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第3話 異世界でも金は命より重い?そして火打石に革命を
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「狭いとこですが、どうぞお座り下さい。」
クミコにほどこされてテーブルへと向かうミサオ。木で作られたテーブルとイス。
(・・・畳もなけりゃ、布団でも無い。ガワはあるあるで人だけ日本風。やりにくいわぁ・・・。)
戸惑うミサオ。どこまでテンプレが通用するのかわからぬまま、目の前に出された木で作られたコップから水を飲む。
(ぬるいわぁ。・・・冷蔵庫なんてあるわきゃないし、TVもねぇ。ラジオもねぇ。車もそれほど走ってねぇ。オラこんな村~イヤだ~ってか?)
車など1台も見かけない。いや、そもそも舗装された道路さえあるのかわからない場所で呑気な事を考えるミサオ。
「・・・それで、ミサオさんはどちらから来られたんですか?」
小首をかしげて聞くクミコ。
「え?何と言えば良いのかな・・・。日本(にっぽん)。そこの中に神奈川県てあって、そこの川崎市川崎区ってガラ悪いとこ。」
「ニッポン?この国に似ていますけど、違う場所ですよね?遠いんですか?」
「え?似てんの?ここ何て言うの?」
前のめりに尋ねるミサオ。
「・・・ニホン。この国はニホンと言います。ちなみにここ自体は47ある州の中ののサガーミの州。ヨコースカ伯爵が治めるキヌガーサと言う土地です。」
(・・・これ、ギャグなのか?笑うとこか?)
固まるミサオ。
「どうされました?」
「・・・いや、自分の無知を嘆いてるだけ。で、ここはキヌガーサ・・・だっけ?この村・・・栄えてる町からどれくらい離れてるの?」
「そうですね・・・歩きで1時間くらいですかね?私の足で。チュウオーまでは。」
「・・・俺だともっとかかりそうですかね?それよりチュウオーって・・・ギャグじゃないよね?俺騙したりしてないよね?」
「え?何故あなたを騙すんですか?得も無いのに?」
不思議そうにミサオの顔を覗き込むクミコ。
(近い!それまずいから!勘違いされるやつだぞそれ!)
顔を赤らめそっぽを向くミサオ。
「お~い!肉持って来たぞ!・・・あれ?あたしお邪魔な感じ?出直す?」
いきなりのヤヨイの登場。
手にはニワトリに似た生き物を持って家の入り口に立って居る。
「何で邪魔なの?」
無邪気に微笑むクミコ。
「・・・色気のある場面じゃないよ?気は使わなくていいが・・・それ鳥だよな?」
「そう。ニワートリ。野生なんだけど繁殖力凄くてさ。定期的に狩らないと駄目だし、肉も手に入る。卵も食用。良いこと尽くめなんだよ。今日はウチの分確保してるからこれ、食べな。野犬に追われてちゃ、材料取りも出来なかったろ?」
「ヤヨイごめんね?交換出来る薬草類全部走ってる時落としちゃった。・・・キノコもあったんだけど・・・。」
ジト目でミサオを見るクミコ。
「いや、あれ狙ってたよな野犬?命とどっち大事だよ!」
「もしかしてナットゥモドーキ?あれ臭いけど湯掻いたら臭み取れて、スープの出汁取れるし身も美味いし、売れるもんなそこそこで。」
(あ~っ。そういう事。貴重な収入源。売れなくても食えば美味い。未練残るか・・・。)
「クミコさんすまん。あの時は余裕なかった。あれがそんな貴重なものとは知らんかったから。」
素直に詫びるミサオ。
「・・・知らなかったなら、仕方ないですよね。・・・うん、仕方ない。」
自らに言い聞かせる様に言うクミコ。
「・・・ヤヨイさん?あのキノコ、いかほどで売れるの?」
「大きさや質にもよるけど・・・引き取りは最低1本3000イェンくらいかな?」
「待て待て。イェン?まさか通貨これ使えないよな?」
ミサオが財布から持ってた日本円を出す。
「また見事に種類そろってたもんだ。これが一万円。こっち五千円。千円札3枚に、500円玉1枚。100円玉3枚。50円玉1枚に10円玉2枚。で、5円玉と1円玉・・・18879円。どうだ!」
「これ・・・ミサオの国の通貨なのか?」
「・・・やっぱ違うのか。そんなやっつけ設定まではないかよな?」
「・・・つけせって?」
「クミコさん、流していいよ?・・・となるとだ。仕事探さにゃいかんわな。衣食住何とかしないと飢え死にか・・・。クミコさん、ヤヨイさん。この村に空き家とか無いかな?後仕事とか・・・。そうだ!こういう時のギルドか!定番じゃんか!町に出ればギルドとかあったりするよね?」
興奮して話すミサオ。
「無いよ?そのギル何とかって。聞いたことない。ね?クミコ?」
「・・・それってお店ですか?町ではまだ開店してないと思いますが・・・。」
「マジ?あるあるじゃねぇの?・・・わがらんわ、今だに。まぁおいおいだ。」
とりあえず疑問を押し込めるミサオ。
「とりあえずトリ使ってゾースイ作るか?コミあるだろ?クミコ。」
「コミは一応あるわよ?それぐらいはウチも常備してるし。一人暮らしだと減らないのよ中々。」
「じゃ、2人でぱぱっと作るか。」
段取りをつけてかまどに向かう女子2人。
(カチッ!カチッ!)
「今日は着きが悪いわね?」
「それって火打石?このわらに火ぃつけんの?代わって。俺火ぐらいつけるよ。」
ポケットからライターを取り出し、藁束の先端に火をつけてかまどに放り込むミサオ。
「これでヨシ!・・・何?俺下手売った?」
口を大きく開けたまま固まる女子2人。
「・・・テヘペロ?」
ミサオはやらかしたようだった。
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございます!
3話目では、異世界の暮らしが少しずつ見えてきましたね。
村の文化や通貨の違いに戸惑いながらも、なんだかんだで現代知識でドヤ顔するミサオ。
ライターで火をつけて女子たちを固まらせるシーンは、思わず笑ってしまったのではないでしょうか。
異世界の常識とミサオの常識のギャップが、これからも面白い化学反応を起こしてくれそうです。
引き続き、彼の奮闘を見守ってください!
クミコにほどこされてテーブルへと向かうミサオ。木で作られたテーブルとイス。
(・・・畳もなけりゃ、布団でも無い。ガワはあるあるで人だけ日本風。やりにくいわぁ・・・。)
戸惑うミサオ。どこまでテンプレが通用するのかわからぬまま、目の前に出された木で作られたコップから水を飲む。
(ぬるいわぁ。・・・冷蔵庫なんてあるわきゃないし、TVもねぇ。ラジオもねぇ。車もそれほど走ってねぇ。オラこんな村~イヤだ~ってか?)
車など1台も見かけない。いや、そもそも舗装された道路さえあるのかわからない場所で呑気な事を考えるミサオ。
「・・・それで、ミサオさんはどちらから来られたんですか?」
小首をかしげて聞くクミコ。
「え?何と言えば良いのかな・・・。日本(にっぽん)。そこの中に神奈川県てあって、そこの川崎市川崎区ってガラ悪いとこ。」
「ニッポン?この国に似ていますけど、違う場所ですよね?遠いんですか?」
「え?似てんの?ここ何て言うの?」
前のめりに尋ねるミサオ。
「・・・ニホン。この国はニホンと言います。ちなみにここ自体は47ある州の中ののサガーミの州。ヨコースカ伯爵が治めるキヌガーサと言う土地です。」
(・・・これ、ギャグなのか?笑うとこか?)
固まるミサオ。
「どうされました?」
「・・・いや、自分の無知を嘆いてるだけ。で、ここはキヌガーサ・・・だっけ?この村・・・栄えてる町からどれくらい離れてるの?」
「そうですね・・・歩きで1時間くらいですかね?私の足で。チュウオーまでは。」
「・・・俺だともっとかかりそうですかね?それよりチュウオーって・・・ギャグじゃないよね?俺騙したりしてないよね?」
「え?何故あなたを騙すんですか?得も無いのに?」
不思議そうにミサオの顔を覗き込むクミコ。
(近い!それまずいから!勘違いされるやつだぞそれ!)
