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第35話 領主の館──囁かれる兵器の影
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程なくヤヨイ・クリスの組は見つかった。
話が盛り上がるヤヨイと屋台のおばちゃん。
そのヤヨイを守ろうと警戒するクリス。
そのクリスの容姿を見ようと遠目に集まっている領民達。
クリスが目立つのはこの場合良いのだろうか?
「お~い!2人とも!珍しい物あったか?」
建前の話を忘れず声をかけるミサオ。
「お?2人ともどうした?組合と図書館は?」
クリスがこちらに気付く。
「いや、薬師の方は済んだ。・・・そこで耳よりの話仕入れてさ?2人にも聞いて欲しくて。」
「そんな儲け話があったのか?それは楽しみだ!ヤヨイ!儲け話が見つかったらしいぞ!」
クリスが話に夢中のヤヨイに声をかける。
「あ、そう?それじゃあ、お姉さん!また時間あったら顔出すから!商売頑張ってね!」
「あいよ!・・・でもこの領だといつまでやれてるかね・・・。まあ、今日の明日に消える事はないさ。もう一度くらい顔出しなよ!」
「わかった!」
布で出来た袋にいくつかの果物などを入れてヤヨイは抱えてクリスと合流する。
「ミサオさん。まずは宿ですかね?」
クミコが確認する。
「うん。・・・でも宿の食堂でゆっくり話す内容でもないしな?・・・高いけど屋台で何か腹の足しになる物買っとこう。昼もあそこは出ないし。」
戻る途中でミサオ・クミコ・ヤヨイ・クリスの4人は、串焼きの肉や肉を挟んだパン、果実水などを買って宿の部屋に戻る。
「ミサオ達はどうだった?こっちはやっぱ領主の愚痴だよね~!」
「待て待てヤヨイ。2人があの時間でこちらに来たんだ。何か掴んだからだと思うが、余程の内容か?」
話しだしたヤヨイを止めて、ミサオの言葉を待つクリス。
「・・・それな?クミコさんが薬師の組合でヤバいネタつかんじゃったらしいのよ。代目変わった後の今の領主、どうも学者辺りとツルンでるらしくてな。」
「学者か。・・・暗殺集団の警戒だけでは済まないと言う事か。面倒だな。」
ミサオの言葉に目を細めるクリス。
「それと、その学者と組んで手を出してる内容が・・・。武器らしいんです。噂ですが。」
クミコもミサオの言葉を引き取って付け足す。
「武器!・・・ここの子爵は何を考えておるんだ?皇の耳に入れば反乱の兆し有りと思われても仕方無かろうに。ここも例に漏れず、後継ぎは愚鈍か。」
クリスはため息をつく。
「武器。それが個人用の物なら学者なんかより、普通鍛冶職人なんかに頼むよな?俺は、武器なんかよりヤバい、兵器。一気に大勢を巻き込む大量殺戮の手段持ってそうで怖いのよ。」
ミサオは考えていた事を述べる。
「・・・その根拠は?」
クリスは冷静にミサオに問い直す。
「俺の居た世界はさ。俺の国は先の大戦から終戦して80年近く経ってたんだけど。他の国は相変わらずでさ。やっぱり土地とか宗教。まあ、お互い理由はあんだろうけどドンパチやらかしててさ?とんでもない兵器もあって。魔法がないからそっちの発展も凄くて。バカだから核なんて訳わかんない大量殺戮兵器持ってる大国が、これでもかって保有し合って、お互いに牽制し合ってる有様。それ一発どこかの国が使えば、多分人間滅ぶぜ?やり合いで。人も住めなくなるし。」
ミサオは過去の世界の話をする。
「その核ってのが、直撃したある程度の範囲を破壊するだけならまだしも、爆発の影響ない所の生き物にも、放射能なんて目に見えない物で影響あって、死んじゃったり、生きてくのに不自由になったり悪影響及ぼす質悪い物なんだよ。俺も詳しくは分からないけど、バカだろ?」
「・・・その前にミサオ。ばくはつとはなんだ?そもそも。」
クリスはミサオの言葉のそもそもが引っかかったらしい。
「あ!ごめん。・・・まだこの世界、火薬も無いのか。・・・俺も説明するの学が無いから難しいんだけど・・・。例えば、普通に煮炊きする時、火打ち石使うじゃん?魔法使えなければ。石をちゃっちゃって擦り合わせたら火花って出るじゃん?それの火花がデカい版って言えば良いのかな?何しろそれが反応したらものすごい風が周囲に及ぶ。その風が熱風かも知れないし、その、火薬ってのが使われてたら、それによってまわりの建物や人が吹き飛ばされる。壊れた建物とかからその破片も巻き込まれてまた人に怪我させる。威力強ければ、近くに居た人間なんか、身体なんか細切れだよ。」
「・・・。」
ミサオ以外の皆が押し黙る。
「熱が高温だから、それで木で出来た物には火がつく。使い方が違えば、人の生活にとても役立つ物だし、それこそ花火なんて見世物に使われたら平和の象徴にもなるんだがな。・・・まあ、あくまで一例なんだが、俺はこの火薬辺りが匂う。まだこの世界に無いんだろ?何しろ学者が絡んでるからな?それに細菌兵器までは、抗体とセットでないと使えんだろうし、まだその技術は見つけられないだろうしな。顕微鏡も無いだろうから。」
「そのさいき?何とやらなどと言う別の兵器もあるのか?」
クリスはミサオの言葉に、少し震えている様子。
「向こうの世界にはな。貧者の核なんて言ってた。こいつは直接使用したやつも、巻き込まれる危険があるのよ。要は病気ばらまく兵器。その病気に対抗出来る薬作ってなきゃ、遅かれ早かれ使った自分達も巻き込まれる。簡単に言えば人同士近づいたら移るのが細菌。移らないのが核。すっげえ極論だけどな?」
「・・・よくそんな世界生きてこられたな?ミサオ。」
「・・・お前、苦労してるんだな?ミサオ。」
「・・・ある意味、こちらの方が良かったのかも知れませんね?ミサオさん。」
何故かクリス・ヤヨイ・クミコの3人に慰められる感じになるミサオ。
「いやいや、俺の住んでた日本は、一応平和!犯罪の凶悪化とか頭の痛い事あってもさ、法律は機能してるし、戦争もしてないから!・・・心配はありがたいけど。それよりもここのバカ領主の話!・・・そうだ!その現領主のヤサ(家)、どこだか聞いた?」
「ヤサ?」
「なんだそれ?」
「また過去の言葉。」
3人とも不満顔。
「あ~、家!領主の館!・・・結局忍び込まなきゃいかんだろ?短絡的なのやなんだけど。」
「野菜売りのおばちゃんに聞いたよ!」
「でかしたヤヨイ!今度ウサギの飴ちゃん作ったる!」
「飴?やったぁ!」
ミサオの言葉に喜ぶヤヨイ。
「それじゃあ宿からの大体の場所とか聞かせてくれ。ここの宿を背中にして、方向は・・・て、何?クミコさんもクリスも。・・・もしかして飴ちゃん?・・・わかったよ。高い砂糖と水だけでゆっくり熱すれば作れる代物だよ?わかった!作る!そこまで首縦に振らんでいい!それより領主の館!忍び込む前に下調べ!こっからまたその辺聞き込みしなきゃ!でも慎重に。夕食前に戻ってすり合わせ。早きゃ、今日動くから。さあ。食うもん食ったらもう一度外で情報集め。今度は館の情報のみ。頼むな!」
3人はすでに食料に手を出し始めている。
「・・・俺の分も残してな?」
やる気と食い気に満ちた女性3人の様子に、ミサオは少しおののくのであった。
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
今回の話では、ミサオたち4人が再び合流し、ヒラサキ領の現領主と学者の不穏な関係が明らかになります。
単なる武器ではなく、大量殺戮も可能な“兵器”の可能性が浮かび、ミサオの過去の世界の知識から、その危険性が語られました。
笑いを交えつつも、物語全体が緊張感を帯び始める転換点となる一話です。
次回はいよいよ領主の館の情報収集へ──事態は一気に核心へ迫ります。
話が盛り上がるヤヨイと屋台のおばちゃん。
そのヤヨイを守ろうと警戒するクリス。
そのクリスの容姿を見ようと遠目に集まっている領民達。
クリスが目立つのはこの場合良いのだろうか?
「お~い!2人とも!珍しい物あったか?」
建前の話を忘れず声をかけるミサオ。
「お?2人ともどうした?組合と図書館は?」
クリスがこちらに気付く。
「いや、薬師の方は済んだ。・・・そこで耳よりの話仕入れてさ?2人にも聞いて欲しくて。」
「そんな儲け話があったのか?それは楽しみだ!ヤヨイ!儲け話が見つかったらしいぞ!」
クリスが話に夢中のヤヨイに声をかける。
「あ、そう?それじゃあ、お姉さん!また時間あったら顔出すから!商売頑張ってね!」
「あいよ!・・・でもこの領だといつまでやれてるかね・・・。まあ、今日の明日に消える事はないさ。もう一度くらい顔出しなよ!」
「わかった!」
布で出来た袋にいくつかの果物などを入れてヤヨイは抱えてクリスと合流する。
「ミサオさん。まずは宿ですかね?」
クミコが確認する。
「うん。・・・でも宿の食堂でゆっくり話す内容でもないしな?・・・高いけど屋台で何か腹の足しになる物買っとこう。昼もあそこは出ないし。」
戻る途中でミサオ・クミコ・ヤヨイ・クリスの4人は、串焼きの肉や肉を挟んだパン、果実水などを買って宿の部屋に戻る。
「ミサオ達はどうだった?こっちはやっぱ領主の愚痴だよね~!」
「待て待てヤヨイ。2人があの時間でこちらに来たんだ。何か掴んだからだと思うが、余程の内容か?」
話しだしたヤヨイを止めて、ミサオの言葉を待つクリス。
「・・・それな?クミコさんが薬師の組合でヤバいネタつかんじゃったらしいのよ。代目変わった後の今の領主、どうも学者辺りとツルンでるらしくてな。」
「学者か。・・・暗殺集団の警戒だけでは済まないと言う事か。面倒だな。」
ミサオの言葉に目を細めるクリス。
「それと、その学者と組んで手を出してる内容が・・・。武器らしいんです。噂ですが。」
クミコもミサオの言葉を引き取って付け足す。
「武器!・・・ここの子爵は何を考えておるんだ?皇の耳に入れば反乱の兆し有りと思われても仕方無かろうに。ここも例に漏れず、後継ぎは愚鈍か。」
クリスはため息をつく。
「武器。それが個人用の物なら学者なんかより、普通鍛冶職人なんかに頼むよな?俺は、武器なんかよりヤバい、兵器。一気に大勢を巻き込む大量殺戮の手段持ってそうで怖いのよ。」
ミサオは考えていた事を述べる。
「・・・その根拠は?」
クリスは冷静にミサオに問い直す。
「俺の居た世界はさ。俺の国は先の大戦から終戦して80年近く経ってたんだけど。他の国は相変わらずでさ。やっぱり土地とか宗教。まあ、お互い理由はあんだろうけどドンパチやらかしててさ?とんでもない兵器もあって。魔法がないからそっちの発展も凄くて。バカだから核なんて訳わかんない大量殺戮兵器持ってる大国が、これでもかって保有し合って、お互いに牽制し合ってる有様。それ一発どこかの国が使えば、多分人間滅ぶぜ?やり合いで。人も住めなくなるし。」
ミサオは過去の世界の話をする。
「その核ってのが、直撃したある程度の範囲を破壊するだけならまだしも、爆発の影響ない所の生き物にも、放射能なんて目に見えない物で影響あって、死んじゃったり、生きてくのに不自由になったり悪影響及ぼす質悪い物なんだよ。俺も詳しくは分からないけど、バカだろ?」
「・・・その前にミサオ。ばくはつとはなんだ?そもそも。」
クリスはミサオの言葉のそもそもが引っかかったらしい。
「あ!ごめん。・・・まだこの世界、火薬も無いのか。・・・俺も説明するの学が無いから難しいんだけど・・・。例えば、普通に煮炊きする時、火打ち石使うじゃん?魔法使えなければ。石をちゃっちゃって擦り合わせたら火花って出るじゃん?それの火花がデカい版って言えば良いのかな?何しろそれが反応したらものすごい風が周囲に及ぶ。その風が熱風かも知れないし、その、火薬ってのが使われてたら、それによってまわりの建物や人が吹き飛ばされる。壊れた建物とかからその破片も巻き込まれてまた人に怪我させる。威力強ければ、近くに居た人間なんか、身体なんか細切れだよ。」
「・・・。」
ミサオ以外の皆が押し黙る。
「熱が高温だから、それで木で出来た物には火がつく。使い方が違えば、人の生活にとても役立つ物だし、それこそ花火なんて見世物に使われたら平和の象徴にもなるんだがな。・・・まあ、あくまで一例なんだが、俺はこの火薬辺りが匂う。まだこの世界に無いんだろ?何しろ学者が絡んでるからな?それに細菌兵器までは、抗体とセットでないと使えんだろうし、まだその技術は見つけられないだろうしな。顕微鏡も無いだろうから。」
「そのさいき?何とやらなどと言う別の兵器もあるのか?」
クリスはミサオの言葉に、少し震えている様子。
「向こうの世界にはな。貧者の核なんて言ってた。こいつは直接使用したやつも、巻き込まれる危険があるのよ。要は病気ばらまく兵器。その病気に対抗出来る薬作ってなきゃ、遅かれ早かれ使った自分達も巻き込まれる。簡単に言えば人同士近づいたら移るのが細菌。移らないのが核。すっげえ極論だけどな?」
「・・・よくそんな世界生きてこられたな?ミサオ。」
「・・・お前、苦労してるんだな?ミサオ。」
「・・・ある意味、こちらの方が良かったのかも知れませんね?ミサオさん。」
何故かクリス・ヤヨイ・クミコの3人に慰められる感じになるミサオ。
「いやいや、俺の住んでた日本は、一応平和!犯罪の凶悪化とか頭の痛い事あってもさ、法律は機能してるし、戦争もしてないから!・・・心配はありがたいけど。それよりもここのバカ領主の話!・・・そうだ!その現領主のヤサ(家)、どこだか聞いた?」
「ヤサ?」
「なんだそれ?」
「また過去の言葉。」
3人とも不満顔。
「あ~、家!領主の館!・・・結局忍び込まなきゃいかんだろ?短絡的なのやなんだけど。」
「野菜売りのおばちゃんに聞いたよ!」
「でかしたヤヨイ!今度ウサギの飴ちゃん作ったる!」
「飴?やったぁ!」
ミサオの言葉に喜ぶヤヨイ。
「それじゃあ宿からの大体の場所とか聞かせてくれ。ここの宿を背中にして、方向は・・・て、何?クミコさんもクリスも。・・・もしかして飴ちゃん?・・・わかったよ。高い砂糖と水だけでゆっくり熱すれば作れる代物だよ?わかった!作る!そこまで首縦に振らんでいい!それより領主の館!忍び込む前に下調べ!こっからまたその辺聞き込みしなきゃ!でも慎重に。夕食前に戻ってすり合わせ。早きゃ、今日動くから。さあ。食うもん食ったらもう一度外で情報集め。今度は館の情報のみ。頼むな!」
3人はすでに食料に手を出し始めている。
「・・・俺の分も残してな?」
やる気と食い気に満ちた女性3人の様子に、ミサオは少しおののくのであった。
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今回の話では、ミサオたち4人が再び合流し、ヒラサキ領の現領主と学者の不穏な関係が明らかになります。
単なる武器ではなく、大量殺戮も可能な“兵器”の可能性が浮かび、ミサオの過去の世界の知識から、その危険性が語られました。
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