勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです〜喚ばれた先は多夫多妻のトンデモない異世界でした〜

のりのりの

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第33章

異世界の女神サマは◯◯◯です(5)

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 そう答えながら、アナスティミアはぐいぐいとオレを抱きしめる。ミスティアナには存在しない、豊満な二つの双丘がオレの胸にぐいぐいとあたってくる。
 さすが、女神サマだ。なかなかの……弾力だ。

「あのね……」

 ミスティアナがしぶしぶと口を開く。

「魔王ちゃんの運命の番たちが、アナスティミアちゃんの世界にいてね……」

(ん? なんだ、その『運命の番』って。しかも『たち』って、複数形?)

 オレの素朴な疑問は無視されて、ミスティアナは言葉をつづける。

「運命の番と魔王ちゃんが交わると、アタシの世界にある魔素が、魔王ちゃんに使われるようになった……みたいなの……」

(なんだ、その設定は? しかも、ミスティアナ、頬を赤らめてモジモジしながら言わないでくれ……)

「だから……勇者ちゃんのクエストは無事、クリアってことで、勇者ちゃんのお願いをきいてあげたわよ」

(そっか……。ということは、三十六番目の勇者レイナは無事に自分の世界に戻れたんだな……)

 あれだけ急いで魔王城にやってきた勇者を五十年拘束する必要がなくて、ほっとする。よかった。よかった。

 勇者問題は片付いたが、なにやらやっかいな聞き捨てならない問題が浮上してきた。

「運命の番とオレが交わるって、どういうコトですか?」
「いや、そういうことだから、じゃんじゃんやりなよ」
「どういうことですか!」

 抗議するオレを、アナスティミアは豪快に笑い飛ばす。
 そして、ぐい、とオレの腰に腕をまわすと、おもいっきり自分の方へと引き寄せる。
 柔らかいモノの感触と同時に、硬いモノがオレの下半身にふれる。

(…………な、なんだコレは?)

 なじみのある異物感に、オレは恐る恐るその場所へと視線を落とす。
 衣装に隠れていてよくわからない。

「触っていいよ……」

 アナスティミアはオレの手をとると、自分のそこへとオレの手を導く。
 「きゃっ」とかいうミスティアナの可愛い悲鳴が聞こえた。
 オレは言われるがままにそこに手を置き、感触と形を確かめる。

「…………」

(ある! ある! 女性にはなくて、男性にはあるものがある!)

 このときのオレはどんな顔をしていたのだろうか。

 女神アナスティミアは両性具有の神だ!

 オレの動揺に、女神アナスティミアはとっても楽しそうだ。

「アタイは、出産と豊穣、婚儀と情欲の女神さっ」
「ええええっ」

 よりにもよって……。
 アナスティミアの告白にオレは慌てた。
 ヤバいよ。
 このまま捕獲されていたら、オレは間違いなく孕まされちゃうよ。
 オレもまた両方の性を使い分けることができるからね。

 しかしながら、オレの所持している『不死の申し子』には、子孫を残せない……という制限があるけどね。

 出産と豊穣、婚儀と情欲の女神にかかれば、そんな制限などないに等しいよ。
 むしろ、アナスティミアにしてみれば、オレは哀れで庇護すべき存在で、無聊を慰めるには格好のオモチャだ。
 まずいよ!
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