7 / 12
Ⅱ 身の回りに平穏を
7 最初の断罪
しおりを挟む
その後、休憩を挟みながら馬車に揺られ──三日目の昼頃。
ようやくベリアの王宮に到着した。
少しずつやわらいでいたソルの空気感が、一気に緊張する。
そんな彼に、「安心して」と言えないことがもどかしい。
せめてと思い、エスコートを願い出た。
そうすれば彼の近くにいられるから。
二人で馬車の外へ出ると、王宮の前庭に、きらびやかな人々が集まっていた。
その先頭に立つのは金髪の男女。
王妃と国王かと思いきや、男性は私と同じ年頃だ。
第二王子カディスだろうか。
彼らの後ろに並ぶのは宮廷貴族だろう。
周りには親衛隊や侍従、奥には近衛兵が整列している。
私とソルが近づいていくと、先頭の、真っ青なドレスを着た女性がカーテシーをした。
「ようこそいらしてくださいました、皇女殿下。ベリア王妃、エルディエ・ベリオスです」
「第二王子のカディス・ベリオスと申します。お目にかかれて光栄です」
紺の上着を着たカディスが、お辞儀をする。
私たちも二人の前で立ち止まり、同じように挨拶をする。
「お出迎えくださり、ありがとうございます。国王陛下はどちらに?」
「謁見の間でお待ちしています。お迎えできず申し訳ありません」
「いいえ。王妃殿下と第二王子殿下にお会いできて、とても嬉しいです」
王妃たちとにこやかに話しながら、私は気づいていた。
体内でくすぶる小さな熱が、ぶわりと全身に広がるのを。
ようやく来たのだ。
ソルの侍従マデックの、破滅する時が。
◇
マデックは、ルナティア皇女たちの後方に控えながら、ひどく焦っていた。
このままでは、ルナティア皇女がソルに好感を持っていると知られてしまう。
自分は印象操作もできない無能だと、王妃に思われる。
なんとかソルに恥をかかせたい。
──そうだ。
バラを胸元に飾ると見せて、シャツを破ってやれ。
繊細なシルク生地だから、少し引っ掛けてやればすぐ裂ける。
しかし、ソルが怪我をするだろうか。
……いや、そうなれば万々歳だ。
しばらく医務室にソルを押し込んでおける。
その隙に、カディス王子と皇女を近づけられる。
自分は王族を傷つけたとして、処罰されるだろう。
しかし、王妃殿下の采配で軽く済むはずだ。
マデックは、そばに生えているバラを手折った。
ふとその見目を眺め──寒気がした。
無数の棘の一つひとつが、針のように鋭い。
こんなに凶悪なバラは見たことがない。
マデックは一瞬、怯んだ。
しかし、カディス王子の侍従のことを思い出し、メラメラと競争心が燃え上がる。
しがない書記官だったくせに。
「ソル殿下が失言をした」と記録し、貴族の間に噂を広めた。
それを王妃に気に入られて、成り上がった卑怯者め。
ソルが、あんなに馬鹿なことを、ベラベラと話すわけがないだろうが!
何年か侍従としてついて、よくわかった。
ソルは、腹が立つほど隙を見せない。
だから隙を作ってやるのだ。
マデックは、慎重にバラを持ち直し、ソルに近づいた。
「お話中、失礼いたします。ソル殿下。謁見の前に、帝国の象徴である赤をもう一つ差しては? 私からも祝福を」
マデックは、にやつく口元を隠そうと頭を下げた。
だから気づかなかった。
その人物がそばへ来たことに。
「僕にやらせてくれ。弟らしいことなど何もしていないから、せめてこれだけでも」
「えっ?」
マデックの鼻先を、甘ったるい香りがかすめた。
まずい──そう思った時には手遅れだった。
第二王子カディスが、マデックの手からバラを取り上げたのだ。
「痛っ!」
カディス王子が顔を歪め、膝をつく。
その手から血が滴る。
かと思うと、気を失い、石畳にどさりと倒れ込んだ。
恐ろしいほど静まり返った庭園に、金切り声が響いた。
「カディス!」
王妃が愛息子に駆け寄った。
「誰か、医師を!いえ、カディスを運んで!」
ソルやルナティア、マデックが呆然とする前で、二人の護衛兵がカディス王子を運んでいく。
「医師をカディス殿下の部屋へ!」
「気つけの酒を用意しろ!」
前庭はにわかに慌ただしくなった。
「お、王妃殿下……私は、私は……」
顔面蒼白のマデックを、王妃は肩を震わせて睨みつけた。
「なんということを!」
「い、いいえ、私はソル王子に!」
「まあ! ソル王子に、棘のついたバラを?」
ルナティアが悲鳴をあげる。
王妃が目を丸くしている間に、彼女は悲痛にまくし立てた。
「では、傷を負ったのはソル王子だったかもしれませんのね? 王妃殿下、由々しきことですわ! 過失といえど、王族を傷つけるなど、あってはならぬことです」
「いえ、僕は構いません。しかしカディスは……僕のために動いてくれたのに、かわいそうに」
ソルが心配そうに、カディス王子が去った方を見つめる。
ルナティアは、ここぞとばかりに胸に手を当て、眉尻を下げた。
「そうですわね。血を見て倒れてしまわれたわ。お体が弱くていらっしゃるのかしら。王妃殿下、第二王子殿下に『お大事に』とお伝えください」
「……恐れ入ります」
王妃は微笑んだが、目が笑っていない。
怒りをぶつけるように、再びマデックを睨んだ。
「この不届き者を、棒打ちの刑の上、王宮より追放しなさい!」
マデックの両脇を、近衛兵たちが捕らえる。
マデックはただ混乱していた。
──なぜ、こんなことに?
カディス王子はいつも、大人しく王妃に従っていた。
なのに、どうして今日に限って、あんなことをしようと思ったのか。
それに、たまたま自分のそばに、危険なバラが咲いているなんて。
こんな偶然があるのだろうか。
なぜだ。
自分は、平民の血を引くソルの侍従になり、屈辱の日々に耐えた。
八つ当たり目的でもあったが、ソルの反抗心を折るため、足蹴にした。
靴が汚れるのは不快だったが、王妃の望みならと我慢した。
ルナティア皇女の関心をカディス王子に向け、出世するはずだった。
こんな仕打ちを受ける道理はないのに。
ふとルナティアを見ると、彼女は微笑んでいた。
しかし、マデックを映す目には怒りがにじんでいる。
マデックの脳裏に、馬車の中での会話がよみがえる。
『色々教えてくれてありがとう。……あなたの行いが、報われますように』
少し、妙だと思った。
ルナティアは明らかにソルを気に入っていた。
なのに、ソルを貶める自分に礼を言い、労うとは。
いや、帝国の慣用句かもしれない。
そう思って流したのだが……
──報われますように。
あれは、ソルを虐げた報いを受けろ、ということだったのか。
しかし、祈っただけで何かが起きるなどあり得ない。
神でもなければ。
マデックは呆然としながら、近衛兵に引きずられていった。
ようやくベリアの王宮に到着した。
少しずつやわらいでいたソルの空気感が、一気に緊張する。
そんな彼に、「安心して」と言えないことがもどかしい。
せめてと思い、エスコートを願い出た。
そうすれば彼の近くにいられるから。
二人で馬車の外へ出ると、王宮の前庭に、きらびやかな人々が集まっていた。
その先頭に立つのは金髪の男女。
王妃と国王かと思いきや、男性は私と同じ年頃だ。
第二王子カディスだろうか。
彼らの後ろに並ぶのは宮廷貴族だろう。
周りには親衛隊や侍従、奥には近衛兵が整列している。
私とソルが近づいていくと、先頭の、真っ青なドレスを着た女性がカーテシーをした。
「ようこそいらしてくださいました、皇女殿下。ベリア王妃、エルディエ・ベリオスです」
「第二王子のカディス・ベリオスと申します。お目にかかれて光栄です」
紺の上着を着たカディスが、お辞儀をする。
私たちも二人の前で立ち止まり、同じように挨拶をする。
「お出迎えくださり、ありがとうございます。国王陛下はどちらに?」
「謁見の間でお待ちしています。お迎えできず申し訳ありません」
「いいえ。王妃殿下と第二王子殿下にお会いできて、とても嬉しいです」
王妃たちとにこやかに話しながら、私は気づいていた。
体内でくすぶる小さな熱が、ぶわりと全身に広がるのを。
ようやく来たのだ。
ソルの侍従マデックの、破滅する時が。
◇
マデックは、ルナティア皇女たちの後方に控えながら、ひどく焦っていた。
このままでは、ルナティア皇女がソルに好感を持っていると知られてしまう。
自分は印象操作もできない無能だと、王妃に思われる。
なんとかソルに恥をかかせたい。
──そうだ。
バラを胸元に飾ると見せて、シャツを破ってやれ。
繊細なシルク生地だから、少し引っ掛けてやればすぐ裂ける。
しかし、ソルが怪我をするだろうか。
……いや、そうなれば万々歳だ。
しばらく医務室にソルを押し込んでおける。
その隙に、カディス王子と皇女を近づけられる。
自分は王族を傷つけたとして、処罰されるだろう。
しかし、王妃殿下の采配で軽く済むはずだ。
マデックは、そばに生えているバラを手折った。
ふとその見目を眺め──寒気がした。
無数の棘の一つひとつが、針のように鋭い。
こんなに凶悪なバラは見たことがない。
マデックは一瞬、怯んだ。
しかし、カディス王子の侍従のことを思い出し、メラメラと競争心が燃え上がる。
しがない書記官だったくせに。
「ソル殿下が失言をした」と記録し、貴族の間に噂を広めた。
それを王妃に気に入られて、成り上がった卑怯者め。
ソルが、あんなに馬鹿なことを、ベラベラと話すわけがないだろうが!
何年か侍従としてついて、よくわかった。
ソルは、腹が立つほど隙を見せない。
だから隙を作ってやるのだ。
マデックは、慎重にバラを持ち直し、ソルに近づいた。
「お話中、失礼いたします。ソル殿下。謁見の前に、帝国の象徴である赤をもう一つ差しては? 私からも祝福を」
マデックは、にやつく口元を隠そうと頭を下げた。
だから気づかなかった。
その人物がそばへ来たことに。
「僕にやらせてくれ。弟らしいことなど何もしていないから、せめてこれだけでも」
「えっ?」
マデックの鼻先を、甘ったるい香りがかすめた。
まずい──そう思った時には手遅れだった。
第二王子カディスが、マデックの手からバラを取り上げたのだ。
「痛っ!」
カディス王子が顔を歪め、膝をつく。
その手から血が滴る。
かと思うと、気を失い、石畳にどさりと倒れ込んだ。
恐ろしいほど静まり返った庭園に、金切り声が響いた。
「カディス!」
王妃が愛息子に駆け寄った。
「誰か、医師を!いえ、カディスを運んで!」
ソルやルナティア、マデックが呆然とする前で、二人の護衛兵がカディス王子を運んでいく。
「医師をカディス殿下の部屋へ!」
「気つけの酒を用意しろ!」
前庭はにわかに慌ただしくなった。
「お、王妃殿下……私は、私は……」
顔面蒼白のマデックを、王妃は肩を震わせて睨みつけた。
「なんということを!」
「い、いいえ、私はソル王子に!」
「まあ! ソル王子に、棘のついたバラを?」
ルナティアが悲鳴をあげる。
王妃が目を丸くしている間に、彼女は悲痛にまくし立てた。
「では、傷を負ったのはソル王子だったかもしれませんのね? 王妃殿下、由々しきことですわ! 過失といえど、王族を傷つけるなど、あってはならぬことです」
「いえ、僕は構いません。しかしカディスは……僕のために動いてくれたのに、かわいそうに」
ソルが心配そうに、カディス王子が去った方を見つめる。
ルナティアは、ここぞとばかりに胸に手を当て、眉尻を下げた。
「そうですわね。血を見て倒れてしまわれたわ。お体が弱くていらっしゃるのかしら。王妃殿下、第二王子殿下に『お大事に』とお伝えください」
「……恐れ入ります」
王妃は微笑んだが、目が笑っていない。
怒りをぶつけるように、再びマデックを睨んだ。
「この不届き者を、棒打ちの刑の上、王宮より追放しなさい!」
マデックの両脇を、近衛兵たちが捕らえる。
マデックはただ混乱していた。
──なぜ、こんなことに?