顔を赤らめそっぽを向くミサオ。
「お~い!肉持って来たぞ!・・・あれ?あたしお邪魔な感じ?出直す?」
いきなりのヤヨイの登場。
手にはニワトリに似た生き物を持って家の入り口に立って居る。
「何で邪魔なの?」
無邪気に微笑むクミコ。
「・・・色気のある場面じゃないよ?気は使わなくていいが・・・それ鳥だよな?」
「そう。ニワートリ。野生なんだけど繁殖力凄くてさ。定期的に狩らないと駄目だし、肉も手に入る。卵も食用。良いこと尽くめなんだよ。今日はウチの分確保してるからこれ、食べな。野犬に追われてちゃ、材料取りも出来なかったろ?」
「ヤヨイごめんね?交換出来る薬草類全部走ってる時落としちゃった。・・・キノコもあったんだけど・・・。」
ジト目でミサオを見るクミコ。
「いや、あれ狙ってたよな野犬?命とどっち大事だよ!」
「もしかしてナットゥモドーキ?あれ臭いけど湯掻いたら臭み取れて、スープの出汁取れるし身も美味いし、売れるもんなそこそこで。」
(あ~っ。そういう事。貴重な収入源。売れなくても食えば美味い。未練残るか・・・。)
「クミコさんすまん。あの時は余裕なかった。あれがそんな貴重なものとは知らんかったから。」
素直に詫びるミサオ。
「・・・知らなかったなら、仕方ないですよね。・・・うん、仕方ない。」
自らに言い聞かせる様に言うクミコ。
「・・・ヤヨイさん?あのキノコ、いかほどで売れるの?」
「大きさや質にもよるけど・・・引き取りは最低1本3000イェンくらいかな?」
「待て待て。イェン?まさか通貨これ使えないよな?」
ミサオが財布から持ってた日本円を出す。
「また見事に種類そろってたもんだ。これが一万円。こっち五千円。千円札3枚に、500円玉1枚。100円玉3枚。50円玉1枚に10円玉2枚。で、5円玉と1円玉・・・18879円。どうだ!」
「これ・・・ミサオの国の通貨なのか?」
「・・・やっぱ違うのか。そんなやっつけ設定まではないかよな?」
「・・・つけせって?」
「クミコさん、流していいよ?・・・となるとだ。仕事探さにゃいかんわな。衣食住何とかしないと飢え死にか・・・。クミコさん、ヤヨイさん。この村に空き家とか無いかな?後仕事とか・・・。そうだ!こういう時のギルドか!定番じゃんか!町に出ればギルドとかあったりするよね?」
興奮して話すミサオ。
「無いよ?そのギル何とかって。聞いたことない。ね?クミコ?」
「・・・それってお店ですか?町ではまだ開店してないと思いますが・・・。」
「マジ?あるあるじゃねぇの?・・・わがらんわ、今だに。まぁおいおいだ。」
とりあえず疑問を押し込めるミサオ。
「とりあえずトリ使ってゾースイ作るか?コミあるだろ?クミコ。」
「コミは一応あるわよ?それぐらいはウチも常備してるし。一人暮らしだと減らないのよ中々。」
「じゃ、2人でぱぱっと作るか。」
段取りをつけてかまどに向かう女子2人。
(カチッ!カチッ!)
「今日は着きが悪いわね?」
「それって火打石?このわらに火ぃつけんの?代わって。俺火ぐらいつけるよ。」
ポケットからライターを取り出し、藁束の先端に火をつけてかまどに放り込むミサオ。
「これでヨシ!・・・何?俺下手売った?」
口を大きく開けたまま固まる女子2人。
「・・・テヘペロ?」
ミサオはやらかしたようだった。
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あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございます!
3話目では、異世界の暮らしが少しずつ見えてきましたね。
村の文化や通貨の違いに戸惑いながらも、なんだかんだで現代知識でドヤ顔するミサオ。
ライターで火をつけて女子たちを固まらせるシーンは、思わず笑ってしまったのではないでしょうか。
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引き続き、彼の奮闘を見守ってください!
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