんに声をかける。
「あの~」
「はい?何でしょう?」
「まだ森の中ですけど…ノンビリご飯作ってて大丈夫なんですか?」
「え?あぁ、たぶん大丈夫だと思いますよ。先程のデルタベアの事もありますし」
そう言いながら、チョイっと味見している。イイなぁ…じゃなくて。
「どういう事なんですか?」
「ん?あぁ、えっとですね、先程のデルタベアがこの辺りのヌシだろうと言いましたよね」
「はい」
「ヌシと言うからにはこの辺りで一番強い訳で、また当然そのヌシに喧嘩を売るような真似をするものも少ないんです」
「まあ、そうでしょうね」
「先程、私達はそのヌシと戦って勝ったでしょう?」
「はぁ」
「まだそのデルタベアの臭いも、またその血の臭いも特に洗い流していない状態ですし」
──あっ!なるほど。
「つまりこの辺りの新しいヌシ扱いって事ですね!」
私のそのセリフに、正解ですと言わんばかりにニッコリ笑って言った。
「そういう事です」
なるほど~。そういう事なんだ。
「明日の昼過ぎにはこの森を抜けられるはずなので、それまでは臭い消しはせずにこのままになります」
おおぅ…そうなんだ…。
「ちょっと臭いますけど、これで割と安全に森を抜けられるので少しの間、我慢してくださいね」
苦笑いしながらそう告げられて。
お、おう…。
ですよね、安全に森を抜けられるのが一番ですよねー。
きっと、顔は引きつってたと思う。
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