カディス王子はいつも、大人しく王妃に従っていた。
なのに、どうして今日に限って、あんなことをしようと思ったのか。
それに、たまたま自分のそばに、危険なバラが咲いているなんて。
こんな偶然があるのだろうか。
なぜだ。
自分は、平民の血を引くソルの侍従になり、屈辱の日々に耐えた。
八つ当たり目的でもあったが、ソルの反抗心を折るため、足蹴にした。
靴が汚れるのは不快だったが、王妃の望みならと我慢した。
ルナティア皇女の関心をカディス王子に向け、出世するはずだった。
こんな仕打ちを受ける道理はないのに。
ふとルナティアを見ると、彼女は微笑んでいた。
しかし、マデックを映す目には怒りがにじんでいる。
マデックの脳裏に、馬車の中での会話がよみがえる。
『色々教えてくれてありがとう。……あなたの行いが、報われますように』
少し、妙だと思った。
ルナティアは明らかにソルを気に入っていた。
なのに、ソルを貶める自分に礼を言い、労うとは。
いや、帝国の慣用句かもしれない。
そう思って流したのだが……
──報われますように。
あれは、ソルを虐げた報いを受けろ、ということだったのか。
しかし、祈っただけで何かが起きるなどあり得ない。
神でもなければ。
マデックは呆然としながら、近衛兵に引きずられていった。
0
あなたにおすすめの小説
さようなら、私の初恋
しょくぱん
恋愛
「さよなら、私の初恋。……もう、全部お返しします」
物心ついた時から、彼だけが世界のすべてだった。 幼馴染の騎士団長・レオンに捧げた、十数年の純粋な初恋。 彼が「無敵」でいられたのは、アリアが無自覚に与え続けた『治癒の加護』があったから。
だが婚約直前、アリアは知ってしまう。 彼にとって自分は、仲間内で競い合う「賭けの対象」でしかなかったことを。
「あんな女、落とすまでのゲームだよ」
婚約者が他の令嬢に微笑む時、私は惚れ薬を使った
葵 すみれ
恋愛
ポリーヌはある日、婚約者が見知らぬ令嬢と二人きりでいるところを見てしまう。
しかも、彼は見たことがないような微笑みを令嬢に向けていた。
いつも自分には冷たい彼の柔らかい態度に、ポリーヌは愕然とする。
そして、親が決めた婚約ではあったが、いつの間にか彼に恋心を抱いていたことに気づく。
落ち込むポリーヌに、妹がこれを使えと惚れ薬を渡してきた。
迷ったあげく、婚約者に惚れ薬を使うと、彼の態度は一転して溺愛してくるように。
偽りの愛とは知りながらも、ポリーヌは幸福に酔う。
しかし幸せの狭間で、惚れ薬で彼の心を縛っているのだと罪悪感を抱くポリーヌ。
悩んだ末に、惚れ薬の効果を打ち消す薬をもらうことを決意するが……。
※小説家になろうにも掲載しています
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
とある伯爵の憂鬱
如月圭
恋愛
マリアはスチュワート伯爵家の一人娘で、今年、十八才の王立高等学校三年生である。マリアの婚約者は、近衛騎士団の副団長のジル=コーナー伯爵で金髪碧眼の美丈夫で二十五才の大人だった。そんなジルは、国王の第二王女のアイリーン王女殿下に気に入られて、王女の護衛騎士の任務をしてた。そのせいで、婚約者のマリアにそのしわ寄せが来て……。
【完結】貴方が見えない
なか
恋愛
––––愛し合っていると思っていたのは、私だけでした。
不慮の事故により傷を負い、ある後遺症を抱えたアイラ。
彼女は愛し合い、支え続けた夫には傷を受け入れてもらえると信じていた。
しかし彼の言葉は彼女の期待するものではなかった。
罵倒され、絶望に追い込まれたアイラ。
夫を支えてきた人生を否定された彼女だが、夜になるとある人物がメッセージを残していく。
それは非難する夫との離婚を促すメッセージだった。
昼間は彼女を罵倒する夫と、夜になると彼女を労わるメッセージを残す人物。
不可解な謎に困惑しながらも、アイラは離婚に向けて夫を断罪すると決めた。
考えが読めず、もう見えなくなった夫を捨てて……
彼女は新たな人生を歩み出すために進み始めた。
◇◇◇◇◇◇
設定は甘め。
読んでくださると嬉しいです!
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月 瑠々奈
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
美人な姉を溺愛する彼へ、最大の罰を! 倍返しで婚約破棄して差し上げます
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢マリアは、若き大神官フレッドとの結婚を控え、浮かれる日々を送っていた。しかし、神殿での多忙を理由になかなか会えないフレッドへの小さな不安と、結婚式の準備に追われる慌ただしさが、心に影を落とし始める。
海外で外交官の夫ヒューゴと暮らしていた姉カミーユが、久しぶりに実家へ帰省する。再会を喜びつつも、マリアは、どこか寂しい気持ちが心に残っていた。
カミーユとの再会の日、フレッドも伯爵家を訪れる。だが、その態度は、マリアの心に冷たい水を浴びせるような衝撃をもたらした。フレッドはカミーユに対し、まるで夢中になったかのように賛辞を惜しまず、その異常な執着ぶりにマリアは違和感を覚える。ヒューゴも同席しているにもかかわらず、フレッドの態度は度を越していた。
フレッドの言動はエスカレートし、「お姉様みたいに、もっとおしゃれしろよ」とマリアにまで、とげのある言葉を言い放つ。清廉潔白そうに見えた大神官の仮面の下に隠された、権力志向で偽善的な本性が垣間見え、マリアはフレッドへの信頼を揺るがし始める。カミーユとヒューゴもさすがにフレッドを注意するが、彼は反省の色を一切見せない。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる