聞こえない私に、声をくれた君

あゆみ

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それぞれの道

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それから数年後。
大学生になった私。通訳さんによると、彼も同じ大学に通っているらしい。
「会えるかな……」そんな期待と不安が入り混じる。

あれから音信不通の時期もあったけれど、彼はずっと言ってくれていた。
『大学を出たら、一緒に暮らそう。』
『そのために今、一生懸命バイトしてる。』

私のために頑張ってくれているんだと思えた。

大学のキャンパスに着くと、髪型は変わっていたけれど、微笑みながらこっちを見ている彼がいた。
そのとき、スマホのラインが鳴った。
『一緒に行こう』——そう書かれていた。

嬉しくて、彼に飛びつき、抱きしめた。
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