77 / 105
3章 隣国へ
3-5 イザークの理由
しおりを挟む
「城に行くには、こちらが近道です!」
サムエルさんが手綱を引き、一本の路地に入った。
私たちもそれに続く。
右に左に道が曲がり、まるで迷路だ。
「この道……本当に城へ向かっているのか?」
「ギデオン、よそ見は禁物です。サムエル様を見失いますよ。一人でこの町を出られるのですか?」
エリオットの言葉で、ギデオンだけではなく全員が黙った。
いつ着くのかと不安になってきた頃、突然視界が開けた。
色あせた廃城が、巨大な幽鬼のようにそびえている。
その前で佇む人物は、黒いマントをつけていないせいか、鮮やかに浮き上がって見えた。
「イザーク!」
私が呼ぶと、肩に布の袋を提げたイザークは、ゆっくりと振り返った。
驚いた様子はない。
「やはり皆様でしたか」
私たちの到着を察していたのだろう。
彼は、遠くの気配まで読めるから。
「居場所は知られないと思ったのですが……お手数をおかけしました。アルデリアに戻りましょう」
「いや、戻りましょうって……ほかに言うことがあるでしょ!?」
イザークがあまりにも平然としているので、急に腹が立ってきて、怒鳴ってしまった。
「ペンダントを持っていったの、イザークなんだよね?」
「はい。申し訳ございません」
「そんな……必要なら言えばいいじゃない。私を誑かさなくても、手を貸してあげたのに!」
「誑かす!?」
レオナルドたちが、まず私を、次にイザークを見る。
イザークは、困ったように眉を寄せた。
「誑かしたつもりはございませんが」
「じゃあ、どういうつもりだったのよ!わざわざ来る約束をして、何の用かと思ったら、『あなたの顔が見たかっただけです』って!」
「……そんなこと、アナベルに言ったの?」
リリィが引き気味にイザークを見つめる。
「しかも深夜に……無駄に緊張しちゃったじゃない!」
「緊張って、ドキドキしたってこと……?」
レオナルドが恐る恐る尋ねてくる。
「そうだよ!だって夜に部屋へ行きたい、なんて言うから!」
「でも、アナベルはそれを拒否しなかったわけだよな……はあ……」
レオナルドはため息をついてうなだれた。
ギデオンやエリオット、ルークも同じように落ち込んでいる。
なぜかはわからないけど、今はそんなことを気にしている場合じゃない。
「ねえ、イザーク……昼間に来て、きちんと相談してほしかったよ!」
八つ当たりで喚いていると、馬の耳が落ち着かなげに、ピクピクッと動いた。
私は慌てて声を落とした。
「ペンダントを盗むために、私に嘘をついて動揺させて──」
「嘘ではありません」
イザークはきっぱりと私の話を遮った。
私は反射的に口をつぐんだ。
「ペンダントを奪うだけが目的なら、警備兵を気絶させ、王宮に侵入します」
「警備を気絶って……一応、熟練の兵士なんだが」
「イザークならやりかねませんよ……」
ギデオンとエリオットが、コソコソと言い合っている。
それを横目に、イザークがまた口を開いた。
「ペンダントを奪った者は死刑。ですから、最期にあなたの顔を見たかったのです。『絶対に死なない』というお約束を守れず、申し訳ありません」
静かに言われて、私は言葉を失った。
心の片隅では、「イザークは生きることにしがみつくはずだ」と思っていた。
なのに、ためらいなく「最期に」と言われたら、どう返せばいいかわからない。
「約束を守れない」という言葉の真意を突きつけられて、なぜ盗んだのか、と聞く余裕もなくなった。
呆然とする私へ、イザークが声をかけてくる。
「アナベル様、こちらへ来ていただけますか。ペンダントをお返しします」
「……アナベル様、どうぞ」
後ろにいたはずのエリオットが、私に手を差し伸べていた。
私が呆けている間に馬を降りたらしい。
促されるまま、私も馬を降り、イザークと向かい合った。
「ご心配をおかけしました。アナベル様にも、精霊様にも、謝罪いたします」
イザークは深く頭を下げると、布の袋から、柔らかそうな包みを取り出した。
彼はそれを丁寧に、丁寧に開いた。
聖女のペンダントが現れる。
イザークが、それを私の首にかけた途端、精霊たちがほわわんと現れた。
「聖女様……!来てくださったのですね、ありがとうございます!」
ナギが私の胸元に飛び込んでくる。
「聖女様ーっ!」
「聖女さまだ!」
ほかのみんなも私に向かって突撃してくる。
ピィピィ、キュンキュンと大騒ぎ。
母犬にじゃれつく子犬の群れみたいだ。
「みんな、お待たせ」
元気そうな精霊たちに安堵して、みんなを抱きしめる。
少しだけ心が慰められる。
そうしていると、レオナルドが、イザークの方に馬を寄せた。
「イザーク。僕は国王として、君を捕縛して、その……」
「承知しております。ご足労いただき恐れ入ります」
「う、うん……でもその前に、ペンダントを盗った理由を聞かせてくれないか」
「少々長くなりますが」
「それでも聞きたいんだよ。ものすごく不安だったし、心配したんだから」
ギデオンたちも同じなのだろう。
誰も異議を唱えない。
もちろん私だって知りたい。
死刑回避の糸口になるかもしれないのだから。
「では、僭越ながら……」
イザークは廃城を振り返り、ぽつりと呟いた。
「ファルガランの、聖女の証を探そうと思ったのです」
「聖女の証?」
聞き返したレオナルドに、イザークは頷いた。
「アナベル様のペンダントと、ファルガランの聖女の証──両者は同じ石から生まれたそうです。精霊様が力を結晶化し、それを分けたと。ですから、引き合うのではないかと考えたのですが……」
「見つからなかったのか?」
「……はい。そこで、次はファルガランの聖女にペンダントを託し、使えるか試そうと思いました」
「試すって……あ、危ないこと考えるなあ。暴走したらどうするんだよ」
「マチルダ様が身につけた際、それだけでは問題ないようでした。ですので、ひとまず精霊様の反応を見ようかと、今朝聖殿へ行ってまいりましたが……」
聖殿、という言葉にサムエルさんが息をのむ。
リリィも不安そうにイザークへ尋ねる。
「どうだったの?」
「完全に破壊されていました。聖女の生存も望み薄でしょう」
サムエルさんの顔が青ざめる。
それに気づいたイザークが目を伏せた。
「失礼しました」
「いえ……噂は聞いていましたので」
サムエルさんはゆっくりと息を吐き、イザークを見た。
「ですが、なぜそこまで?なぜ、ファルガランの聖女に力を使わせたかったのですか?」
「……そうだよ」
私はなんとか気持ちを落ち着けて、イザークに尋ねた。
「そんなに、ファルガランの聖女の力が必要なの?」
「はい。この国も、奥へ行けば穢れが広がっています。それに……」
「それに?」
「非常に手強い魔物が増えているそうです。早く討伐しなくては」
「そうだったの!?」
じゃあ今からぶっ飛ばしに──という言葉は、イザークの一言で引っ込んでしまった。
「一匹一匹に、魔王並みの力があるかもしれません」
それは……途中で魔力が切れるかもしれない。
私はため息をつき、しかしすぐに拳を握った。
準備を整えて、また来よう。
そして魔物を一匹ずつ潰そう。
ファルガランが安全になったら、イザークが元気になるかもしれない。
生きる気力が湧いて、処刑から逃げてくれるかもしれない。
考えていると、イザークが顔をしかめた。
「アナベル様は戦わないでください」
「まだ何も言ってないじゃん……というか、なんで?」
「もう、あなたを苦しめたくないのです」
それは、先日の浄化旅について言っているのだろうか。
だから私に相談せず、ペンダントを盗った?
私が倒れるのを見たくないから?
大事にされて嬉しいというより、彼の思いを推しはかれなかった自分が悔しくてならない。
だけど時間は戻せない。
それなら何としても、ここから挽回してやる。
「……イザーク、気にしてくれてありがとう。でも、だからって見過ごせないよ。今のファルガランには、魔物を倒せる人がいないんでしょ?」
「それに、そんな魔物がいるなら、いつかアルデリアも襲撃されるかもしれない」
そう言ったのはレオナルドだ。
「もっと数が増える前に、僕たちで倒してしまおう」
「忙しくなるわね。イザークの処刑を回避する方法まで考えなくちゃいけないんだから」
あごに手を当てるリリィに、「ねえ」とルークが声をかける。
「その件、このままごまかせないかな?ヘイルフォード公爵にもばれてないみたいだし」
「いえ、私は……」
イザークが何か言おうとするも、みんなの前向きな話し合いには口を挟めないようだ。
その後、イザークは大人しくついてきたが、アルデリアに帰るまでの道中、渋い顔をしていた……と思う。
私はあまり見ていないけど。
なぜなら、イザークが乗ってきた馬に乗せてもらったからだ。
私は前方を眺めつつ、背後のイザークに話しかけた。
「イザーク、アルデリアの王都だよ。もうすぐ着くよ」
「……そうですね」
返ってきたのは、低い声。
「ねえ、そろそろ機嫌を直したら?イザークがみんなに心配されて、私は嬉しいよ。孤立してると思ってたから」
「気分を害したのでは、ありません……」
やっぱり低い声が返ってくる。
ただ、たしかに不機嫌というより落ち込んでいるようだ。
まるで、物事がうまく進まなかったような……
ファルガランの魔物を倒すことは決まったのに、どうして喜ばないんだろう。
私が心配、というわけでもなさそうだ。
考えながら王都に入る。
その瞬間、考え事は吹き飛んでしまった。
大勢の兵士が現れ、私たちを取り囲んだからだ。
サムエルさんが手綱を引き、一本の路地に入った。
私たちもそれに続く。
右に左に道が曲がり、まるで迷路だ。
「この道……本当に城へ向かっているのか?」
「ギデオン、よそ見は禁物です。サムエル様を見失いますよ。一人でこの町を出られるのですか?」
エリオットの言葉で、ギデオンだけではなく全員が黙った。
いつ着くのかと不安になってきた頃、突然視界が開けた。
色あせた廃城が、巨大な幽鬼のようにそびえている。
その前で佇む人物は、黒いマントをつけていないせいか、鮮やかに浮き上がって見えた。
「イザーク!」
私が呼ぶと、肩に布の袋を提げたイザークは、ゆっくりと振り返った。
驚いた様子はない。
「やはり皆様でしたか」
私たちの到着を察していたのだろう。
彼は、遠くの気配まで読めるから。
「居場所は知られないと思ったのですが……お手数をおかけしました。アルデリアに戻りましょう」
「いや、戻りましょうって……ほかに言うことがあるでしょ!?」
イザークがあまりにも平然としているので、急に腹が立ってきて、怒鳴ってしまった。
「ペンダントを持っていったの、イザークなんだよね?」
「はい。申し訳ございません」
「そんな……必要なら言えばいいじゃない。私を誑かさなくても、手を貸してあげたのに!」
「誑かす!?」
レオナルドたちが、まず私を、次にイザークを見る。
イザークは、困ったように眉を寄せた。
「誑かしたつもりはございませんが」
「じゃあ、どういうつもりだったのよ!わざわざ来る約束をして、何の用かと思ったら、『あなたの顔が見たかっただけです』って!」
「……そんなこと、アナベルに言ったの?」
リリィが引き気味にイザークを見つめる。
「しかも深夜に……無駄に緊張しちゃったじゃない!」
「緊張って、ドキドキしたってこと……?」
レオナルドが恐る恐る尋ねてくる。
「そうだよ!だって夜に部屋へ行きたい、なんて言うから!」
「でも、アナベルはそれを拒否しなかったわけだよな……はあ……」
レオナルドはため息をついてうなだれた。
ギデオンやエリオット、ルークも同じように落ち込んでいる。
