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《紋なし》が発覚した当時、子爵は彼女が子爵夫人の不義の子ではないかと疑い、神殿で何度も血統検査を行った。結果は、白。何度やっても白。正真正銘、彼女は子爵夫妻の子供であると分かった。ではなぜ彼女は《紋なし》なのだろう。それは十数年たった今でもよく分かっていない。
また彼女はそれ以前にどこから遺伝したのか、これもよく分かっていないが、白銀の髪に赤い瞳をしており、それが不気味だと、人々は化け物令嬢と呼んでいた。そんな災難続きな令嬢に少し同情している。私も大概だが。
そういえばここ十数年彼女が社交界に出たという話を聞かない。どうしているんだろうか。
「今回の任務は子爵家での情報収集だ。エスターヴ子爵家が隠しているものを探れ」
エスターヴ子爵家...まさかこんなところで聞くとは思わなかった。
「あそこは最近妙に羽振りがいい。禁止物を取り扱っている可能性もある。表から探れるところは粗方探った。しかし不明瞭な金の流れがあるものの、うまく隠しているようで追い詰めきれない。そこでお前を潜入させることにした。開始は二日後だ。」
「御意」
「それから、今晩中央通りのオークション会場で闇オークションが開かれる。人身売買、禁止物、呪物の類もあるそうだ。商品を押収、保護したら、」
「潰せ」
この方は仕事人間だ。法を守らないものは容赦なく叩き潰す。令息時代に影として動いた際、かなりの数の凄惨な惨状を見たのだろう。この生真面目な人間は人権侵害を一番嫌うようで、奴隷という制度が許せないらしいのだ。この国では奴隷制度はとっくの昔になくなっている。が、裏で奴隷が売買されることは多々ある。彼はそれを見つけるたびに、苛烈ともいえるほどの制裁を下すのだ。前回は公爵令息が行ったらしい。今回が私だっただけ。まあ、三人の中でだれが一番殺っているか、と聞かれると私なのだが。
「手心はなしだ、証言者もなくていい。徹底的にやれ」
「いいな、〈朱い道化〉」
私の答えはいつだって一つ。
「仰せのままに」
ただそれだけ。
また彼女はそれ以前にどこから遺伝したのか、これもよく分かっていないが、白銀の髪に赤い瞳をしており、それが不気味だと、人々は化け物令嬢と呼んでいた。そんな災難続きな令嬢に少し同情している。私も大概だが。
そういえばここ十数年彼女が社交界に出たという話を聞かない。どうしているんだろうか。
「今回の任務は子爵家での情報収集だ。エスターヴ子爵家が隠しているものを探れ」
エスターヴ子爵家...まさかこんなところで聞くとは思わなかった。
「あそこは最近妙に羽振りがいい。禁止物を取り扱っている可能性もある。表から探れるところは粗方探った。しかし不明瞭な金の流れがあるものの、うまく隠しているようで追い詰めきれない。そこでお前を潜入させることにした。開始は二日後だ。」
「御意」
「それから、今晩中央通りのオークション会場で闇オークションが開かれる。人身売買、禁止物、呪物の類もあるそうだ。商品を押収、保護したら、」
「潰せ」
この方は仕事人間だ。法を守らないものは容赦なく叩き潰す。令息時代に影として動いた際、かなりの数の凄惨な惨状を見たのだろう。この生真面目な人間は人権侵害を一番嫌うようで、奴隷という制度が許せないらしいのだ。この国では奴隷制度はとっくの昔になくなっている。が、裏で奴隷が売買されることは多々ある。彼はそれを見つけるたびに、苛烈ともいえるほどの制裁を下すのだ。前回は公爵令息が行ったらしい。今回が私だっただけ。まあ、三人の中でだれが一番殺っているか、と聞かれると私なのだが。
「手心はなしだ、証言者もなくていい。徹底的にやれ」
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私の答えはいつだって一つ。
「仰せのままに」
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