2 / 14
第2話 我が家の危機──獣人の正体と訪問者
しおりを挟む
「で!どうする?この状況。」
永井家自宅。ミサオとクミコ。そして・・・獣人と化した愛犬コジマル。
ミサオは困惑している。
「改めて冷静に考えると・・・どうなのかしらね?」
「いやどうもこうも、あのままで何か出来る?テレビ見てご覧よ!」
ミサオの指差す先には、和室のテレビ。
そこの画面には、先ほどの横須賀パーキングの映像。
「・・・絶対、バレるわよね?」
「・・・バレるバレないもあるけどさ。それより、こっちの問題だよ。・・・ジョロ、何でその、獣人何かに?」
ミサオが率直にコジマルに聞く。
「え?だってアイツ、パピとマミ襲おうとしたよね?ダメだよね?」
キョトンとした顔で逆に問い直す獣人・・・コジマル。
「・・・聞き方が悪かった。その、ジョロはさ、何でそんな姿になった?」
ミサオの言葉に唇に右手の人差し指を当て、左に頭をかしげるコジマル。
(改めてこの顔見ると・・・俺とクミコちゃんに似てねぇか?似てるよな!)
ミサオは1人ほくそ笑む。
「んと・・・決まってた事。アイツらとは、戦うって決まってたの。だから、この姿になった。」
淡々と言うコジマル。
「何その話!・・・マミ、どういう事だこれ?」
「あたしに聞いても!・・・ジョロさ、もしかして、元の姿。ワンコに戻れたりする?」
「うん。何で?」
(はぁ?戻れんのかよ!だったらあそこで戻ればもっと上手く誤魔化せ・・・今更か。)
「ジョロ、前の姿に戻って貰ってもいい?
家ではどっちがいいかわからんが、せめて人前では前の姿の方がトラブル少ないだろうからさ。」
ミサオのお願いにコジマルは素直にうなずき、いきなり光に包まれる。光が小さくなり、そこにはあのトイ・プードルのコジマルが居た。
「・・・えと、見た目元のまんま。マミ、どう?」
「いや、ジョロ以外の何者でも無いでしょ?さっきも本人認めてたし。」
「だからそうじゃなくて、あなたが見て!変なとことか、こう、毛色とか顔とかさ、比べるとこあんじゃんか?」
クミコの素早い全肯定に呆れるミサオ。
「ウ~ワフッ!(前と変わらないよね?マミ、パピ。)」
「そうよね?変わらずウチの息子よね?一体何言ってるの?アンタは。」
「待て待て待て!マミ!おかしいだろ?今、明らかに口ではワフッ!って言ったよな?でも頭ん中にジョロの言葉響いたよな?こんなの初めてだよな?」
「さっきも話してたんだから別におかしく無いんじゃない?」
クミコはもうコジマルの全てに対して無条件で受け入れている様子。
「あのさ、疑問は持とうよ。マミ、詐欺とか引っかかるぞ?そんなんじゃ。で、ジョロ。こういう事、前から出来たの?それともキッカケあってか?」
再度コジマルに問うミサオ。
(ピンポーン。)
「か!大事な話してる時に!マミ、ジョロと2階行っとけ。ジョロも、ちょっとだけ上に居てな。すぐ終わるから。」
2人を2階に上げて玄関を開けるミサオ。
「はい、どちら様でしょう?」
「お忙しい所申し訳ありません。・・・ちょっとお話がございまして、お伺いさせて頂きました。・・・横須賀パーキングの件なんですが。」
(来た!・・・どこの人間だ?)
平静を装い、話を誤魔化そうとするミサオ。
「あの、横須賀・・・パーキング、ですか?」
「ええ。例の化け物。アレを倒したお宅ののワンちゃん。コジマルくんについてお話したいと思いまして。あ、私警察の方から参りました、斎藤と申します。出来れば中に入れて頂いた方がお互い何かと・・・。」
(おかしくないか?車のナンバーからにしても早すぎる!ましてあの獣人がコジマルかどうか何てのこんなすぐ分からんだろうよ!)
