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世界は寂しがり屋の創造神が、自分の身体を千切って拵えた。
目を取り出して太陽と月を。四肢は大地に、溢れだした血潮は大海に、髪や体毛は森に。
それでも足りず、寂しいと嘆く声は世界の管理者たる神々を生み出し、歯や爪からは竜等の幻獣も生まれた。
神々や幻獣は創造神を父と慕うが、けれど尚も寂しさは埋まる事が無い。
創造神は次から次へと創り出して行く。人や亜人や獣達、様々な物が世界に溢れた。
だけど最後まで創造神の寂しさは埋まらずに、彼は最後に何かを生み出し、そして消えた。
創造神が消えてから、世界には魔物が出現するようになる。
魔物の存在は弱き者達の脅威だ。神々は父たる創造神の遺した者達を守り導くことを決めた。
神代と呼ばれる時代が始まる。
安寧の時代は長く続いた。
法の神が弱き者達に秩序を与え、戦の神が導く事で弱き者達も魔物に勝利した。
食の神が食べる事、生きる事の喜びを教え、智の女神が編み出した技術を継承する術、文字を与える。
大地の女神が、森の女神が、川の女神が、山の神が、海の神が、其々の領域を守護し、世界を揺らがせない。
多くの神が務めを果たし、創造神の遺した世界を安定させた。
けれど長く続く安寧に不満を抱いた者も出始める。
始まりは己の力の無さを嘆く、力乏しき神だ。
弱き者達も長い年月の間に成長を遂げ、己の種族の中から英雄と呼べる強き者を輩出していた。
その英雄を生贄として取り込む事で、己の力を増そうとしたのである。
この力乏しき神の動きに同調したのが、長く続く安寧に飽いた一部の神達だった。
後に邪神と呼ばれる彼等は導く事よりも、虐げる事に新たな楽しみを発見したのだ。
他の神々は慌てて彼等を制止したが、新たな遊びに夢中になった邪神達は止まらない。
そんな邪神達の横暴に、弱き者の中の1種族が抵抗を始める。
彼等の種族が輩出した英雄の元に一つに纏まり、邪神達に対して剣を取った。
1種族から始まった抵抗の火は、見る見る間に大きくなり弱き者達全てを巻き込んだ。
やがてその抵抗は騒動の始まりである力乏しき邪神を封印するまでに至る。
そして大きくなる一方の騒ぎに、遂には残る神々も動く。弱き者達と導き手の神々が協力し、やがて全ての邪神達が封印の下に眠りに付いた。
世界は此れで再び安寧を取り戻すと、誰もが勝利を喜んだ。
けれど、法の神は宣言する。
次はもう一つの罪を裁かねばならない。
神に刃を向けるは許しがたい罪だ。無論原因を作った邪神にも罪はあるが、その罪は既に裁かれている。
故に戦いに参加した全ての者の罪を問う訳では無いが、始まりの一人のみは許す訳には行かない。
次なる悲劇を防ぐ為にも、彼の種族の英雄は魂をも消し去らん。
けれど一度神に抵抗する事を決意した彼の種族が其れを受け入れる筈はなく、彼等は次は法の神に対して剣を向けた。
2度に渡って神に剣を向けた彼等の種族は魔族と、そしてその頂点に立つ英雄は魔王と呼ばれる事になる。
此れに対し、神々の意見は大きく2つ。
不遜なる魔族を根絶やしにすべしと叫ぶ排除派と、魔族に罪はないとする擁護派だ。
そして排除派の実力行使を食い止めようとした擁護派の一部に争いが起きる。
争いの引き金を引いたのは、神々の中でも最強の力を持つ一柱である戦いの神だった。
排除派も擁護派も、その争いに参加したのは半数程だ。残る神々は争いの余波から世界を守護する為に力を割いたのだ。
これ以降排除派を秩序の神、戦いに参加した擁護派を魔の神、守護に力を割いた残りを中立の神と呼ぶ。
争いは長く続いた。
神と神がぶつかり合う戦いの余波は凄まじく、中立の神の守護があっても尚、世界は大きく揺らぐ。
徐々に世界は荒れて行き、神々も大きく力を失う。幾柱かの神はそのまま滅びる事にもなった。
あまりの被害の大きさに神々の間で厭戦の気配が強くなる。傷付いた神々は話し合い、停戦協定を結ぶ。
秩序、魔、中立、全ての神が弱き者達への干渉を弱め、世界と神々の回復に専念する事で合意した。
神代が終わり、人の世界の始まる。
そして長い時が過ぎた。
目を取り出して太陽と月を。四肢は大地に、溢れだした血潮は大海に、髪や体毛は森に。
それでも足りず、寂しいと嘆く声は世界の管理者たる神々を生み出し、歯や爪からは竜等の幻獣も生まれた。
神々や幻獣は創造神を父と慕うが、けれど尚も寂しさは埋まる事が無い。
創造神は次から次へと創り出して行く。人や亜人や獣達、様々な物が世界に溢れた。
だけど最後まで創造神の寂しさは埋まらずに、彼は最後に何かを生み出し、そして消えた。
創造神が消えてから、世界には魔物が出現するようになる。
魔物の存在は弱き者達の脅威だ。神々は父たる創造神の遺した者達を守り導くことを決めた。
神代と呼ばれる時代が始まる。
安寧の時代は長く続いた。
法の神が弱き者達に秩序を与え、戦の神が導く事で弱き者達も魔物に勝利した。
食の神が食べる事、生きる事の喜びを教え、智の女神が編み出した技術を継承する術、文字を与える。
大地の女神が、森の女神が、川の女神が、山の神が、海の神が、其々の領域を守護し、世界を揺らがせない。
多くの神が務めを果たし、創造神の遺した世界を安定させた。
けれど長く続く安寧に不満を抱いた者も出始める。
始まりは己の力の無さを嘆く、力乏しき神だ。
弱き者達も長い年月の間に成長を遂げ、己の種族の中から英雄と呼べる強き者を輩出していた。
その英雄を生贄として取り込む事で、己の力を増そうとしたのである。
この力乏しき神の動きに同調したのが、長く続く安寧に飽いた一部の神達だった。
後に邪神と呼ばれる彼等は導く事よりも、虐げる事に新たな楽しみを発見したのだ。
他の神々は慌てて彼等を制止したが、新たな遊びに夢中になった邪神達は止まらない。
そんな邪神達の横暴に、弱き者の中の1種族が抵抗を始める。
彼等の種族が輩出した英雄の元に一つに纏まり、邪神達に対して剣を取った。
1種族から始まった抵抗の火は、見る見る間に大きくなり弱き者達全てを巻き込んだ。
やがてその抵抗は騒動の始まりである力乏しき邪神を封印するまでに至る。
そして大きくなる一方の騒ぎに、遂には残る神々も動く。弱き者達と導き手の神々が協力し、やがて全ての邪神達が封印の下に眠りに付いた。
世界は此れで再び安寧を取り戻すと、誰もが勝利を喜んだ。
けれど、法の神は宣言する。
次はもう一つの罪を裁かねばならない。
神に刃を向けるは許しがたい罪だ。無論原因を作った邪神にも罪はあるが、その罪は既に裁かれている。
故に戦いに参加した全ての者の罪を問う訳では無いが、始まりの一人のみは許す訳には行かない。
次なる悲劇を防ぐ為にも、彼の種族の英雄は魂をも消し去らん。
けれど一度神に抵抗する事を決意した彼の種族が其れを受け入れる筈はなく、彼等は次は法の神に対して剣を向けた。
2度に渡って神に剣を向けた彼等の種族は魔族と、そしてその頂点に立つ英雄は魔王と呼ばれる事になる。
此れに対し、神々の意見は大きく2つ。
不遜なる魔族を根絶やしにすべしと叫ぶ排除派と、魔族に罪はないとする擁護派だ。
そして排除派の実力行使を食い止めようとした擁護派の一部に争いが起きる。
争いの引き金を引いたのは、神々の中でも最強の力を持つ一柱である戦いの神だった。
排除派も擁護派も、その争いに参加したのは半数程だ。残る神々は争いの余波から世界を守護する為に力を割いたのだ。
これ以降排除派を秩序の神、戦いに参加した擁護派を魔の神、守護に力を割いた残りを中立の神と呼ぶ。
争いは長く続いた。
神と神がぶつかり合う戦いの余波は凄まじく、中立の神の守護があっても尚、世界は大きく揺らぐ。
徐々に世界は荒れて行き、神々も大きく力を失う。幾柱かの神はそのまま滅びる事にもなった。
あまりの被害の大きさに神々の間で厭戦の気配が強くなる。傷付いた神々は話し合い、停戦協定を結ぶ。
秩序、魔、中立、全ての神が弱き者達への干渉を弱め、世界と神々の回復に専念する事で合意した。
神代が終わり、人の世界の始まる。
そして長い時が過ぎた。
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