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第34話 蠢く策謀──子爵の野望と、迫る災厄の気配
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「・・・貴様達は出来損ないか!何故、ヨコースカの命が取れん!・・・我があのエセ善人の伯爵を嫌っている事を、主らは分かっておろうが!」
(パキャン!)
叫んだ男の手からワインの入ったグラスが飛び、少し離れて片膝を折って頭を下げている男の頭に当たって割れる。
「・・・申し訳ございません。」
グラスを当てられた男は姿勢も変えないまま、ただ謝罪する。
「何がこの国で五指に並ぶ暗殺部隊だ!ならどうして暗殺に失敗した!・・・3度。・・・3度も失敗。調べてみれば、捕縛された者もいるやも知れぬとの話。貴様らの腕も、父が言う程の実力ではないのだな。とんだ見込み違い。・・・やはり我の子飼いの学者に最初から任せれば良かったな?生き残りがいても困る。余計な事を言われれば我の立場も危ぶまれる。はてさて、面倒な事よ!」
言い放ち、部屋の机の羊皮紙やインクを手で払いのける男。
「・・・この不始末は必ずや私どもで何とか致します。・・・なのであの学者の使おうとしてる武器は何卒!ご容赦下さいませ!あれは国の民を数多く死なせるだけの災禍にございます!」
主人への礼で頭を下げたまま、こちらの男が訴える。
「我はヨコースカ伯爵が始末されれば良かっただけじゃ。・・・最近のこの領の税収を考えてみよ?頭打ちじゃ。我は父の様に安穏と過ごす人生などクソ喰らえじゃ!子爵などと言う爵位で終わろうとは思っておらぬ!・・・奴さえこの世から消えてくれれば、後は金の力で我を伯爵に推挙する者と繋ぎをつければ良い。なればこそのお主らだと言うのにの?」
(トントン。)
「誰じゃ!今大事な話をしておる!」
「・・・ご領主様~ん!そんな怖い声を大声で出したら、館の皆が震えてしまいますわよ~!」
薄いドレスを身にまとった化粧の濃い派手めの女性。
肉感的とでも言うのだろうか?
場の雰囲気も考えず、吠えていた男性の側へと歩き、しなだれかかる。
「マリ。すまぬのう~!無粋な真似をしてしもうた。今日はどうした?ん?」
「ご領主様~!先ほど商会の者から皇都で流行りの布地を見せられて~。新しいドレスを作って、ご領主様に見て頂きたいな~って!」
「そうか?マリは可愛いやつよのう?かまわんかまわん!すぐにドレスを作るが良い!・・・なんじゃお主、まだ居たのか?使えぬ者などその辺の石ころと変わらぬ。目障りじゃ!消えろ!」
子爵と呼ばれた男の慈悲もない言葉。
「・・・この失態は必ずや挽回して見せます故に。失礼致します。」
頭を下げたまま部屋を辞する男。
「・・・頭領!子爵様のあの言われよう、いくら何でも・・・。」
「それ以上は言うな。この館の中。どこで誰が聞いてるか分からん。」
部屋の外で待ち構えていた男の部下の発言を諌める、頭領と呼ばれた男。
「度重なる襲撃の失敗。万一の事を考えて、監視役をつけなかったのが痛い。しかしこのままだと、領主様はあの武器を使ってしまうかも知れぬ。・・・大勢の民の命を奪う物。あれだけは使わせてはならぬ。」
「あの、学者共が騒いでいる慈悲なき光と呼ばれる物ですか?」
「そうだ。あの様な物がこの領内に有るだけで、今現在、ここの領民は危機に晒されている。それを他の領まで運び、使おうとするなどと・・・。どれだけ鬼畜の所業なのか。・・・使わせてはならぬ。出来る事なら我らでヨコースカ伯爵のお命を再度狙う。そうすればご領主も翻意するやも知れぬ。・・・方法を練らねば。」
「・・・他領の領主を相手の領内で暗殺。しかもあの切れ者のヨコースカ。かえすがえすも移送の時に役目を果たせておれば・・・。」
「言うな。手の者達は精一杯の事をした。その命さえ捧げてな。このままだと奴らの襲撃も無駄となる。手段を考えねばな。」
