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高いところ
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カラオケも一通り楽しみ、帰り道小さな公園の前を通りかかり未来ちゃんが遊ぼうと提案する。
「もう十分遊んだだろ...」
「桜音さんは元気だねー」
山中くんはハハッと爽やかに笑う。対して嫌そうな藍くんに未来ちゃんがビシッと指を突きつけた。
「遊びに際限なんてないんやで。楽しんだもん勝ちなんや」
「何キメ顔で言ってやがんだ。ただの自己中じゃねぇか。大体遊びてぇのお前だけ...」
ブランコ楽しそうだなぁと見ていた私は視線を感じ、横を見ると藍くんと目が合った。
「な、何?」
「...分かった。暗くなる前には帰るぞ」
「いよっし!未明ナイスやで!」
「え!?何もしてないよ!?」
困惑する私を他所に未来ちゃんは真っ先にブランコに向かう。
「お前は行かなくていいのか?ブランコしたかったんだろ?」
「何で分かったの!?」
心が読めるのかと動揺する私に藍くんは少し呆れたように眉を寄せた後、軽く私の額を指で弾いた。
「内緒だ」
そう言っていたずらっぽく小さく笑う藍くんを見て顔に熱が集まるのがわかった。
「こぉらー!藍!何未明いじめてんねん!」
「い、いじめられてないから大丈夫だよ!」
ブランコの上に立ち、叫んでいる未来ちゃんをなだめようとブランコに駆け寄る。
「山中に押してもらってるんやけど楽しいでこれ!」
「山中くん少しは断ってもいいんだよ...?」
「僕も楽しいから大丈夫だよ」
満面の笑顔でブランコを押されている未来ちゃんとそんな未来ちゃんのブランコを押しながら楽しそうに微笑んでいる山中くん。
本当に優しい人だなと感心した。
「俺が押してやろうか?」
「え!?い、いや!悪いから!」
「遠慮すんなって」
藍くんが何やらニヤリと悪い顔をしているこれは何か企んでる!
そう危険を察知したが、藍くんが問答無用で私をブランコに座らせる。
「しっかり掴まってろよ」
「何!?何する気なの!?」
私は言われた通り全力でブランコの鎖を握りしめる。その直後藍くんが思い切りブランコを押した。自分で漕いだ時には届かないような高いところまで到達し、綺麗な夕日が見えた。
感動したのは一瞬でそのあとも藍くんは思い切りブランコを押し、私が止めてと叫んでもなかなか止めてくれなかった。
私がクタクタになった頃ようやく藍くんは満足したようでブランコを止めてくれた。なんだかツヤツヤしている気がする。
「あんまし暗くなると親が心配するし、今日はこの辺でお開きにしようかね。藍!ちゃんと未明を無事に送り届けるんやで!山中はあたしを送り届けるように」
「うん。喜んで」
山中くんは穏やかに頷き、対して私は
「え!?いや!その!でも!えっと!」
と送ってもらえたらそれは嬉しいけど迷惑になるんじゃないかという葛藤で言葉がまとまらず口籠もっていた。
「嫌なのか?」
「嫌じゃないです!!」
藍くんの問いに反射的に全力で答えてしまった。
自分の勢いの良さになんだか恥ずかしくなって顔が赤くなる。
「なら帰るぞ」
そう藍くんに促され、未来ちゃんと山中くんと別れて帰ることになった。
「もう十分遊んだだろ...」
「桜音さんは元気だねー」
山中くんはハハッと爽やかに笑う。対して嫌そうな藍くんに未来ちゃんがビシッと指を突きつけた。
「遊びに際限なんてないんやで。楽しんだもん勝ちなんや」
「何キメ顔で言ってやがんだ。ただの自己中じゃねぇか。大体遊びてぇのお前だけ...」
ブランコ楽しそうだなぁと見ていた私は視線を感じ、横を見ると藍くんと目が合った。
「な、何?」
「...分かった。暗くなる前には帰るぞ」
「いよっし!未明ナイスやで!」
「え!?何もしてないよ!?」
困惑する私を他所に未来ちゃんは真っ先にブランコに向かう。
「お前は行かなくていいのか?ブランコしたかったんだろ?」
「何で分かったの!?」
心が読めるのかと動揺する私に藍くんは少し呆れたように眉を寄せた後、軽く私の額を指で弾いた。
「内緒だ」
そう言っていたずらっぽく小さく笑う藍くんを見て顔に熱が集まるのがわかった。
「こぉらー!藍!何未明いじめてんねん!」
「い、いじめられてないから大丈夫だよ!」
ブランコの上に立ち、叫んでいる未来ちゃんをなだめようとブランコに駆け寄る。
「山中に押してもらってるんやけど楽しいでこれ!」
「山中くん少しは断ってもいいんだよ...?」
「僕も楽しいから大丈夫だよ」
満面の笑顔でブランコを押されている未来ちゃんとそんな未来ちゃんのブランコを押しながら楽しそうに微笑んでいる山中くん。
本当に優しい人だなと感心した。
「俺が押してやろうか?」
「え!?い、いや!悪いから!」
「遠慮すんなって」
藍くんが何やらニヤリと悪い顔をしているこれは何か企んでる!
そう危険を察知したが、藍くんが問答無用で私をブランコに座らせる。
「しっかり掴まってろよ」
「何!?何する気なの!?」
私は言われた通り全力でブランコの鎖を握りしめる。その直後藍くんが思い切りブランコを押した。自分で漕いだ時には届かないような高いところまで到達し、綺麗な夕日が見えた。
感動したのは一瞬でそのあとも藍くんは思い切りブランコを押し、私が止めてと叫んでもなかなか止めてくれなかった。
私がクタクタになった頃ようやく藍くんは満足したようでブランコを止めてくれた。なんだかツヤツヤしている気がする。
「あんまし暗くなると親が心配するし、今日はこの辺でお開きにしようかね。藍!ちゃんと未明を無事に送り届けるんやで!山中はあたしを送り届けるように」
「うん。喜んで」
山中くんは穏やかに頷き、対して私は
「え!?いや!その!でも!えっと!」
と送ってもらえたらそれは嬉しいけど迷惑になるんじゃないかという葛藤で言葉がまとまらず口籠もっていた。
「嫌なのか?」
「嫌じゃないです!!」
藍くんの問いに反射的に全力で答えてしまった。
自分の勢いの良さになんだか恥ずかしくなって顔が赤くなる。
「なら帰るぞ」
そう藍くんに促され、未来ちゃんと山中くんと別れて帰ることになった。
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