絶望のカナタに

ポロすけ

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第一章

プロローグ

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ゴォォォォォォォ
   
意識はすでに途切れつつある。体を途轍もない浮遊感が襲い、景色から猛スピードで光が消えて風の音だけが聞こえる。   

   手足を締め付ける純黒の鎖がカタカタと音を立てる。
   
   そんなあまりに絶望的な光景に、神原カナタは苦悶の表情を浮かべ、自らの人生を振り返る。

   欲しかったのはなんてことも無い平凡な人生だった。

   咎められるべきことなど一つもしていない。

   その体質故に他人の何倍もの苦労を積み、そしてついに人並みの幸福というものを手に入れることが出来た。

   それだけで充分だった。望みを叶え、やり直せると思った。なのに。

(なのに……。なんで…なんで俺は ───)

   そんな声なき声は誰にも届くことなく、ただ霧散するようにかき消えていく。やがてカナタの姿は奈落の闇へ溶けていき、残るのは無慈悲な暗黒のみだった。
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