領主の館の廊下を2人は前だけ見つめて歩いてゆく。
一方その頃ミサオ達は。
「お待たせしました!ミサオさん、ずっとここに居てくれてたんですか?」
クミコは薬師の組合に寄って、ヨコースカ領内で採った薬草を売ると共に、ヒラサキ領の情報を探って、今外に出てきた所。
「ん?30分、いや、半刻はかかるの見越して、その辺プラプラしてあちこち話かけてみてたよ。・・・やっぱ評判悪いな?ここの領主。」
「はい。組合の方も愚痴をこぼしてました。・・・それとここのご領主様なんですが・・・。」
「どしたの?何か耳寄りな情報あった?」
クミコが口籠った事に食いつくミサオ。
「組合の方の話だと、代替わりした今の領主様。・・・何やら学者を集めてやっているらしいと評判らしいです。何でも鉱石らしき物が発見されて、それを・・・。」
「それを?」
「武器作りに使える様にしているのだとか。」
「武器!・・・こりゃ、きな臭いどころの話じゃ無くなるかもな。ご領主様1人の話じゃ済まなくなる。クミコさん!図書館どころじゃねぇや!向こうの2人と合流して宿に戻ろう。市まで行けば探せるよね?」
急に焦りだすミサオ。
「ク、クリスは目立つから、人だかりある所を探せば・・・。」
「だよね?んじゃ急ごう!結構時間ヤバいかも・・・。」
2人は早足で、逆方向へと歩いていくのであった。
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
今回は、ヒラサキ領の不穏な内部事情を描く「敵側パート」と、ミサオたちの動きが合流へと向かう「味方側パート」の2軸で進行しました。
敵側では、新たに登場した子爵がヨコースカ伯への暗殺を執拗に狙っていた事実、そして民の命を脅かす“武器”の存在が明らかになります。単なる領内の内紛では済まされない規模の話が動き出していることが伺えます。
一方、クミコの調査によってその情報の一端がミサオたちにも届き、図書館での探索を取りやめ、急遽仲間との合流を優先する判断が下されます。テンポ感を重視しつつ、後に繋がる伏線を多く含んだ回となりました。
次回、ついに4人が合流し、本格的にヒラサキ領の真相と対峙していく展開が始まります。
(パキャン!)
叫んだ男の手からワインの入ったグラスが飛び、少し離れて片膝を折って頭を下げている男の頭に当たって割れる。
「・・・申し訳ございません。」
グラスを当てられた男は姿勢も変えないまま、ただ謝罪する。
「何がこの国で五指に並ぶ暗殺部隊だ!ならどうして暗殺に失敗した!・・・3度。・・・3度も失敗。調べてみれば、捕縛された者もいるやも知れぬとの話。貴様らの腕も、父が言う程の実力ではないのだな。とんだ見込み違い。・・・やはり我の子飼いの学者に最初から任せれば良かったな?生き残りがいても困る。余計な事を言われれば我の立場も危ぶまれる。はてさて、面倒な事よ!」
言い放ち、部屋の机の羊皮紙やインクを手で払いのける男。
「・・・この不始末は必ずや私どもで何とか致します。・・・なのであの学者の使おうとしてる武器は何卒!ご容赦下さいませ!あれは国の民を数多く死なせるだけの災禍にございます!」
主人への礼で頭を下げたまま、こちらの男が訴える。
「我はヨコースカ伯爵が始末されれば良かっただけじゃ。・・・最近のこの領の税収を考えてみよ?頭打ちじゃ。我は父の様に安穏と過ごす人生などクソ喰らえじゃ!子爵などと言う爵位で終わろうとは思っておらぬ!・・・奴さえこの世から消えてくれれば、後は金の力で我を伯爵に推挙する者と繋ぎをつければ良い。なればこそのお主らだと言うのにの?」
(トントン。)
「誰じゃ!今大事な話をしておる!」
「・・・ご領主様~ん!そんな怖い声を大声で出したら、館の皆が震えてしまいますわよ~!」
薄いドレスを身にまとった化粧の濃い派手めの女性。
肉感的とでも言うのだろうか?