なぜかはわからないけど、今はそんなことを気にしている場合じゃない。
「ねえ、イザーク……昼間に来て、きちんと相談してほしかったよ!」
八つ当たりで喚いていると、馬の耳が落ち着かなげに、ピクピクッと動いた。
私は慌てて声を落とした。
「ペンダントを盗むために、私に嘘をついて動揺させて──」
「嘘ではありません」
イザークはきっぱりと私の話を遮った。
私は反射的に口をつぐんだ。
「ペンダントを奪うだけが目的なら、警備兵を気絶させ、王宮に侵入します」
「警備を気絶って……一応、熟練の兵士なんだが」
「イザークならやりかねませんよ……」
ギデオンとエリオットが、コソコソと言い合っている。
それを横目に、イザークがまた口を開いた。
「ペンダントを奪った者は死刑。ですから、最期にあなたの顔を見たかったのです。『絶対に死なない』というお約束を守れず、申し訳ありません」
静かに言われて、私は言葉を失った。
心の片隅では、「イザークは生きることにしがみつくはずだ」と思っていた。
なのに、ためらいなく「最期に」と言われたら、どう返せばいいかわからない。
「約束を守れない」という言葉の真意を突きつけられて、なぜ盗んだのか、と聞く余裕もなくなった。
呆然とする私へ、イザークが声をかけてくる。
「アナベル様、こちらへ来ていただけますか。ペンダントをお返しします」
「……アナベル様、どうぞ」
後ろにいたはずのエリオットが、私に手を差し伸べていた。
私が呆けている間に馬を降りたらしい。
促されるまま、私も馬を降り、イザークと向かい合った。
「ご心配をおかけしました。アナベル様にも、精霊様にも、謝罪いたします」
イザークは深く頭を下げると、布の袋から、柔らかそうな包みを取り出した。
彼はそれを丁寧に、丁寧に開いた。
聖女のペンダントが現れる。
イザークが、それを私の首にかけた途端、精霊たちがほわわんと現れた。
「聖女様……!来てくださったのですね、ありがとうございます!」
ナギが私の胸元に飛び込んでくる。
「聖女様ーっ!」
「聖女さまだ!」
ほかのみんなも私に向かって突撃してくる。
ピィピィ、キュンキュンと大騒ぎ。
母犬にじゃれつく子犬の群れみたいだ。
「みんな、お待たせ」
元気そうな精霊たちに安堵して、みんなを抱きしめる。
少しだけ心が慰められる。
そうしていると、レオナルドが、イザークの方に馬を寄せた。
「イザーク。僕は国王として、君を捕縛して、その……」
「承知しております。ご足労いただき恐れ入ります」
「う、うん……でもその前に、ペンダントを盗った理由を聞かせてくれないか」
「少々長くなりますが」
「それでも聞きたいんだよ。ものすごく不安だったし、心配したんだから」
ギデオンたちも同じなのだろう。
誰も異議を唱えない。
もちろん私だって知りたい。
死刑回避の糸口になるかもしれないのだから。
「では、僭越ながら……」
イザークは廃城を振り返り、ぽつりと呟いた。
「ファルガランの、聖女の証を探そうと思ったのです」
「聖女の証?」
聞き返したレオナルドに、イザークは頷いた。
「アナベル様のペンダントと、ファルガランの聖女の証──両者は同じ石から生まれたそうです。精霊様が力を結晶化し、それを分けたと。ですから、引き合うのではないかと考えたのですが……」
「見つからなかったのか?」
「……はい。そこで、次はファルガランの聖女にペンダントを託し、使えるか試そうと思いました」
「試すって……あ、危ないこと考えるなあ。暴走したらどうするんだよ」
「マチルダ様が身につけた際、それだけでは問題ないようでした。ですので、ひとまず精霊様の反応を見ようかと、今朝聖殿へ行ってまいりましたが……」
聖殿、という言葉にサムエルさんが息をのむ。
リリィも不安そうにイザークへ尋ねる。
「どうだったの?」
「完全に破壊されていました。聖女の生存も望み薄でしょう」
サムエルさんの顔が青ざめる。
それに気づいたイザークが目を伏せた。
「失礼しました」
「いえ……噂は聞いていましたので」
