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前半
しおりを挟むソファで力尽き眠る流花を優しくベットへと運んだ。ガラス細工を扱うくらい丁寧に繊細に運ぶ姿はまるで御伽話の王子様のようだった。
白いシーツに散る黒曜石のような髪をふわりふわりと撫でながらうっとりと愛しい寝顔を見つめる。
転校生がやってきてから流花は働き詰めでろくに寝ることも出来なくなった。流花と書記以外の役員は転校生にかまけて生徒会室にさっぱり顔を出さなくなったらしい。
長いまつ毛に彩られた垂れ目気味の目の下に黒いクマをくっきりとつけて、日々限界まで働く姿は痛々しいものだった。
俺には自分を犠牲にしてまで仕事をする流花の気持ちは微塵もわからない。ただ、俺のことだけ考えてればいいのに、と日々やつれていく流花を見ながら思っていた。
「お前が、俺を求めてくれるなら俺は、お前の全部を甘やかしてやるのに」
そっと流花の耳元で囁き、あどけない顔で眠る目元に口付けを落とす。
日に日に抑えられなくなっているドロドロの嫉妬心で流花を身勝手に縛り付けてしまう前に、俺と同じとこまで堕ちて来て欲しい。そう思いながら。
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