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3章 隣国へ
3-4 ファルガランへ
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「何……?」
「僕は国王だ。イザークを見つけたら、捕縛して、処刑命令を出さなきゃいけない」
「……そうだよね」
もしかして見逃してくれるかも、と期待していたけど甘かったか。
私は深呼吸をして、また口を開いた。
「でも、あのイザークを捕まえられる?」
親衛隊が束になってかかっても、返り討ちにされそうだ。
しかし、レオナルドはますます顔を曇らせた。
「イザークは抵抗しないんじゃないかな。ペンダントを盗むくらいだ。覚悟はしてると思う」
言われて、自分も何となく察していたことに気付いた。
察していたけど、受け入れたくなかったのだ。
唇を噛んでうつむくと、視界の端に、私を見つめるレオナルドが見えた。
彼は寂しげに眉を下げ、「やっぱり、君はイザークのことが……」と呟いた。
しかし、彼はふいに明るく微笑むと、
「大丈夫だよ、アナベル!」
と、声を張り上げた。
「処刑人が処刑対象なんだ。誰が執行するか、決まるまでに時間がかかる。その間に対策を練ろう」
顔は青ざめ、声は震えている。
かなり無理をしているようだ。
きっと、私を安心させるために。
「……ありがとう」
こっちも無理に笑ってみせる。
レオナルドは本当の笑顔だと信じたのか、ホッとしたように頷いた。
「ひとまず、僕は捜索隊を組むよ。少数精鋭で行こう。ヘイルフォード公爵には……見回りをすると伝えておく」
「わかった。私はエルディリス邸に行ってくる」
「リリィのところに?」
「サムエルさんに話を聞くの。最近、イザークとよく会ってたらしいから。行き先を絞れるかも」
「そうだったのか……じゃあ、そっちはよろしく頼む」
私たちは今後の動きを手早く取り決めて、執務室を出た。
ジョルジュさんは不安そうな顔をしつつも、黙って私についてきた。
父も、レオナルドを止めもせず、ただ見ているだけ。
妙だと思うべきだった。
が、私もレオナルドも焦ってしまって、それどころではなかった。
私は、今度は金細工付きの馬車に乗り込み、エルディリス邸へ向かった。
これなら王宮からの訪問だと示せる。
リリィたちと面会するまで、待たなくて済む。
その目論見通り、屋敷の門の前に立つと、すぐにリリィが出てきた。
嬉しそうに駆けてきた彼女は、前庭の半分ほどまで来た時、急に笑みを消した。
しかしリリィは足を止めず、私のところまで走ってきた。
「アナベル、どうしたの?そんなに怖い顔して……」
リリィは息を切らせて門を開けた。
ふいに、私を信じてペンダントを預けてくれたのに──という罪悪感が込み上げてくる。
「リリィ、ごめん……!」
「何のこと?説明して。ね?」
顔を寄せてきたリリィに、私は囁いた。
「イザークが、聖女のペンダントを持って、どこかに消えた」
リリィは数秒、きょとんとした。
その顔が見る間に驚愕にゆがむ。
「どうして……」
「まだ確定じゃないの。でも、状況的にそうとしか考えられない。それで、あの人の行き先を知りたいんだ。サムエルさんなら心当たりがあるかもしれないと思って」
「そ、そうね。中へ入って。客間で話しましょう」
リリィは私の手をつかみ、屋敷へ向かっていく。
ずいぶん手が震えている。
そう思ったけど、客間でリリィの手が離れた時、気が付いた。
震えているのは私の手だった。
ソファに腰掛け、焦りを抑え、サムエルさんを待つ。
ドアが開いた瞬間、思わず立ち上がってしまった。
リリィに続いてサムエルさんが入ってくる。
彼は眉を寄せていたが、私と目が合うと静かに微笑んだ。
「アナベル様、座って話しましょう」
「は、はい……あの、イザークはどこにいるんでしょう」
私は、サムエルさんたちと一緒に腰を下ろしながら、口を動かした。
「故郷に帰る、とは聞いたんですけど」
「そうですね……あくまでも私の予測ですが、イザークさんは、ファルガランの王都跡へ向かったと思います」
「跡?復興……できてないんですか?」
「あまりにも被害が大きいため、手をつけられなかったようです。魔王も近くにいましたし」
「……そうだったんですね」
「ええ。そして……イザークさんは、近頃はファルガランの聖女の証について、何度も私に尋ねてきました。それを探しているのなら、王都跡へ行くはずです」
「ん?えっと……?」
話が繋がらず、思わず首をかしげてしまった。
それはリリィも同じだったらしい。
「お父様。イザークはペンダントを探しているんでしょう?ファルガランの聖女が持っているんじゃないの?」
「ファルガランでは、聖女の証は国王が持つ決まりなんだよ」
サムエルさんが言うには、聖女が権力を持たないように、その証を取り上げていたらしい。
だから精霊も逃げちゃったのか……
「そして、前王様は王都で亡くなられたそうだ。だから、イザークさんは王都跡に行ったと思う」
サムエルさんはそこまで言うと、また私を見つめてきた。
「なぜペンダントが必要なのかはわかりませんが……とにかく彼を探さなくては」
「そうですね……サムエルさん、お話ありがとうございました」
「いいえ。それより、よろしければご案内しましょうか?」
「だ、大丈夫です!そこまでしてもらわなくても!王都の位置は地図で確認できますから」
「あの町は入り組んでいるんです。迷ったら簡単には出られませんよ。それに、私も彼が心配なので……」
「じゃあ……お願いします」
私が頭を下げると、リリィも「ついていく」と言った。
「見回りへ行く時は、いつも私が一緒でしょう?いなかったら貴族に怪しまれるわ」
「たしかに……リリィにまで迷惑かけて、ごめんね」
「迷惑じゃないわよ。お父様の故郷を見られるんだもの」
リリィは優しく微笑んだ。
明らかに気を遣われている。
私もしっかりしないと。
私は、大きく息を吸い込んだ。
「リリィ、ありがとう。私ももちろん一緒に行くよ。精霊のみんなが弱ってるだろうから、早くそばに行かないと」
その後、サムエルさんとリリィの支度が済むと、私は馬車で、リリィたちは馬で町の外へ出た。
私が馬車から下りると、すぐに名前を呼ばれた。
「アナベル様!」
ギデオンが手を振っている。
その後ろには、レオナルドとエリオット、ルーク……それだけだ。
想像以上の少人数で行くらしい。
「アナベル様、陛下からお話は伺っていますよ。まずは俺の馬にどうぞ」
「途中で僕の馬にもお乗りください。お父上に乗馬練習を止められているのでしょう?」
エリオットも微笑みかけてくる。
が、二人とも表情が硬い。
そこでルークがぎこちなく笑って、レオナルドを振り返った。
「僕たちも、もっと練習する時間があればなあ」
「そうだな、アナベルを乗せてあげられたのに」
レオナルドも、ちょっと変な笑顔を返した。
ああ、また気を遣わせてしまった。
「みんな、ごめ──」
「俺たちに謝罪は結構ですよ」
「ええ、すでに陛下やリリィ様に頭を下げて来られたのでしょう?」
「……ありがとう」
私がそう言うと、四人は「それでいい」というように頷いた。
私たちは普段通りを装い、街道を進んだ。
魔王討伐後は魔物が激減し、盗賊狩りに集中できた。
今のアルデリアは平穏そのもの。
のんびりと走る荷馬車の、御者台のおじさんは、私たちが切羽詰まっているなど考えもしないだろう。
途中、見張りを交代しながら一夜を過ごし、大聖堂跡地を抜け、山を越える。
魔王のせいで関所がめちゃくちゃになって、ファルガランとの話し合いも進んでいない。
誰に咎められることもなく、私たちは国境を越えた。
「あ……あれかな?王都って」
ファルガランに入って間もなく、外壁らしきものが遠くに見えた。
「そのようですね。イザークが、すぐ見つかるといいのですが……」
背後で手綱を取るエリオットが、返事をする。
王都には、日が昇り切る前に着いた。
アルデリアと同じく、町の中心に王城がある。
扉のなくなった門から、中へ入る。
すると、リリィが急にそわそわし始めた。
「何か、感じるわ。ファルガランのペンダントがあるせいかしら」
「ペンダントかどうかはわからないよ」
サムエルさんが、リリィの方へ馬を寄せた。
「実は……ファルガランの聖女の証を見たことがないんだ」
「えっ!」
「お父様も?聖女様の弟なのに?」
全員、目を丸くしてサムエルさんを見る。
「代々の国王が、秘密裏に受け継いできたからね」
そこまで頑なに隠されたら、聖女も辛かっただろう。
そんなことを考えていると、頭に声が響いてきた。
“聖女様、どこにいらっしゃるのですか……”
“聖女様、聖女様!”
私は息を詰め、声が聞こえる方向を探った。
「……わかった、お城だ!」
「ア、アナベル様。突然どうなさったのです?」
背後のエリオットが慌てている。
「ナギたちが呼んでるの。お城のそばに、みんなが……イザークがいるんだよ!」
「僕は国王だ。イザークを見つけたら、捕縛して、処刑命令を出さなきゃいけない」
「……そうだよね」
もしかして見逃してくれるかも、と期待していたけど甘かったか。
私は深呼吸をして、また口を開いた。
「でも、あのイザークを捕まえられる?」
親衛隊が束になってかかっても、返り討ちにされそうだ。
しかし、レオナルドはますます顔を曇らせた。
「イザークは抵抗しないんじゃないかな。ペンダントを盗むくらいだ。覚悟はしてると思う」
言われて、自分も何となく察していたことに気付いた。
察していたけど、受け入れたくなかったのだ。
唇を噛んでうつむくと、視界の端に、私を見つめるレオナルドが見えた。
彼は寂しげに眉を下げ、「やっぱり、君はイザークのことが……」と呟いた。
しかし、彼はふいに明るく微笑むと、
「大丈夫だよ、アナベル!」
と、声を張り上げた。
「処刑人が処刑対象なんだ。誰が執行するか、決まるまでに時間がかかる。その間に対策を練ろう」
顔は青ざめ、声は震えている。
かなり無理をしているようだ。
きっと、私を安心させるために。
「……ありがとう」
こっちも無理に笑ってみせる。
レオナルドは本当の笑顔だと信じたのか、ホッとしたように頷いた。
「ひとまず、僕は捜索隊を組むよ。少数精鋭で行こう。ヘイルフォード公爵には……見回りをすると伝えておく」
「わかった。私はエルディリス邸に行ってくる」
「リリィのところに?」
「サムエルさんに話を聞くの。最近、イザークとよく会ってたらしいから。行き先を絞れるかも」
「そうだったのか……じゃあ、そっちはよろしく頼む」
私たちは今後の動きを手早く取り決めて、執務室を出た。
ジョルジュさんは不安そうな顔をしつつも、黙って私についてきた。
父も、レオナルドを止めもせず、ただ見ているだけ。
妙だと思うべきだった。
が、私もレオナルドも焦ってしまって、それどころではなかった。
私は、今度は金細工付きの馬車に乗り込み、エルディリス邸へ向かった。
これなら王宮からの訪問だと示せる。
リリィたちと面会するまで、待たなくて済む。
その目論見通り、屋敷の門の前に立つと、すぐにリリィが出てきた。
嬉しそうに駆けてきた彼女は、前庭の半分ほどまで来た時、急に笑みを消した。
しかしリリィは足を止めず、私のところまで走ってきた。
「アナベル、どうしたの?そんなに怖い顔して……」
リリィは息を切らせて門を開けた。
ふいに、私を信じてペンダントを預けてくれたのに──という罪悪感が込み上げてくる。
「リリィ、ごめん……!」
「何のこと?説明して。ね?」
顔を寄せてきたリリィに、私は囁いた。
「イザークが、聖女のペンダントを持って、どこかに消えた」
リリィは数秒、きょとんとした。
その顔が見る間に驚愕にゆがむ。
「どうして……」
「まだ確定じゃないの。でも、状況的にそうとしか考えられない。それで、あの人の行き先を知りたいんだ。サムエルさんなら心当たりがあるかもしれないと思って」
「そ、そうね。中へ入って。客間で話しましょう」
リリィは私の手をつかみ、屋敷へ向かっていく。
ずいぶん手が震えている。
そう思ったけど、客間でリリィの手が離れた時、気が付いた。
震えているのは私の手だった。
ソファに腰掛け、焦りを抑え、サムエルさんを待つ。
ドアが開いた瞬間、思わず立ち上がってしまった。
リリィに続いてサムエルさんが入ってくる。
彼は眉を寄せていたが、私と目が合うと静かに微笑んだ。
「アナベル様、座って話しましょう」
「は、はい……あの、イザークはどこにいるんでしょう」
私は、サムエルさんたちと一緒に腰を下ろしながら、口を動かした。
「故郷に帰る、とは聞いたんですけど」
「そうですね……あくまでも私の予測ですが、イザークさんは、ファルガランの王都跡へ向かったと思います」
「跡?復興……できてないんですか?」
「あまりにも被害が大きいため、手をつけられなかったようです。魔王も近くにいましたし」
「……そうだったんですね」
「ええ。そして……イザークさんは、近頃はファルガランの聖女の証について、何度も私に尋ねてきました。それを探しているのなら、王都跡へ行くはずです」
「ん?えっと……?」
話が繋がらず、思わず首をかしげてしまった。
それはリリィも同じだったらしい。
「お父様。イザークはペンダントを探しているんでしょう?ファルガランの聖女が持っているんじゃないの?」
「ファルガランでは、聖女の証は国王が持つ決まりなんだよ」
サムエルさんが言うには、聖女が権力を持たないように、その証を取り上げていたらしい。
だから精霊も逃げちゃったのか……
「そして、前王様は王都で亡くなられたそうだ。だから、イザークさんは王都跡に行ったと思う」
サムエルさんはそこまで言うと、また私を見つめてきた。
「なぜペンダントが必要なのかはわかりませんが……とにかく彼を探さなくては」
「そうですね……サムエルさん、お話ありがとうございました」
「いいえ。それより、よろしければご案内しましょうか?」
「だ、大丈夫です!そこまでしてもらわなくても!王都の位置は地図で確認できますから」
「あの町は入り組んでいるんです。迷ったら簡単には出られませんよ。それに、私も彼が心配なので……」
「じゃあ……お願いします」
私が頭を下げると、リリィも「ついていく」と言った。
「見回りへ行く時は、いつも私が一緒でしょう?いなかったら貴族に怪しまれるわ」
「たしかに……リリィにまで迷惑かけて、ごめんね」
「迷惑じゃないわよ。お父様の故郷を見られるんだもの」
リリィは優しく微笑んだ。
明らかに気を遣われている。
私もしっかりしないと。
私は、大きく息を吸い込んだ。
「リリィ、ありがとう。私ももちろん一緒に行くよ。精霊のみんなが弱ってるだろうから、早くそばに行かないと」
その後、サムエルさんとリリィの支度が済むと、私は馬車で、リリィたちは馬で町の外へ出た。
私が馬車から下りると、すぐに名前を呼ばれた。
「アナベル様!」
ギデオンが手を振っている。
その後ろには、レオナルドとエリオット、ルーク……それだけだ。
想像以上の少人数で行くらしい。
「アナベル様、陛下からお話は伺っていますよ。まずは俺の馬にどうぞ」
「途中で僕の馬にもお乗りください。お父上に乗馬練習を止められているのでしょう?」
エリオットも微笑みかけてくる。
が、二人とも表情が硬い。
そこでルークがぎこちなく笑って、レオナルドを振り返った。
「僕たちも、もっと練習する時間があればなあ」
「そうだな、アナベルを乗せてあげられたのに」
レオナルドも、ちょっと変な笑顔を返した。
ああ、また気を遣わせてしまった。
「みんな、ごめ──」
「俺たちに謝罪は結構ですよ」
「ええ、すでに陛下やリリィ様に頭を下げて来られたのでしょう?」
「……ありがとう」
私がそう言うと、四人は「それでいい」というように頷いた。
私たちは普段通りを装い、街道を進んだ。
魔王討伐後は魔物が激減し、盗賊狩りに集中できた。
今のアルデリアは平穏そのもの。
のんびりと走る荷馬車の、御者台のおじさんは、私たちが切羽詰まっているなど考えもしないだろう。
途中、見張りを交代しながら一夜を過ごし、大聖堂跡地を抜け、山を越える。
魔王のせいで関所がめちゃくちゃになって、ファルガランとの話し合いも進んでいない。
誰に咎められることもなく、私たちは国境を越えた。
「あ……あれかな?王都って」
ファルガランに入って間もなく、外壁らしきものが遠くに見えた。
「そのようですね。イザークが、すぐ見つかるといいのですが……」
背後で手綱を取るエリオットが、返事をする。
王都には、日が昇り切る前に着いた。
アルデリアと同じく、町の中心に王城がある。
扉のなくなった門から、中へ入る。
すると、リリィが急にそわそわし始めた。
「何か、感じるわ。ファルガランのペンダントがあるせいかしら」
「ペンダントかどうかはわからないよ」
サムエルさんが、リリィの方へ馬を寄せた。
「実は……ファルガランの聖女の証を見たことがないんだ」
「えっ!」
「お父様も?聖女様の弟なのに?」
全員、目を丸くしてサムエルさんを見る。
「代々の国王が、秘密裏に受け継いできたからね」
そこまで頑なに隠されたら、聖女も辛かっただろう。
そんなことを考えていると、頭に声が響いてきた。
“聖女様、どこにいらっしゃるのですか……”
“聖女様、聖女様!”
私は息を詰め、声が聞こえる方向を探った。
「……わかった、お城だ!」
「ア、アナベル様。突然どうなさったのです?」
背後のエリオットが慌てている。
「ナギたちが呼んでるの。お城のそばに、みんなが……イザークがいるんだよ!」
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