サムエルさんはゆっくりと息を吐き、イザークを見た。
「ですが、なぜそこまで?なぜ、ファルガランの聖女に力を使わせたかったのですか?」
「……そうだよ」
私はなんとか気持ちを落ち着けて、イザークに尋ねた。
「そんなに、ファルガランの聖女の力が必要なの?」
「はい。この国も、奥へ行けば穢れが広がっています。それに……」
「それに?」
「非常に手強い魔物が増えているそうです。早く討伐しなくては」
「そうだったの!?」
じゃあ今からぶっ飛ばしに──という言葉は、イザークの一言で引っ込んでしまった。
「一匹一匹に、魔王並みの力があるかもしれません」
それは……途中で魔力が切れるかもしれない。
私はため息をつき、しかしすぐに拳を握った。
準備を整えて、また来よう。
そして魔物を一匹ずつ潰そう。
ファルガランが安全になったら、イザークが元気になるかもしれない。
生きる気力が湧いて、処刑から逃げてくれるかもしれない。
考えていると、イザークが顔をしかめた。
「アナベル様は戦わないでください」
「まだ何も言ってないじゃん……というか、なんで?」
「もう、あなたを苦しめたくないのです」
それは、先日の浄化旅について言っているのだろうか。
だから私に相談せず、ペンダントを盗った?
私が倒れるのを見たくないから?
大事にされて嬉しいというより、彼の思いを推しはかれなかった自分が悔しくてならない。
だけど時間は戻せない。
それなら何としても、ここから挽回してやる。
「……イザーク、気にしてくれてありがとう。でも、だからって見過ごせないよ。今のファルガランには、魔物を倒せる人がいないんでしょ?」
「それに、そんな魔物がいるなら、いつかアルデリアも襲撃されるかもしれない」
そう言ったのはレオナルドだ。
「もっと数が増える前に、僕たちで倒してしまおう」
「忙しくなるわね。イザークの処刑を回避する方法まで考えなくちゃいけないんだから」
あごに手を当てるリリィに、「ねえ」とルークが声をかける。
「その件、このままごまかせないかな?ヘイルフォード公爵にもばれてないみたいだし」
「いえ、私は……」
イザークが何か言おうとするも、みんなの前向きな話し合いには口を挟めないようだ。
その後、イザークは大人しくついてきたが、アルデリアに帰るまでの道中、渋い顔をしていた……と思う。
私はあまり見ていないけど。
なぜなら、イザークが乗ってきた馬に乗せてもらったからだ。
私は前方を眺めつつ、背後のイザークに話しかけた。
「イザーク、アルデリアの王都だよ。もうすぐ着くよ」
「……そうですね」
返ってきたのは、低い声。
「ねえ、そろそろ機嫌を直したら?イザークがみんなに心配されて、私は嬉しいよ。孤立してると思ってたから」
「気分を害したのでは、ありません……」
やっぱり低い声が返ってくる。
ただ、たしかに不機嫌というより落ち込んでいるようだ。
まるで、物事がうまく進まなかったような……
ファルガランの魔物を倒すことは決まったのに、どうして喜ばないんだろう。
私が心配、というわけでもなさそうだ。
考えながら王都に入る。
その瞬間、考え事は吹き飛んでしまった。
大勢の兵士が現れ、私たちを取り囲んだからだ。
43
あなたにおすすめの小説
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
悪役令嬢に転生したけど、破滅エンドは王子たちに押し付けました
タマ マコト
ファンタジー
27歳の社畜OL・藤咲真帆は、仕事でも恋でも“都合のいい人”として生きてきた。
ある夜、交通事故に遭った瞬間、心の底から叫んだーー「もう我慢なんてしたくない!」
目を覚ますと、乙女ゲームの“悪役令嬢レティシア”に転生していた。
破滅が約束された物語の中で、彼女は決意する。
今度こそ、泣くのは私じゃない。
破滅は“彼ら”に押し付けて、私の人生を取り戻してみせる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる