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奈落ダンジョン攻略
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私のとっておき魔術は奇跡的に成功したのだけど……威力が高過ぎて、使った私ですら引いていた。
『フハハハッ、流石はわしが見込んだだけはあるな! まさか、わしの半身を吹き飛ばすとは思わなかったぞ!』
私の放った魔術はガイコツ師匠の展開していた防御魔術20枚を軽く破壊した上に、師匠の右半身を吹き飛ばし、背後の壁に巨大なクレーターを作っていた。
この魔術は……本当の最終手段以外では使うのを禁止しようと、私は密かに心に誓った。
『って、師匠は大丈夫なんですか!?』
アンデッドの師匠が死ぬことは無いにしても、半身を失うほどの大怪我を負ってしまえば奈落ダンジョンを攻略するのは無理じゃないのかなと思っていたのだけど……
『ふむ、そろそろじゃな』
『えっ、何がそろそろなんですか?』
『見ていれば分かる』
『……えっ!?』
師匠の残った半身の端がぼこぼことスライムの様に液状化したと思ったら、瞬時にスライム状のものが失われた半身を形成された直後、半身が失われる前の師匠に変化していた。
『回復魔術……というよりか復元した感じですか?』
『そうじゃな、アンデッドになったことにより魔力が尽きない限りは自動的に最適状態へ復元される魔術じゃよ』
『凄くずるい魔術ですね……』
『アンデッドでも高位のアンデッドにしか使えない魔術じゃよ』
『それじゃあ、師匠は本当に不死身って事ですか?』
『まあ、ここの奈落ダンジョンにはアンデッド系はいない筈じゃから心配はいらないが、もし復元魔術を使うアンデッドと戦う事があれば、ひたすら身体を破壊して、いかに魔力を大量消費させられるかが肝じゃな。それに復元まで少し時間がかかるから、復元前に叩くといいのう』
『たぶん、そんな危ないアンデッドが出る場所には行かないので大丈夫です』
私はわざわざ師匠みたいなアンデッドが出てくるようなダンジョンなどに行くほど戦闘狂でもないし、危険な冒険をしたいとも思わないから、復元魔術の対策は必要無いだろうと思う。
『おぬしは一緒に転移された仲間を助けるために王国と戦うのじゃろう? ならばいつかは高位アンデッドに近い存在とも戦うかもしれないじゃろう。今の王国は分からんが、昔の王国は不死の研究などもしておったからのう……』
『そんな研究をしていたのですか?』
『まあ、昔には成功しなかったと聞くが……まさか奈落で死んだ筈の男が不死になっているとは王国も思わんじゃろうな、カッカッカ!』
『勇者召喚に不死の研究……』
ガイコツ師匠の話を聞いていると、どんどん王国が嫌いになって行く気がするな……
一緒に転移させられた子達を助けたら、私はすぐ王国を脱出しようかなと考えていた。
『さてと、わしの最終試練はこれで終わりじゃから、おぬしの好きなタイミングで奈落ダンジョンにチャレンジしようと思うのじゃが、一度奈落ダンジョンに入るとクリアするまで出れないから気を付けなくてはいかんぞ』
『えっ、師匠は定期的に奈落ダンジョンの様子を見に行ってないですか?』
またに師匠は、『ちょっとダンジョンの調査に行っている』と言ってフラッといなくなるではないか。
『それはわしみたいなアンデッドは例外として、ダンジョン内ならば出入り自由なのじゃよ。ここの空間は奈落ダンジョン前ではあるが、奈落ダンジョンの一部でもある安全地帯じゃからな』
『なるほど……?』
なんだろう、師匠のいうアンデッドって良いことしかないように聞こえて来るから不思議だなぁ……
『フハハハッ、流石はわしが見込んだだけはあるな! まさか、わしの半身を吹き飛ばすとは思わなかったぞ!』
私の放った魔術はガイコツ師匠の展開していた防御魔術20枚を軽く破壊した上に、師匠の右半身を吹き飛ばし、背後の壁に巨大なクレーターを作っていた。
この魔術は……本当の最終手段以外では使うのを禁止しようと、私は密かに心に誓った。
『って、師匠は大丈夫なんですか!?』
アンデッドの師匠が死ぬことは無いにしても、半身を失うほどの大怪我を負ってしまえば奈落ダンジョンを攻略するのは無理じゃないのかなと思っていたのだけど……
『ふむ、そろそろじゃな』
『えっ、何がそろそろなんですか?』
『見ていれば分かる』
『……えっ!?』
師匠の残った半身の端がぼこぼことスライムの様に液状化したと思ったら、瞬時にスライム状のものが失われた半身を形成された直後、半身が失われる前の師匠に変化していた。
『回復魔術……というよりか復元した感じですか?』
『そうじゃな、アンデッドになったことにより魔力が尽きない限りは自動的に最適状態へ復元される魔術じゃよ』
『凄くずるい魔術ですね……』
『アンデッドでも高位のアンデッドにしか使えない魔術じゃよ』
『それじゃあ、師匠は本当に不死身って事ですか?』
『まあ、ここの奈落ダンジョンにはアンデッド系はいない筈じゃから心配はいらないが、もし復元魔術を使うアンデッドと戦う事があれば、ひたすら身体を破壊して、いかに魔力を大量消費させられるかが肝じゃな。それに復元まで少し時間がかかるから、復元前に叩くといいのう』
『たぶん、そんな危ないアンデッドが出る場所には行かないので大丈夫です』
私はわざわざ師匠みたいなアンデッドが出てくるようなダンジョンなどに行くほど戦闘狂でもないし、危険な冒険をしたいとも思わないから、復元魔術の対策は必要無いだろうと思う。
『おぬしは一緒に転移された仲間を助けるために王国と戦うのじゃろう? ならばいつかは高位アンデッドに近い存在とも戦うかもしれないじゃろう。今の王国は分からんが、昔の王国は不死の研究などもしておったからのう……』
『そんな研究をしていたのですか?』
『まあ、昔には成功しなかったと聞くが……まさか奈落で死んだ筈の男が不死になっているとは王国も思わんじゃろうな、カッカッカ!』
『勇者召喚に不死の研究……』
ガイコツ師匠の話を聞いていると、どんどん王国が嫌いになって行く気がするな……
一緒に転移させられた子達を助けたら、私はすぐ王国を脱出しようかなと考えていた。
『さてと、わしの最終試練はこれで終わりじゃから、おぬしの好きなタイミングで奈落ダンジョンにチャレンジしようと思うのじゃが、一度奈落ダンジョンに入るとクリアするまで出れないから気を付けなくてはいかんぞ』
『えっ、師匠は定期的に奈落ダンジョンの様子を見に行ってないですか?』
またに師匠は、『ちょっとダンジョンの調査に行っている』と言ってフラッといなくなるではないか。
『それはわしみたいなアンデッドは例外として、ダンジョン内ならば出入り自由なのじゃよ。ここの空間は奈落ダンジョン前ではあるが、奈落ダンジョンの一部でもある安全地帯じゃからな』
『なるほど……?』
なんだろう、師匠のいうアンデッドって良いことしかないように聞こえて来るから不思議だなぁ……
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