場の雰囲気も考えず、吠えていた男性の側へと歩き、しなだれかかる。
「マリ。すまぬのう~!無粋な真似をしてしもうた。今日はどうした?ん?」
「ご領主様~!先ほど商会の者から皇都で流行りの布地を見せられて~。新しいドレスを作って、ご領主様に見て頂きたいな~って!」
「そうか?マリは可愛いやつよのう?かまわんかまわん!すぐにドレスを作るが良い!・・・なんじゃお主、まだ居たのか?使えぬ者などその辺の石ころと変わらぬ。目障りじゃ!消えろ!」
子爵と呼ばれた男の慈悲もない言葉。
「・・・この失態は必ずや挽回して見せます故に。失礼致します。」
頭を下げたまま部屋を辞する男。
「・・・頭領!子爵様のあの言われよう、いくら何でも・・・。」
「それ以上は言うな。この館の中。どこで誰が聞いてるか分からん。」
部屋の外で待ち構えていた男の部下の発言を諌める、頭領と呼ばれた男。
「度重なる襲撃の失敗。万一の事を考えて、監視役をつけなかったのが痛い。しかしこのままだと、領主様はあの武器を使ってしまうかも知れぬ。・・・大勢の民の命を奪う物。あれだけは使わせてはならぬ。」
「あの、学者共が騒いでいる慈悲なき光と呼ばれる物ですか?」
「そうだ。あの様な物がこの領内に有るだけで、今現在、ここの領民は危機に晒されている。それを他の領まで運び、使おうとするなどと・・・。どれだけ鬼畜の所業なのか。・・・使わせてはならぬ。出来る事なら我らでヨコースカ伯爵のお命を再度狙う。そうすればご領主も翻意するやも知れぬ。・・・方法を練らねば。」
「・・・他領の領主を相手の領内で暗殺。しかもあの切れ者のヨコースカ。かえすがえすも移送の時に役目を果たせておれば・・・。」
「言うな。手の者達は精一杯の事をした。その命さえ捧げてな。このままだと奴らの襲撃も無駄となる。手段を考えねばな。」
領主の館の廊下を2人は前だけ見つめて歩いてゆく。
一方その頃ミサオ達は。
「お待たせしました!ミサオさん、ずっとここに居てくれてたんですか?」
クミコは薬師の組合に寄って、ヨコースカ領内で採った薬草を売ると共に、ヒラサキ領の情報を探って、今外に出てきた所。
「ん?30分、いや、半刻はかかるの見越して、その辺プラプラしてあちこち話かけてみてたよ。・・・やっぱ評判悪いな?ここの領主。」
「はい。組合の方も愚痴をこぼしてました。・・・それとここのご領主様なんですが・・・。」
「どしたの?何か耳寄りな情報あった?」
クミコが口籠った事に食いつくミサオ。
「組合の方の話だと、代替わりした今の領主様。・・・何やら学者を集めてやっているらしいと評判らしいです。何でも鉱石らしき物が発見されて、それを・・・。」
「それを?」
「武器作りに使える様にしているのだとか。」
「武器!・・・こりゃ、きな臭いどころの話じゃ無くなるかもな。ご領主様1人の話じゃ済まなくなる。クミコさん!図書館どころじゃねぇや!向こうの2人と合流して宿に戻ろう。市まで行けば探せるよね?」
急に焦りだすミサオ。
「ク、クリスは目立つから、人だかりある所を探せば・・・。」
「だよね?んじゃ急ごう!結構時間ヤバいかも・・・。」
2人は早足で、逆方向へと歩いていくのであった。
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あとがき
今回は、ヒラサキ領の不穏な内部事情を描く「敵側パート」と、ミサオたちの動きが合流へと向かう「味方側パート」の2軸で進行しました。
敵側では、新たに登場した子爵がヨコースカ伯への暗殺を執拗に狙っていた事実、そして民の命を脅かす“武器”の存在が明らかになります。単なる領内の内紛では済まされない規模の話が動き出していることが伺えます。
一方、クミコの調査によってその情報の一端がミサオたちにも届き、図書館での探索を取りやめ、急遽仲間との合流を優先する判断が下されます。テンポ感を重視しつつ、後に繋がる伏線を多く含んだ回となりました。
次回、ついに4人が合流し、本格的にヒラサキ領の真相と対峙していく展開が始まります。
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