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シュロッス・イン・デル・ゾーネ(13)
暗黒山脈(23)
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オクルスが『100℃弾』の恩恵で、落下運動から脱した。
しかしレインスが如く皆のいる高さまで復帰する前に、オクルスは下を向いた。
そして言った。
「ララさん! 『60℃弾』を頼む!」
言いながら、オクルスは眼下の森に向けて銃を乱射した。
いや、乱射したかに見えたその弾丸は、複数の熱源の傍に着弾した。
「アイツ、60℃で何するつもりだ?」
「わからない。まさか特攻じゃあ、ないでしょうけど」
アルマージュにレインスが答える。
ララは『60℃弾』を装填し、オクルスに放った。
オクルスは弾丸を受けると、飛行装置“アズール”の出力を最大にした。
「うわっ、何だ」
アルマージュが爆発的に噴出された蒸気から、腕で顔を庇う。
「もう少し昇りましょう。オクルスが何するつもりにしても、私たちも何も見えないわ」
急速にお互いの姿が見えなくなりつつある中、レインスの声に二人が同意した。
オクルスを除く三人が、更に高度を上げる。
蒸気を脱して余りある高さまで到達すると、ララは振り向いて言った。
「なるほど……。こういうコトですね、オクルスさん」
蒸気の雲が一面を覆っている。
その雲のそこかしこに、円筒状の空間ができていた。
「“アズール”の動力源は魔力でも代用できるから、『60℃弾』で強化された力で、雲を作ったのね」
「んでその雲のお陰で、なんつーか、重力の異常地帯みたいなのが可視化できたワケか」
雲の中からオクルスがでてきた。
「どうだ? 上手くいったか?」
「完璧です! オクルスさん」
「流石頭脳派」
「コッチもビックリしたけどね」
しかし、雲からでてきたのはオクルスだけではなかった。
気づいたララが叫ぶ。
「オクルスさん!」
雲から飛びでてきたのは少女だった。
笑顔で“杖茶杓”を構えている。
オクルスに向けて。
が、少女は飛来する弾丸を、杖を振るって防御せざるをえなかった。
射撃したのは、ライフルを装備したレインスだ。
少女は雲から飛びだしてきた勢いそのままに、オクルスに対する杖の照準を失い、体勢を崩しながらオクルスを飛び越した。
そのまま、放物線を描きながら落下運動に入りかける。
「逃がすか。この前のグールと同じ状況だぜ」
アルマージュが数発、射撃した。
その弾丸の全てが少女へと向かう。
弾丸は少女の目の前で、見えない何かに弾かれた。
そして少女は、何もない空に立った。
「空中戦、開始ですねぇ。よろしくお願い申し上げます」
しかしレインスが如く皆のいる高さまで復帰する前に、オクルスは下を向いた。
そして言った。
「ララさん! 『60℃弾』を頼む!」
言いながら、オクルスは眼下の森に向けて銃を乱射した。
いや、乱射したかに見えたその弾丸は、複数の熱源の傍に着弾した。
「アイツ、60℃で何するつもりだ?」
「わからない。まさか特攻じゃあ、ないでしょうけど」
アルマージュにレインスが答える。
ララは『60℃弾』を装填し、オクルスに放った。
オクルスは弾丸を受けると、飛行装置“アズール”の出力を最大にした。
「うわっ、何だ」
アルマージュが爆発的に噴出された蒸気から、腕で顔を庇う。
「もう少し昇りましょう。オクルスが何するつもりにしても、私たちも何も見えないわ」
急速にお互いの姿が見えなくなりつつある中、レインスの声に二人が同意した。
オクルスを除く三人が、更に高度を上げる。
蒸気を脱して余りある高さまで到達すると、ララは振り向いて言った。
「なるほど……。こういうコトですね、オクルスさん」
蒸気の雲が一面を覆っている。
その雲のそこかしこに、円筒状の空間ができていた。
「“アズール”の動力源は魔力でも代用できるから、『60℃弾』で強化された力で、雲を作ったのね」
「んでその雲のお陰で、なんつーか、重力の異常地帯みたいなのが可視化できたワケか」
雲の中からオクルスがでてきた。
「どうだ? 上手くいったか?」
「完璧です! オクルスさん」
「流石頭脳派」
「コッチもビックリしたけどね」
しかし、雲からでてきたのはオクルスだけではなかった。
気づいたララが叫ぶ。
「オクルスさん!」
雲から飛びでてきたのは少女だった。
笑顔で“杖茶杓”を構えている。
オクルスに向けて。
が、少女は飛来する弾丸を、杖を振るって防御せざるをえなかった。
射撃したのは、ライフルを装備したレインスだ。
少女は雲から飛びだしてきた勢いそのままに、オクルスに対する杖の照準を失い、体勢を崩しながらオクルスを飛び越した。
そのまま、放物線を描きながら落下運動に入りかける。
「逃がすか。この前のグールと同じ状況だぜ」
アルマージュが数発、射撃した。
その弾丸の全てが少女へと向かう。
弾丸は少女の目の前で、見えない何かに弾かれた。
そして少女は、何もない空に立った。
「空中戦、開始ですねぇ。よろしくお願い申し上げます」
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