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聖女の崩御が神殿から発表があったのは、実際にはその半年後だったという話だ。
自分の娘が次期聖女だと知ったのは、娘が生まれて妻が亡くなりしばらくしてからの事だった。
人目を避けて我が家に現れたのは二人の神官だった。外見も神官とは分からない様な一般的な庶民の様相をされていたが、家の中で神力を見せられて正体を確認した。
その神官二人が娘に祝福を与えてくれた時には、身体がうっすらと黄金色に輝いた。
聖女様からの命を受けて来たという神官は、娘が次期聖女であることを私に話し、神殿からの使いが迎えにくるまでの間、大切に育ててもらいたいという話をしてきたのだ。言われなくとも妻が残した子供だ。大切に育てるつもりだった。だが、とても愛した妻は娘の出産で亡くなり、その娘まで聖女として国に奪われるのだと知った私の心の中は歪な感情に悩まされるようになってしまったのだ。
幸い、妻の妹が娘の世話を買ってでてくれたので一安心した。彼女は親身に娘の世話をしてくれた。
娘は妻によく似ていた。愛しいと思う反面、愛情をそそぐだけ手から離れて行った時の事を考えると恐ろしいと思った。妻の亡くなった大きな虚無の穴がこれ以上大きくなってしまったら、私には耐えられないだろう。
娘が生活に困らないようにもっと仕事に励もう、それを理由に孤独を感じる間もないほどに仕事を増やした。
全部自分の弱い心が選んだ道だった。
娘の孤独は考えなかった。考えられなかった。
だから、一人で修道院へ行ってしまったと知った時、頭の中が真っ白になった。
「違うんだ、そうじゃない、本当は・・・」
――――本当はいつだって大切でかわいくて仕方なかったんだ・・・。
「義兄さん、本当に伝えたい事は、ちゃんと言葉にしないと伝わらないのよ。それが大切な人であればあるほど」
何度か言われただろう言葉が胸に刺さる・・・
一回だけでも、何か一言だけでも、あの子を大切に思っているという言葉を、どうしてかけてやることもできなかったのかと、今になってどうしようもなく悔やむしかない自分を、どうすることも出来なかった。
その私に神殿からまた使いがやって来た。
貴方の娘は世界を救う旅に出たのです。悔やむ間があれば前に進みなさい。そう諭された。
時期聖女の神託は神殿と王族の一部しか知らない話だったらしい。
当然、国王は神殿に抗議をしたが、国民は王家よりも神殿の味方だった。それ以前も神殿は常に国民の為に動いていた。
前聖女様は今後の事を考え、食料確保や魔物との闘いの算段をつけられていた。王家は聖女の力に頼り何もしてこなかったのだから当然の結果だろう。
神殿はギフト持ちの人間を把握している。
どこにどのようなギフトを持つ人がいるのか分かっている。強い力や特別な力をもった者は魔物と戦う時には力強い味方になってくれるという考えからだ。
あれから、私の鍛冶打ちのギフトや能力も少しはその役に立つのだと知って、市民の為の武器や防具作りに携わっている。
どうか、あの子が幸せでありますように、ただただ、私の役目が終わり、そして死が訪れる時まで願う。
自分の娘が次期聖女だと知ったのは、娘が生まれて妻が亡くなりしばらくしてからの事だった。
人目を避けて我が家に現れたのは二人の神官だった。外見も神官とは分からない様な一般的な庶民の様相をされていたが、家の中で神力を見せられて正体を確認した。
その神官二人が娘に祝福を与えてくれた時には、身体がうっすらと黄金色に輝いた。
聖女様からの命を受けて来たという神官は、娘が次期聖女であることを私に話し、神殿からの使いが迎えにくるまでの間、大切に育ててもらいたいという話をしてきたのだ。言われなくとも妻が残した子供だ。大切に育てるつもりだった。だが、とても愛した妻は娘の出産で亡くなり、その娘まで聖女として国に奪われるのだと知った私の心の中は歪な感情に悩まされるようになってしまったのだ。
幸い、妻の妹が娘の世話を買ってでてくれたので一安心した。彼女は親身に娘の世話をしてくれた。
娘は妻によく似ていた。愛しいと思う反面、愛情をそそぐだけ手から離れて行った時の事を考えると恐ろしいと思った。妻の亡くなった大きな虚無の穴がこれ以上大きくなってしまったら、私には耐えられないだろう。
娘が生活に困らないようにもっと仕事に励もう、それを理由に孤独を感じる間もないほどに仕事を増やした。
全部自分の弱い心が選んだ道だった。
娘の孤独は考えなかった。考えられなかった。
だから、一人で修道院へ行ってしまったと知った時、頭の中が真っ白になった。
「違うんだ、そうじゃない、本当は・・・」
――――本当はいつだって大切でかわいくて仕方なかったんだ・・・。
「義兄さん、本当に伝えたい事は、ちゃんと言葉にしないと伝わらないのよ。それが大切な人であればあるほど」
何度か言われただろう言葉が胸に刺さる・・・
一回だけでも、何か一言だけでも、あの子を大切に思っているという言葉を、どうしてかけてやることもできなかったのかと、今になってどうしようもなく悔やむしかない自分を、どうすることも出来なかった。
その私に神殿からまた使いがやって来た。
貴方の娘は世界を救う旅に出たのです。悔やむ間があれば前に進みなさい。そう諭された。
時期聖女の神託は神殿と王族の一部しか知らない話だったらしい。
当然、国王は神殿に抗議をしたが、国民は王家よりも神殿の味方だった。それ以前も神殿は常に国民の為に動いていた。
前聖女様は今後の事を考え、食料確保や魔物との闘いの算段をつけられていた。王家は聖女の力に頼り何もしてこなかったのだから当然の結果だろう。
神殿はギフト持ちの人間を把握している。
どこにどのようなギフトを持つ人がいるのか分かっている。強い力や特別な力をもった者は魔物と戦う時には力強い味方になってくれるという考えからだ。
あれから、私の鍛冶打ちのギフトや能力も少しはその役に立つのだと知って、市民の為の武器や防具作りに携わっている。
どうか、あの子が幸せでありますように、ただただ、私の役目が終わり、そして死が訪れる時まで願う。
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