2 / 3
002
しおりを挟む
土日を両日とも使って私達二人の引っ越しは終わった。
月曜日の朝、日常生活が始まった。
キングサイズのダブルベッドで腕を伸ばせばすぐそこにせい君がいる。
六時、せい君の目覚まし時計が鳴った。せい君が腕を伸ばしてアラームを止めた。さっと起き上がる。引っ越してせい君の職場から少し遠くなった。時間にして10分くらいらしく、せい君の起きる時間は以前のままだ。私は寝たふりをする。
せい君は無言で立ち上がり、隣の部屋へ行った。
せい君がドアを閉めてから三〇を数えた。私も起き上がる。スリッパを履いてLDKに移動する。
「おはようございます」
「おはようございます」
「まだ寝てて良かったのに」
「うん」
せい君はグレーのパジャマのまま朝食の支度をしていた。オーブンレンジでトーストを焼きながら薬缶でお湯を沸かしている。私はダイニングテーブルの席に座った。
「コーンポタージュでいい?」
「うん」
「トーストは?」
「要らない」
作り付けの引き出しから昨日買ったインスタントのコーンポタージュを出してスープカップと一緒にテーブルへと並べた。
コーン、トマト、ほうれん草などポタージュ、コンソメスープと色々買ってある。
白いカップに黄色い粉末を開ける。
お湯が沸くまでぼーっと待つ。普通の家庭ならテレビで朝のニュースを見るのだろうけど、せい君はあまりテレビを見ない。
お湯が沸いたので私が立ち上がり薬缶のお湯をカップに注ぐ。せい君はトーストにパン用のカスタードクリームを塗っている。
コーンポタージュを口に入れる度に、懐かしい気分になる。
私はあっという間にポタージュを飲み干してしまう。私は立ち上がって冷蔵庫から牛乳を取り出す。二個のマグカップに注ぐ。オーブンレンジのまだ熱い鉄板をミトンで取り出しマグカップと入れ替えた。
せい君と朝食を一緒に食べた記憶はあまりない。それでも同じ両親に育てられただけあって、朝食のスタイルは似ている。
私もせい君も、朝はあまり食欲がない。それでも、何か食べなさいと言われて育ったのだ。
私は温まった牛乳入りマグカップをそっとテーブルの上に置いた。
「ありがとう」
「うん」
せい君はいつもどおり七時前に身支度を終えて出勤した。
私はニコニコとしてせい君が出ていくのを見守っていた。
私は一人きりになると、ようやく立ち上がって洗面所で歯を磨く。立ったついでに食器を洗って片付けた。二人分とは言え、あっという間に終わってしまう。
用事があれば着替えて出かけるのだが、今日の予定はなにもない。
私はもう一度寝室に向かった。
月曜日の朝、日常生活が始まった。
キングサイズのダブルベッドで腕を伸ばせばすぐそこにせい君がいる。
六時、せい君の目覚まし時計が鳴った。せい君が腕を伸ばしてアラームを止めた。さっと起き上がる。引っ越してせい君の職場から少し遠くなった。時間にして10分くらいらしく、せい君の起きる時間は以前のままだ。私は寝たふりをする。
せい君は無言で立ち上がり、隣の部屋へ行った。
せい君がドアを閉めてから三〇を数えた。私も起き上がる。スリッパを履いてLDKに移動する。
「おはようございます」
「おはようございます」
「まだ寝てて良かったのに」
「うん」
せい君はグレーのパジャマのまま朝食の支度をしていた。オーブンレンジでトーストを焼きながら薬缶でお湯を沸かしている。私はダイニングテーブルの席に座った。
「コーンポタージュでいい?」
「うん」
「トーストは?」
「要らない」
作り付けの引き出しから昨日買ったインスタントのコーンポタージュを出してスープカップと一緒にテーブルへと並べた。
コーン、トマト、ほうれん草などポタージュ、コンソメスープと色々買ってある。
白いカップに黄色い粉末を開ける。
お湯が沸くまでぼーっと待つ。普通の家庭ならテレビで朝のニュースを見るのだろうけど、せい君はあまりテレビを見ない。
お湯が沸いたので私が立ち上がり薬缶のお湯をカップに注ぐ。せい君はトーストにパン用のカスタードクリームを塗っている。
コーンポタージュを口に入れる度に、懐かしい気分になる。
私はあっという間にポタージュを飲み干してしまう。私は立ち上がって冷蔵庫から牛乳を取り出す。二個のマグカップに注ぐ。オーブンレンジのまだ熱い鉄板をミトンで取り出しマグカップと入れ替えた。
せい君と朝食を一緒に食べた記憶はあまりない。それでも同じ両親に育てられただけあって、朝食のスタイルは似ている。
私もせい君も、朝はあまり食欲がない。それでも、何か食べなさいと言われて育ったのだ。
私は温まった牛乳入りマグカップをそっとテーブルの上に置いた。
「ありがとう」
「うん」
せい君はいつもどおり七時前に身支度を終えて出勤した。
私はニコニコとしてせい君が出ていくのを見守っていた。
私は一人きりになると、ようやく立ち上がって洗面所で歯を磨く。立ったついでに食器を洗って片付けた。二人分とは言え、あっという間に終わってしまう。
用事があれば着替えて出かけるのだが、今日の予定はなにもない。
私はもう一度寝室に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうぞ添い遂げてください
あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。
ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる