2 / 2
後半
しおりを挟む
どうにも自分の代の御坊ちゃま達はどうしようもなく使えない者ばかりのようだ。同級生には世界屈指の大企業の子息もいるが、三男や次男が多い。
徹底的な指導が施される長男と比べられて幼少期を過ごしたせいか、ひねくれた性格の奴らが多い。ろくに努力もしない凡人のくせに、親の権力振り翳して威張り散らしている坊ちゃんなんて1人や2人ではない。
まだマシだと思っていたのになあ。書記以外の生徒会役員どもは、自分の仕事に責任が持てないどうしようもない奴らだったようだ。
家が厳しめな書記を案じて生徒会の仕事を限界ギリギリで回しているが、そろそろ馬鹿な役員のせいでこんな状況になっていることへの苛立ちが限界突破しそうである。
書記だってそろそろ本当に倒れてしまいそうだ。
もう潮時じゃないだろうか。2人で回すにはもう限界に近い。
パソコンを触る手を止めて、前で仕事する書記をじっと見つめる。
「ねぇ、そろそろ限界なんじゃない?」
書記はぴたりと手を止めて、動揺で揺れる瞳をもちあげた。数秒か数分かさっきまで響いていたタイピング音がなくなった静寂の中、書記の答えを静かに待った。
「うん。そうかも。もう、限界かも」
今にも泣き出しそうな瞳を揺らし、書記は答えた。
書記の返事が得られたならあとは早いもので、とんとん拍子に他役員のリコール話は進んでいった。
転校生にかまいっきりで仕事をしていないのはどんな生徒だって知っている周知の事実。もてはやされていた面影はどこえやら、生徒からの反対意見など一つも出なかった。
喚く役員達を正式にリコールし、新たな役員は一年生から任命した。リコールされた役員達は、将来重要なポジションで仕事をする事は困難だろう。それくらい、この学園での行動は未来を左右する。そんなことも分からないようじゃあ、遅かれ早かれ取り返しのつかない失敗をしていたことだろう。
新たな役員になってから、書記は元気を取り戻したし、新役員達は一生懸命仕事に励んでくれている。
一見落着といったところかな。とほっと一息ついた。
紅茶を飲みながら、ソファに腰掛けだらていると、
「ねぇ、君は東くんとは付き合ってないの?」
同じく仕事の休憩中だった書記に聞かれた。人の機敏に人一倍敏感な書記のことだから、東の並外れた僕に対する執着に薄々気づいているのかもしれない。
「うーん、まだかなぁ。あともう少しかも」
ふふと笑いながら答えると、書記は怪訝な顔をした。
きっと、僕が東と同じところまで落ちてしまうのはきっと時間の問題だろう。執着に塗れた東の視線を感じるたびにどうしようもない高揚感に襲われる。僕に恐ろしいまでの執着を見せる幼馴染は顔もスタイルも才能も人望も全てを持ち合わせている完璧な人。でも、そんな完璧な人が全てを投げ打ってでも僕しか眼中にない健気な姿はひどくいじらしい。日に日に東なしじゃいられなくなっている自分にゾッとすると同時に、人知れない愉悦が湧き上がる。相反した思いのいくつく先は破滅なのか安寧なのか。
僕は満たされない空洞を満たしてくれるのを今か今かと待ち侘びている。
徹底的な指導が施される長男と比べられて幼少期を過ごしたせいか、ひねくれた性格の奴らが多い。ろくに努力もしない凡人のくせに、親の権力振り翳して威張り散らしている坊ちゃんなんて1人や2人ではない。
まだマシだと思っていたのになあ。書記以外の生徒会役員どもは、自分の仕事に責任が持てないどうしようもない奴らだったようだ。
家が厳しめな書記を案じて生徒会の仕事を限界ギリギリで回しているが、そろそろ馬鹿な役員のせいでこんな状況になっていることへの苛立ちが限界突破しそうである。
書記だってそろそろ本当に倒れてしまいそうだ。
もう潮時じゃないだろうか。2人で回すにはもう限界に近い。
パソコンを触る手を止めて、前で仕事する書記をじっと見つめる。
「ねぇ、そろそろ限界なんじゃない?」
書記はぴたりと手を止めて、動揺で揺れる瞳をもちあげた。数秒か数分かさっきまで響いていたタイピング音がなくなった静寂の中、書記の答えを静かに待った。
「うん。そうかも。もう、限界かも」
今にも泣き出しそうな瞳を揺らし、書記は答えた。
書記の返事が得られたならあとは早いもので、とんとん拍子に他役員のリコール話は進んでいった。
転校生にかまいっきりで仕事をしていないのはどんな生徒だって知っている周知の事実。もてはやされていた面影はどこえやら、生徒からの反対意見など一つも出なかった。
喚く役員達を正式にリコールし、新たな役員は一年生から任命した。リコールされた役員達は、将来重要なポジションで仕事をする事は困難だろう。それくらい、この学園での行動は未来を左右する。そんなことも分からないようじゃあ、遅かれ早かれ取り返しのつかない失敗をしていたことだろう。
新たな役員になってから、書記は元気を取り戻したし、新役員達は一生懸命仕事に励んでくれている。
一見落着といったところかな。とほっと一息ついた。
紅茶を飲みながら、ソファに腰掛けだらていると、
「ねぇ、君は東くんとは付き合ってないの?」
同じく仕事の休憩中だった書記に聞かれた。人の機敏に人一倍敏感な書記のことだから、東の並外れた僕に対する執着に薄々気づいているのかもしれない。
「うーん、まだかなぁ。あともう少しかも」
ふふと笑いながら答えると、書記は怪訝な顔をした。
きっと、僕が東と同じところまで落ちてしまうのはきっと時間の問題だろう。執着に塗れた東の視線を感じるたびにどうしようもない高揚感に襲われる。僕に恐ろしいまでの執着を見せる幼馴染は顔もスタイルも才能も人望も全てを持ち合わせている完璧な人。でも、そんな完璧な人が全てを投げ打ってでも僕しか眼中にない健気な姿はひどくいじらしい。日に日に東なしじゃいられなくなっている自分にゾッとすると同時に、人知れない愉悦が湧き上がる。相反した思いのいくつく先は破滅なのか安寧なのか。
僕は満たされない空洞を満たしてくれるのを今か今かと待ち侘びている。
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
2025.4.28 ムーンライトノベルに投稿しました。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
来世はこの人と関りたくないと思ったのに。
ありま氷炎
BL
前世の記憶を持つ、いずる。
彼は前世で主人だった三日月と、来世で関わらない事を願った。
しかし願いは叶わず、幼馴染として生まれ変わってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる