王様とメイド

立花すずな

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4 朝と変人の来客

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 コンコン、とドアを叩く音。

 「アンドレア様、朝ですよー」目を覚ます。目の前にはメイドがいた。

 「あぁ、おはよう。げ、元気か?」はっ!何言ってんの?俺。

 「あ、はい。元気ですよ…?」戸惑いながら答えるメイド。

 「だ、だよな!ははは!」

 「?」


 ちょっと待て、なんかおかしいぞ?

 起きて早々、大丈夫か?ね、熱でもあるんじゃ……ない!

 「アンドレア様、さぁ、朝食ができていますので、ダイニングへ行きましょう」
 


〇〇〇

 「これは、サラダか。うまいな」

 今日、俺はおかしい。なぜなら、滅多に食事をほめることはないのに、ほめてるからだ。しかも、なぜかサラダに。

 「そうですか?ありがとうございます…」オリヴィアも少し引き気味だ。

 「このドレッシングは、お前が作ったのか?」いや、どう見てもこれ市販だろ。てかどーでもいんだけど!

 「え、市販です」だろうね。


 昨日から、オリヴィアを見ると、なんかおかしくなる。話さなきゃいけない、と勝手に思って、へんなことを話す。


 しかも、「そういえば、服を溜め込んでしまい悪かった。洗うのは大変だったろ」なんて言わないことを言っている。

 「?はい。確かに大変でしたけど、ずいぶん久しぶりに洗濯したので楽しかったですよ?」とニコリと笑った。


 ドキッ!

 なんだこのドキドキは。もしや、不整脈!?

 「?どうされました?」

 「い、いや何でもない…」



 なんかアンドレア様おかしいな。ま、私もだけど。なぜか、話すのが楽しい。

 いつもは何を言っても突っかかってくるアンドレア様なのに、今日は珍しく話しかけてくれて、とても楽しかった。私はおかしい。なんかドキドキしてる。

 「なんだろう。この不整脈…?」


〇〇〇

 午後3時。ティータイムの時間。

 私たちはアンドレア様の部屋でお茶を飲んでいました。珍しく今日は、私も一緒に飲ませていただいています。

すると。

 「おーいアンドレア!来たぞ!」と大きな声がします。
 
 ドタドタ、と廊下を全速力で走る音が。



 「来ったぞー♪」

 扉を勢いよく開けてご登場したのは、隣の国のロリア国のイーサン=セリス様です。青い髪が良く合っていて、高身長で、カッコいいのです!


 「おい、お前…」アンドレア様は呆れた顔。


 「どうした!俺が来たんだぞ!喜べよー!」

 イーサン様は、太陽のような明るさで、いつも元気なのですが、やはり、アンドレア様のような方とは、あまり、釣り合わないそうで…。

 イーサン様は、アンドレア様に抱き着いているけど、その時のアンドレア様の顔は……すっごく嫌そう!


 「なんできた。さっさと失せろ」

 「なぁにを言う!?せっかく3時間かけてきたんだぞ?もう少しいさせてk…」
 「断る。要件はなんだ」

 「はぁ…。前に言った件だ」


 そうです。2か月前、イーサン様は、ここに来ました。
 その時は、私は部屋に入れてもらえなくて、なんのお話をしてるのか、分かりませんでした。どんな内容だろう?

 「そうか…。分かった、考えておく」

 「考えるのは、もういいよ。早く決めてくれ。あいつ待ってる」あいつ?

 「わかってる!もう少し待ってくれ。お願いだ」アンドレア様からお願い?すっごい内容なんじゃ!?

 「はぁ…。分かったから、早めに決めてくれ」


 「なぁ」呼ばれたのは私。

 「こいつが決めたら、連絡させてくれ。メイドさんからも頼むよ。こっちはずっと待ってるんだ」

 「もういいだろう。早く帰れ」

 「へいへい。分かりましたよ。かえりゃあいいんでしょ。はぁ怖い!怒った顔!」プンプン!と言ってドアに向かうイーサン様。

 「だが、連絡してこないようだったら、もう一度来るぞ。その時に決めなかったら、もう容赦しないからな」

 さっきまでの顔とは全く違う顔でイーサン様は言いました。容赦…とは?


 「それじゃ!バカアンドレアと、メイドさん?」私に手を振ってくる。イーサン様は帰って行かれました。


 「アンドレア様…」

 「すまん、一人にしてくれ」

 「はい」

 そう言われたら、何のことか聞けなくなってしまいました。しょうがない。退散しましょ。


〇〇〇

 「はぁ…。どうすりゃいいんだ」

 アンドレアは、一枚の写真を取り出す。その写真は赤い髪をした少女と、自分とイーサンの姿が。

 この少女は一体だれ?
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