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26-1 テレビ局が来た!
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「アンドレア様ー」
午前8時10分。起きたばかりのアンドレアの部屋にオリヴィアが入ってきた。
「どうした?」
「これ、見てください」オリヴィアから渡されたのは茶封筒に入った手紙だった。
アンドレアはその中身を見てみる。
「ふっ、なんだ、これ」アンドレアは手紙を読んで鼻で笑った。
「なんです?」オリヴィアはアンドレアが座っていたソファーの隣に座る。
アンドレアは一瞬ドキッとした。(忘れていそうなので言っておくが二人は夫婦である。)
「ふ~ん。…え!?テレビ局!?どういうことですか、これ!」
「…静かにしろ」
その声を聞いたのか、ルシアが慌ただしく部屋に入ってきた。
「どうしたんですか!」
「見てよ、これ」オリヴィアはルシアに例の手紙を手渡す。
「えーと……なに!?」
ルシアも驚いていた。
「アンドレア様、テレビですよ!僕等テレビデビューですよ!」
「はぁ?」アンドレアは興味が無いようだった。
「アンドレア様、まさか…」オリヴィアが冷や汗を垂らしながら言う。
「あぁ、断るけど?」
「「はぁ!?」」
「いや、なぜテレビに出たい」
「だって…これ、日本のテレビ局ですよ!日本!私たちの姿と、このアレッサンドロが日本、いやもしかしたら全世界に知れ渡るなんて、凄くないですか!?」
「どうでもいい」
「アンドレア様、日本刀、貰えるかもしれませんよ?」
ルシアはそう言った後、アンドレアにバレない様、オリヴィアにニヤッとしてきた。
(なるほど…。流石ルシア君だ)オリヴィアもニヤッとし返した。
「日本、刀…?」
アンドレアが小さく呟いた。それをルシアは決して聞き逃さない。そして、
「はい!アンドレア様は、誰よりも日本刀が好きですよね!日本刀はなんでも切れる!全世界で有名ですよ!そんな刀を持っていたら、アンドレア様も、処刑が楽しくなるかm」
「いいだろう。撮影許可しよう」
(やったね!ルシアさん!!)
オリヴィアは「やったー!」と言いながら、ぴょんぴょんした。
(こんなのチョロい。コイツ、意外にバカだからな)
ルシアは「そうですね!アンドレア様、ありがとうございます」と言った。
二人に喜ばれたからか、或いはオリヴィアがぴょんぴょんしている姿が可愛いからなのか、嬉しそうだ。
「じゃあ、ここに電話しましょうよ!」オリヴィアは手紙の中に書いてあった番号を言った。
「ほらほら!」
「あぁ、分かったよ」
『世界の王様特集!』
私共「侍放送」は、世界各国に調査をして日本で放送しております。
私共日本人は、世界の諸国にとても興味があり、弊社のアンケートでも、「世界の暮らし、文化を知りたい」という声が多かった為、このような番組を作ることとなりました。
今回はその取材でお伺いしたいのです。
今回は『ヨーロッパ諸国のイロイロ』という全10回の放送で、その一回に是非、アレッサンドロを取り上げたいのです。
どうか、ご協力をよろしくお願い致します。
承諾される場合はこちらまで。
***-****
〇〇〇
「よし、電話は明日しよう。オリヴィア、城を隅々まで綺麗にしろ」
「はいっ!」オリヴィアは敬礼をした。
「ルシア、お前はフルコースを当日作れ。最高級の材料を探してこい。金ならやるから」
「分かりました!」
ルシアは足早に出ていった。 オリヴィアもその後をついて出ていった。
自分以外がいなくなった部屋でアンドレアは満足そうな笑顔で
「ふっ。日本刀…」と呟いた。
午前8時10分。起きたばかりのアンドレアの部屋にオリヴィアが入ってきた。
「どうした?」
「これ、見てください」オリヴィアから渡されたのは茶封筒に入った手紙だった。
アンドレアはその中身を見てみる。
「ふっ、なんだ、これ」アンドレアは手紙を読んで鼻で笑った。
「なんです?」オリヴィアはアンドレアが座っていたソファーの隣に座る。
アンドレアは一瞬ドキッとした。(忘れていそうなので言っておくが二人は夫婦である。)
「ふ~ん。…え!?テレビ局!?どういうことですか、これ!」
「…静かにしろ」
その声を聞いたのか、ルシアが慌ただしく部屋に入ってきた。
「どうしたんですか!」
「見てよ、これ」オリヴィアはルシアに例の手紙を手渡す。
「えーと……なに!?」
ルシアも驚いていた。
「アンドレア様、テレビですよ!僕等テレビデビューですよ!」
「はぁ?」アンドレアは興味が無いようだった。
「アンドレア様、まさか…」オリヴィアが冷や汗を垂らしながら言う。
「あぁ、断るけど?」
「「はぁ!?」」
「いや、なぜテレビに出たい」
「だって…これ、日本のテレビ局ですよ!日本!私たちの姿と、このアレッサンドロが日本、いやもしかしたら全世界に知れ渡るなんて、凄くないですか!?」
「どうでもいい」
「アンドレア様、日本刀、貰えるかもしれませんよ?」
ルシアはそう言った後、アンドレアにバレない様、オリヴィアにニヤッとしてきた。
(なるほど…。流石ルシア君だ)オリヴィアもニヤッとし返した。
「日本、刀…?」
アンドレアが小さく呟いた。それをルシアは決して聞き逃さない。そして、
「はい!アンドレア様は、誰よりも日本刀が好きですよね!日本刀はなんでも切れる!全世界で有名ですよ!そんな刀を持っていたら、アンドレア様も、処刑が楽しくなるかm」
「いいだろう。撮影許可しよう」
(やったね!ルシアさん!!)
オリヴィアは「やったー!」と言いながら、ぴょんぴょんした。
(こんなのチョロい。コイツ、意外にバカだからな)
ルシアは「そうですね!アンドレア様、ありがとうございます」と言った。
二人に喜ばれたからか、或いはオリヴィアがぴょんぴょんしている姿が可愛いからなのか、嬉しそうだ。
「じゃあ、ここに電話しましょうよ!」オリヴィアは手紙の中に書いてあった番号を言った。
「ほらほら!」
「あぁ、分かったよ」
『世界の王様特集!』
私共「侍放送」は、世界各国に調査をして日本で放送しております。
私共日本人は、世界の諸国にとても興味があり、弊社のアンケートでも、「世界の暮らし、文化を知りたい」という声が多かった為、このような番組を作ることとなりました。
今回はその取材でお伺いしたいのです。
今回は『ヨーロッパ諸国のイロイロ』という全10回の放送で、その一回に是非、アレッサンドロを取り上げたいのです。
どうか、ご協力をよろしくお願い致します。
承諾される場合はこちらまで。
***-****
〇〇〇
「よし、電話は明日しよう。オリヴィア、城を隅々まで綺麗にしろ」
「はいっ!」オリヴィアは敬礼をした。
「ルシア、お前はフルコースを当日作れ。最高級の材料を探してこい。金ならやるから」
「分かりました!」
ルシアは足早に出ていった。 オリヴィアもその後をついて出ていった。
自分以外がいなくなった部屋でアンドレアは満足そうな笑顔で
「ふっ。日本刀…」と呟いた。
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