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ラスト・コンテクスト Part1
大文字の夜に(20)
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メイは急に立ち止まった。
そして背後を振り返る。
「どうした?」
ツヅキが声をかけた。
「いえ……やっぱり、二人を置いてはいけないわ」
「ソレは違うぞ、メイ。俺たちが二人にできる最善のコトは今、いち早く“鍵”を手に入れて、中腹で“所有権”を確保するコトだ。ソレができれば、二人はすぐにでも迎えに行ける。そしてそのために、二人は俺たちを送りだしてくれたんだ」
「……」
「心を読まなくても、それぐらいはわかるだろ?」
メイが前を向き直す。
ツヅキに目を合わせた。
ツヅキは視線を逸らすコトなく、メイとの対話を継続する。
「……そうね、急ぎましょう」
メイはツヅキに追いつこうとした。
その時、ツヅキとメイの間に木の葉が数枚、落ちてきた。
「危ない!」
メイがツヅキを突き放す。
メイも反動を利用して勢いよく後退した。
二人が一瞬前までいた場所に、誰かが落下してくる。
「おっしぃ~! ナイス判断ですねぇ♪」
「パクスの……カトリーヌさんね」
「どうも、デル・ゾーネのメイ・ペイルンオーリンさん♪ カトリーヌ、カトリーヌ・ソルティエールです。そしてソチラが」
カトリーヌの背後、ツヅキの前に三人の人影がまた、落下してきた。
「恭仁ミサトさんにノワール・シューベルト、ブレーズ・イメールシュテです♪」
「……久世ツヅキだ。よろしく」
ツヅキは銃を抜こうとしたが、ソレよりも早く、足元に弾丸が撃ち込まれた。
銃を構えたミサトが、左手の人差し指を唇の前に当てて言う。
「ちっちっち。私以外の二人はこの世界の人だし優しいからキミを攻撃しないと思うけど、私はキミと同じ“世界”出身よ。少々痛いめに遭ってもらうコトはできるわ。だから、できればそうさせないで、ね?」
ミサトがウインクする。
ツヅキは銃からゆっくりと手を離す。
「ゴメン!」
メイが急に大声を上げ、杖を振った。
衝撃波が放たれたが、カトリーヌはソレを、上半身を傾けて難無く避ける。
「おっとぉ。謝らなくてもいいですよ♪」
「違う」
メイがポツリと言う。
衝撃波が後方のツヅキに命中した。
「ぐあっ……ゴメンって、」
命中から一拍置いて、魔力が作動する。
「コレか……っ!」
『二発めはない』と言っていた“飛行”だ。
ツヅキが勢いよく吹き飛ばされる。
「ウッソっ……! 味方に対してもドSかよ!?」
ミサトが言う。
カトリーヌ(「ミサトさんもじゃあないかな……?」)以外の三人は、森の奥に吹き飛ばされていったツヅキを追い始めた。
そして背後を振り返る。
「どうした?」
ツヅキが声をかけた。
「いえ……やっぱり、二人を置いてはいけないわ」
「ソレは違うぞ、メイ。俺たちが二人にできる最善のコトは今、いち早く“鍵”を手に入れて、中腹で“所有権”を確保するコトだ。ソレができれば、二人はすぐにでも迎えに行ける。そしてそのために、二人は俺たちを送りだしてくれたんだ」
「……」
「心を読まなくても、それぐらいはわかるだろ?」
メイが前を向き直す。
ツヅキに目を合わせた。
ツヅキは視線を逸らすコトなく、メイとの対話を継続する。
「……そうね、急ぎましょう」
メイはツヅキに追いつこうとした。
その時、ツヅキとメイの間に木の葉が数枚、落ちてきた。
「危ない!」
メイがツヅキを突き放す。
メイも反動を利用して勢いよく後退した。
二人が一瞬前までいた場所に、誰かが落下してくる。
「おっしぃ~! ナイス判断ですねぇ♪」
「パクスの……カトリーヌさんね」
「どうも、デル・ゾーネのメイ・ペイルンオーリンさん♪ カトリーヌ、カトリーヌ・ソルティエールです。そしてソチラが」
カトリーヌの背後、ツヅキの前に三人の人影がまた、落下してきた。
「恭仁ミサトさんにノワール・シューベルト、ブレーズ・イメールシュテです♪」
「……久世ツヅキだ。よろしく」
ツヅキは銃を抜こうとしたが、ソレよりも早く、足元に弾丸が撃ち込まれた。
銃を構えたミサトが、左手の人差し指を唇の前に当てて言う。
「ちっちっち。私以外の二人はこの世界の人だし優しいからキミを攻撃しないと思うけど、私はキミと同じ“世界”出身よ。少々痛いめに遭ってもらうコトはできるわ。だから、できればそうさせないで、ね?」
ミサトがウインクする。
ツヅキは銃からゆっくりと手を離す。
「ゴメン!」
メイが急に大声を上げ、杖を振った。
衝撃波が放たれたが、カトリーヌはソレを、上半身を傾けて難無く避ける。
「おっとぉ。謝らなくてもいいですよ♪」
「違う」
メイがポツリと言う。
衝撃波が後方のツヅキに命中した。
「ぐあっ……ゴメンって、」
命中から一拍置いて、魔力が作動する。
「コレか……っ!」
『二発めはない』と言っていた“飛行”だ。
ツヅキが勢いよく吹き飛ばされる。
「ウッソっ……! 味方に対してもドSかよ!?」
ミサトが言う。
カトリーヌ(「ミサトさんもじゃあないかな……?」)以外の三人は、森の奥に吹き飛ばされていったツヅキを追い始めた。
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