14 / 25
魔術王による最終試練 ②
しおりを挟む
私は両手に光属性魔術であるレーザーソードを展開して、ガイコツ師匠に斬りかかった。
『魔術の完成度は良いのじゃが……やはり、その体型では速く動けないみたいじゃの』
『これでも限界まで強化してるんですよ!』
私は纏気の他に風属性魔術も併用してスピードアップをはかりながら、ガイコツ師匠へ連撃を繰り出しているのだが、一向に当たる気配がない。
このままではガイコツ師匠に良いところを見せる前に魔力が尽きて最終試練が終わりになってしまう。
そして、最終試練に失敗したらガイコツ師匠は私を本気で殺すだろうというのが、半年一緒に生活していて何となく分かってしまう。
ガイコツ師匠は生きた証を残したいという気持ちが凄く強いのだが、その為にはガイコツ師匠の魔術を引き継ぐレベルの継承者として満たない者は不要という非情な考え方をしていた。
生前は違っていたみたいだけど、アンデッドになったことにより性格等もかなり変わってしまったみたいだった。
まあ、長い年月をアンデッドとして生きていたら、性格が変わってしまうのも仕方ないのかもしれない。
しかし、困ったな……
私は今の攻撃でそこそこ良い勝負になっているのでは?と甘い考えをしていたけど、ガイコツ師匠の実力は遥か先にあることがはっきりと分かってしまった。
『そろそろ隠している魔術を使わないと、そのまま死ぬぞ?』
『えっ、隠している魔術って……』
『どんな魔術かは分からないが、あるんじゃろ? 隠し球が』
『……』
確かにガイコツ師匠にまだ見せていない危険な魔術はいくつかあるけれど……ほとんどが超級魔術な上に使いこなせていないので、使い方を失敗したら暴発して私も師匠もまとめて吹き飛ぶんだよね……
一度、師匠が長期で奈落ダンジョンの調査に行っている時に、一番やり易そうな魔術を一人で試したのだけど、あっという間に魔術が暴発してしまい、私を中心として大きなクレーターが出来上がってしまうという事件が起きたのだけど、ガイコツ師匠が戻って来る前に、身体を治して地面を整地したりしたのでばれていないと思っていたけど、しっかりとバレていたのかな?
しかし、ガイコツ師匠の言う通りで、このままの攻防をしていたら確実に私の方が力尽きるだろうというのは容易に想像出来た。
だってガイコツ師匠は魔術で身体を強化しなくても、素のアンデッドである身体能力と剣術で戦えるし、スタミナもほぼ無限だから、時間をかければかけるほど、私がピンチになるという簡単な話だった。
それならば、やっぱりチャンスに賭けるしか無いのかな?
それに私が超級の魔術に失敗してもなんとかしてくれそうな気がする……多分。
『もし試すなら、中途半端な安定を求める魔術よりも、一発で私を倒すくらいの威力の魔術を撃ってみると良いかもしれないのう』
『それは……』
流石にそれは不味い気がする……
下手したら、この空間自体が……
『失敗が怖いのかのう?』
『むうっ、そこまでいうなら見せますけど、師匠が死んでも死んでも知りませんよ!』
『おぬしの力ではまだアンデッドのわしを殺せるとは思えんが……そうじゃな、わしが展開する防御魔術を10枚削れたら最終試練は合格して、おぬしを継承者として認めよう。どうじゃ? 少しはやる気が出たかの?』
『……本当に危ないですよ?』
私の予想では師匠の防御魔術を30枚くらいは破壊するだけの威力があるのではないかと思っているのだけど……大丈夫かな?
『魔術の完成度は良いのじゃが……やはり、その体型では速く動けないみたいじゃの』
『これでも限界まで強化してるんですよ!』
私は纏気の他に風属性魔術も併用してスピードアップをはかりながら、ガイコツ師匠へ連撃を繰り出しているのだが、一向に当たる気配がない。
このままではガイコツ師匠に良いところを見せる前に魔力が尽きて最終試練が終わりになってしまう。
そして、最終試練に失敗したらガイコツ師匠は私を本気で殺すだろうというのが、半年一緒に生活していて何となく分かってしまう。
ガイコツ師匠は生きた証を残したいという気持ちが凄く強いのだが、その為にはガイコツ師匠の魔術を引き継ぐレベルの継承者として満たない者は不要という非情な考え方をしていた。
生前は違っていたみたいだけど、アンデッドになったことにより性格等もかなり変わってしまったみたいだった。
まあ、長い年月をアンデッドとして生きていたら、性格が変わってしまうのも仕方ないのかもしれない。
しかし、困ったな……
私は今の攻撃でそこそこ良い勝負になっているのでは?と甘い考えをしていたけど、ガイコツ師匠の実力は遥か先にあることがはっきりと分かってしまった。
『そろそろ隠している魔術を使わないと、そのまま死ぬぞ?』
『えっ、隠している魔術って……』
『どんな魔術かは分からないが、あるんじゃろ? 隠し球が』
『……』
確かにガイコツ師匠にまだ見せていない危険な魔術はいくつかあるけれど……ほとんどが超級魔術な上に使いこなせていないので、使い方を失敗したら暴発して私も師匠もまとめて吹き飛ぶんだよね……
一度、師匠が長期で奈落ダンジョンの調査に行っている時に、一番やり易そうな魔術を一人で試したのだけど、あっという間に魔術が暴発してしまい、私を中心として大きなクレーターが出来上がってしまうという事件が起きたのだけど、ガイコツ師匠が戻って来る前に、身体を治して地面を整地したりしたのでばれていないと思っていたけど、しっかりとバレていたのかな?
しかし、ガイコツ師匠の言う通りで、このままの攻防をしていたら確実に私の方が力尽きるだろうというのは容易に想像出来た。
だってガイコツ師匠は魔術で身体を強化しなくても、素のアンデッドである身体能力と剣術で戦えるし、スタミナもほぼ無限だから、時間をかければかけるほど、私がピンチになるという簡単な話だった。
それならば、やっぱりチャンスに賭けるしか無いのかな?
それに私が超級の魔術に失敗してもなんとかしてくれそうな気がする……多分。
『もし試すなら、中途半端な安定を求める魔術よりも、一発で私を倒すくらいの威力の魔術を撃ってみると良いかもしれないのう』
『それは……』
流石にそれは不味い気がする……
下手したら、この空間自体が……
『失敗が怖いのかのう?』
『むうっ、そこまでいうなら見せますけど、師匠が死んでも死んでも知りませんよ!』
『おぬしの力ではまだアンデッドのわしを殺せるとは思えんが……そうじゃな、わしが展開する防御魔術を10枚削れたら最終試練は合格して、おぬしを継承者として認めよう。どうじゃ? 少しはやる気が出たかの?』
『……本当に危ないですよ?』
私の予想では師匠の防御魔術を30枚くらいは破壊するだけの威力があるのではないかと思っているのだけど……大丈夫かな?
0
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる