今日から俺はビッグバン! 〜男のこ○んと引き換えに手に入れたチートスキル《過剰増強》で、異世界では無敵の大爆発〜

アボカド18%

文字の大きさ
7 / 8
第一章 異世界に降り立つ!

07発目 冒険の仲間GETだぜ!

しおりを挟む
「きて……!」

 声が聞こえる……
 誰かが俺を呼んでいるのだろうか……

「起きてください!」
「エレーヌさん……?」

 その声を頼りに目を覚ますと、目尻に涙を浮かべるエレーヌさんに抱きしめられた。

「よかった……!」
「いったあ!」

 彼女が無事だったのは何よりなのだが、全身の筋肉が張り裂けるような激痛に思わず声が出る。

「すみません、動きっぱなしだったからか、身体がスッゴイ痛いんでちょっと勘弁してもらえると……」
「あ、ごめんなさい!」

 ジェロームとの激しい攻防のせいか、身体が悲鳴をあげているのがわかる。

「それよりもジェローム…… 
 あの魔族は、どうなったんですか?」
「私もさっき目が覚めたばかりでわからないんですけど…… ただ、あの光がまた見えたから急いでここに来てみたら、あなたが倒れているのを見つけたんです」

 少なくとも気を失っていた俺の命があるということは、奴を倒したと考えてもいいのだろうか?

「ただあの魔族は、あなたがなんとかしてくれたってことなんですよね?」
「それは、まあ……」
「ありがとうございます……」

 会話を続け頭を下げてくるが、俺が魔族であるジェロームを倒したという事実に加え、光を見たというその言葉、彼女にはわかったことがあるはずだ。

「お礼なんてやめてください。それよりその、起こしてもらって早々なんですが、実は話さないといけないことがあるんです……」

 そう思い、俺のスキルやそれのせいで魔族を呼んでしまったことについて話そうとしたのだが……

「大丈夫ですよ、無理に話さなくても」
「えっ?」
「どうやって魔族を倒したのかとか、あたりの様子はなんなのかとか、色々と気にはなりますけど、それでも何も言わずに黙っていたってことは、言いたくないことなんでしょう?」

 彼女はそう言って、深く追求しようとはしてこなかった。

 確かに言い出しにくい内容ではあるが、それでも、俺のせいであの村が襲われたという事実がある以上、ある程度話しておかないと、あまりにも不義理な気がしてならない。

 それに、スキルのこと以外にも色々と嘘をついていた訳で、俺自身としても黙っているのには思うところがある。

「それはそうですけど、でもやっぱり、見ず知らずの私に良くしてくれたエレーヌさんに、記憶がないとか嘘をついていたのは……!」
「いいんです。仮に森を消した光や魔族を呼んだ原因があなたにあったとしても、私にとってはあなたは助けてくれた恩人で、それにどこか妹の面影を感じるような、そんな不思議な人……  ただそれだけで十分なんです」

 だからと、最低限のことは伝えようとしたのだが、それも拒否されてしまった。

 まあ拒否というよりも、言わなくてもある程度はわかったうえで、聞かないようにしてくれているらしい。

「……すみません、ありがとうございます」
 
 黙っていたことや魔族を呼んでしまったことについては、許されたというよりも、見ないことにしてくれているといったところだろうが、それでも感じていた罪悪感はおかげで少し和らいだ。

「いいんですよ。ただ、その代わりにって言うと卑怯なのかもしれないんですけど……」

 そしてその代わりに何かお願いがあるらしいが、言葉を詰まらせている。

 一体どうしたんだろうか?

 もしかして、やっぱり妹のフリを続けて欲しいとか……

「私をこれから一緒に連れて行ってくれませんか?」
「え……?」

 なんて考える俺に対して発された言葉は、あまりにも意外なものだった。

 連れて行って欲しいって、行くあてもない俺に?

「村はその、もうダメですし……」

 確かにジェロームによって全員が殺されたというあの村に、この先一人で住み続けることは難しいだろう。

「行くあてがなくなったのは私も同じなので、旅をしているなら一緒に連れていってください!」

 しかしそれでも、俺といれば、いつまたあんな魔族との衝突になって危険に晒されるかもわからない。

 俺としても来て欲しい気持ちは山々だが、それでも彼女にとってリスクが高すぎる。

「それに、あなたは嘘をついていたって言ってっていましたけど、この辺りの地理なんかに詳しくないのは本当でしょうし、私がいたら力になれることも沢山あると思うんです……!」
「それは確かに、そうですけど……」

 この世界について何も知らない俺にとって彼女の存在は心強いものになるのだろうが、それでも簡単に頷くことはできない。

「それに、私だってこういうことができるんですよ!」

 そう言って、彼女は手のひらを俺の傷にかざし、何かを呟いたその瞬間

「治癒系の祈祷プレイスキルですか……?」

 彼女の手を通して放たれた温かい光が、ジェロームとの戦いの最中にできていた俺の傷を塞いでいく。

「はい。あなたの使ったあの光には及ばないとは思いますけど、これでも結構お役に立てるはずです!」

 この世界の知識だけでなく、俺には使えない回復系のスキルまで使えるらしい。

 だがしかし……

「それでも駄目ですか……?」
「駄目っていうか、その……」

 そんな純粋な瞳を顔を向けないでくれ!

 今の体は女の子でも、あくまで俺の中身は男な訳で、エレーヌさんみたいな美少女にそんな風に上目遣いで見つめられると……

「よろしくお願いします……」
「はい!」

 断れるわけがないんですよ……


---


「一つ聞きたいんですけどいいですか?」

 二人で旅に出ることに決まってから数分が経った頃。
 
 彼女の希望で村の人たちを埋葬するために戻っていたのだが、突然隣から声がかかる。

「あなたの名前を、教えてくれませんか?」
「え……」
「いや、言いたくないなら無理にとは言わないんですけど、やっぱりあなたとかって呼び続けるのはちょっと違和感があって……」

 それは確かにもっともな意見だ。
 しかも、これからの旅路を共にすると言うなら尚のこと名前ってのは必要だろう…… 

 けど、俺の本名ってこの世界だと絶対変だよな?
 
「言いたくないって訳じゃないんですけど……」
「それなら教えてくださいよ!」

 期待してくれてるのがわかる分、嘘をつくのは少し心苦しい気もするが、ここは前世のもう一人の俺の力を借りることにしようか……

「えっと…… 名前は、シャルロッテって言います」
「シャルロッテ…… この近くだとあんまり聞かないけど、素敵な名前ですね!」
「ははは……」

 これは、Vtuberとして活動していたときの名義。

 死因と絡めて少し思い出したくないことのはずだったんだが、異世界ここに来てから、あの活動での経験に助けられている部分も多い気がする。

「その、シャルさんって呼んでも良いですか?」
「好きに呼んでもらって大丈夫ですよ……」
「やった!」

 嘘をついた分、こんなに喜ばれると心が痛い
 まあ半分嘘でもないっちゃないが……

「そう言えば、これも聞きたかったんですけど、シャルさんはおいくつなんですか?」
「二十一歳ですよ」

 これは本当。

 日本人的な幼い容姿からして、彼女には信じられないかも知れないが、これに嘘はない。

「ウソ、私より三つも上……」

 案の定というかなんというか、彼女はやはり俺より若く、そして俺のことを年下だと勘違いしていたようだ。

 しかし、二人で旅をするとなると、俺はここでも女の子のフリをし続けないといけないのか……
 
 なんて、この先の微妙な気苦労に肩を落としつつ、俺の方も気になっていたことを口にしてみる。

「名前も教えたことですし、その、せっかく一緒に旅をするんですから、多少年は離れてるといっても、いつまでも堅苦しい敬語のままって言うのはやめません?」
「……!」

 彼女もその言葉を待っていたのか、その顔に笑顔が開き、元気な声が返ってくる。

「よろしくね、シャルさん!」
「よろしく、エレーヌ」


---


 色々と旅に向けて話を続けているうちに、目的のキーシャ村へと到着した。

「これは……」
「…………」

 ジェロームと対峙していたときはそれどころじゃなかったから見れていなかったが、村は血に塗れ相当に酷い有り様だ。

「大丈夫? エレーヌ」
「うん……」

 聞いたはいいが、大丈夫ではないだろう。
 先ほどまでは明るく笑顔だったエレーヌのその表情は、村に着いてからみるみるうちに曇っている。 

 それも当然、昨晩彼女から聞いた話では、この村の人達は両親を早くに亡くした彼女達を育ててくれたらしく、彼女にとっては親同然と言ってもいい人達だったのだろう。

 見ず知らずの他人である俺でもこの状況に対して思うところはあるというのに、そんな存在を一気に失ったエレーヌが、普通でいられると考える方がおかしい。

「ごめんね、みんな……」

 それでも涙を見せないで気丈に振る舞うのは、俺に罪悪感を感じさせないためか、それとも自分自身がおかしくなってしまわないためか……

「早く、埋葬してあげよう」
「そう、ですね……」

 エレーヌの返事はどこか気が抜けているが、ともかく、別の魔族がまた来ないとも限らないし、彼女のことを考えても、しっかりと彼らを埋葬して直ぐにでもこの村を後にするべきだ。

「…………」

 直接手を下したのはジェロームだったとは言え、その要因を作った俺は、この村の人たちを前にするとどこか罪悪感を感じずにはいられない。

 エレーヌは気にしていないと言ってはくれたが、このままでは俺まで駄目になってしまいそうだ。

「…………」

 そんな風に考えながら、重い空気のまま二人して淡々と埋葬用の穴を掘り続けていると、気付けば空が暗くなってきているのがわなる。

「急ごう……」
「うん……」


---


 村人達の埋葬が終わって数時間ほど経った頃、時間は既に深夜に近づいているだろうか。
 彼女がよく妹と一緒に寝ていたというベッドの上で、ふと目がさめてしまった。

 本来なら直ぐに出発しようかとも思っていたものの、エレーヌに今日は一旦休んでから出発しようと言われ、彼女の家で共に床についていたのだが……

「エレーヌはどこに?」

 その姿がベッドの上には見当たらない。
 部屋全体に目をやれば、扉が開いているのがわかるが、もしかして外に行ったのだろうか……
 
「何か嫌な予感がするな……」

 そう思い外に飛び出してみるが、見渡したところ、暗いのもあってか、彼女の姿は見つからない。
 しかし、今の彼女を一人にしておくのは、間違いなく良くないということはわかる。

「変な気を起こしたりしてないといいんだけど……」

 そう思い、集中して彼女を探そうとしたそのとき

「……ぅ、ぅ」

 すすり泣くような声が、家の裏手から微かに聞こえてくる。

 バレないように近づいて、覗き込んでみると、そこには口を手で押さえながら大粒の涙を流すエレーヌの姿があった。

 気を遣ってか俺の前では涙を見せないよう、埋葬の最中まで気丈に振舞ってはいたようだが、彼女はまだ俺よりも幼い少女のはずなのに、なんて優しい子なんだろうか……
 

 そんな彼女の思いを腐らせないためにも、俺はそのまま、元の寝室へと戻っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...