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「アリーナさん!」
マリアの声にアリーナは集中を途切れさせる。
「何?」
ちらりとマリアを見るが、まだ夕食には早かろうと、アリーナの腹時計は告げている。だが、マリアはなぜか立ち上がっている。
「えーっと、ファム公爵が…。」
へ?
驚きとともにアリーナがきちんと顔を上げると、すぐ近くに苦笑したガイナーと、渋い顔をした恰幅のいいファム公爵が立っていた。アリーナも慌てて立ち上がると礼をとる。
「アリーナ嬢、マリア嬢、こちらへ」
ファム公爵が金庫番の会議室に向け先に歩き出し、ガイナーが肩をすくめた後、ファム公爵に続く。
「マリア、何?」
アリーナがマリアに問うも、マリアは本気でわからないように、曇った顔で首を横に振る。
どちらかと言えば、嫌な予感しかしない、という顔だ。
アリーナだって、嫌な予感しかしない。ファム公爵から呼び出されるという部分は勿論、金庫番に2人しかいない女性だけが呼ばれているのだ。ネガティブにとらえるな、という方が難しい。
何しろ、アリーナが金庫番で働きだしてこの方、ファム公爵と関わったことはほぼ皆無だ。金庫番に雇われることが決まって顔合わせのように挨拶したのが唯一と言っていい。その時のファム公爵も、今日と同じように渋い顔をしていた。…歓迎するつもりはないと言外にほのめかされていて、それでも負けるものか、と決意を新たにしたのはもう6年も前だというのに、いまだに記憶に新しいのは、それ以降それ以外にファム公爵と関わることがなかったせいかもしれない。
「とりあえず、行きましょう」
アリーナが歩き出すと、マリアが頷いて続いた。
****
金庫番の会議室には、ファム公爵、ガイナー、そしてアリーナとマリアの4人だけが集まっている。
会議室は、緊張感のある静けさで、カサリとも物音が許されないような雰囲気だ。
「君たちはなぜ働きたいんだ?」
静けさを破ったファム公爵の質問に、失敗すると職を失うんじゃないかと思って、アリーナはドキリとする。
「アリーナ嬢?」
ファム公爵の促しに覚悟を決める。失敗するも何も、アリーナが職を求めた理由など6年前から何も変わっていない。就職の時にガイナーとの面接で話した話は、今もアリーナの気持ちそのものだ。どうせ首になるのなら、本音を言って首になった方がよっぽどいいと思ったこともある。
「自分の能力をこの国の役に立てたいからです。それに、自分でお金を稼いで…生活できる基盤を作りたかったからです」
最初の内容はフムフムと聞いていた様子のファム公爵が、生活の基盤と言ったとたん、渋面になった。
アリーナはやっぱりファム公爵には不評だな、と思ったが、事実には違いないため繕(つくろ)いようもない。ライぐらいの頭があれば、こういう場もうまく切り抜けるのかもしれないが、生憎アリーナはその方面には使える頭がない。あの王太子をはじめとした面々が集まった場所でアリーナが一言も発することがなかったのは、あいにく智謀というものについてはアリーナは得意とは言えないからだ。だからある意味ライの思い通りに話が進んでいると言ってもいい。
アリーナが得意なのは、この金庫番の仕事のみ、と言っていいだろう。
「基盤…そんなものがアリーナ嬢には必要かな?」
ファム公爵は勿論アリーナがパレ侯爵家の娘とは知っている。アリーナとて社交デビューの時にファム公爵に挨拶に行ったのは覚えている。貴族の娘にそんなものが必要ではないとファム公爵は考えている。…普通に考えても、確かにアリーナには必要のないことなのかもしれないが、アリーナは必要のないこととは思っていなかった。
「貴族でも男性であれば仕事をして給料をもらっています。なぜ女性だからと言って給料をもらってはいけないんでしょうか。」
ファム公爵の眉が、ピクリと動く。
ああ、きっと気に障ったんだろうな、とは思ったが、アリーナは自分の気持ちを曲げたくはなかったため、じっとファム公爵を見た。
「女性には、家庭を守り子どもを産み育てるという仕事がある。違うかい?」
何度も何度も常識のように語られてきたこの言葉に、アリーナはいつも小さなわだかまりを感じざるを得なかった。確かこの間、王太子も同じようなことを言っていたが、アリーナからすれば、女性はそれができないといけないと言われているようで不快ですらあった。
「お言葉ですが、子どもが産めない女性が離縁されるのは、家の存続を考えれば致し方ない理由だとも思いますが、そうした場合、その女性は、女性ではないとされてしまうんでしょうか。」
屁理屈だとわかっていたが、誰かに答えを言って欲しかったのは事実だ。
昔、アリーナが貴族が進学する学院から庶民向けの実務の学院へ移動したいと言ったとき、両親をはじめとする家族から言われ、聞き返してみたが、誰も明確な答えはくれなかった。
「…そんなことを答える必要は私にはない。私の質問に答えていないのはアリーナ嬢だ。」
やはり答えてはもらえなかったと、アリーナは諦めの気持ちと残念な気持ちが沸きあがる。
「ええ、大変申し訳ありません。家を守ることも子供を産み育てることも大変なことだとはわかっていますが、私がやりたいこととは違いましたので。」
言外に結婚する気はないと宣言したアリーナに、ファム公爵が驚きで目を見開く。
「…騎士団副団長と結婚するんじゃないのか。」
ファム公爵が既にその話は伝え聞いていてもおかしくないことだ。アリーナはゆるりと首を横に振った。
「決まっておりません。それとも、そういう話が出た時点で、この部署を辞めなければならなくなったんでしょうか。」
いや、と首を横に振ったファム公爵に、アリーナはホッとする。ファム公爵はそれ以上の問いをアリーナにするつもりがなくなったのか、マリアに視線を向ける。
「マリア嬢は?」
「お給料が良かったので。」
真面目な顔で言い切るマリアに、アリーナは驚く。
いや、確かに金庫番は他の城の仕事に比べて給料が高く設定されている。それは技能と能力を必要とされるからで、それが選ぶうえでの魅力の一つではあるのだが、それを馬鹿正直に答える人間がいるとはアリーナは思っても見なかった。
マリアの声にアリーナは集中を途切れさせる。
「何?」
ちらりとマリアを見るが、まだ夕食には早かろうと、アリーナの腹時計は告げている。だが、マリアはなぜか立ち上がっている。
「えーっと、ファム公爵が…。」
へ?
驚きとともにアリーナがきちんと顔を上げると、すぐ近くに苦笑したガイナーと、渋い顔をした恰幅のいいファム公爵が立っていた。アリーナも慌てて立ち上がると礼をとる。
「アリーナ嬢、マリア嬢、こちらへ」
ファム公爵が金庫番の会議室に向け先に歩き出し、ガイナーが肩をすくめた後、ファム公爵に続く。
「マリア、何?」
アリーナがマリアに問うも、マリアは本気でわからないように、曇った顔で首を横に振る。
どちらかと言えば、嫌な予感しかしない、という顔だ。
アリーナだって、嫌な予感しかしない。ファム公爵から呼び出されるという部分は勿論、金庫番に2人しかいない女性だけが呼ばれているのだ。ネガティブにとらえるな、という方が難しい。
何しろ、アリーナが金庫番で働きだしてこの方、ファム公爵と関わったことはほぼ皆無だ。金庫番に雇われることが決まって顔合わせのように挨拶したのが唯一と言っていい。その時のファム公爵も、今日と同じように渋い顔をしていた。…歓迎するつもりはないと言外にほのめかされていて、それでも負けるものか、と決意を新たにしたのはもう6年も前だというのに、いまだに記憶に新しいのは、それ以降それ以外にファム公爵と関わることがなかったせいかもしれない。
「とりあえず、行きましょう」
アリーナが歩き出すと、マリアが頷いて続いた。
****
金庫番の会議室には、ファム公爵、ガイナー、そしてアリーナとマリアの4人だけが集まっている。
会議室は、緊張感のある静けさで、カサリとも物音が許されないような雰囲気だ。
「君たちはなぜ働きたいんだ?」
静けさを破ったファム公爵の質問に、失敗すると職を失うんじゃないかと思って、アリーナはドキリとする。
「アリーナ嬢?」