内心疑心暗鬼になりながらも、不承不承家へと男を招き入れるミサオであった。
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
ご覧いただきありがとうございます。
今回は、横須賀パーキングでの出来事を経て帰宅した永井家で、改めてジョロ(コジマル)の変化と、その正体に向き合う回となりました。
獣人の姿になった理由を語るジョロ。それを受け止めるクミコ。冷静に見極めようとするミサオ。それぞれの反応が、家族としての絆と戸惑いを浮き彫りにしています。
そして玄関のチャイムが鳴る場面。訪問者が誰で、何を求めてくるのか──永井家の日常に、外の世界が静かに介入を始めました。
引き続き、次話もよろしくお願いいたします。
永井家自宅。ミサオとクミコ。そして・・・獣人と化した愛犬コジマル。
ミサオは困惑している。
「改めて冷静に考えると・・・どうなのかしらね?」
「いやどうもこうも、あのままで何か出来る?テレビ見てご覧よ!」
ミサオの指差す先には、和室のテレビ。
そこの画面には、先ほどの横須賀パーキングの映像。
「・・・絶対、バレるわよね?」
「・・・バレるバレないもあるけどさ。それより、こっちの問題だよ。・・・ジョロ、何でその、獣人何かに?」
ミサオが率直にコジマルに聞く。
「え?だってアイツ、パピとマミ襲おうとしたよね?ダメだよね?」
キョトンとした顔で逆に問い直す獣人・・・コジマル。
「・・・聞き方が悪かった。その、ジョロはさ、何でそんな姿になった?」
ミサオの言葉に唇に右手の人差し指を当て、左に頭をかしげるコジマル。
(改めてこの顔見ると・・・俺とクミコちゃんに似てねぇか?似てるよな!)
ミサオは1人ほくそ笑む。
「んと・・・決まってた事。アイツらとは、戦うって決まってたの。だから、この姿になった。」
淡々と言うコジマル。
「何その話!・・・マミ、どういう事だこれ?」
「あたしに聞いても!・・・ジョロさ、もしかして、元の姿。ワンコに戻れたりする?」
「うん。何で?」
(はぁ?戻れんのかよ!だったらあそこで戻ればもっと上手く誤魔化せ・・・今更か。)
「ジョロ、前の姿に戻って貰ってもいい?
家ではどっちがいいかわからんが、せめて人前では前の姿の方がトラブル少ないだろうからさ。」
ミサオのお願いにコジマルは素直にうなずき、いきなり光に包まれる。光が小さくなり、そこにはあのトイ・プードルのコジマルが居た。
「・・・えと、見た目元のまんま。マミ、どう?」
「いや、ジョロ以外の何者でも無いでしょ?さっきも本人認めてたし。」
「だからそうじゃなくて、あなたが見て!変なとことか、こう、毛色とか顔とかさ、比べるとこあんじゃんか?」
クミコの素早い全肯定に呆れるミサオ。
「ウ~ワフッ!(前と変わらないよね?マミ、パピ。)」
「そうよね?変わらずウチの息子よね?一体何言ってるの?アンタは。」
「待て待て待て!マミ!おかしいだろ?今、明らかに口ではワフッ!って言ったよな?でも頭ん中にジョロの言葉響いたよな?こんなの初めてだよな?」
「さっきも話してたんだから別におかしく無いんじゃない?」
クミコはもうコジマルの全てに対して無条件で受け入れている様子。
「あのさ、疑問は持とうよ。マミ、詐欺とか引っかかるぞ?そんなんじゃ。で、ジョロ。こういう事、前から出来たの?それともキッカケあってか?」
再度コジマルに問うミサオ。
(ピンポーン。)
「か!大事な話してる時に!マミ、ジョロと2階行っとけ。ジョロも、ちょっとだけ上に居てな。すぐ終わるから。」
2人を2階に上げて玄関を開けるミサオ。
「はい、どちら様でしょう?」
「お忙しい所申し訳ありません。・・・ちょっとお話がございまして、お伺いさせて頂きました。・・・横須賀パーキングの件なんですが。」
(来た!・・・どこの人間だ?)
平静を装い、話を誤魔化そうとするミサオ。
「あの、横須賀・・・パーキング、ですか?」
「ええ。例の化け物。アレを倒したお宅ののワンちゃん。コジマルくんについてお話したいと思いまして。あ、私警察の方から参りました、斎藤と申します。出来れば中に入れて頂いた方がお互い何かと・・・。」
(おかしくないか?車のナンバーからにしても早すぎる!ましてあの獣人がコジマルかどうか何てのこんなすぐ分からんだろうよ!)
内心疑心暗鬼になりながらも、不承不承家へと男を招き入れるミサオであった。
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
ご覧いただきありがとうございます。
今回は、横須賀パーキングでの出来事を経て帰宅した永井家で、改めてジョロ(コジマル)の変化と、その正体に向き合う回となりました。
獣人の姿になった理由を語るジョロ。それを受け止めるクミコ。冷静に見極めようとするミサオ。それぞれの反応が、家族としての絆と戸惑いを浮き彫りにしています。
そして玄関のチャイムが鳴る場面。訪問者が誰で、何を求めてくるのか──永井家の日常に、外の世界が静かに介入を始めました。
引き続き、次話もよろしくお願いいたします。
8
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる