僕を満たすのは

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後半

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 どうにも自分の代の御坊ちゃま達はどうしようもなく使えない者ばかりのようだ。同級生には世界屈指の大企業の子息もいるが、三男や次男が多い。
 
 徹底的な指導が施される長男と比べられて幼少期を過ごしたせいか、ひねくれた性格の奴らが多い。ろくに努力もしない凡人のくせに、親の権力振り翳して威張り散らしている坊ちゃんなんて1人や2人ではない。
 
 まだマシだと思っていたのになあ。書記以外の生徒会役員どもは、自分の仕事に責任が持てないどうしようもない奴らだったようだ。
 
 家が厳しめな書記を案じて生徒会の仕事を限界ギリギリで回しているが、そろそろ馬鹿な役員のせいでこんな状況になっていることへの苛立ちが限界突破しそうである。
 
 書記だってそろそろ本当に倒れてしまいそうだ。
 
 もう潮時じゃないだろうか。2人で回すにはもう限界に近い。
 
 パソコンを触る手を止めて、前で仕事する書記をじっと見つめる。
 
 「ねぇ、そろそろ限界なんじゃない?」
 
 書記はぴたりと手を止めて、動揺で揺れる瞳をもちあげた。数秒か数分かさっきまで響いていたタイピング音がなくなった静寂の中、書記の答えを静かに待った。
 
 「うん。そうかも。もう、限界かも」
 
 今にも泣き出しそうな瞳を揺らし、書記は答えた。
 
 書記の返事が得られたならあとは早いもので、とんとん拍子に他役員のリコール話は進んでいった。
 
 転校生にかまいっきりで仕事をしていないのはどんな生徒だって知っている周知の事実。もてはやされていた面影はどこえやら、生徒からの反対意見など一つも出なかった。
 
 喚く役員達を正式にリコールし、新たな役員は一年生から任命した。リコールされた役員達は、将来重要なポジションで仕事をする事は困難だろう。それくらい、この学園での行動は未来を左右する。そんなことも分からないようじゃあ、遅かれ早かれ取り返しのつかない失敗をしていたことだろう。
 
 新たな役員になってから、書記は元気を取り戻したし、新役員達は一生懸命仕事に励んでくれている。
 
 一見落着といったところかな。とほっと一息ついた。
 
 紅茶を飲みながら、ソファに腰掛けだらていると、

 「ねぇ、君は東くんとは付き合ってないの?」
 
 同じく仕事の休憩中だった書記に聞かれた。人の機敏に人一倍敏感な書記のことだから、東の並外れた僕に対する執着に薄々気づいているのかもしれない。
 
 「うーん、まだかなぁ。あともう少しかも」
 
 ふふと笑いながら答えると、書記は怪訝な顔をした。
 
 きっと、僕が東と同じところまで落ちてしまうのはきっと時間の問題だろう。執着に塗れた東の視線を感じるたびにどうしようもない高揚感に襲われる。僕に恐ろしいまでの執着を見せる幼馴染は顔もスタイルも才能も人望も全てを持ち合わせている完璧な人。でも、そんな完璧な人が全てを投げ打ってでも僕しか眼中にない健気な姿はひどくいじらしい。日に日に東なしじゃいられなくなっている自分にゾッとすると同時に、人知れない愉悦が湧き上がる。相反した思いのいくつく先は破滅なのか安寧なのか。
 
 僕は満たされない空洞を満たしてくれるのを今か今かと待ち侘びている。
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