ファム公爵の促しに覚悟を決める。失敗するも何も、アリーナが職を求めた理由など6年前から何も変わっていない。就職の時にガイナーとの面接で話した話は、今もアリーナの気持ちそのものだ。どうせ首になるのなら、本音を言って首になった方がよっぽどいいと思ったこともある。
「自分の能力をこの国の役に立てたいからです。それに、自分でお金を稼いで…生活できる基盤を作りたかったからです」
最初の内容はフムフムと聞いていた様子のファム公爵が、生活の基盤と言ったとたん、渋面になった。
アリーナはやっぱりファム公爵には不評だな、と思ったが、事実には違いないため繕(つくろ)いようもない。ライぐらいの頭があれば、こういう場もうまく切り抜けるのかもしれないが、生憎アリーナはその方面には使える頭がない。あの王太子をはじめとした面々が集まった場所でアリーナが一言も発することがなかったのは、あいにく智謀というものについてはアリーナは得意とは言えないからだ。だからある意味ライの思い通りに話が進んでいると言ってもいい。
アリーナが得意なのは、この金庫番の仕事のみ、と言っていいだろう。
「基盤…そんなものがアリーナ嬢には必要かな?」
ファム公爵は勿論アリーナがパレ侯爵家の娘とは知っている。アリーナとて社交デビューの時にファム公爵に挨拶に行ったのは覚えている。貴族の娘にそんなものが必要ではないとファム公爵は考えている。…普通に考えても、確かにアリーナには必要のないことなのかもしれないが、アリーナは必要のないこととは思っていなかった。
「貴族でも男性であれば仕事をして給料をもらっています。なぜ女性だからと言って給料をもらってはいけないんでしょうか。」
ファム公爵の眉が、ピクリと動く。
ああ、きっと気に障ったんだろうな、とは思ったが、アリーナは自分の気持ちを曲げたくはなかったため、じっとファム公爵を見た。
「女性には、家庭を守り子どもを産み育てるという仕事がある。違うかい?」
何度も何度も常識のように語られてきたこの言葉に、アリーナはいつも小さなわだかまりを感じざるを得なかった。確かこの間、王太子も同じようなことを言っていたが、アリーナからすれば、女性はそれができないといけないと言われているようで不快ですらあった。
「お言葉ですが、子どもが産めない女性が離縁されるのは、家の存続を考えれば致し方ない理由だとも思いますが、そうした場合、その女性は、女性ではないとされてしまうんでしょうか。」
屁理屈だとわかっていたが、誰かに答えを言って欲しかったのは事実だ。
昔、アリーナが貴族が進学する学院から庶民向けの実務の学院へ移動したいと言ったとき、両親をはじめとする家族から言われ、聞き返してみたが、誰も明確な答えはくれなかった。
「…そんなことを答える必要は私にはない。私の質問に答えていないのはアリーナ嬢だ。」
やはり答えてはもらえなかったと、アリーナは諦めの気持ちと残念な気持ちが沸きあがる。
「ええ、大変申し訳ありません。家を守ることも子供を産み育てることも大変なことだとはわかっていますが、私がやりたいこととは違いましたので。」
言外に結婚する気はないと宣言したアリーナに、ファム公爵が驚きで目を見開く。
「…騎士団副団長と結婚するんじゃないのか。」
ファム公爵が既にその話は伝え聞いていてもおかしくないことだ。アリーナはゆるりと首を横に振った。
「決まっておりません。それとも、そういう話が出た時点で、この部署を辞めなければならなくなったんでしょうか。」
いや、と首を横に振ったファム公爵に、アリーナはホッとする。ファム公爵はそれ以上の問いをアリーナにするつもりがなくなったのか、マリアに視線を向ける。
「マリア嬢は?」
「お給料が良かったので。」
真面目な顔で言い切るマリアに、アリーナは驚く。
いや、確かに金庫番は他の城の仕事に比べて給料が高く設定されている。それは技能と能力を必要とされるからで、それが選ぶうえでの魅力の一つではあるのだが、それを馬鹿正直に答える人間がいるとはアリーナは思っても見なかった。
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